○別海町自治基本条例
平成23年3月17日
別海町条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 情報共有(第6条―第12条)
第3章 町民参加と協働(第13条―第17条)
第4章 町民(第18条―第21条)
第5章 地域コミュニティ(第22条―第24条)
第6章 議会(第25条―第30条)
第7章 行政(第31条―第34条)
第8章 行財政運営の原則(第35条―第41条)
第9章 連携及び協力(第42条―第44条)
第10章 条例の見直し(第45条)
附則
前文
わたしたちのまち別海町は、北海道の東端、根室管内の中央に位置し、東西に61km、南北に44km、1,320km2という広大な面積を有し、悠久のむかしから、アイヌの人たちや先人達の労苦によりその歴史を刻んできました。
海岸沿いを中心に村落の形成が見られるようになると、本格的な漁業がおこなわれるようになり、江戸時代後期にはすでに西別川の鮭が将軍に献上されるなど、このまちの産業の礎が築かれていきました。そして、定住者が増えるのに伴い、内陸部へも開拓の鍬が入ることとなりますが、火山灰土壌や寒冷な気候など、厳しい自然条件の下での畑作農業は困難を極めます。昭和初期に相次いだ冷害の影響により、戦前戦後にかけて徐々に酪農主体の農業に転換されていきました。
その後も酪農専業化が進み、根釧パイロットファームの建設、農業構造改善事業の推進、新酪農村の建設等により一大酪農地帯へと変ぼうをとげ、現在では生乳生産量日本一のまちとなっています。
一方、漁業においては、秋サケ漁をはじめホタテやホッカイシマエビ漁など、沿岸漁業を中心に発展してきましたが、恒久的な資源確保のため、とる漁業からつくり育てる漁業へと増養殖事業を積極的に進め、資源管理型漁業の推進により、根付資源の維持増大が図られています。
また、国後島を望み根室海峡に接する海岸部には、野付半島や野付湾、風蓮湖があり、全国でも有数の渡り鳥飛来地として知られています。この地域では貴重な動植物の生態系がみられることから、道立自然公園に指定されラムサール条約の登録湿地にもなっています。そのほか、ホッカイシマエビ漁に用いられる打瀬舟は野付湾の風物詩として知られ、「野付半島と打瀬舟」は北海道遺産にも登録されています。
このようなすばらしい大地、豊かな海、優れた自然環境の中で暮らすわたしたちは、先人達の永い絶えまない苦闘ののち守り育てた歴史、文化、伝統を誇りに、今まで培ってきた産業や自然の良さを十分に生かしながらいつまでも住み続けたいと思うまちとするため、別海町民憲章の5つの理念を尊重し、まちづくりを進めていきます。
町民がいきいきと暮らし活動できるまちの実現に向けて、それぞれの役割及び責任を明確にし、町民主体による自治を確立するため、ここに別海町自治基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、別海町のまちづくりに関する基本理念及び基本原則を定めるとともに、協働のまちづくりを推進するため、町民の権利、役割及び責務並びに議会及び行政の役割及び責務を明らかにし、町民主体によるまちづくりを実現することを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、別海町のまちづくりに関する最高規範であり、わたしたちは、この条例を遵守します。
2 議会及び行政は、ほかの条例などの制定及び改廃並びにまちづくりに関する計画の策定に当たっては、この条例に定める事項を尊重します。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 町民 町内に居住する人、町内に通勤又は通学する人及び町内で事業を営む法人及び活動する団体をいいます。
(2) 多様な主体 町民以外で別海町に関係のある人及び団体をいいます。
(3) 行政 執行機関並びにその補助機関及び附属機関をいいます。
(4) 執行機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
(5) まちづくり より良い暮らしを町民一人ひとりがつくっていく「暮らしづくり」から、地域、議会及び行政に至る幅広い領域及び分野における、さまざまな「活動」及び「計画」をいいます。
(6) わたしたち 町民、議会及び行政の三者をいいます。
(7) 協働 わたしたち及び多様な主体がそれぞれの役割及び責任をもって共に協力し合うことをいいます。
(基本理念)
第4条 第1条の目的を達成するため、次に掲げる基本理念に基づいて、まちづくりを進めます。
(1) わたしたちは、別海町民憲章の精神及びその基本理念を尊重します。
