長和町住民自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 長和町 | 自治体コード | 20350 |
都道府県名 | 長野県 | 都道府県コード | 00020 |
人口(2015年国勢調査) | 5,600人 |
条例データ
制定年 | 2016年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://town.nagawa.nagano.jp/docs/2016122200028/ |
条例本文
○長和町住民自治基本条例
平成28年12月21日
条例第31号
平成17年10月1日、長門町と和田村が互いの自治を認め合い、明るく希望に満ちた新たな時代をひらくため合併し、長和町が誕生しました。
私たちが暮らす長和町は長野県のほぼ中央に位置し、美ヶ原高原をはじめとする周囲の山岳地帯から流出する豊富な水に恵まれた、緑あふれる水明の里です。
この地域は、古くは旧石器・縄文時代の黒耀石文化の時代、中山道長久保宿・和田宿が栄えた江戸時代、近年では別荘やスキー場などの地域開発など、いつの時代も多くの人々が行き交い、交流を深めたふれあいの場でした。
近年の少子高齢化の急速な進行、生活圏域の拡大や行政サービスの多様化など、社会情勢は大きく変化しています。さらに、地方分権社会の進展にともない、私たちはよりいっそう自らが考え行動し、責任を持ってこれら課題の解決を図っていく必要があります。
私たちは、この恵まれた自然と景観を活かし、歴史に学び人と文化を育むまちづくりなど、長和町町民憲章に掲げられたまちづくりの基本的な理念に沿って、魅力あふれる、住み続けたい、住んでみたいとの思いが高まるまちを創っていかなければなりません。そのために私たちは、自らの意思と責任により、まちづくりに参加し、住民と町が「協働」して活力あるまちづくりを進めていくことが重要です。
私たちは、このような認識のもとに、住民総参加のまちづくりの重要性を自覚し、より一層の推進を図ることにより、活気に満ちた将来に夢が持てるまちを目指して、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、住民自治の基本理念に基づき、住民、行政、議会がそれぞれの役割を確認し、住民参加と協働のまちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、活力ある豊かな地域社会の実現を図ることを目的とします。
(用語の意義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 住民
町内に居住する者、町内に在勤又は在学する者、町内で事業その他の活動を行う者、公共的かつ公益的な活動(政治活動、宗教活動等を除きます。)を行う営利を目的としない団体をいいます。
(2) 区・自治会
区は地縁により構成された団体をいい、自治会は区を統括する自治組織をいいます。
(3) 町
町議会と町の執行機関を含めた地方公共団体をいいます。
(4) 町議会
住民の意思を代表し、審議・決定する機関をいいます。
(5) 町の執行機関
町の行政事務を管理執行する機関をいいます。
(6) 住民自治
住民の意思による住民活動、また自治組織の活動を通じて、豊かな地域社会を実現することをいいます。
(7) 住民参加
町が行う主要な計画の策定、事業の実施等に対し、住民が主体的に参加することをいいます。
(8) 協働
住民、町議会及び行政(町の執行機関)は対等の立場で、それぞれが果たすべき責任と役割を認識し、互いに補完し合いながら、様々な課題に取り組み、連携・協力することをいいます。
(9) まちづくり
様々な活動を通じて心豊かに安心して暮らせる環境及び豊かな地域社会を創ることをいいます。
(条例の位置付け)
第3条 この条例は、町が定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定・改廃、及びまちづくりに関する計画の策定、又は変更にあたっては、この条例の趣旨を尊重します。
(まちづくりの基本原則)
第4条 住民及び町は、次に掲げる原則に基づき、自治の実現と協働のまちづくりを進めます。
(1) 公共的かつ公益的な活動に対する主体性、自主性及び自立性を尊重すること。
(2) 社会における責任ある行動のもとに、多様な価値観が尊重されること。
(3) まちづくりに関する情報を共有すること。
(4) 地域的課題及び社会的課題への取組み、公共サービスの提供等公共の領域を分任すること。
(5) 役割分担を明確にし、連携・協力すること。
(6) まちづくりの原点は、人づくりにあることを基本としていること。
(7) 住民参加によるものであること。
(8) 世代を超えた地域の持続的な発展及び地域に根ざした文化の継承に寄与するものであること。
(9) 健全財政を基本とする行政運営を行うこと。
(情報の提供と共有)
第5条 町は、住民の知る権利を保障するとともに、住民のまちづくりへの参加を促進し、その保有する情報の積極的な公開及び提供に努めることとします。
2 前項に規定する情報公開については、別に定めます。
(個人情報の保護)
第6条 町は、その保有する個人情報について、厳正な保護を行うとともに、自己に関わる情報の開示等を求める権利を明らかにし、個人の権利、利益を守ります。
2 前項に規定する個人情報の保護については、別に定めます。
(説明責任)
第7条 町は、施策の立案、実施及び評価のそれぞれの段階において、その内容及び必要性を住民にわかりやすく説明することに努めるものとします。
2 町は、住民の町政に関する意見及び要望に対し、迅速かつ誠実に応答するよう努めるものとします。
(区や自治会の意義及び住民の責務)
第8条 住民は、互いに助け合い、地域の課題に自ら取り組むことで、心豊かに安心して暮らせる生活環境を築いている区や自治会の意義を認識し、尊重します。
