防府市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 防府市 | 自治体コード | 35206 |
都道府県名 | 山口県 | 都道府県コード | 00035 |
人口(2015年国勢調査) | 113,979人 |
条例データ
制定年 | 2009年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 審議会委員の市民公募 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 2012年に関連条例として、防府市参画及び協働の推進に関する条例が制定された。住民投票条例は2006年に制定済み。 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/5/jichikihonjyourei.html |
条例本文
○防府市自治基本条例
平成二十一年十月六日
条例第二十五号
目次
前文
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 自治の基本理念及び基本原則(第四条・第五条)
第三章 市民及び市民等(第六条・第七条)
第四章 市議会(第八条・第九条)
第五章 執行機関(第十条―第十二条)
第六章 総合計画(第十三条)
第七章 行政運営(第十四条―第二十三条)
第八章 財政(第二十四条・第二十五条)
第九章 参画及び協働の推進(第二十六条―第三十条)
第十章 その他(第三十一条・第三十二条)
附則
瀬戸内海と「母なる川」佐波川、大平山や県下最大の防府平野など、豊かな自然に恵まれたこの地は、古くは周防の国府が置かれるとともに、良港を擁し、交通の要衝でもありました。また、あまたの人材を輩出し、歴史の上でもしばしば重要な舞台として登場します。このように、多彩な文化が生まれ育ち、製塩をはじめ我が国の経済発展の一翼を担った産業を育んできたまち、それが私たちの暮らす防府市です。
今を生きる私たち防府市民は、先達から受け継いだ「すばらしい防府」を誇りとし、守り、育て、次の世代に引き継いでいく使命があります。
そのためには、市民等が、自らの責任において参画するとともに、市民等、市議会そして行政が、英知を結集し、協働してまちづくりに取り組むことが必要です。
ここに、市民等、市議会そして行政の役割と責務を明確にし、自治の基本的なルールを明らかにするため、この条例を制定します。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、本市における自治の基本理念及び基本原則を明らかにし、市民等、市議会及び市長等の役割と責務を明確にするとともに、市政に関する基本的な事項を定めることにより、自治の確立を図ることを目的とします。
(条例の位置付け)
第二条 この条例は、本市における自治の最高規範であり、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重するものとします。
(定義)
第三条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
一 市民 市内に住所を有する人をいいます。
二 市民等 市民、市内で働き、若しくは学ぶ人又は市内で事業活動その他の活動を行う人若しくは団体をいいます。
三 市長等 市長その他の執行機関をいいます。
四 参画 政策の形成、実施及び評価の各過程に自主的にかかわることをいいます。
五 協働 市民等、市議会及び市長等が、それぞれの役割と責務を自覚するとともに、互いを尊重し、協力して取り組むことをいいます。
第二章 自治の基本理念及び基本原則
(自治の基本理念)
第四条 本市における自治の基本理念は、次に掲げるとおりとします。
一 自治の主体は市民であり、市議会及び市長等は、基本的人権の尊重の下に、市民の信託にこたえ、自治を推進するものとします。
二 市民等、市議会及び市長等は、地域の歴史及び文化的な特性を尊重したまちづくりを行うものとします。
三 市議会及び市長等は、自主的かつ自立的に市政運営を行うものとします。
(自治の基本原則)
第五条 本市における自治の基本原則は、次に掲げるとおりとします。
一 市政は、二元代表制の下、参画と協働を図りながら行われるものとします。
二 市民等、市議会及び市長等は、市政に関する情報を共有するものとします。
