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条例

犬山市協働のまちづくり基本条例

自治体データ

自治体名 犬山市     自治体コード 23215
都道府県名 愛知県 都道府県コード 00023
人口(2015年国勢調査) 73,090人

条例データ

条例本文

○犬山市協働のまちづくり基本条例
令和元年6月28日条例第2号
犬山市協働のまちづくり基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 まちづくりの基本原則(第4条)
第3章 まちづくりの担い手(第5条-第13条)
第4章 市民参加と協働(第14条-第19条)
第5章 市政運営(第20条-第24条)
第6章 実効性の確保(第25条)
附則

私たちのまち犬山市は、木曽川や緑豊かな里山などの自然と、国宝犬山城や古墳をはじめとした歴史遺産、地域に根付く伝統ある祭りなど、多彩な地域資源に恵まれています。それらは、人々の営みと相まって、地域ごとに様々な表情を見せる特色ある風土と郷土への深い愛を育み、時代とともに新たな価値をまといながら、現在に受け継がれています。
今日、少子高齢化や人口減少に加え、若者の流出、コミュニティの衰退などによって、人と人とのつながりが希薄となり、地域社会は様々な問題に直面しています。そして、国際化、情報化が進む中で、多様化するライフスタイルや価値観に合わせた新しい自治のあり方が求められています。
このような時代にあって、犬山市が将来にわたり活力あるまちであり続けるには、地域・世代・性別・民族・国籍を問わず、市民・議会・行政がそれぞれの役割と責任を自覚し、お互いに尊重し合いながら、協働して課題解決に取り組むことが重要です。そのためには、誰にでも活躍の場と機会があるまちづくりを推進し、一人ひとりが“主人公”として自発的にまちづくりに参加するとともに、未来を担い、理想のまちを創造することができる人材を育てる必要があります。
私たちは、市民憲章の理念を胸に、このまちに受け継がれてきた豊かな財産を次世代へとつなぎ、誰一人取り残されることなく、笑顔があふれ幸せな生活をおくり続けられる「持続可能なまち」を実現するため、ここに犬山市協働のまちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、犬山市のまちづくりに関する基本原則を明らかにするとともに、その基本的な事項を定めることにより、市民、議会、行政が協働しながら、前文に掲げる理想のまちを実現することを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、犬山市のまちづくりに関する最も基本的な意思の表明であり、その趣旨は、最大限尊重されなければなりません。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市内に居住する者、市内に通勤又は通学する者、市内で事業又は活動を行う個人及び団体をいいます。
(2) 地域活動団体 市民のうち、地域で公益的活動を行う団体であって、地域ごとに形成されたものをいいます。
(3) 非営利活動団体 市民のうち、自主的に公益的活動を行う団体であって、営利を目的とせずに活動するもの(地域活動団体を除きます。)をいいます。
(4) 行政 市の執行機関である市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会(これらに属する職員を含みます。)をいいます。
(5) まちづくり 明るく豊かな住みよいまちをつくることを目的とする地域課題の解決、地域の価値の創造その他の公益的な活動をいいます。
(6) 協働 市民、議会及び行政が、目的を共有し、それぞれの役割及び責務のもと、お互いの自主性及び自立性を尊重し、補完し合いながら協力することをいいます。
第2章 まちづくりの基本原則
(まちづくりの基本原則)
第4条 この条例の目的を達成するために、次に掲げることをまちづくりの基本原則とします。
(1) 情報共有の原則 市民、議会、行政は、まちづくりに関する情報を互いに提供し、共有します。
(2) 市民参加の原則 議会、行政は、市民がまちづくりに参加できるよう、その機会を多様に保障します。
(3) 協働の原則 市民、議会、行政は、協働してまちづくりを推進します。
(4) 平等の原則 市民は、年齢、性別、民族、国籍などに関わりなく、まちづくりに平等に参加できます。
(5) 信頼の原則 市民、議会、行政は、互いに尊重し合い、常に信頼関係を築くための努力をします。
第3章 まちづくりの担い手
(市民の権利)
第5条 市民は、議会、行政が保有する情報について知る権利を有します。
2 市民は、まちづくりに等しく参加する権利を有します。
(市民の役割)
第6条 市民は、まちづくりを推進するため、その担い手であることを自覚し、自らの発言と行動に責任を持ちます。
2 市民は、先人から受け継いだ豊かな地域資源や良好な環境を次世代に引き継ぎます。
(学生の役割)
第7条 学生は、積極的にまちづくりに参加するとともに、犬山市を学びと実践の場として、その成果を地域に還元するよう努めます。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、地域における自らの役割を認識し、より一層の社会貢献に努めます。
2 事業者は、従業員がまちづくりに参加しやすい環境づくりに配慮します。
(地域活動団体の役割)
第9条 地域活動団体は、地域内の住民の意見の集約を図り、その地域の課題の解決に努めます。
2 地域活動団体は、運営ルールを明確にするとともに、開かれた運営を行い、地域内の住民が参加しやすいように活動を行います。
(非営利活動団体の役割)
