西原町まちづくり基本条例
自治体データ
自治体名 | 西原町 | 自治体コード | 47329 |
都道府県名 | 沖縄県 | 都道府県コード | 00047 |
人口(2015年国勢調査) | 34,984人 |
条例データ
制定年 | 2012年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 委員公募 パブリックコメント住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.town.nishihara.okinawa.jp/town_planning/laws.html |
条例本文
○西原町まちづくり基本条例
平成24年3月29日条例第8号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの基本方向(第4条―第7条)
第3章 まちづくりの基本原則(第8条)
第4章 町民の権利と役割(第9条・第10条)
第5章 事業者の権利と役割(第11条・第12条)
第6章 コミュニティ活動の推進(第13条)
第7章 町議会の役割(第14条・第15条)
第8章 執行機関の役割(第16条―第18条)
第9章 町政運営(第19条―第28条)
第10章 住民投票(第29条)
第11章 交流及び連携(第30条・第31条)
第12章 条例の見直し(第32条)
附則
わたしたちのまち西原町は、沖縄本島東部海岸における中部と南部の接点に位置し、西原富士と呼ばれる運玉森を望む緑豊かなまちです。古くは首里王府の北(琉球語で北のことをニシという。)の直轄領地としての歴史があり、サトウキビ作を主体とした純農村地域から、近年は住宅団地の形成、工業施設や商業施設の立地等により活力あるまちへと発展してきています。一方、沖縄戦では住民の約半数が犠牲となりました。そのため恒久平和の実現に努めてきました。そのような中にあって、昭和57年度以来「文教のまち西原」をまちの将来像に掲げ、人づくり、まちづくりを進めてきており、今後も、常に新時代の潮流を見極め、西原町をとりまく国内外の社会情勢の変化に対応し得るまちづくりが求められています。
そこで、わたしたちは、これまで先人が築いてきた地域資源や伝統文化を受け継ぎ、より暮らしよくするとともに軍事基地のない平和で豊かな明るい未来を次の世代へつなげるため、共に力を合わせていかなければなりません。そのためにも、わたしたちは、まちづくりの主体として、自らの役割を自覚し、まちづくりに積極的に参加していくことが必要です。
これらのことを踏まえ、ここに、これまでの西原の歴史を尊重するとともに多くの文化教育施設が立地する地域特性を活かし、すべての町民が生涯を通して学び合い、より豊かな人間性と文化を創造する「文教のまち西原」を自らの手で推進し、明日の西原町を切り拓くため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、西原町におけるまちづくりの基本的な事項を明らかにするとともに、町民、事業者、町議会及び執行機関の役割を定めることにより、共に手を携えて平和で豊かな地域社会を築くことを目的とする。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、まちづくりの基本を定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定改廃及びまちづくりに関する計画の策定又は変更にあたっては、この条例の趣旨を最大限尊重し、整合を図らなければならない。
(定義)
第3条 この条例において次の各号に掲げる意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 町民 町内に住み、又は町内で働き、学び、若しくは活動する人をいう。
(2) 事業者 町内において事業活動を行うすべての個人及び法人をいう。
(3) コミュニティ 地域や特定のテーマについて、より良くすることを目的とし、地域自治会等自主的に形成された組織及び集団をいう。
(4) 町 町議会及び執行機関を含めた基礎自治体としての西原町をいう。
(5) 執行機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
第2章 まちづくりの基本方向
(平和で人間性豊かなまちづくり)
第4条 町民及び町は、平和な世界の創造をめざし、平和活動を推進するものとする。
2 町民及び町は、個人の人間性を尊重し、あらゆる町民が生涯を通して学び、文化を継承発展させるとともに創造していくことのできるまちづくりに努めるものとする。
