人間は移動する
生き物である。 交通政策基本法を単なる理念で終わらせない。
新たな交通価値の気づきを根づきへ。
誰もが移動に困ることのない地域社会を創る参加と協働の姿を描く。
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3月に、大久保規子編著『緑の交通政策と市民参加-新たな交通価値の実現に向けて』が大阪大学出版会より刊行されます。本書は、グリーンアクセスプロジェクトI(2011-2014年)の研究成果の一部をもとに,その後の展開を踏まえてとりまとめたもので、法学・交通工学・経済学等、多角的な観点から、自らの実践経験も取り入れつつ検討を加えたものです。
持続可能な「緑の交通政策」とは、人間一人ひとりにとっての交通価値を考慮し、環境、福祉の観点を適切に反映して形成・実施することで、本書はその具体的な姿と実現手法を描き出します。2013年に制定された交通政策基本法により高速化一辺倒の政策は見直され、利用者・住民である市民やNPOの参加のもとで総合的な交通計画を作成し、公共交通の維持を図る動きが進んでいます。いま大切なのは、交通政策基本法を単なる理念で終わらせず、新たな交通価値の気づきを根づきへかえることです。誰もが移動に困ることのない地域社会を創る参加と協働の姿を描きます。
書籍情報
『緑の交通政策と市民参加 新たな交通価値の実現に向けて』
大久保規子 編著/新田保次,土井健司,谷内久美子,藤江 徹,松村暢彦,猪井博登,南 聡一郎 著
A5判 274ページ 上製
定価5200円+税
ISBN978-4-87259-538-3 C3065
大阪大学出版会
奥付の初版発行年月:2016年03月
主要目次
第1部 転換期の交通政策
第1章 交通政策基本法と緑の交通政策 (大久保規子)
第2章 道路交通関連の社会資本整備の理念転換 (新田保次)
第3章 都市交通変革のシナリオづくり (土井健司)
第2部市民参加型交通政策の展開
第4章 道路公害訴訟に係る道路連絡会の意義と課題 (谷内久美子・藤江徹)
第5章 総合交通計画と市民参加 (谷内久美子)
第6章 バリアフリーと市民参加 (松村暢彦)
第7章 公共交通と市民参加――コミュニティバスなど (猪井博登)
第8章 市民からの提案「道路の使い方を変えたい!」 (藤江徹)
第9章 自治体公共交通政策における市民参加の日仏比較――鉄軌道の再生・導入を例に (南 聡一郎)
第10章 赤字地域鉄道を財政で支える価値とは何か
――持続可能な地域発展という観点から (南 聡一郎)
第11章 被災地における公共交通の確保 (谷内久美子)