坂戸市市民参加条例
自治体データ
自治体名 | 坂戸市 | 自治体コード | 11239 |
都道府県名 | 埼玉県 | 都道府県コード | 00011 |
人口(2015年国勢調査) | 100,275人 |
条例データ
制定年 | 2006年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント公聴会市民会議 審議会委員の市民公募 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 住民投票は、住民投票条例で規定されている。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.sakado.lg.jp/soshiki/15/607.html |
条例本文
坂戸市市民参加条例
平成18年3月20日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 市民参加の手続
第1節 通則(第6条―第11条)
第2節 審議会等の設置基準等(第12条―第15条)
第3章 坂戸市市民参加推進会議(第16条―第22条)
第4章 市民参加の手続の改善提案(第23条)
第5章 雑則(第24条)
附則
坂戸市は、長い歴史と文化にはぐくまれ、高麗川や越辺川の清流と豊かな緑を有する自然環境に恵まれた都市です。
私たちは、市民一人ひとりが持つ豊かな創造性、知識、経験をまちづくりに生かしていくことによって、この坂戸市を「魅力的で生き生きとした住み良いまち」にすることを決意しました。
そのためには、積極的な情報公開により市政運営の透明性の向上を図るとともに、市民の意向を市政運営に的確に反映させる制度を確立し、市民と市との協働を基本とした市民が主役となる自立性の高い地域社会を築いていく必要があります。
私たちは、このような認識に基づき、市政への市民参加を積極的に推進するため、ここに、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、市政運営における市民参加の基本的な事項を定め、市民及び市の責務を明らかにするとともに、市民と市との協働によるまちづくりを推進することにより、市民が主役となる自立性の高い地域社会の実現を図り、もって坂戸市を魅力的で生き生きとした住み良いまちにすることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に在住し、又は在勤し、若しくは在学する個人をいう。
(2) 協働 市民及び市がそれぞれの果たすべき役割を自覚し、信頼関係を築くとともに相互に補完し、協力することをいう。
(3) 市民参加 市政に市民の意見及び情報(以下「意見等」という。)を反映させるため、市の施策を策定するに当たり、市民が様々な形で参加することをいう。
(4) 市民参加の手続 市の施策を策定するに当たり、その趣旨、内容その他必要な事項を公表し、当該施策に対する市民から提出された意見等を考慮して意思決定を行うとともに、市民から提出された意見等並びにその検討経過及び検討結果を公表する一連の手続をいう。
(5) 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(基本原則)
第3条 市民参加は、市民及び市がそれぞれ有する情報が共有されること並びに市民参加の機会が平等に確保されることを基本原則とする。
(市民の責務)
第4条 市民は、市政に対する関心を高め、自らの発言と行動に責任を持って自主的かつ積極的に市民参加を行うよう努めなければならない。
2 市民は、特定の個人及び団体の利益を図ることを目的とせず、市民全体の利益を図ることを目的として、市民参加を行うよう努めなければならない。
3 市民は、市民参加の推進に寄与するとともに、市民と市との協働によるまちづくりを推進するため、公益的な市民活動に関し理解を深めるよう努めなければならない。
(市の責務)
第5条 市は、坂戸市情報公開条例(平成11年坂戸市条例第13号)及び坂戸市個人情報保護条例(平成11年坂戸市条例第14号)に留意しつつ、市政運営における情報の積極的な提供を行い、市民との情報の共有化に努めなければならない。
2 市は、市民参加の機会を積極的に提供するとともに、市民の意向を的確に把握し、施策へ反映させるよう努めなければならない。
3 市は、市民参加の継続的な発展に向けて、創意工夫に努めなければならない。
第2章 市民参加の手続
第1節 通則
(市民参加の手続の対象)
第6条 実施機関は、次に掲げるものの策定又は改廃等(以下「施策の策定等」という。)を行おうとするときは、市民参加の手続を実施しなければならない。
(1) 市の基本構想及び基本的事項を定める計画
(2) 市の基本的な方向性等を定める憲章、宣言等
(3) 市政に関する基本方針を定め、又は市民に義務を課し、若しくは市民の権利を制限することを内容とする条例
(4) 市民生活に重大な影響を及ぼす制度
(5) 市民の公共の用に供される実施機関が定める大規模な施設の設置に係る基本構想等
(6) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が特に市民参加の手続を実施することが必要と認める