(安全で環境にやさしいまちづくり)
第5条 町は、災害、事故、公害、犯罪等の緊急時に備え、町民の身体、生命及び財産の安全を確保するとともに、総合的かつ機能的な危機管理の体制を強化するため、町民、事業者及び関係機関との協力、連携及び相互支援を図らなければならない。
2 町民は、緊急時に自らの安全を確保するとともに、相互に助け合って活動することができるように地域社会における連帯意識を深めるよう努めるものとする。
3 町民、事業者及び町は、自然環境への配慮のもとに、環境にやさしい快適な生活空間の形成に努めるものとする。
(健康と福祉のまちづくり)
第6条 町民及び町は、健康増進及び福祉の向上を町民の相互理解と協力のもと推進するため、地域社会における町民の連帯意識を深めるよう努めるものとする。
2 町は、生活基盤整備にあたっては、町民に心理的及び物理的な障壁を感じさせないまちづくりに努めるものとする。
(豊かで活力のあるまちづくり)
第7条 町民、事業者及び町は、地域の資源を適切かつ意欲的に活かすことにより、地域産業の活性化、生活基盤整備等による町民の利便性の向上を図り、豊かで活力あるまちづくりに努めるものとする。
第3章 まちづくりの基本原則
第8条 町民、事業者及び町は、次に掲げる事項を基本原則として、まちづくりを推進するものとする。
(1) 情報共有の原則 町民、事業者及び町が互いにまちづくりに関する情報を提供し、共有することをいう。
(2) 参加の原則 まちづくりへの町民参加の機会を保障することをいう。
(3) 協働の原則 町民、事業者及び町が、共通の目的を実現するために協力し、共に行動することをいう。
第4章 町民の権利と役割
(町民の権利)
第9条 町民は、地域のまちづくりを主体的に行う権利を有する。
2 町民は、まちづくりに関する情報を知る権利を有する。
(町民の役割)
第10条 町民は、まちづくりの主体であることを認識し、積極的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。
2 町民は、まちづくりに参加するにあたっては、公共性の視点を持って行動しなければならない。
第5章 事業者の権利と役割
(事業者の権利)
第11条 事業者は、協働の担い手として、まちづくりに参加する権利を有する。
2 事業者は、まちづくりに関する情報を知る権利を有する。
(事業者の役割)
第12条 事業者は、地域社会の一員として、社会的責任を認識し、地域社会との調和を図り、町民が安心して住めるまちづくりに寄与するよう努めなければならない。
第6章 コミュニティ活動の推進
第13条 町民及び事業者は、コミュニティがまちづくりの重要な担い手となることを認識し、コミュニティの活動に参加し、互いに助け合い、地域の課題を共有し、解決に向けて自ら行動するよう努めるものとする。
2 町は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、必要に応じて支援することができる。
第7章 町議会の役割
(町議会の役割)
第14条 町議会は、住民の代表者によって構成される町の意思決定機関として、町全体の福祉の向上と地域社会の発展の視点に立って、町の政策の意思決定、行政運営の監視等を行うものとする。
2 町議会は、前項に規定する役割を果たすために、政策の提言及び条例の立案活動に取り組むよう努めなければならない。
3 町議会は、町民に対して開かれた議会となるよう努めなければならない。
4 町議会は、広く町民から意見を求めるよう努めなければならない。
5 町議会は、討議を基本とし、町民に対し、町議会での意思決定の内容及び経過をわかりやすく説明するよう努めなければならない。
(町議会議員の役割)
第15条 町議会議員は、住民の代表者として、住民の信託に応え、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 町議会議員は、前項に規定する役割を果たすために、まちづくりに関する町民意思の把握、政策の研究等の活動その他の自己研さんに努めるものとする。
第8章 執行機関の役割
(町長の役割)
第16条 町長は、住民の信託を受けた町政の代表者として、公正かつ誠実に町政の執行にあたらなければならない。
2 町長は、リーダーシップを発揮して町政の課題に対応するとともに、まちづくりの展望について、町民に説明しなければならない。
3 町長は、町職員を指揮監督し、その人材育成に努めなければならない。
(執行機関の連携及び協力)