第10条 非営利活動団体は、地域社会の一員として、専門的な知識を活かしてまちづくりに参加します。
2 非営利活動団体は、自らの公益的活動を行うとともに、他の団体などとの連携を図りながら、地域課題の解決に努めます。
(議会、議員の役割と責務)
第11条 議会は、市民に開かれたわかりやすい議会運営に努め、市民の意見を反映した政策立案を行うとともに、市政運営が適切に行われているかを監視し、評価します。
2 議員は、市民の負託にこたえるため、自己の資質を高め、市民全体の福利向上を目指して活動します。
3 議会、議員は、この条例の目的を達成するために、犬山市議会基本条例(平成23年条例第14号)に掲げる原則に基づき活動します。
(市長の役割と責務)
第12条 市長は、市の代表者としてリーダーシップを発揮し、公正、公平かつ誠実に市政を運営します。
2 市長は、第4条に定めるまちづくりの基本原則に基づき、まちづくりを推進し、市民の負託にこたえます。
(職員の役割と責務)
第13条 行政の職員は、自らも地域社会の一員であることを自覚して、市民の意見の把握や情報収集に努めながら、積極的にまちづくりを推進します。
2 行政の職員は、職務の遂行に必要な知識、技能などの向上に努めます。
第4章 市民参加と協働
(市民参加)
第14条 議会、行政は、市民のまちづくりへの参加を推進するため、政策を実施する過程において多様な参加の機会を設けるとともに、参加しやすい環境を整えるよう努めます。
2 議会、行政は、市民参加により得られた提案、意見を政策に反映させるよう努めます。
3 前2項に定めるもののほか、市民参加に関し必要な事項は、別に条例で定めます。
(子どもの参加)
第15条 市民、議会、行政は、子どものまちづくりに参加する権利を保障するため、子どもが年齢に応じてふさわしい形でまちづくりに参加できる機会を設けるとともに、参加しやすい環境を整えるよう努めます。
(公益的活動の推進)
第16条 市民は、地域活動団体や非営利活動団体がまちづくりにおいて果たす役割を認識し、尊重するとともに、その公益的活動に積極的に参加し、協力するよう努めます。
2 議会、行政は、地域活動団体や非営利活動団体の自主性、自立性を尊重し、これらの団体の運営や活動を必要に応じて支援します。
3 前項に定める地域活動団体や非営利活動団体の支援に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(協働の推進)
第17条 市民、議会、行政は、積極的に協働してまちづくりを推進します。
2 市民、議会、行政は、まちづくりに関する情報を広く発信するとともに、相互に交流する機会を設けます。
3 市民、議会、行政は、将来のまちづくりを担う人材の発掘や育成に努めます。
4 行政は、協働のまちづくりを推進するため、市民が自立し、協力して活動するための仕組みを整えます。
(住民投票)
第18条 市長は、市政に関する重要な事項について、広く住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 住民投票に付すべき事項、投票の手続き、資格要件その他の住民投票の実施に必要な事項については、その都度、条例で定めるものとします。
(選挙)
第19条 市民は、選挙が議員、市長を通じた市政への参加の重要な手段であることを認識し、選挙に関心を持つとともに、投票の機会を積極的に活用するよう努めます。
2 市民は、選挙において投票を行うにあたっては、市の直面する課題、候補者の掲げる政策などに関する情報の積極的な収集や理解に努めます。
3 市民、議会、行政は、選挙への市民の関心を高めるための取組を推進するとともに、市民が投票の機会を十分に活用できるよう、前項に掲げる情報の積極的な提供に努めます。
4 行政は、選挙への立候補に関する手続きについて明快に説明し、立候補予定者の政策立案に必要な情報を提供するなど、誰もが立候補しやすい環境を整えるよう努めます。
第5章 市政運営
(計画的な市政運営)
第20条 市長は、総合的かつ計画的な市政運営を図るための基本構想と基本計画(以下「総合計画」といいます。)を策定します。
2 市長は、総合計画の策定や見直しにあたっては、市民に参加の機会を保障します。
(財政運営)
第21条 市長は、施策の実施に必要な財源の確保を図るとともに、効率的な財政運営を行い、持続可能で健全な財政の確立を図ります。
2 市長は、市民に対し、財政状況を公表し、わかりやすく説明します。
(市政の改善)
第22条 議会、行政は、市政を効果的かつ効率的に運営するため、市政を適時検証し、継続的に改善します。
(情報提供、個人情報の保護)
第23条 議会、行政は、市民の知る権利を最大限に尊重することにより、市政への市民参加の推進と市に対する市民の信頼の確保を図り、開かれた市政の実現を図るため、市民が必要とする情報を積極的に提供します。
2 議会、行政は、前項の情報提供を行うにあたっては、個人のプライバシーをはじめとする基本的人権を尊重し、個人情報を適切に管理し、保護しなければなりません。
(国などとの連携)
第24条 議会、行政は、共通する地域課題を解決し、施策を効果的かつ効率的に実施するため、国や他の自治体と連携するよう努めます。
第6章 実効性の確保
(実効性の確保)
第25条 市長は、社会情勢の変化に照らし、この条例が協働のまちづくりを推進する上でふさわしいものであるかどうかについて、見直しを行うものとします。
2 前項に定める見直しは、この条例の施行の日から起算して5年ごとに行うものとします。ただし、5年未満における見直しを妨げません。
3 市長は、協働のまちづくりの推進や前2項に定める条例の見直しに関することについて、市民参加による組織により審議します。
4 前項に定める組織の設置、運営に関して必要な事項は、別に定めるものとします。
附 則
この条例は、令和元年7月1日から施行します。