茂原市まちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 茂原市 | 自治体コード | 12210 |
都道府県名 | 千葉県 | 都道府県コード | 00012 |
人口(2015年国勢調査) | 86,782人 |
条例データ
制定年 | 2015年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.mobara.chiba.jp/0000002054.html |
条例本文
○茂原市まちづくり条例
平成27年9月24日茂原市条例第23号
改正
平成28年3月22日条例第4号
茂原市まちづくり条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 情報の共有(第5条―第8条)
第3章 参加(第9条―第14条)
第4章 地域におけるまちづくり(第15条―第17条)
第5章 協働(第18条)
第6章 議会運営の基本原則(第19条―第21条)
第7章 行政運営の基本原則(第22条―第32条)
第8章 実効性の確保(第33条)
附則
私たちのまち茂原市は、千葉県のほぼ中央部に位置し、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれ、農村文化を育むとともに、豊富な地下資源である天然ガスを利用した煙の出ない工業都市として発展してきました。
今日では、農業、工業、商業などのバランスのとれた産業構造を有し、行政、教育、産業等の拠点機能を担う、外房地域の中心的な都市となっています。
私たちは、このような歴史、風土及び自然環境を背景として、伝統ある郷土を愛し、「均衡と調和のとれた明るく豊かな都市」を目指す茂原市市民憲章の基本理念のもと、豊かな自然と、歴史的・文化的資産を受け継ぎ、人々のつながりを大切にしながら、地域の個性や魅力を活かして、「すべての市民が住んで良かったと思えるまち」の実現を目指しています。
地方分権の推進が求められ、また、少子高齢化、人口減少などの現象が、さまざまな角度から注目されています。このような状況の中で、知恵を出し合い、力を合わせて、豊かで持続可能な地域社会を築き上げ、次代を担う子どもたちに引き継いでいくためには、市政を議会及び市長に信託するとともに、市民一人ひとりが自ら考え、自ら参加し、決定に関与し、自ら行動する市民自治のまちづくりが必要です。
そのためには、自分たちのまちの課題について、まちづくりの担い手である市民等、市及び議会が、それぞれ地域の課題解決に取り組むとともに、情報を共有し、共通の目的を持ち、新しい取組や工夫について議論を重ね、多様な主体が協働していかなければなりません。
このような認識のもと、私たちは、市民等の権利と役割、市及び議会の役割と責務を明らかにするとともに、情報の共有、参加、協働をまちづくりの基本原則として、市民自治によるまちづくりを進めるため、ここに茂原市まちづくり条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、茂原市のまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、市民等の権利と役割、市及び議会の役割と責務を明らかにすることにより、市民自治の推進及び確立を図り、もって全ての市民が住んで良かったと思えるまちを実現することを目的とします。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、茂原市のまちづくりの基本を定めるものであり、他の条例、規則等の制定改廃に当たっては、この条例に定める事項との整合を図るものとします。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 茂原市の区域内(以下「市内」という。)に住所を有する個人をいいます。
(2) 市民等 市民並びに市内に通勤し、又は通学する個人及び市内において事業又は活動を行う個人又は法人その他の団体をいいます。
(3) 市政 行政の運営及び議会の活動をいいます。
(4) まちづくり 「すべての市民が住んで良かったと思えるまち」にしていくための、あらゆる活動及び事業をいいます。
(5) 情報共有 市民等、市及び議会が、必要な情報を共有することをいいます。
(6) 参加 市民等が、まちづくりについて積極的に意見を述べ、行動に加わることをいいます。
(7) 協働 市民等、市及び議会が、それぞれの役割及び責務のもと、お互いの自主性及び自立性を尊重し、十分な協議と理解のうえ、目的を共有し、対等な立場で提携し、協力して活動することをいいます。
(8) 市民自治 市民等が、自らの地域を良くするために、自ら考え、自ら参加し、決定に関与するとともに、自ら行動していくことをいいます。
(9) 市 市長、教育委員会、選挙管理委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び監査委員をいいます。
(まちづくりの基本原則)
第4条 市民自治によるまちづくりを推進するための基本原則を次のとおり定めます。
(1) 情報共有の原則
(2) 参加の原則
(3) 協働の原則
第2章 情報の共有
(市政に関する情報の共有)
第5条 市及び議会は、市政に関する情報を分かりやすく、公正に提供することにより、市民等と情報を共有するものとします。
(情報公開)
第6条 市及び議会は、市政について市民等に説明する責務を全うするため、茂原市情報公開条例(平成24年茂原市条例第20号)の規定に基づき、保有する情報を適正に公開するものとします。
(個人情報の保護)
第7条 市及び議会は、保有する個人情報について適正に管理するため、茂原市個人情報保護条例(平成17年茂原市条例第2号)の規定に基づき、その利用及び提供に当たり、適切な保護措置を講ずるものとします。
(説明責任・応答責任)