第17条 執行機関は、所掌事務について、自らの判断及び責任においてこれを公正かつ誠実に処理するとともに、町長の総合的な調整の下、執行機関相互の連携及び協力を図りながら、一体として行政機能を発揮しなければならない。
(町職員の役割)
第18条 町職員は、町民全体の奉仕者として、かつ、まちづくりを推進するための専門スタッフとして、公共の利益のため創意をもって、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 町職員は、職務の遂行に必要な知識や技術を向上させるため、自己研さんに努めなければならない。
第9章 町政運営
(健全な財政運営)
第19条 執行機関は、財源を効率的かつ効果的に活用し、長期的な展望のもとに財政の健全性を確保するように努めなければならない。
2 執行機関は、町の財政状況に関する資料を作成し、これを町民にわかりやすく伝えなければならない。
(情報の公開及び共有)
第20条 町は、町民の知る権利を保障するとともに、町民のまちづくりへの参加を促進する視点に立ち、その保有する情報の積極的な公開及び提供に努めなければならない。
(個人情報の保護)
第21条 町は、その保有する個人情報について、厳正な保護を行うとともに、自己にかかわる情報の開示等を求める権利を明らかにし、個人の権利利益を守らなければならない。
(説明責任)
第22条 執行機関は、まちづくりに関する計画の立案、実施、評価及び見直しの各段階において、町民にわかりやすく説明するよう努めなければならない。
(行政組織)
第23条 執行機関の組織は、町民にわかりやすく、効率的かつ機能的であるとともに、社会経済情勢の変化に迅速に対応できるよう編成されなければならない。
(行政評価)
第24条 執行機関は、効率的かつ効果的な町政運営を推進するため、行政評価を実施し、その結果を政策の決定及び予算編成に反映させるとともに、町民にわかりやすく公表しなければならない。
(審議会等)
第25条 執行機関は、設置する審議会、審査会等の委員には、公募の委員を加えるよう努めるとともに、選任にあたっては、男女の均衡に配慮するものとする。
2 前項の公募による委員の選任にあたっては、公平かつ公正に選任するよう努めなければならない。
3 審議会、審査会等の会議は、個人情報の保護及び公正かつ円滑な審議に支障がある場合を除き、公開するよう努めるものとする。
(行政手続)
第26条 執行機関は、町民の権利利益を保護するため、町への申請に対する処分、行政指導及び届出に関する手続を明らかにし、透明で公正な行政手続の確保に努めなければならない。
(意見公募手続)
第27条 執行機関は、まちづくりに関する重要な計画における意思決定過程への町民の参加を確保するため、意思決定前に町民の意見を求める手続(以下「パブリックコメント」という。)を実施するものとする。
2 執行機関は、パブリックコメントにより提出された町民の意見を十分に考慮して意思決定を行わなければならない。
(町民からの意見、要望、苦情等への対応)
第28条 執行機関は、町政に関する町民の意見、要望、苦情等があったときは、速やかに事実関係を調査し、応答しなければならない。
2 執行機関は、町民から苦情として寄せられた事案について、その原因を追究し、再発防止、未然防止等の適正な対応に努めなければならない。
3 執行機関は、第1項の規定による応答を迅速かつ適切に行うため、対応記録を作成するものとする。
第10章 住民投票
第29条 町長は、町政に係る重要事項について住民の意思を確認するため、その案件ごとに定められる条例により住民投票を実施することができる。
2 町民、町議会及び町長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
第11章 交流及び連携
(他の機関との連携)
第30条 町は、町民サービスの向上、広域的な課題の解決及び行政運営の効率化を図るため、他の自治体、国及びその他の機関との連携に努めるものとする。
(国際交流)
第31条 町は、国際感覚をまちづくりに取り入れることの重要性を認識し、国際交流に努めるものとする。
第12章 条例の見直し
第32条 町は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、この条例が社会情勢等の変化に適合したものかどうかを検討するものとする。
2 町は、前項の規定による検討の結果を踏まえ、この条例を改正しようとするときは、町民参加の手法を用いなければならない。
附 則
この条例は、平成24年4月1日から施行する。