第三章 市民及び市民等
(市民の権利及び市民等の権利)
第六条 市民の権利及び市民等の権利は、次に掲げるとおりとします。
一 市民は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)に定めるところにより、市民の代表を選ぶ権利、条例の制定又は改廃等の直接請求を行う権利その他の権利を有します。
二 市民等は、市政に関する情報を知る権利及び参画する権利を有するものとします。
三 市民等は、適正な行政サービスを受ける権利を有するものとします。
(市民の責務及び市民等の責務)
第七条 市民の責務及び市民等の責務は、次に掲げるとおりとします。
一 市民は、自らが自治の主体であることを自覚し、参画するよう努めるものとします。
二 市民等は、参画し、協働するときは、自らの発言と行動に責任をもつものとします。
三 市民等は、法令等の定めるところにより、行政サービスに要する費用を税、使用料、手数料等により負担するものとします。
第四章 市議会
(市議会の役割と責務)
第八条 市議会は、選挙によって選ばれた議員によって構成される意思決定機関であるとともに、市民の信託にこたえるため、行政運営を監視し、けん制する機能を果たさなければなりません。
2 市議会は、議会の活性化に努めるとともに、政策提言及び政策立案の機能の強化を図るため、調査活動、立法活動等を積極的に行わなければなりません。
3 市議会は、開かれた議会運営を行うため、情報提供及び情報公開を積極的に推進しなければなりません。
4 市議会は、市民等に対し議会の役割と責務を明確にするため、自らの基本とする条例を制定します。
(市議会議員の責務)
第九条 市議会議員は、市民の信託に対する自らの責任を果たすため、誠実に職務を遂行しなければなりません。
第五章 執行機関
(市長の役割と責務)
第十条 市長は、市の代表者として、その地位が市民の信託によるものであることを認識し、公正かつ誠実に行政運営に当たらなければなりません。
2 市長は、市の職員の能力向上を図らなければなりません。
(市長を除く執行機関の役割と責務)
第十一条 市長を除く執行機関は、その権限に属する事務を自らの判断と責任において、公正かつ誠実に執行しなければなりません。
(市の職員の責務)
第十二条 市の職員は、全体の奉仕者として、公正かつ誠実に職務を執行しなければなりません。
2 市の職員は、自己啓発並びに職務に必要な知識の習得及び技能の向上に努めなければなりません。
第六章 総合計画
(総合計画)
第十三条 市長は、本市における最上位の計画であり、まちづくりの基本的な構想を示す総合計画を、この条例の趣旨に沿って策定しなければなりません。
2 総合計画は、市民等の参画の下にその案を策定するものとします。
3 市長等は、総合計画に基づき、総合的かつ計画的な行政運営に努めなければなりません。
4 市長等は、各政策分野における個別計画を策定するに当たっては、総合計画との整合性を図るものとします。
(平三〇条例一・一部改正)
第七章 行政運営
(市長等の組織)
第十四条 市長等は、その組織が市民等にわかりやすく、効率的かつ機能的なものとなるよう、また、社会経済情勢の変化に的確に対応するよう、常に見直しに努めなければなりません。
(情報の提供及び公開)
第十五条 市長等は、その保有する情報を積極的に公表し、提供しなければなりません。
2 市長等は、市民等の知る権利を保障するため、その保有する情報について、情報公開制度を設けます。
3 情報公開について必要な事項は、別に条例で定めます。
(個人情報の保護)
第十六条 市長等は、個人の権利や利益が侵害されることのないよう、その保有する個人情報の保護を適正に行うとともに、自己に係る個人情報の開示、訂正等を請求する権利を保障しなければなりません。
2 個人情報の保護について必要な事項は、別に条例で定めます。
(説明責任と応答責任)
第十七条 市長等は、政策の形成、実施及び評価の各過程において、その経過、内容等を市民等にわかりやすく説明する責任を果たさなければなりません。
2 市長等は、行政に関する意見、要望、提案等に対して、迅速かつ誠実に応答しなければなりません。
(行政評価)
第十八条 市長等は、効率的かつ効果的な行政運営を図るため、行政評価を実施し、その結果をわかりやすく公表しなければなりません。
2 市長等は、行政評価の結果を政策等に速やかに反映させるよう努めなければなりません。
