南足柄市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 南足柄市 | 自治体コード | 14217 |
都道府県名 | 神奈川県 | 都道府県コード | 00014 |
人口(2015年国勢調査) | 40,841人 |
条例データ
制定年 | 2010年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 関連条例として、2012年に南足柄市市民活動推進条例が制定された。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/machi/seisaku/jiti/ |
条例本文
○南足柄市自治基本条例
平成22年6月21日条例第15号
南足柄市自治基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 自治の基本理念(第4条)
第3章 自治の基本原則(第5条~第7条)
第4章 まちづくりの指針(第8条)
第5章 役割と責務(第9条~第14条)
第6章 危機管理(第14条の2)
第7章 行政運営(第15条~第25条)
第8章 まちづくり基金(第26条)
第9章 住民投票(第27条)
第10章 地域コミュニティ(第28条)
第11章 国及び他の自治体との関係(第29条)
第12章 条例の実効性の担保及び見直し(第30条・第31条)
第13章 雑則(第32条)
附則
私たちの南足柄市は、箱根外輪山の麓に広がり、歴史と文化に育まれた水と緑の豊かなまちです。
「古事記」「万葉集」にも登場する足柄の地は、気は優しくて力持ちの金太郎のふる里としても知られ、郷土を愛する多くの人々から文化や自然を引き継ぎ、産業文化都市として発展してきました。
しかしながら、地方分権改革の進展、少子高齢化の進行、人口減少社会の到来、大規模な自然災害の発生など社会構造や環境が大きく変化するとともに、生活様式や価値観が多様化している中、地域のことは地域で考え、解決することが求められています。
そのためには、市政が市民の信託に基づくものであることを基本に、市民の意見を市政に適切に反映させる仕組みを構築するとともに、市民、議会、市長等が協働し、市民一人ひとりの人権が尊重され、安全で安心して健康に暮らすことができるまちづくりを進めることが必要です。
ここに私たちは、市民自治の確立を目指して、自治の基本理念及び基本原則を共有し、全ての市民に遵守される最高規範として、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における自治の基本理念及び基本原則を定めるとともに、市民、議会及び市長等の責務その他の市政運営の基本的事項を定めることにより、市民自治によるまちづくりを実現することを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、南足柄市(以下「市」といいます。)の自治の基本を定める最高規範であり、市長等は、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図ります。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市内に居住する者、市内で働き、若しくは学ぶ者又は市内において事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいいます。
(2) 参加 市民が、市長等による政策の立案、実施及び評価の各過程に主体的に係わり、行動し、意見を述べ、又は提案することをいいます。
(3) 協働 市民、議会及び市長等が共通の目的を実現するために、それぞれの役割及び責任のもと、自主性を尊重し、対等な立場で連携し、及び協力することをいいます。
(4) まちづくり 緑豊かで明るく住みよい市を創るための活動をいいます。
(5) 市長等 市長(水道事業及び公共下水道事業の管理者の権限を行う市長を含みます。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
第2章 自治の基本理念
(自治の基本理念)
第4条 市政は、市民の信託に基づくものであることを基本とし、市民、議会及び市長等は、相互に協力して、市民主体の自治の確立を目指します。
第3章 自治の基本原則
(情報共有の原則)
第5条 市民、議会及び市長等は、相互にまちづくりに関する情報を提供し、共有することを原則とします。
(参加の原則)
第6条 市民は、市政に自主的に参加をすることを原則とします。
2 市長等は、市民の市政への参加を保障するものとします。
(協働の原則)