(2) わたしたちは、まちづくりの主体として、お互いに情報を共有し、協働により将来の別海町を築き上げます。
(基本原則)
第5条 わたしたちは、前条に定める基本理念に基づき、次の各号に掲げる事項を基本原則としてまちづくりを進めます。
(1) 情報共有の原則 相互にまちづくりに関する情報を共有します。
(2) 町民参加と協働の原則 世代を超えた町民参加を基本とし、協働の相手すべてがお互いを理解し対等の関係で協力をします。
第2章 情報共有
(情報共有の基本)
第6条 わたしたちは、互いにまちづくりに関する情報を伝え合い、情報の共有がまちづくりの根源であることを基本とします。
(情報提供)
第7条 議会及び行政は、この条例の基本理念の実現を図るため、その保有するまちづくりに必要な情報を町民へ積極的にわかりやすく適時に提供します。
2 町民は、まちづくりに必要な情報を、議会及び行政へ積極的に提供します。
(情報公開)
第8条 町民は、町政に関する情報の開示を求める権利があります。
2 議会及び行政は、町民から町政に関する情報の開示を求められたときは、別海町情報公開条例(平成14年別海町条例第42号)の規定により、情報を公開します。
(説明責任)
第9条 議会及び行政は、保有する情報について町民に説明する責務があります。
(個人情報の適正な取扱い)
第10条 行政は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の定めるところにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利及び利益が侵害されないようその保有する個人情報について、適正に取り扱います。
2 議会は、別に条例で定めるところにより、その保有する個人情報を適正に取り扱います。
(町民の意見などへの取扱い)
第11条 行政は、まちづくりに関する町民の意見、提言、要望などに対し、迅速かつ誠実に対処します。
(町民参加の基本)
第12条 町民は、まちづくりの主体として、自主的及び自発的にまちづくりに参加することを基本とします。
第3章 町民参加と協働
(町民参加の推進)
第13条 行政は、法令の規定によるもの及び緊急を要するものを除き、町民のまちづくりへの参加を推進し、意志を尊重します。
2 行政は、次の各号に掲げるときは、町民の参加を図ります。
(1) 基本的な計画の策定又は見直しをするとき。
(2) 行政評価を実施するとき。
(3) 町民に義務を課し、又は町民の権利を制限することを内容とする条例の制定、改正及び廃止をするとき。
(4) 広く町民が利用する公共施設の管理運営方法及び整備に係る基本的な計画策定又は重要な変更をするとき。
3 前項に規定するもののほか、町民が参加できる機会を設け、まちづくりに反映します。
(町民参加の方法)
第14条 町民は、次の各号に掲げる方法でまちづくりに参加することができます。
(1) 審議会などへの委員としての参加
(2) 意見交換会への参加
(3) アンケート調査への意見表明
(4) 町民意見の公募(パブリックコメント)への意見表明
(5) 町政ご意見箱・ホームページからの意見
(6) その他適切な方法
2 行政は、前項に規定する方法に関し必要な事項を別に定めます。
(協働の推進)
第15条 わたしたち及び多様な主体は、まちづくりにおける課題を解決するため、協働の推進に努めます。
2 議会及び行政は、協働のまちづくりを進めるに当たって、町民の自主性を尊重するとともに、情報を共有して相互理解のもとに信頼関係を築きます。
(住民投票)
第16条 住民投票は、住民(町内に住所がある人をいう。以下、同じ。)、議会又は町長の発議により、まちづくりに極めて重大な影響を及ぼす事由について、直接住民の意思を確認するため、議会の議決を経て実施することができます。
2 住民投票に参加できる人の資格及びその他住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。
3 町民、議会及び町長は、住民投票の結果を尊重します。
(住民投票の請求及び発議)
第17条 住民のうち選挙権がある人は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第74条の規定により住民投票条例の制定を町長に請求することができます。
2 議員は、法第112条の規定により住民投票条例を発議することができます。
3 町長は、まちづくりに極めて重大な影響を及ぼす事由について、住民の意思を直接に確認する必要があると判断したとき、自ら提案することができます。
第4章 町民
(町民の権利)
第18条 町民は、まちづくりに参加する権利があります。