もの2 実施機関は、前項の規定にかかわらず、施策の策定等のうち次の各号のいずれかに該当するものについては、市民参加の手続を実施しないことができる。
(1) 定型的又は経常的なもの
(2) 緊急に行わなければならないもの
(3) 法令の規定により施策の策定等の基準が定められており、その基準に基づき行うもの
(4) 市の組織、人事及び財務に関するもの
(5) 市税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するもの
(6) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が特に市民参加の手続を実施することが適当でないと
認めるもの
3 実施機関は、前項第2号及び第6号の規定により市民参加の手続を実施しなかったときは、当該施策の公表と同時に、その理由を公表するものとする。
(実施時期)
第7条 実施機関は、市民の意見等を求めるときは、企画立案から意思決定に至るまでの過程における適切な時期に実施するものとする。
(公表の方法)
第8条 実施機関は、市民参加の手続に関する事項を公表するときは、次に掲げる方法のうち2以上の方法により行うものとする。
(1) 市の広報紙への掲載
(2) 市のホームページへの掲載
(3) 担当窓口での供覧又は配布
(4) その他効果的に周知できる方法
(意見等の取扱い)
第9条 実施機関は、市民の意見等が提出されたときは、提出された意見等を総合的かつ多面的に検討するものとする。
2 実施機関は、市民参加の手続を実施して施策を定めた場合には、当該施策の公表と同時に、提出された意見等並びにその検討経過及び検討結果を公表するものとする。
(実施状況の公表)
第10条 市長は、毎年度各実施機関における市民参加の手続の実施状況を取りまとめ、公表するものとする。
(市民参加の方法)第11条 実施機関は、市民の意見等を求めるときは、施策の策定等の内容に応じて、次に掲げる方法
のうち1以上の適切な方法により行うものとする。
(1) 審議会等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する附属機関及び実施機関が定める要綱等により設置する協議会等をいう。)の委員の全部又は一部を公募による市民とし、意見等を求める方法
(2) 公募による市民のみで構成され、自主的に運営される会議(以下「まちづくり市民会議」という。)を設置し、意見等を求める方法
(3) 施策の策定等の趣旨、内容その他必要な事項を公表し、書面等により広く市民の意見等を求める方法(以下「市民コメント」という。)
(4) 市民と実施機関及び市民同士の自由な意見等の交換会(以下「フォーラム」という。)を開催し、市民の意見等を求める方法
2 実施機関は、市民の意見等を求めるときは、前項の規定により行うほか、実施機関が適当と認める方法により行うことができる。
第2節 審議会等の設置基準等
(審議会等)
第12条 実施機関は、審議会等の委員について、年齢構成、男女比率、再任状況、他の審議会等との重複状況等に配慮するとともに、委員のうち全部又は一部を公募による市民とするよう努めるものとする。
2 実施機関は、審議会等の委員を公募するときは、審議会等の設置の趣旨、委員の任期及び応募方法その他必要な事項を公表するものとする。
3 委員の在任期間は、原則として連続3期を超えないものとする。ただし、専門的知識を有するものとして選任された委員については、この限りでない。
4 市長は、毎年度各実施機関において開催した審議会等の委員の選任区分ごとの人数及び男女比率を取りまとめ、公表するものとする。この場合において、市長は、公募による委員がいない場合は、その理由を公表するものとする。
5 審議会等の会議は、原則として公開する。ただし、法令により非公開とされているもの及び個人情報等を含む事項を審議する場合で、審議会等が非公開と決定したときは、この限りでない。この
場合において、審議会等は、その理由を公表するものとする。
6 審議会等は、会議を開催するときは、会議の議題、開催日時及び場所その他必要な事項を事前に公表するものとする。ただし、会議が非公開とされたとき及び緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りでない。
7 審議会等は、会議を開催したときは、会議録を作成し、公表するものとする。ただし、会議が非公開とされたときは、会議録を公表しないことができる。
(まちづくり市民会議)
第13条 実施機関は、まちづくり市民会議を設置するときは、行政課題、設置期間、構成員の応募方法その他必要な事項を公表するものとする。
2 実施機関及びまちづくり市民会議は、それぞれの役割、責務等を定めた協定を締結するものとする。
3 まちづくり市民会議は、前項の協定に基づき自主的な調査研究を行うものとする。
4 まちづくり市民会議の会議は、原則として公開する。ただし、個人情報等を含む事項を審議する場合で、まちづくり市民会議が非公開と決定したときは、この限りでない。この場合において、実施機関は、その理由を公表するものとする。
5 実施機関は、まちづくり市民会議の会議が開催されるときは、会議の議題、開催日時及び場所その他必要な事項を事前に公表するものとする。ただし、会議が非公開とされたとき及び緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りでない。