第7条 市民、議会及び市長等は、相互理解と信頼関係のもと、自主性を尊重し、対等な立場で連携し、及び協力してまちづくりを進めることを原則とします。
第4章 まちづくりの指針
(まちづくりの指針)
第8条 市民、議会及び市長等は、それぞれに果たすべき責任と役割を分担しながら、次に掲げる指針によりまちづくりを推進します。
(1) 安全で安心して健康に暮らせるまち
(2) 環境と自然に配慮した魅力あるまち
(3) 人と文化を育むまち
(4) 活力とにぎわいに満ちたまち
第5章 役割と責務
(市民の役割と責務)
第9条 市民は、まちづくりの担い手であることを自覚するとともに、互いを尊重して市政に参加するよう努めなければなりません。
2 市民は、市政に関する認識を深め、議会及び市長等と協働してまちづくりに取り組むよう努めなければなりません。
3 市民は、市政の参加にあたっては、自らの発言と行動に責任を持たなければなりません。
4 市民は、市政運営に伴う負担を適正に負担しなければなりません。
(事業者の役割と責務)
第10条 事業者(市内において、営利又は非営利の活動、公共的活動その他の活動を営むものをいいます。次項において同じです。)は、地域社会を構成する一員として、社会的責任を自覚し、良好な地域社会の実現に寄与するよう努めなければなりません。
2 事業者は、地域の経済的活力を高め、地域の雇用の確保に努めるとともに、持てる資源を生かして、地域社会の発展に寄与するよう努めなければなりません。
(議会の責務)
第11条 議会は、市の意思決定機関として、市の政策形成に努め、及び市政運営の監視の責務を果たすようにしなければなりません。
2 議会は、市民自治によるまちづくりを推進するため、審議、政策立案等に当たり、市民の意思が市政に反映されるよう努めなければなりません。
3 議会は、市民への説明責任を果たし、及び開かれた議会を運営するため、議会活動に関する情報を市民に積極的に提供するよう努めなければなりません。
(議員の責務)
第12条 議員は、市民の負託に応え、前条に定める議会の責務を果たすため、誠実かつ公正に職務を遂行しなければなりません。
2 議員は、地域の課題及び市民の意見を把握し、これを政策形成及び議会の審議に反映させるよう努めなければなりません。
(市長等の責務)
第13条 市長等は、自治の基本理念に基づき、誠実かつ公正に職務を遂行しなければなりません。
2 市長等は、市民自治によるまちづくりを推進するため、市民の意思を把握し、市政運営に反映させるよう努めなければなりません。
(職員の責務)
第14条 職員は、市民の立場に立ち、誠実かつ公正に職務を遂行しなければなりません。
2 職員は、職務の遂行に必要な知識、政策立案能力等を身に付けるよう努めなければなりません。
第6章 危機管理
(危機管理)
第14条の2 市長等は、災害の発生、感染症の感染拡大その他非常時(以下「危機事象」といいます。)から市民の生命、身体及び財産を保護するため、国、神奈川県、他の自治体等と相互に連携し、及び協力することにより、最大の努力を払わなければなりません。
2 市民は、危機事象による被害を最小とするため、自助及び共助の精神の下、自らの身は自ら守り、並びに地域において互いに協力し、及び対処するよう努めなければなりません。
第7章 行政運営
(行政運営の基本)
第15条 市長等は、効率的で公正かつ透明性の高い行政運営を行わなければなりません。
(総合計画)
第16条 市長は、総合的かつ計画的な行政運営の基本となる計画(以下「総合計画」といいます。)を策定し、効果的かつ効率的に市の施策を推進しなければなりません。
2 総合計画のうち基本構想及び基本計画は、議会の議決を得なければなりません。
3 市長は、総合計画の進行管理を行い、その状況を分かりやすく公表しなければなりません。
(財政運営)
第17条 市長は、中長期的な財政見通しのもとに、計画的で健全な財政運営に努めなければなりません。
2 市長は、予算、決算その他財務状況について、分かりやすく公表しなければなりません。
3 市長は、市が資本金等の2分の1以上を出資している法人について予算、決算その他財務状況を、会計年度ごとに分かりやすく公表しなければなりません。
(監査)
第18条 監査は、行政運営の適法性及び妥当性のほか、効率性、経済性及び有効性の観点を踏まえて行うよう努めなければなりません。
(行政評価)
第19条 市長等は、効果的かつ効率的な行政運営を推進するとともに、行政の透明性を高めるため、行政評価を実施しなければなりません。
2 市長等は、行政評価の結果を市民に公表するとともに、施策等への反映に努めなければなりません。
(行政手続)
第20条 市長等は、市民の権利利益を保護するため、処分、行政指導、届出等に関する手続を適正に行い、行政運営における公正の確保と透明性の向上に努めなければなりません。