(行政手続)
第十九条 市長等は、市民等の権利や利益の保護に資するため、行政手続に関し共通する事項を定め、行政運営における公正性の確保と透明性の向上を図らなければなりません。
2 行政手続について必要な事項は、別に条例で定めます。
(法令遵守)
第二十条 市長等は、行政運営に当たっては、法令等を遵守するとともに、法令等遵守のための体制を整備するよう努めなければなりません。
(公益通報)
第二十一条 市の職員は、市政の運営において市民等の信頼を損なう違法又は不当な事実があることを知ったときは、公益の損失を防止するため、速やかにその事実を通報しなければなりません。
2 公益通報を行った市の職員は、その公益通報を行ったことを理由に不利益な扱いを受けないことを保障されます。
(政策法務)
第二十二条 市長等は、市民ニーズや地域の課題に対応するため、法令を自主的かつ適正に解釈し、運用するとともに、条例及び規則の整備に努めるなど、政策法務を推進するものとします。
(危機管理)
第二十三条 市長等は、災害等の不測の事態から市民等の生命、身体及び財産又は生活の平穏を守るとともに、緊急時における総合的かつ機能的な活動が図れるよう危機管理体制の整備に努めなければなりません。
第八章 財政
(財政運営)
第二十四条 市長は、中長期的な財政計画を策定するとともに、財源を効率的かつ効果的に活用し、健全な財政運営に努めなければなりません。
2 市長等は、その所管する財産の適正な管理及び効率的な活用に努めなければなりません。
(財政状況の公表)
第二十五条 市長は、市民等にわかりやすい財政状況に関する資料を作成し、公表しなければなりません。
2 財政状況の公表について必要な事項は、別に条例で定めます。
第九章 参画及び協働の推進
(参画の推進)
第二十六条 市長等は、市民等の参画について、その制度を充実させるとともに、市民等が参画しやすい環境を整備しなければなりません。
2 参画の推進について必要な事項は、別に条例で定めます。
(意見聴取)
第二十七条 市長等は、特に重要な条例の制定又は改廃及び特に重要な計画の策定又は改廃をしようとするときは、広く市民等の意見を求め、市民等から提示された意見を十分に考慮するとともに、その意見に対する市長等の考え方を公表しなければなりません。
2 意見聴取の手続その他必要な事項は、別に条例で定めます。
(審議会等の運営)
第二十八条 市長等は、審議会、審査会等(以下「審議会等」といいます。)の委員を選任するときは、委員構成における中立性の保持に留意するとともに、原則として、その一部を市民から公募するものとします。
2 審議会等の会議は、原則として、公開するとともに、その会議録を公表するものとします。
3 審議会等の委員の公募その他必要な事項は、別に条例で定めます。
(住民投票)
第二十九条 市長は、市政の運営上の重要事項について、住民投票の実施の請求があったとき、又は自ら住民投票の実施を発議したときは、住民投票を実施しなければなりません。
2 住民投票について必要な事項は、別に条例で定めます。
(協働の推進)
第三十条 市民等、市議会及び市長等は、相互理解と信頼関係の下で協働してまちづくりに取り組みます。
2 市長等は、地域コミュニティ及び市民活動団体のそれぞれの自主性及び自立性を尊重し、その活動を支援するよう努めるものとします。
3 協働の推進について必要な事項は、別に条例で定めます。
第十章 その他
(国、山口県及び他の自治体との連携)
第三十一条 市議会及び市長等は、国及び山口県と対等な関係の下で、協力と連携に努めるとともに、政策及び制度の改善等に関する提案を積極的に行うよう努めるものとします。
2 市議会及び市長等は、共通する課題若しくは広域的な課題の解決又は行政サービスの向上を図るため、他の自治体と相互に連携し、協力するよう努めるものとします。
(条例の見直し)
第三十二条 市長は、この条例の施行後四年を超えない期間ごとに、市民の参画の下、この条例の見直しについて検討し、必要な措置を講じるものとします。
附 則
この条例は、平成二十二年四月一日から施行します。
附 則(平成三〇年三月五日条例第一号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の第十三条第一項の規定は、施行日以後に策定される総合計画について適用し、施行日前に策定された総合計画については、なお従前の例による。