2 町民は、議会及び行政の保有するまちづくりに関する情報の提供を受け、自ら取得する権利があります。
3 町民は、行政サービスを受ける権利があります。
4 青少年や子どもも、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利があります。
(町民の役割及び責務)
第19条 町民は、まちづくりの主体として、自ら考え行動し、将来にわたって誰もが暮らしやすい環境のまちづくりに努めます。
2 町民は、まちづくりに必要な情報を議会及び行政に積極的に提供するよう努めます。
3 町民は、まちづくりに自らの知識及び技術を積極的に発揮するとともに、その発言及び行動に責任を持つよう努めます。
4 町民は、お互いに尊重し合い、世代を超えて協力し合うとともに、連携によるまちづくりを推進するよう努めます。
5 町民は、まちづくりの適切な運営のための相応の負担を引き受けるものとします。
(事業者の役割)
第20条 事業者とは、町内で事業活動を行う者をいいます。
2 事業者は、事業活動を行うに当たり、自然環境及び生活環境に配慮するよう努めます。
3 事業者は、まちづくりの一員として、積極的に地域活動に参加し、住みよい地域社会の実現に寄与するよう努めます。
(地域活動団体の役割)
第21条 地域活動団体とは、町内会をはじめとする、地域に根ざして形成された組織及び団体をいいます。
2 地域活動団体は、それぞれの地域特性を生かした活動及び交流を通じ、まちづくりへの活動の輪を広げます。
第5章 地域コミュニティ
(地域コミュニティ)
第22条 地域コミュニティとは、豊かなまちづくりに取組むために、多様な人と人とのつながりを基礎として、共通の目的を持ち、地域にかかわりながら活動する組織及び団体で形成される共同体をいいます。
(地域コミュニティにおける町民の役割)
第23条 町民は、協働によるまちづくりを進めるため、地域コミュニティが果たす役割を認識し、その活動に自主的に参加協力するよう努めます。
(議会、行政及び地域コミュニティのかかわり)
第24条 議会及び行政は、地域コミュニティとの協働を進めるため、地域コミュニティの自主性及び自律性を尊重し、その活動を支援します。
第6章 議会
(議会の設置)
第25条 町民の負託に応え、町民の代表機関として、議会を置きます。
(議会の役割)
第26条 議会は、選挙で選ばれた代表で構成する議事機関です。
2 議会は、討論を基本とし、会議における慎重、活発にして自由な討議をする機会の拡充に努めます。
3 議会は、議決による意思決定の過程及び妥当性を町民に明示するものとします。
(議会の権利)
第27条 議会は、別海町の条例、予算、決算、財産及び政策執行にかかわる意思決定を行います。
2 議会は、行政の事務に関する監査請求、調査などの監視の権限を有します。
(議会の責務)
第28条 議会は、この条例の基本理念、基本原則その他の規定を遵守し、町がまちづくりの指針として策定する総合計画に基づき、将来に向けたまちづくりの展望をもって課題を的確に把握し、活動する責務を有します。
2 議会は、町民の意見を聴取し、議会運営について町民に説明する責務を有します。
(議員の責務)
第29条 議員は、この条例の基本理念、基本原則その他の規定を遵守し、町民の負託に対する自らの責任を果たす責務を有します。
2 議員は、まちづくりの推進と町民の生活向上を目指し、常に政策の提案に努めます。
3 議員は、政策立案能力、自治立法能力、審議能力などを高めるため、常に自己研鑽に努めます。
4 議員は、政治倫理に基づいた公正かつ誠実な活動に努めます。
5 議員は、別海町全体のまちづくりの視点をもって、的確な判断、活動を行うよう努めます。
(議会の運営)
第30条 議会は、情報共有及び町民参加を図り、開かれた議会を目指します。
2 議会の会議は、公開とします。ただし、公開することが適当でないときは、その理由を付して非公開とすることができます。
3 議会は、会期外においても町民の意思の反映を図るため、町民との対話の機会を設けるよう努めます。
第7章 行政
(執行機関の役割及び責務)
第31条 執行機関は、この条例の基本理念、基本原則その他の規定を遵守し、まちづくりの推進のため、町民及び議会と連携協力して町政を執行します。
2 執行機関は、条例、予算及びその他議会の議決に基づく事務並びに法令などに基づく事務を適正に管理し執行します。
3 執行機関は、その権限と責任により、公正で誠実に仕事を進め、その内容などを常に見直し、最小の経費で最大の効果を上げるようにします。
(町長の設置)
第32条 町民の負託に応え、別海町の代表として町長を置きます。
(町長の役割及び責務)
