○湯河原町自治基本条例
平成18年12月1日
条例第27号
目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 町民、議会、町の責務等(第4条~第6条)
第3章 情報の共有(第7条~第10条)
第4章 町民の参加(第11条・第12条)
第5章 行政運営の原則(第13条~第16条)
第6章 条例の位置付け及び見直し(第17条・第18条)
附則
東に相模灘を望み、他方を緑深い山々に包まれ、ほたる舞う二本の川の流れる湯河原町は、万葉集に詠まれ、古くから名湯として伝えられる湯量豊かな温泉と四季を通じ温暖な気候に恵まれ、多くの文人墨客に愛された観光地として、また、人と人とのふれあいを大切にし、歴史や文化、教養を尊ぶ「やすらぎの里」として発展してきました。
本町の観光資源である温泉、史跡、産業や海、山、川などの優れた自然環境といったかけがえのない財産を守り、はぐくみながら次の世代に引き継ぎ、誰もが暮らしやすい町、国の内外から訪れたいと思われる四季彩のまち・湯河原にしていくことが、私たち町民の務めです。
そのためには、自治の主役である町民と議会と町の三者が、お互いの責任と役割を自覚し、協働するとともに、この町にかかわる様々な人々と協力し合いながらまちづくりを進めることが必要です。
町民が、自ら我が町に誇りを持ち、湯河原町が町の内外の人々から愛され、親しまれる町へとなっていくことを願い、ここにこの条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本町の自治の基本理念を明らかにするとともに、その基本的事項を定めることにより、町民、議会及び町が協働してまちづくりを進めることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 町民 湯河原町で生活する者、働く者、学ぶ者、活動するもの、事業を営むもの等をいう。
(2) 町 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び公営企業管理者をいう。
(3) 協働 町民、議会及び町が、お互いの責任と役割を自覚し、それぞれが自主性を尊重し、対等な立場でまちづくりに取り組むことをいう。
(自治の基本理念)
第3条 自治は、町民、議会及び町が、湯河原町町民憲章の精神を尊重するとともに、それぞれに果たすべき責任を自覚し、役割を分担しながら、協働してまちづくりを進めることを基本とする。
第2章 町民、議会、町の責務等
(町民の権利及び責務)
第4条 町民は、町の保有する情報を知る権利を有するとともに、まちづくりに参加する権利を有する。
2 町民は、まちづくりの主役であることを自覚し、積極的にまちづくりに取り組むよう努めなければならない。
(議会等の役割及び責務)
第5条 議会は、直接選挙により選ばれた代表者である議員によって構成される町の重要な政策を決定する議決機関である。
2 議会は、町の行財政の運営及び事務事業が、まちづくりを進めるに当たり適法で適正に、かつ、民主的で効率的に行われているかを調査し、及び監視しなければならない。
3 議員は、町民の代表として全町的な視野に立って、まちづくりにかかわらなければならない。
(町等の責務)
第6条 町は、自治の基本理念に基づき、町民による主体的な活動を支援し、協働してまちづくりを進めなければならない。
2 町は、町政運営への町民の参加を促進するとともに、町民の声を施策に反映するよう努めなければならない。
3 町長は、町政の代表者として公正かつ誠実に町政を運営し、まちづくりを進めなければならない。
4 職員は、効率的に職務を遂行し、町民との信頼関係を築きながら、まちづくりの推進及び支援に努めなければならない。
第3章 情報の共有
(情報の共有)
第7条 町民、議会及び町は、情報を共有することを基本にまちづくりを進めるものとする。
(情報の公開及び提供)
第8条 町は、町の保有するまちづくりに関し必要な情報を積極的に公開し、提供するように努めなければならない。
(説明責任)
第9条 町は、施策の立案、決定及び実施に当たって、その内容、必要性等を分かりやすく町民に説明する責任を有する。
(個人情報の保護)
第10条 町は、個人情報を保護しなければならない。
第4章 町民の参加
(委員の公募)
第11条 町は、審査会、審議会、調査会その他の附属機関及びこれに類するものの委員には、公募による委員を加えるよう努めなければならない。
(町民意見の公募)
第12条 町は、重要な政策、計画等の策定に当たり、事前に案を公表し、町民の意見を聴き、政策等に反映させるとともに、提出された町民の意見に対する町の考え方を公表しなければならない。ただし、緊急性を要するものについては、この限りでない。
第5章 行政運営の原則
(総合計画等)
第13条 町は、総合的かつ計画的な町政の運営を図るための基本構想及びこれを実現するための基本計画(以下「総合計画」という。)を、この条例に規定する基本理念にのっとり策定するものとする。
2 町は、総合計画の進行管理を的確に行うものとする。
3 町は、行政分野ごとの計画を策定する際は、総合計画に即して策定するものとする。
(行政評価)
第14条 町は、行政課題及び町民のニーズに対応した効率的かつ効果的な町政運営を進めるため行政評価を行い、その結果を町民に公表するとともに、必要な措置を講ずるものとする。
(健全な財政運営)
第15条 町は、総合計画及び行政評価の結果を踏まえ、健全な財政運営を図るとともに、財政状況を町民に分かりやすく公表しなければならない。
(他の地方公共団体との連携)
第16条 町は、他の地方公共団体と共通する課題の解決及び友好親善を図るため、連携及び協力に努めるものとする。
第6章 条例の位置付け及び見直し
(条例の位置付け)
第17条 町は、この条例を町の最高規範に位置付け、他の条例等の制定及び改廃に当たっては、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。
(条例の見直し)
第18条 町長は、この条例の施行後、社会、経済情勢等の大きな変化が生じた場合は、町民を交えてこの条例を見直し、その結果を踏まえて、必要な措置を講じなければならない。
附 則
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成22年11月30日条例第16号)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。