サシバの里いちかい基本条例
自治体データ
自治体名 | 市貝町 | 自治体コード | 09344 |
都道府県名 | 栃木県 | 都道府県コード | 00009 |
人口(2015年国勢調査) | 11,262人 |
条例データ
制定年 | 2018年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 住民投票 地域協議会等 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.town.ichikai.tochigi.jp/div/admin/htm/reiki/reiki_honbun/e124RG00000816.html#e000000214 |
条例本文
○サシバの里いちかい基本条例
平成30年12月6日
条例第22号
前文
市貝町の北部には、谷津田やその周りには美しい里地里山の風景があります。谷津田や里地里山には、サシバのえさとなる多種多様な生き物たちが住んでいて、サシバは安心して子育てをすることができるのです。そのほかにも多田羅沼や見上・竹内地区などはまさに動植物の宝庫で、サシバのような鳥類ひとつを例にとっても、これまで140種類もの鳥が確認されているのです。まちを流れる小貝川などの多くの川にも、多くの生き物たちが住んでいるのです。
国指定重要文化財の入野家住宅や古墳、城跡など数々の史跡が残っており、歴史上名を馳せた武将を勇壮に描いた武者絵は、歴史と文化のまちの象徴です。
本州で最大級の面積を誇る芝ざくら公園や都市との交流も盛んに行っている観音山梅の里も、地元の人たちの努力で、毎年多くの人が訪れるとても魅力的な場所になっています。
また、道の駅サシバの里いちかいでは、市貝町でとれた新鮮な野菜や加工品など、多くの特産品とともに、まちの情報発信の基地として機能しています。
市貝町は、豊かな里地里山でとれるおいしいお米のほか、トマト、アスパラガスなどの野菜や、梨などの果物もたくさんつくられています。また、酪農をはじめとする畜産業も盛んです。さらに、町の南部には赤羽工業団地があり、たくさんの人が働いています。
ここに、私たちは、まちづくりにかかわる基本的な事項を共有し、町民がまちづくりの主役であることをみとめ合い、愛と感謝に満ちた美しく住みよい市貝町を築いていくため、この条例を定めます。
第1章 総則 ~全体を通したきまり~
(目的 ~なぜこの条例をつくるのか~)
第1条 この条例は、市貝町のまちづくりに関する基本的な事項を定めてあります。
2 町民、議会、町が果たさなければならない責任や持っている権利を明らかにして、町民が参画・協働し、誰もが住みよい町をつくり上げることを目的とします。
(定義 ~言葉の意味を決めること~)
第2条 この条例の中の用語の意義を次のように定めます。
(1) 町民
ア 町内に住所を有する人をいいます。
イ 町内で働く人、在学する人、町内において事業活動その他の活動を行う人や団体をいいます。
(2) 議会
住民の選挙によって選ばれた議員からなる組織をいいます。
(3) 町
町長、町を運営するために必要な執行機関をいいます。
(4) こども
18歳未満の町民をいいます。
(5) 参画
まちづくりの政策などの企画立案の段階から主体的に関わり、責任をもって行動することをいいます。
(6) 協働
町民、議会、町が対等な関係で目的を共有し、相互の責任と役割のもと連携協力して行動することをいいます。
(7) コミュニティ
町民が互いに助け合い、心豊かな生活を送ることを目的として結ばれた自治会、ボランティア・市民活動等の組織及び集団をいいます。
(条例の基本理念と原則~条例の基本となる考え方と決まり~)
第3条 町民、議会、町は、次に掲げることを基本的な考えとします。
(1) 個人の尊厳と権利が尊重され、公正で開かれた町政を推進します。
(2) 地域の特性と独自性を尊重し、お互いに理解し合いそれぞれが責任を果たした、まちづくりを推進します。
(3) 町民は自ら進んで行動し、参画と協働によるまちづくりに努めます。
2 次に掲げる基本原則により自治運営を行うものとします。
(1) 町政に関する情報公開、提供を行い、まちづくりの情報の共有に努めます。
(2) 町民がまちづくりに参加しやすい環境づくりや機会をつくることに努めます。
(3) 協働して公共的課題の解決にあたります。
(条例の位置づけ ~どのような位置づけなのか~)
第4条 この条例は、まちづくりの基本を定めるものであり、最大限に尊重されます。
2 町は、他の条例等の制定、見直し、廃止について、この条例と矛盾が生じないようにします。
第2章 権利と責任 ~認められる権利と果たすべき責任~
(町民の権利 ~町民ができること~)
第5条 町民には、次に掲げる権利が保障されます。
(1) 町民として尊重され、安全な環境の下で安心して生活を営むことができます。
(2) 町の自治行政に関する情報を知ることができます。
(3) 議会や町に対し意見、提案を表明することができます。
(4) 必要に応じて行政サービスを受けることができます。
(5) まちづくりや町政に参画する機会を得ることができます。