(説明責任及び応答責任)
第21条 市長等は、政策の立案、実施及び評価の各過程において、市民に分かりやすく説明するとともに、市民からの意見及び質問に対し、迅速かつ適切に対応しなければなりません。
(パブリックコメント)
第22条 市長等は、市の基本的な計画、重要な条例等を策定しようとするときは、当該計画、条例等の案を公表し、広く市民の意見を聴く手続をとらなければなりません。
2 市長等は、前項の手続により提出された市民の意見を考慮して意思決定を行うとともに、その意見に対する市長等の考え方を公表しなければなりません。
(情報公開)
第23条 市長等は、市政に関する情報を速やかに、かつ、分かりやすく公開し、又は提供しなければなりません。
(個人情報保護)
第24条 市長等は、個人の権利利益を保護するため、個人情報の保護を図り、それを適正に管理しなければなりません。
(学習環境の整備)
第25条 市長等は、まちづくりについて市民自らが学び考えることができる環境づくりに努めなければなりません。
第8章 まちづくり基金
(まちづくり基金)
第26条 市長は、まちづくりの支援に活用するため、基金を設置しなければなりません。
第9章 住民投票
(住民投票)
第27条 市長は、市政の重要事項について、広く市民の意思を把握する必要があると認めるときは、当該重要事項ごとに、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます。
2 市長は、住民投票を実施するときは、住民投票の争点を明らかにするとともに市民が当該争点について判断するのに必要な情報を提供しなければなりません。
3 議会及び市長は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。
第10章 地域コミュニティ
(地域コミュニティ)
第28条 市民は、安心して心豊かに暮らすことのできる地域社会の実現のため、地域コミュニティ(一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された自治会その他共通な目的を持ち、地域の安全、環境その他の課題の解決に向けて取り組む団体をいいます。次項において同じです。)をまちづくりの担い手として認識し、これを守り育てるよう努めなければなりません。
2 市長は、地域コミュニティの役割及び自主性を尊重し、前項に規定する課題を解決するための活動を支援するよう努めなければなりません。
第11章 国及び他の自治体との関係
(国及び他の自治体との関係)
第29条 市は、国及び神奈川県と対等な立場で相互に協力し、自治の発展のため適切な関係を構築しなければなりません。
2 市は、共通課題又は広域的課題の解決を図るため、他の自治体と積極的に連携し、及び協力するよう努めなければなりません。
第12章 条例の実効性の担保及び見直し
(自治基本条例推進委員会)
第30条 市長は、この条例の実効性を高め、市民自治をより推進するため、南足柄市自治基本条例推進委員会(以下「推進委員会」といいます。)を設置します。
2 推進委員会は、市長の諮問に応じ、この条例の改正又は適切な運用について審議し、市長に答申するものとします。
3 推進委員会は、前項に規定するもののほか、市民自治の推進に関する重要事項について、市長に提言することができます。
4 市長は、推進委員会の答申及び提言を尊重しなければなりません。
(条例の見直し)
第31条 市長は、4年を超えない期間ごとに、この条例が社会経済情勢の変化等に対応しているかを検証し、その結果、見直しの必要があると認めるときは、適切な措置を講じなければなりません。
2 市長は、前項の規定による検証の結果を公表しなければなりません。
第13章 雑則
(委任)
第32条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めるものとします。
附 則
この条例は、平成22年10月1日から施行します。ただし、第26条及び第30条の規定は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において規則で定める日から施行します。(平成24年3月規則第8号で、附則ただし書に規定する規定(同条例第30条の規定に限る。)は、平成24年4月16日から施行。平成24年6月規則第29号で、附則ただし書に規定する規定(同条例第26条の規定に限る。)は、平成24年6月20日から施行)
附 則(平成28年12月13日条例第38号)
この条例は、平成29年4月1日から施行する。
附 則(令和3年12月13日条例第27号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。