○富士市市民協働推進条例
平成25年6月28日
条例第39号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 市民協働の推進に関する基本的施策(第8条―第12条)
第3章 市民協働推進審議会(第13条)
附則
人々は、生活の質的な向上を求め、自らの持つ知識や技術を社会のために生かすことや、困難な状況にある者を支援することで、市民活動に自己実現や活躍の場を見いだそうとし
ている。こうした人々の自発的な思いによって発する市民活動は、今日では、これまで行政が担う分野とされていた公共的な領域においても行われるようになってきている。
このような市民活動は、社会情勢の変化に伴い発生した、行政のみでは解決することが困難で複雑化した課題に対して有効な解決策を見いだすことができるはずである。市民の公
共的な課題に対する解決能力を最大限に生かすためには、市、市民、市民活動団体及び事業者が適切な役割分担の下で、対等で持続可能な関係を築き、様々な分野において、最も
ふさわしい主体による事業の実施を可能とする市民協働の環境整備を積極的に進めていかなければならない。
このような認識の下、市、市民、市民活動団体及び事業者が公共的な課題の解決の担い手として、それぞれの役割と責務を自覚し、市民協働の実践において創意工夫を重ねること
により、「自分たちのまちは自分たちの手でつくる」という市民自治を醸成し、真に豊かなまちづくりを実現するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民協働の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、市民活動団体及び事業者の責務を明らかにし、並びに市民協働の推進に関する施策の基本的な事項を定め
ることにより、市民協働の分野を拡大するとともに、公益の増進及び公共的な課題の解決を図り、もって市民とともに進める活力に満ちたまちづくりの実現に寄与することを目的
とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に在住し、在勤し、又は在学する者をいう。
(2) 市民活動 市民生活の向上に寄与するために、自主的かつ自発的に行われる営利を目的としない活動をいう。
(3) 市民活動団体 市内で市民活動を行っている団体であって次のいずれにも該当するものをいう。
ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを目的とする団体でないこと。
イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする団体でないこと。
ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下この号において同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある
者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする団体でないこと。
エ 営利を目的とする団体でないこと。
(4) 事業者 市内で事業活動を行うものをいう。
(5) 市民協働 市民、市民活動団体又は事業者と市とが互いの特性を認識することにより、適切に役割を分担し、及び対等な関係で連携することをいう。
(基本理念)
第3条 市民協働は、次に掲げる事項を基本理念とし、推進されなければならない。
(1) 市、市民、市民活動団体及び事業者がそれぞれの特性を生かし、最もふさわしい主体が事業を実施することにより、望ましい成果を得ること。
(2) 市民、市民活動団体又は事業者と市とが対等であることを理解し、良好で持続可能な関係を築くこと。
(3) 市民活動の専門性、柔軟性及び即時性を生かし、多様な形態により、幅広い分野において行われること。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民協働を推進するために必要な施策を講ずるとともに、当該施策を実施するために必要な環境を整
備するものとする。
2 市は、市が行う事業のうち、市民、市民活動団体又は事業者の特性を活用することがふさわしいものについては、市民協働の機会を拡大するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、市民協働によるまちづくりを推進するに当たり、自ら取り組むべき行動を認識するとともに、これを実行し、又は自主的に市民活動に参加し
、若しくは協力するよう努めるものとする。
(市民活動団体の責務)
第6条 市民活動団体は、基本理念にのっとり、市民協働による事業(以下「市民協働事業」という。)の主たる担い手であることを認識するとともに、責任をもって活動し、市民協
働によるまちづくりを推進するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、市民協働に対する理解を深めるとともに、市民協働事業に参画し、市民協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとする。
第2章 市民協働の推進に関する基本的施策
(情報の提供)
第8条 市は、市民協働の機会の拡大を図るため、市民、市民活動団体及び事業者に市民協働に関する情報を適切に提供するよう努めるものとする。
(連携の促進)
第9条 市は、市民協働事業の実施において、市民、市民活動団体及び事業者が相互に補完することにより相乗的な効果が得られるよう、市民、市民活動団体及び事業者による連携
の促進を図るものとする。
(市民協働事業の提案の機会の提供)
第10条 市は、市民、市民活動団体及び事業者が市民協働事業を提案することができる機会を提供するために必要な措置を講ずるものとする。
(適正な事業費)
第11条 市は、市民、市民活動団体又は事業者による継続的かつ安定的な市民協働事業が実施されるよう、適正な事業費を算出するために必要な措置を講ずるものとする。
(結果の検証等)
第12条 市は、市民協働事業を実施した場合には、その結果について検証を行うとともに、市民協働の成果を効果的に高めるため、適切な措置を講ずるものとする。
第3章 市民協働推進審議会
第13条 市民協働の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、富士市市民協働推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査し、及び審議する。
(1) 市民協働の推進に係る基本指針に関する事項
(2) 市民協働の推進に係る補助金に関する事項
(3) 市民協働事業の提案の評価に関する事項
(4) その他市民協働の推進に関する重要事項
3 審議会は、前項の規定による調査及び審議を行うほか、市民協働の推進に関する事項について市長に意見を述べることができる。
4 審議会は、委員11人以内で組織する。
5 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 知識経験者
(2) 市民活動団体の代表者等
(3) 公募による市民
(4) その他市長が適当と認める者
6 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(一部改正〔平成29年条例30号〕)
附 則
この条例は、平成25年7月1日から施行する。
附 則(平成29年6月30日条例第30号)
この条例は、公布の日から施行する。