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占冠村むらびと条例

○占冠村むらびと条例
平成28年3月17日条例第2号
占冠村むらびと条例
目次
前文
第1章 総則(第1条~第2条)
第2章 むらづくりの基本理念及び基本原則(第3条~第4条)
第3章 情報の共有(第5条~第7条)
第4章 参加と協働(第8条~第13条)
第5章 村民(第14条~第15条)
第6章 議会(第16条~第19条)
第7章 村(第20条~第23条)
第8章 村政運営の原則(第24条~第32条)
第9章 むらづくりの基本方針(第33条~第40条)
第10章 条例の位置付け等(第41条~第42条)
附 則
私たちの郷土占冠村は、鵡川の源流に位置し、アイヌ語の「シモカプ(甚だ静かで平和な上流の場所)」という意味のとおり、樹海と清流に恵まれた自然の中にある村です。
明治35年に開拓の鍬が下され、幾多の困難を乗り越え今日の占冠村が築かれました。
近年は災害が多発し、占冠村においても水害や雪害といった自然災害が懸念されています。村民の生命と財産を守っていくためには、災害時における役割分担を住民全体で意識共有し、地域コミュニティを核とした住民自治の力を高めていくことが必要と考えられています。
また、第4次占冠村総合計画においても、住民と行政の役割を分担し、住民とともに考え、ともにむらづくりを進めることで、住民との協働を推進していくことを定めています。
豊かな自然環境の中で、誰もが安心して生涯生活できる占冠村にするため、私たちは占冠村民憲章の精神のもと、先人の遺業を受け継ぎ、輝かしい未来をみつめながら、住みよい郷土占冠をつくるために、ここに占冠村むらびと条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、占冠村のむらづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、豊かな地域社会の実現を図ることを目的とします。
(ことばの意味)
第2条 この条例において、使用することばの意味は、次のとおりとします。
(1) 村民 占冠村に住み、又は村内で働き、学び、もしくは活動する人をいいます。
(2) 村 村長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
(3) 参加 村民がむらづくりに主体的にかかわり、行動することをいいます。
(4) 協働 村民、議会及び村が、自主性を尊重し対等な立場で協力し、考え、行動することをいいます。
(5) コミュニティ 行政区、町内会、共通の目的を掲げて活動しているボランティア団体、NPOなどの多様な組織をいいます。
第2章 むらづくりの基本理念及び基本原則
(基本理念)
第3条 村民は、むらづくりの主体です。
(基本原則)
第4条 むらづくりの基本原則は、次のとおりとします。
(1) 村民、議会及び村が、むらづくりに関する情報を共有します。
(2) 村民一人ひとりが考え行動し、むらづくりに参加する機会が保障されます。
(3) 村民、議会及び村が、それぞれの役割と責務を認識し、協働してむらづくりを行います。
(4) 議会及び村は、村政に対する村民の信頼を確保するため、説明責任を果たすとともに、公正な村政運営を行います。
第3章 情報の共有
(村民の知る権利)
第5条 村民は、むらづくりに参加するために必要な村の情報について、その提供を受け、又は自ら取得する権利があります。
(情報の提供)
第6条 村は、村の保有する情報が村民の共有財産であることを認識するとともに、村政に関する正確で分かりやすい情報を村民が迅速かつ容易に得られるよう、情報の公開を推進します。
2 村政に関する情報の公開について必要な事項は、別に条例で定めます。
(個人情報の保護)
第7条 村は、保有する個人情報に関して厳重な管理を行い、村民の権利や利益が侵害されることのないよう、村が持つ個人情報を保護します。
2 個人情報の保護について必要な事項は、別に条例で定めます。
第4章 参加と協働
(村民の参加)
第8条 村民は、主役としてむらづくりに参加する権利があります。
2 村は、むらづくりの重要な計画の策定、実施及び評価のそれぞれの過程において、村民の参加を推進します。
(満18歳未満の村民の参加)
第9条 満18歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢にふさわしいむらづくりに参加する権利があります。
(村民参加の推進)
第10条 村は、村民のむらづくりへの参加を推進します。
(協働の推進)
第11条 村民、議会及び村は、相互の信頼関係を築きながら、協働のむらづくりを推進します。
2 村は、協働のむらづくりを推進するため、必要な支援を行います。
(コミュニティの推進)
第12条 村民は、お互いに助け合い安心して暮らすことのできる地域社会の実現に努めます。
