橋本市の自治と協働をはぐくむ条例
自治体データ
自治体名 | 橋本市 | 自治体コード | 30203 |
都道府県名 | 和歌山県 | 都道府県コード | 00030 |
人口(2015年国勢調査) | 60,818人 |
条例データ
制定年 | 2018年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 無 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.hashimoto.lg.jp/guide/sogoseisakubu/seisaku_kikaku/hagukumujourei/index.html |
条例本文
○橋本市の自治と協働をはぐくむ条例
平成30年10月3日
条例第34号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 市民(第5条)
第3章 市議会(第6条)
第4章 市長等及び職員(第7条・第8条)
第5章 地域づくり(第9条―第11条)
第6章 市政運営(第12条―第14条)
第7章 条例の位置付け(第15条)
第8章 条例の検証及び見直し(第16条―第18条)
附則
前文
私たちの住んでいる地方都市・橋本は、人口減少や少子高齢化、またそれに伴う地域の担い手不足などによる社会環境の大きな変化を迎えています。このような状況の中にあっても、私たちは、次の時代へとしなやかにかつ確実にこの住みよい橋本市を引き継いでいく必要があるため、ここに、自治の基本理念や基本原則、協働のあり方、地域づくりなどを規定する条例を定めます。
この地は、遠い万葉の昔から街道がひらけ交通の要衝として、また、都より高い文化を受け入れ栄えてきました。私たちは、豊かな自然と紀の川の清き流れとともに、この誇るべき伝統を守りながらこれからの未来に繋いでいく使命があります。
それぞれの地域に暮らす私たち一人ひとりが、共に繋がり、共に支えあいながら、地域全体で安全で安心な生活がおくれるまちを目指します。
橋本市の名前の由来のように、私たちは、世代間や地域間のかけ橋となるように一人ひとりが自分ごととして橋本市の未来をとらえ、自らが考え、自らが創造し、自らが責任を持って主体的に行動し続ける必要があり、自治と協働のまちづくりを進めていきます。
市民と市がそれぞれの役割を自覚し、また、市民がお互いに個性を認め合い人間の尊厳を認識し、誇りを持って一人ひとりが彩り豊かに平和な生活を送れるような自治のまちを創ります。
第1章 総則
(目的)
第1条 私たちは、橋本市におけるまちづくりの基本理念と基本原則を明らかにし、協働によるまちづくりの推進と自立した地域社会を創出するため、この条例を定めます。
(定義)
第2条 この条例で使用する用語の意味は、次のとおりとします。
(1) 私たち 次号及び第3号に定める市民及び市をいいます。
(2) 市民 市内に在住し、在勤し、又は在学する者その他の市内でまちづくりに関わる全ての個人及び市内に事業所を置く事業者その他の市内でまちづくりに関わる全ての団体(法人を含みます。)をいいます。
(3) 市 市議会及び市長等によって構成される基礎自治体としての橋本市をいいます。
(4) 市長等 市長、教育委員会、監査委員、選挙管理委員会、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
(5) まちづくり 住みよい豊かな地域社会をつくるための取り組み及び活動をいいます。
(6) 参画 自らの意思でまちづくりに関わることをいいます。
(7) 協働 様々な担い手が、それぞれの知恵や経験、専門性などの資源を生かし、尊重し合いながら、果たすべき役割と責任を自覚し、共に考え、共に力をあわせることをいいます。
(基本理念)
第3条 私たちは、住み慣れた地域で、子どもから高齢者まで、地域全体で支えあいながら安心、安全な生活をおくれるまちを目指し、協働してまちづくりを進めます。
(基本原則)
第4条 私たちは、基本的人権尊重の下、次の各号に掲げる事項を基本原則としてまちづくりを推進します。
(1) 情報共有 私たちは、市民参画や協働のまちづくりを進めるため、お互いに情報を発信し、共有し合います。
(2) 市民参画 市民は、まちづくりの主体として積極的にまちづくりに参画するよう努め、市はその参画のための機会を設けます。
(3) 協働のまちづくり 私たちは、適切な役割分担の下で連携し、協働してまちづくりに取り組みます。
(4) 相互の尊重 私たちは、住みよい豊かなまちをつくるため、お互いの意見及び行動を尊重し合います。
第2章 市民
(市民の役割)
第5条 市民は、自主的にまちづくりに参画します。
2 市民は、自分たちのまちに関心を持ち、自分たちのまちをよく知るために、お互いに情報を出し合い共有します。
第3章 市議会
(市議会の役割)
第6条 市議会は、市の意思決定機関として議決の責任を負うとともに、行政活動の監視及び政策の立案を行います。
2 市議会に関する基本的な事項については、橋本市議会基本条例(平成26年橋本市条例第54号)によります。
第4章 市長等及び職員