(町民の責任 ~町民が果たさなければならないこと~)
第6条 町民は、次に掲げる責任を果たします。
(1) まちづくりに参画するにあたり、自覚と責任を持ち発言し行動します。
(2) お互いの人権を尊重し認め合います。
(3) 自らが住む地域に関心を持ち、地域課題の解決にあたります。
(4) 地域の歴史・文化・伝統を大切にします。
(5) 里地里山などの豊かな自然・環境を守ります。
(議会・議員の責任 ~議会や議員が果たさなければならないこと~)
第7条 議会は、意思決定の議決機関として、政策を立案、提言し、町政運営の監視をする役割を果たします。
2 議員は、町民のために公正かつ誠実に議員活動を行い、自己の能力を高める努力をします。
(町の責任 ~町が果たさなければならないこと~)
第8条 町は、町民の生命と財産を守るとともに、福祉の向上に取り組みます。
2 町は、町民と協働しながら誠実に職務に専念します。
3 町長は、本町の執行機関を代表し、町民の意向把握に努めます。また、公正で誠実な町政を運営します。
4 町長は、まちづくりを支援するため、町民又は職員の意見を広く聴き尊重します。
5 職員は、町民のために、自己の資質向上に努め、誠実に職務に専念します。
第3章 行政 ~町が行う仕事や業務~
(総合計画 ~町政運営の指針となる計画~)
第9条 町は、総合的かつ計画的に町政を運営するために、最上位計画である総合計画を町民とともに策定します。
(行政評価 ~町政が適正に運営されているかの評価~)
第10条 町は、無駄がなく目にみえてわかる町政運営のため、目標設定にもとづく行政評価を行い、その結果を公表し、施策の見直しや組織の改善などに反映させます。
(財政運営 ~町の財布~)
第11条 町は、計画的で健全な財政の運営を行います。
2 町は、財政運営に関するわかりやすい資料を作成し、町民に公表し説明をします。
(危機管理 ~災害などへの備え~)
第12条 町は、災害などの緊急の事態に備え、町民の生命と財産を守るため、町民、関係機関等と連携し、体制を整備します。
2 町民は、災害などの緊急の事態に備えます。緊急時には、地域内において連携を図り、町民同士で助け合います。
(情報公開と個人情報の保護 ~町が持っている情報の公開~)
第13条 町は、町民の情報公開請求に対して、町民の知る権利を保障します。また、適切に情報を公開することで、町民と情報を共有します。
2 町は、個人情報を適正に取扱い、個人の権利と利益を守ります。
第4章 参画と協働 ~すべての町民が参加し、協力し合う~
(参画と協働)
第14条 町は、町民がまちづくりや町政に参画する機会を保障します。
2 町民は、まちづくりや町政に積極的に参加します。
3 町民、議会、町は、それぞれの立場を理解、尊重し、協働してまちづくりを推進します。
(こどもの参加 ~こどもたちがまちづくりに関わる~)
第15条 町民、議会、町は、こどもが健やかに育つ環境を整備します。
2 町民、議会、町は、まちづくりに参加する機会をつくり、こどもの意見を尊重します。
(町民からの意見の広聴 ~町民の考えを広く聴く~)
第16条 町は、条例や計画を策定するときは、パブリックコメントやその他の方法により、広く町民の意見を求め、その意見を尊重します。
(住民投票 ~住民の意志表明の方法~)
第17条 町は、町政に関する重要なことについて、直接、住民の意思を確認するため、議会への報告を経て住民投票を実施することができます。
2 議員、町長の選挙権を持っている住民の総数の3分の1以上の署名をもって、町長に対し、住民投票の実施を請求することができます。
3 町は、住民投票の結果を尊重します。
4 住民投票の実施に関して必要な事項は、事案ごとに別の条例で定めます。
第5章 連携と交流 ~垣根を越えた、人々や場所との交流~
(連携と交流)
第18条 町は、市町村や県、国との連携を積極的に図り、広域的なまちづくりを推進します。
2 町は、町民の国内外における交流活動を支援します。
第6章 まちづくり ~これからのまちをどうしていくか~
(まちづくり)
第19条 町民は、自主的・自立的なコミュニティを形成し、地域や社会の問題解決に努めます。
2 町民、議会、町は次のことに努めます。
(1) 住民自治の自主性の尊重と支援
町は、コミュニティの自主性を尊重し、組織づくりを支援します。
(2) 豊かな自然・環境の継承
町民、議会、町は、市貝町に残る里地里山などの豊かな自然・環境を次世代に継承できるよう、保全します。
(3) 産業・観光の発展
町民、議会、町は、市貝町の産業を守り、発展させます。市貝町の観光資源を発掘し、磨き上げ、積極的に町内外に発信します。
(4) スポーツ・芸術の推進
町民、議会、町は、スポーツ・芸術を通じて、心身ともに健全なまちづくりを推進します。
(5) 歴史・文化の伝承
町民、議会、町は、市貝町の歴史・文化の重要性を認識し、後世に伝えます。
第7章 条例の見直し ~いつでも身近な条例であるために~
(条例の見直し)
第20条 町は、この条例が市貝町にふさわしいものであるかを検証するとともに、必要に応じて、この条例の規定について見直しを行います。
附 則
この条例は、平成31年4月1日から施行する。