松山市市民活動推進条例
平成17年10月5日
条例第59号
目次
前文
第1章 総則(第1条-第7条)
第2章 松山市市民活動推進委員会(第8条-第12条)
第3章 松山市市民活動推進基金(第13条-第19条)
第4章 雑則(第20条)
付則
地域に暮らす人々が快適な生活を送ることのできる豊かな社会は,行政による施策だけ
で実現するものではなく,地域における課題を解決したり,複雑かつ多岐にわたる市民ニ
ーズに即したサービスを提供する自発的な市民の取組が不可欠である。
活力ある地域社会の実現に寄与する意思を持つこのような市民と市が,対等なパートナ
ーシップにのっとり協働するとともに,市民や事業者その他の者が市民活動を尊重し,支
え,参画することが大切である。
ここに市民一人一人が,それぞれの立場から果たすべき役割を自覚し,相互の信頼関係
を築き,協働して個性と魅力あふれる松山市を実現することを目指し,この条例を制定す
る。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,本市における市民活動を推進するため,基本理念を定め,市,市民
活動を行うもの,市民及び事業者の役割を明らかにするとともに,市の行う市民活動の
推進に関する施策の基本的事項を定めることにより,それぞれが協働する活力ある地域
社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところに
よる。
(1) 市民活動 社会一般の利益に資するために行われる自立的かつ非営利の活動をいう。
ただし,次に掲げる活動を除く。
ア 宗教の教義を広め,儀式行事を行い,及び信者を教化育成することを主たる目的
とする活動
イ 政治上の主義を推進し,支持し,又はこれに反対することを主たる目的とする活
動
ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職を
いう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職
にある者又は政党を推薦し,支持し,又はこれらに反対することを目的とする活動
エ 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77
号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団若しくはその構
成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。以下同じ。)若しくは暴力団の構成員でな
くなった日から5年を経過しない者の統制の下にある団体が行う活動
(2) 市民活動を行うもの NPOその他の市民活動を行う個人又は団体をいう。
(3) N P O
エヌ・ピー・オー
民間非営利団体。市民活動を行う団体であって,社団としての実体を具備
しており,かつ,その組織及び活動の概要について一定期間ごとに情報を公開してい
るものをいう。
(4) 事業者 本市の区域内で事業活動を行う個人又は団体をいう。
(基本理念)
第3条 市,市民活動を行うもの,市民及び事業者は,市民活動が果たす社会的意義を認
識し,それぞれの役割の下に協働し,市民活動を推進するよう努めるものとする。
2 市民活動は,その自主性及び自立性を尊重して行われるものとする。
(市の役割)
第4条 市は,基本理念に基づき,市民活動の推進に関する指針を定めるものとする。
2 市は,基本理念に基づき,市民活動を行うものとの協働を積極的に推進するものとす
る。
3 市は,基本理念に基づき,市民活動の推進に関する施策の実施に当たっては,その内
容及び手続を公平かつ公正にし,情報の公開に努めるものとする。
(市民活動を行うものの役割)
第5条 市民活動を行うものは,基本理念に基づき,自らの活動に係る社会的責任を自覚
し,その推進に努めるとともに,積極的に情報を公開し,その活動が広く地域社会に理
解されるよう努めるものとする。
2 市民活動を行うものは,基本理念に基づき,他の市民活動を行うものの当該市民活動
に関する理解を深めるとともに,その推進に協力するよう努めるものとする。
(市民の役割)
第6条 市民は,基本理念に基づき,市民活動に関する理解を深めるとともに,これに参
加し,又は協力するよう努めるものとする。
2 前項の市民の役割は,個々の市民の自発的意思に基づき果たされるものでなければな
らない。
(事業者の役割)
第7条 事業者は,基本理念に基づき,市民活動に関する理解を深めるとともに,自発的
にその推進に協力するよう努めるものとする。
第2章 松山市市民活動推進委員会
(設置)
第8条 市民活動の適正かつ円滑な推進を図るため,松山市市民活動推進委員会(以下「委
員会」という。)を設置する。
(所掌事項等)
第9条 委員会は,第19条第2項に規定する事項を処理するほか,市長の諮問に応じ,
市民活動の推進に関し必要な事項を調査審議する。
2 委員会は,市民活動の推進に関し,市長に意見を述べることができる。
3 前条に規定する目的を達成するため,委員会は前2項の所掌事項を積極的に処理し,
市長は委員会の答申及び意見を尊重するものとする。
(組織)
第10条 委員会は,10人以内の委員をもって組織する。
(委員)
第11条 委員は,次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験のある者
(2) 市民活動を行うもの
(3) 本市の区域内に居住し,又は通勤・通学をする者
(4) 事業者
(5) 前各号に掲げるもののほか市長が適当と認める者
2 市長は,前項第3号に掲げる者のうちから委員を選任するときは,公募の方法により
行うよう努めるものとする。
3 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
4 委員は,再任されることができる。ただし,連続して2期(前任者の残任期間は,1
期とする。)を超えて再任されることができない。
(その他)
第12条 前3条に定めるもののほか,委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則
で定める。
第3章 松山市市民活動推進基金
(設置)
第13条 本市における市民活動の推進に資するため,松山市市民活動推進基金(以下「基
金」という。)を設置する。
(積立額)
第14条 基金として積み立てる額は,予算(前条に規定する基金の設置目的のための寄
附金を含む。)で定める額とする。
(管理)
第15条 基金に属する現金は,金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により
保管しなければならない。
(運用益金の処理)
第16条 基金の運用から生じる収益は,一般会計歳入歳出予算に計上して,この基金に
編入するものとする。
(繰替運用)
第17条 市長は,財政上必要があると認めるときは,確実な繰戻しの方法,期間及び利
率を定めて,基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる。
(処分)
第18条 基金は,第13条に規定する目的を達成するため必要な経費に充てる場合に限
り,これを処分することができる。
(資金の助成)
第19条 市長は,適正かつ公平な基準を定め,前条の規定により処分された基金の額の
範囲内において,NPOに対して,市民活動の推進に必要な資金を助成することができ
る。
2 市長は,資金を助成するに当たっては,委員会の意見を聴くものとする。
3 前2項に定めるもののほか,資金の助成に関し必要な事項は,市長が定める。
第4章 雑則
(規則への委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。
付 則
この条例は,公布の日から施行する。