6 まちづくり市民会議の会議が開催されたときは、まちづくり市民会議が会議録を作成し、実施機関がそれを公表するものとする。ただし、会議が非公開とされたときは、会議録を公表しないことができる。
(市民コメント)
4/5
第14条 実施機関は、市民コメントを実施するときは、施策の策定等の趣旨、意見等の募集期間及び提出方法その他必要な事項を公表するものとする。
2 市民コメントを実施する場合における意見等の募集期間は、前項の規定による公表の日から起算して30日以上とする。ただし、緊急の必要がある場合その他やむを得ない場合は、この限りでない。この場合において、実施機関は、その理由を公表するものとする。
3 意見等の提出方法は、実施機関が指定する場所への書面の提出その他実施機関が適当と認める方法とする。
4 意見等を提出しようとする市民は、住所、氏名その他実施機関が定める事項を明らかにしなければならない。
5 実施機関は、意見等の提出があったときは、当該施策の公表と同時に、当該意見等の検討経過及
び検討結果を当該意見等の提出者へ通知するものとする。
(フォーラム)
第15条 実施機関は、フォーラムを開催するときは、施策の策定等の趣旨、開催日時及び場所その他必要な事項を事前に公表するものとする。
2 実施機関は、フォーラムを開催したときは、開催記録を作成し、公表するものとする。
第3章 坂戸市市民参加推進会議
(坂戸市市民参加推進会議の設置)
第16条 市民参加に関する基本的事項を調査審議するため、坂戸市市民参加推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
(所掌事務)
第17条 推進会議は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議する。
(1) 市民参加の実施状況に対する総合的評価
(2) 市民参加の方法の研究及び改善
(3) その他市民参加の推進に関し、市長が必要と認める事項
2 推進会議は、市民参加に関する重要事項について調査審議し、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第18条 推進会議は、委員7人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験者
(2) 市長が行う公募に応じた市民
(3) その他市長が必要と認める者
2 前項第2号に掲げる者として選任される委員の数は、委員総数の2分の1以上となるよう努める
ものとする。
3 委員総数に対する男女の割合は、そのいずれもが委員総数の4分の1を下回らないよう努めるも
のとする。
(任期)
第19条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第20条 推進会議に会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、推進会議を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第21条 推進会議の会議は、会長が招集し、その議長となる。
2 推進会議は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 推進会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 推進会議は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求めて意見を聴くことができる。
(庶務)
第22条 推進会議の庶務は、総合政策部政策企画課において処理する。
第4章 市民参加の手続の改善提案
(市民参加の手続の改善提案)
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第23条 市民は、市民参加の手続に関し、市長に対して改善案を提出することができる。
2 市長は、前項の規定により改善案が提出されたときは、原則として推進会議に意見を求めるものとする。ただし、その改善案によって明らかに改善されると認められる場合で速やかに改善を実施するときは、この限りでない。この場合において、市長は、改善案の対応について、改善案の提出者及び推進会議に対して報告するものとする。
3 市長は、前項本文の規定により推進会議の意見が提出されたときは、速やかにその意見を検討し、その結果を改善案の提出者及び推進会議に対して報告するとともに、公表するものとする。
第5章 雑則
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に案の策定に着手している施策の策定等であって、市民参加の手続を実施することが困難と認められるものについては、第2章の規定は、適用しない。
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年坂戸町条例第15号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略