2 村民と村は、コミュニティの役割を認識し、コミュニティを守り育てます。
3 村は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重しながら、必要な支援を行います。
(住民投票)
第13条 村は、村政の重要な事項について、直接村民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 村に住所を有する満18歳以上で別に条例で定める者は、村政に関する重要な事項について、その5分の1以上の者の連署をもって、村長に対し住民投票の実施を請求することができます。
3 村長は、前項の請求があったときは、住民投票を実施しなければなりません。
4 住民投票の投票権を有する者は、村に住所を有する満18歳以上で別に条例で定める者とします。
5 村長及び議会は、住民投票の結果を尊重します。
6 住民投票の実施に関する手続その他必要な事項は、別に条例で定めます。
第5章 村民
(村民の権利)
第14条 村民は、村政の主権者として、むらづくりに参加する権利があります。
2 村民は、相互に基本的人権が尊重され、安全で安心な生活を営む権利があります。
3 村民は、村政情報に関し知る権利を有するとともに、自己に係る個人情報の開示及び適正な措置を請求する権利があります。
(村民の責務)
第15条 村民は、一人ひとりの自由な意思に基づいて、むらづくりに参加するよう努めます。
2 村民は、お互いを尊重し、支え合いながら協働してむらづくりを進めるように努めます。
第6章 議会
(議会の役割)
第16条 議会は、村民の代表から構成され、重要事項について、村の意思決定を行います。
2 議会は、適正に行政運営が行われているかを監視し、けん制する役割を果たします。
(議会の責務)
第17条 議会は、会期内外を問わず、むらづくりの課題について調査研究を進め、将来に向けたむらづくりの展望を持って活動するように努めます。
2 議会は、広く村民から意見を求めるように努めます。
3 議会は、村民に議会における意思決定の内容及びその経過を説明する責任があります。
4 議員は、村民から選ばれた者として自ら研さんに努め、積極的にむらづくりについて提案します。
(反問権)
第18条 議長は、説明のため本会議に出席させた者に議員への質問及び意見を述べさせることができます。
(委員会の設置)
第19条 議会は、本会議のほか、むらづくりに関する政策を議論するため、委員会を設置することができます。
2 会議は委員長が招集し、議事運営にあたるものとします。
第7章 村
(村長の責務)
第20条 村長は、村政の代表者として、占冠の魅力を発信し、公平・公正かつ誠実に職務を執行し、むらづくりを推進するように努めます。
2 村長は、村民自らがむらづくりについて考え、行動することができるよう、行政情報を積極的に提供し、村民の意向の把握に努め、村民と情報を共有するように努めます。
3 村長は、村民の意向に対応した村政運営を行うため、職員の能力向上に努めるとともに、効率的・効果的な村政運営に努めます。
(職員の責務)
第21条 職員は、法令を遵守し、村民の視点に立って公平・公正かつ誠実に職務の執行に努めます。
2 職員は、むらづくりに関する情報収集に努めながら、必要な能力の開発と自己啓発に努めます。
3 職員は、自らも村民の一員としての自覚を持ち、積極的に地域活動に参加するように努めます。
(行政組織)
第22条 村の行政組織は、村民に分かりやすく、効率的・効果的なものであるとともに、社会経済情勢の変化及び村民のニーズに的確に対応するよう編成します。
(審議会等)
第23条 村は、審議会、審査会その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」といいます。)の委員には、公募の委員を加えるように努めます。ただし、公募による委員の選出が適当でないと認められる場合については、これを加えないことができます。
2 審議会等の構成員については、委員の年齢、性別、職種、他の審議会等との重複等を考慮し、幅広い人材を登用するように努めます。
3 審議会等の会議は、原則として公開します。
第8章 村政運営の原則
(村政の運営)
第24条 村は、情報共有に努めながら、村民参加及び協働のむらづくりを基本とした、効率的・効果的で、公平・公正かつ透明性の高い村政運営を行います。
2 村は、事業の実施に当たり、最少の経費で最大の効果を上げるように村政運営を行います。
(説明責任)
第25条 村は、政策の計画、実施の過程において、その内容や効果等を村民等に分かりやすく説明する責任があります。
2 村は、村民からの意見、要望、提案等に対しては、速やかに事実関係を調査し、誠実に応答します。
(総合計画)
第26条 村は、総合的かつ計画的な村政運営を行うため、総合計画を策定します。