(市長等の役割)
第7条 市長は、市政の代表者として、公正かつ誠実に、市政運営を行います。
2 市長等は、それぞれ相互に連携・協力し、一体として、市政運営に当たります。
3 市長等は、市政運営に関する情報について、速やかに、かつ、分かりやすく市民に提供することにより、市民との情報の共有に努めます。
4 市長等は、市民参画を実現するため、市民がまちづくり及び市政に参画する機会を設けます。
5 市長等は、協働を推進するに当たり、全ての市民が自発的・自主的にまちづくりに参画することができるよう支援します。
6 市長等は、国や他の地方公共団体及び関係機関との共通課題又は広域的課題に対して、事務の共同処理や協定等により、自主性を保持しつつ相互に連携し、協力し合いながら解決に当たるよう努めます。
(職員の役割)
第8条 職員は、全体の奉仕者であり、法令を遵守し、市民に対して丁寧で分かりやすい説明に努めるとともに、公正かつ誠実に、その職務を遂行します。
2 職員は、職務についての必要な知識、技術等の習得、能力開発及び自己啓発を行うとともに、職務の遂行に当たって創意工夫に努め、市民と協働してまちづくりに取り組みます。
第5章 地域づくり
(地域主体のまちづくり)
第9条 市民は、安心して心豊かに暮らすことのできる地域社会を実現するため、地域の課題を共有し、自主的な意思によってまちづくりに取り組み、お互いに助け合い、解決に向けて自ら行動します。
2 市は、前項に規定する市民の自主的な地域におけるまちづくりを振興するために、地域における課題の把握、相談機会の確保、地域間の調整、活動の支援、人材育成、費用の助成等必要な施策を推進します。
(地域運営組織)
第10条 市民は、一定のまとまりのある地域において、まちづくりに関わる組織として、地域運営組織を設立することができます。
2 地域運営組織は、当該地域の市民に開かれたものとし、市、区・自治会その他関係機関と連携しながら協力してまちづくりを行います。
3 地域運営組織は、地域における課題を共有し、その解決に向けて取り組むとともに、地域の特性等をいかした多様なまちづくりに取り組みます。
4 市民は、地域社会の一員として、自主的に地域運営組織の活動に参加します。
(民間非営利組織)
第11条 自主的に公益性、非営利性、継続性を持ってまちづくりに取り組む民間非営利組織(個人を含みます。)は、市、区・自治会、前条に規定する地域運営組織その他関係機関と連携してまちづくりに協力するよう努めます。
第6章 市政運営
(総合計画)
第12条 市長は、まちの将来像を明らかにし、総合的かつ計画的な市政運営を進めるため、総合計画を策定します。
2 市長は、地域の特性や多様性を尊重したまちづくりを進めるため、地域別計画を積み上げ、総合計画を補完します。
3 市長は、総合計画の策定に際しては、その計画に関する情報をあらかじめ市民に提供し、市民の意見を反映させるため、広く市民の参画を求めます。
4 市長は、総合計画の策定、政策の立案及び実施に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、必要に応じて検討及び見直しを行い、市民に公表します。
(財政運営)
第13条 市長は、自立した財政運営を行うため、自らの判断と責任で財源を確保し、使途を決定するものとします。
2 市長は、総合計画の進行状況及び行政評価の結果を踏まえて予算を編成するとともに、計画的で健全な財政運営に努めます。
3 市長は、予算の編成及び執行について、その内容に関する情報を市民に提供するよう努めます。
(行政評価)
第14条 市長は、効果的で効率的な市政運営を行うため、総合計画基本計画策定時等に行政評価を実施し、その結果を施策の見直し、予算の編成、組織の改善等に反映します。
2 市長は、前項の評価に当たっては、市民の参画を求めます。
3 市長は、第1項の評価の結果を公表します。
第7章 条例の位置付け
第15条 私たちは、橋本市を住みよい豊かな地域社会とするため、この条例を尊重し、誠実に遵守します。
2 市は、条例、規則等を制定又は改廃する場合には、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合性を図ります。
第8章 条例の検証及び見直し
(はぐくむ条例)
第16条 私たちは、この条例の内容が橋本市にふさわしく、社会情勢に適合しているかどうか、毎年度効果を検証し、必要に応じて見直しながら、実効性のある条例となるよう育んでいきます。
(はぐくむ委員会)
第17条 市は、前条の検証及び見直しにあたって、橋本市の自治と協働をはぐくむ委員会(以下「はぐくむ委員会」といいます。)を置きます。
2 市は、はぐくむ委員会に、市民の参画を求めます。
3 はぐくむ委員会は、この条例に基づく諸制度に関する事項を調査審議し、市長に意見を述べることができます。
(委任)
第18条 この条例の施行に関し、別に条例で定めるものを除くほか、必要な事項は、規則で定めます。
附 則
この条例は、平成31年4月1日から施行します。ただし、第10条の規定については、施行の日から3年を超えない範囲において規則で定める日から施行します。