第33条 町長は、この条例の基本理念、基本原則その他の規定を遵守し、公正かつ誠実にまちづくりに当たります。
2 町長は、職員を適正に指導監督するとともに、効率的な組織体制を整備します。
3 町長は、町政を担うための知識と能力を持った職員の育成をします。
4 町長は、まちづくりに関する情報を町民にわかりやすく説明します。
(行政の職員の役割及び責務)
第34条 職員は、全体の奉仕者として常に町民の目線に立ち、この条例の基本理念、基本原則その他の規定を遵守し、公正で誠実に職務を遂行します。
2 職員は、職務の遂行に必要な能力の向上に努めるとともに、常に自己の研鑽に努めます。
3 職員は、自らも地域社会の一員であることを認識し、職務を遂行します。
4 職員は、互いに横断的連携を密にした職務を遂行します。
第8章 行財政運営の原則
(総合計画)
第35条 行政は、まちづくりの将来の姿を明らかにし、地域で育まれてきた資源及び地域の特性を最大限に生かし、これを総合的かつ計画的に実現するため、総合計画を策定します。
2 行政は、総合計画を最上位の計画と位置付け、行政が行う政策は、法令の規定によるもの及び緊急を要するものを除き総合計画に基づいて実施します。
3 行政は、各分野における個別計画などについて、総合計画との調整を図って策定するとともに、策定後においても総合計画との整合性を図りながら進めます。
(行政評価)
第36条 行政は、効果的かつ効率的な町政を進めるため、行政評価の仕組みを確立し、総合計画に掲げた将来像の実現及び行政能力の向上に取組み、住民サービスの向上を図ります。
2 行政は、町民参加による行政評価を実施するとともに、評価結果のわかりやすい公表及び町民からの意見収集を行い、行政が行う政策へ反映します。
(財政運営)
第37条 行政は、財政状況を総合的に把握して的確な分析を行い、健全な財政運営を行います。
2 行政は、総合計画、行政評価などを踏まえた予算を編成します。
3 行政は、総合計画と連動した財政運営を行うとともに、中長期の財政計画を作成します。
4 行政は、財政状況を明らかにするため、わかりやすい資料を作成して公表します。
(組織体制)
第38条 行政は、社会経済情勢の変化及びまちづくりの課題に効率的かつ迅速に対応できる組織体制を確立します。
(行政手続)
第39条 行政は、町民の権利利益を保護するため、許認可の申請などの手続について、その基本的な事項を定め、公正の確保及び透明性の向上を図ります。
2 行政は、前項に関する必要な事項について、別海町行政手続条例(平成9年別海町条例第28号)で定めます。
(政策法務)
第40条 議会及び行政は、まちづくりに関する政策を実現するため、必要に応じて条例などの制定及び改廃を行うとともに、法令などを自主的かつ適正に運用します。
(危機管理)
第41条 行政は、災害などの緊急時に対処するため危機管理体制を整備し、町民の生命、財産などを守るために必要な措置を講じます。
2 町民は、緊急時において相互に助け合い、行動できるよう日頃から防災などに対する意識を高め、地域一丸となった協力体制の整備に努めます。
3 わたしたちは、あらゆる危機へ対応するため、常に連携し協力します。
第9章 連携及び協力
(さまざまな人々との連携及び協力)
第42条 わたしたちは、別海町の特性を生かした活動及び交流を通じて、さまざまな人々の知恵及び意見をまちづくりに生かします。
2 わたしたちは、地域振興のため、企業・大学・研究機関などとの連携協力を推進します。
(国及び北海道との連携及び協力)
第43条 議会及び行政は、まちづくりの課題を解決するため、国及び北海道と相互に連携協力を推進します。
(他の市町村との連携及び協力)
第44条 議会及び行政は、効率的な町政運営及び共通する課題を解決するため、他の市町村、広域連合、一部事務組合などとの連携協力を推進します。
第10章 条例の見直し
(条例の見直し)
第45条 町長は、この条例が当初の目的を達成しているか総合的に検討するために、別海町自治推進委員会(以下「委員会」という。)を設置します。
2 議会及び行政は、委員会からの意見等を参考に検討し、条例の見直しなどが必要な場合は、適切な措置を講じます。
3 委員会に関し必要な事項は町長が別に定めます。
附則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(令和3年9月17日別海町条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和5年3月17日別海町条例第2号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。