2 住民は、区や自治会に加入し、区や自治会を通じて行動することで、地域の一員としてその責務を果たしていくことに努めるものとします。
3 区や自治会に加入することができない特別な事情がある場合は、区や自治会に加入した場合に準じて、地域における負担を分任し、地域で生活していくうえで責任ある行動に努めるものとします。
4 町は、区や自治会の自主性及び自立性を尊重し、協働してまちづくりを進めるものとします。
(区や自治会の活性化)
第9条 区や自治会は、時代の変化による住民の生活様式及び価値観の多様化等を認識し、住民自治を推進するためにふさわしい運営をするとともに地域内の住民が加入できる組織づくりに努めます。
2 区や自治会は、自らの役割及び活動に関し、住民の理解を得るように努めるとともに、住民活動を通じて住民自治意識の高揚に努め、住民は、その活動を理解し、協力します。
3 町は、区及び自治会と連携・協力し、住民活動の活性化に努めるものとします。
(住民参加の推進)
第10条 住民及び町は、地域社会における課題及び行政課題を相互に共有し、その解決に向けて協働して取り組むことができるよう住民参加を推進するものとします。
2 住民は、町における課題の把握並びに計画等の策定、事業の実施及び評価の各段階において参加することができます。この場合において、町は、多様な住民参加の機会を設けるよう努めるものとします。
3 町は、基本的な計画又は特に重要な政策等を策定する場合は、効率的かつ効果的な住民参加の手続きを経るものとします。
4 町は、まちづくりに関する住民からの提言、提案、意見等をその施策に反映させるよう努めるものとします。
(住民の役割)
第11条 住民は、地域社会の課題の解決及び住みよい豊かな地域社会の構築に向けて自ら行動し、相互に協力することを基本とする住民自治を推進します。
2 住民は町の活動に関心を持つとともに、互いにまちづくりへの参加を促し合うよう努めます。
3 住民は、まちづくりへの参加にあたり、公共性の視点をもって行動します。
(町長の役割)
第12条 町長は、協働のまちづくりを推進し、自治の実現に努めます。
2 町長は、住民が主体的に行う住民自治活動を推進し、これをまちづくりに活かします。
3 町長は、まちづくりの推進にあたって、自立した基礎自治体として、健全な財政運営、計画的な事業の実施及び必要とする行政サービスの提供に努めるものとします。
(議会の役割)
第13条 町議会は、町政の審議及び議決機関として、住民の意思を代表し、住民自治の実現を推進するとともに、議会の活動に関する情報を住民にわかりやすく提供し、開かれた議会運営に努めるものとします。
2 議員は、議会がその権限を適切に行使できるように、地域の課題及び住民の意見を把握するとともに、議員活動を通じて協働のまちづくりの推進に努めるものとします。
(町の事業の協働化)
第14条 住民は、町の事業を協働して実施することにより、当該事業をより効果的に実施できるものについて、町長に対し提案することができるものとします。
2 町長は、町が行う事業のうち住民の特性を活かすことのできるものについては、適切な方法により住民と協働して実施できるよう努めるものとします。
(支援体制)
第15条 町長は、自発的かつ主体的に行われる非営利の活動で、不特定かつ多数の利益の増進に寄与することを目的とする公共的かつ公益的な活動について、その活動を促進するための適切な支援策を講じるよう努めるものとします。
2 町長は、前項の規定により支援策を講じる場合は、活動を行うものの自主性及び自立性を尊重するとともに、支援を実施するにあたっては、公平性を確保するものとします。
(財政運営)
第16条 町長は、基本構想及び基本計画に基づき、総合的かつ計画的な行政運営に努めます。
2 町長は、効率的かつ効果的な施策の実施により、健全な財政運営に努めるとともに、財政状況をわかりやすく公表するものとします。
3 町長は、自立した基礎自治体を確立するため、経済基盤の確立に向けた施策を講ずるものとします。
4 町長は、財政の健全化及び自立的な財政基盤の確立に努め、受益者負担の原則及びこの条例で定める公共領域の分任の原則に基づき、住民負担の適正化を図るものとします。
5 町長は、必要とする行政サービスを確実に提供できるよう常に行政サービスの見直しに努めるものとします。
(行政評価)
第17条 町長は、総合計画などの重要な計画、予算、決算、事務内容などについて評価を実施します。
2 町長は、前項の評価の結果を分かりやすく住民に公表し、政策や事務執行に反映していきます。
(協働等を推進するための住民集会)
第18条 町長は、協働のまちづくり等に関し、広く住民の意見を聴くため、住民集会を開催します。
2 住民集会では、この条例の運用状況を検証し、協働のまちづくりを推進するための施策等について提言することができます。
(住民投票)
第19条 町長は、町政に関わる重要案件について、広く住民の意思を確認するため、議会の議決を経て、住民投票の制度を設けることができます。
2 住民投票の実施に当たり必要な事項は、別に定めます。
(条例の見直し)
第20条 町長は、この条例の施行後、5年を超えない期間ごとに、この条例に定める自治の実現及び協働のまちづくりの推進等に関する事項について、社会情勢との適合性を検討するものとします。
2 町長は、前項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例及びこの条例に基づく制度等の見直しが適当であると判断したときは、必要な措置を講ずるものとします。
3 町長は、第1項に規定する検討及び前項に規定する必要な措置を講ずる場合は、住民参加の機会を設けるものとします。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、町が別に定めます。
附 則
この条例は、平成29年4月1日から施行する。