2 村は、総合計画を最上位の計画と位置付け、村が行う政策は、法令の規定によるものや緊急を要するものを除き、総合計画に基づいて実施します。
3 村は、社会の変化に柔軟に対応するため、実施計画を毎年度見直すとともに、事業の進行を管理し、その状況を公表します。
(法務体制)
第27条 村は、地域の特性を生かした政策を実行するため、自らの判断と責任において必要な条例等の制定に努めます。
2 村は、前項の目的のため、職員の法務に関する能力の向上に努めるとともに、職員の自主的な研修等を保障します。
(財政運営)
第28条 村は、総合計画を踏まえた占冠村一般会計財政推計を策定するとともに、計画的で健全な財政運営に努めます。
2 村は、所管する公有財産について把握し、適正に管理するとともに、効果的な活用に努めます。
3 村は、毎年度の予算及び決算その他村の財政状況に関する情報を村民に分かりやすく公表します。
(行政手続)
第29条 村は、村民の権利利益の保護を図るため、別に条例で定めます。
(関与団体等)
第30条 村は、村が出資し、もしくは運営のための補助金を支出し、又は職員を派遣している法人その他の団体(以下「関与団体等」といいます。)に関する出資、補助及び職員派遣の状況を公表します。
2 村は、関与団体等及び指定管理者が行う村に関連する業務について、業務の目的が達成されているか検証するとともに、必要な指導及び助言を行います。
(意見公募)
第31条 村長は、住民生活に大きな影響を与える条例及び計画等の制定等にあたっては、村民の意見を反映させるため、事前にその案を公表し、広く村民の意見を求める責任があります。
2 村長は、村民から提出された意見を十分に考慮して意思決定を行うとともに、提出された意見とそれに対する村長の考え方を公表します。
(監査制度)
第32条 村は、法令に基づく監査を実施するとともに、効率的・効果的な財政運営を行うため、監査機能の充実に努めます。
第9章 むらづくりの基本方針
(安全で安心なむらづくり)
第33条 村は、村民の生命、財産及び暮らしの安全確保及び向上に努めるとともに、緊急時には、総合的かつ機動的な危機管理体制の確立に努めます。
2 村は、災害等が発生したときは、村民、行政区、関係機関などとの協力、連携及び相互支援のもと、速やかに村民の安全・安心の確保に努めます。
(人と自然との共生のむらづくり)
第34条 村民と村は、豊かな自然と大地の恵みを将来に向って子孫に引き継ぐため、人と自然との共生のむらづくりを進めます。
2 村民と村は、環境にやさしい再生可能エネルギーの活用と省エネルギーの推進に努めます。
3 村民と村は、循環型社会のむらづくりを進めます。
(活力のある魅力的なむらづくり)
第35条 村は、豊かな自然環境等の特性を生かし、魅力あるむらづくり施策の推進に努めます。
(愛着のあるむらづくり)
第36条 村は、村民が生涯安心して住み続けられる環境づくりに努めます。
(子育てと人づくりの推進)
第37条 村は、誰もが安心して子どもを産み、子育てができる環境づくりに努めます。
2 村、保育所、学校、地域及び家庭は、子どもの安全確保と保育、教育の充実に努めるとともに、子どもたちの健やかな成長を支えるため、地域全体で子育てを推進します。
3 村は、自ら学び、考え、行動するたくましい子どもたちを育成するとともに、郷土に誇りを持ち、自然環境を生かした地域づくりに取り組む人材の育成など、占冠村を支える人づくりを積極的に推進します。
(地域情報化の推進)
第38条 村は、情報通信技術を活用して、地域の知恵と工夫を活かしつつ、地域の総合的で高度な情報化を推進します。
(国際交流)
第39条 村は、次代を担う青少年の姉妹都市交流等を通じて国際感覚を養い、国際的に活躍できる人材の育成を推進します。
(平和体験学習)
第40条 村は、平和の尊さについて学ぶことを目的として平和体験学習を推進します。
第10章 条例の位置付け等
(条例の位置付け)
第41条 この条例は、占冠村のむらづくりの基本となるものであり、村民及び村は、この条例の趣旨を最大限尊重します。
2 村は、他の条例等の制定及び改廃又はむらづくりに関する計画の策定や変更を行うときは、この条例の趣旨を踏まえて整合性を図ります。
(条例の見直し)
第42条 村は、5年を超えない期間ごとに、この条例が占冠村にふさわしいものであり続けているかどうかを、村民を含めて検討します。
2 村は、前項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例の改正等必要な措置を行います。
附 則
この条例は、平成28年6月1日から施行する。
附 則(平成28年9月14日条例第21号)
この条例は、公布の日から施行する。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2020/03/23(月) 01:01
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