第8条 市及び議会は、市政に関することについて、適切な方法により市民等に分かりやすく説明するものとします。
2 市は、市民等からの意見、提案、要望等があったときは、速やかに状況を確認し、必要に応じて業務の改善その他の適切な措置を講ずるものとします。
第3章 参加
(市民等の権利)
第9条 市民等は、市及び議会が保有する市政に関する情報について、知る権利を有しています。
2 市民等は、まちづくりの主体として、参加する権利を有しています。
3 市民等によるまちづくりは、自主性と自立性が尊重されるものとします。
(市民等の役割)
第10条 市民等は、まちづくりの主体であることを踏まえ、積極的に参加するよう努めるものとします。ただし、その参加を強制されることがあってはなりません。
2 市民等は、参加に当たっては、自らの発言と行動に責任を持つものとします。
(市政への参加の機会の保障)
第11条 市及び議会は、市民等の市政への参加を保障するため、市民等が意見や提言を出しやすく、参加しやすい多様な機会を提供するものとします。
2 市は、市民等の意見や提言に対して、多角的かつ総合的に検討した上で、これを行政運営に反映するよう努めるとともに、検討結果及びその理由を公表するよう努めるものとします。
(住民投票)
第12条 市は市政に関する重要事項について、市民、議員又は市長の発意に基づき、市民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 市及び議会は、住民投票を実施した場合は、その結果を尊重するものとします。
3 住民投票に付すべき事項、投票手続、投票資格、成立要件その他住民投票に関し必要な事項は、別に条例で定めるものとします。
(男女共同参画)
第13条 市民等、市及び議会は、男女共同参画社会の実現を目指して、男女が互いを理解し、協力し合い、それぞれの個性や能力を十分に発揮することができる環境づくりに努めるものとします。
(子どもの参加の機会の保障)
第14条 市民等、市及び議会は、子どものころから自らのまちに愛着と誇りを持つことができるよう、子どもがまちづくりに参加する環境づくりに努めるものとします。
第4章 地域におけるまちづくり
(まちづくりと地域コミュニティ)
第15条 市民等は、自治会、NPO法人、ボランティア団体、事業者等の多様な集団(以下「地域コミュニティ」という。)が、地域のまちづくりの担い手であることを認識し、積極的にその活動に参加することにより、地域コミュニティを守り育てるように努めるものとします。
2 地域コミュニティは、それぞれの特性を生かしつつ、連携し、協力し、地域のまちづくりの推進に努めるものとします。
(地域コミュニティの育成及び支援)
第16条 市は、市民等や地域コミュニティに対して、地域のまちづくりを進めるための学習及び相互交流などによる人材育成の機会を提供するものとします。
2 市は、地域のまちづくりを推進するため、地域コミュニティの自主性及び自立性を損なわない範囲で、積極的に地域コミュニティの活動を支援するよう努めるものとします。
(地域まちづくり協議会)
第17条 市民は、地域のことを自ら考え、実行できるようにするため、地域単位で地域まちづくり協議会を設置し、まちづくりを進めることができます。
2 地域まちづくり協議会の構成員は、市民等及び地域コミュニティとします。
3 市は、地域まちづくり協議会の設立と運営に当たって、必要な支援を行うものとします。
第5章 協働
(協働によるまちづくり)
第18条 市民等、市及び議会は、地域内の様々な公共的課題を解決していくため、それぞれの役割を認識し、十分な協議を経て、連携、協力してまちづくりに取り組むよう努めるものとします。
2 市及び議会は、地域コミュニティなど、多様な主体との協働によるまちづくりを効果的に推進するための制度の整備を行うものとします。
第6章 議会運営の基本原則
(議会の役割と責務)
第19条 議会は、市民の代表による意思決定機関であることから、行政運営が適切に行われているかを調査し、監視する役割を十分に発揮するよう努めるものとします。
2 議会は、政策形成機能の充実を図るため、積極的に調査、研究及び立法活動を行うとともに、市政に市民等の意思を適切に反映させるよう努めるものとします。
3 議会は、議会活動に関する情報発信を図り、市民等に開かれた議会運営に努めるものとします。
(議員の役割と責務)
第20条 議員は、地域の課題を把握するため、市民等との対話を心がけ、これを議会の運営に反映させるよう活動するものとします。
2 議員は、まちづくりについての包括的な認識を持ち、その推進に向けて、公正かつ誠実に職務を遂行するとともに、議会の権限を適切に行使できるよう、自己の研さんに努めるものとします。
(議会に関する基本的事項)
第21条 議会及び議員の活動原則に関する基本的な事項については、茂原市議会基本条例(平成27年茂原市条例第33号)で定めるものとします。
第7章 行政運営の基本原則
(市長の役割と責務)
第22条 市長は、市の代表者として、市民の負託に応え、住みよいまちの実現を図るため、公正かつ誠実に、行政運営に当たるものとします。
2 市長は、社会経済情勢及び市民ニーズの変化に迅速かつ的確に対応するため、次の各号に掲げることに努めるものとします。
(1) 総合的な行政サービスを行うための組織の整備及び必要に応じて連携を図るなどの効率的な行政運営
(2) 適切な定員管理と能力及び適性に応じた職員の採用、登用及び配置
(3) 政策形成能力と資質の向上を図るための研修等による職員の育成
(市長以外の執行機関の役割と責務)
第23条 市長以外の執行機関は、その権限と責任に属する事務事業の執行に当たっては、前条第2項の規定を準用するものとします。また、市長及び他の執行機関と適宜意思疎通を図りながら、相互に連携するものとします。
(職員の役割と責務)
第24条 職員は、全体の奉仕者として、市民等とともにまちづくりを行う意欲を持ち、誠実かつ効率的に職務に当たるものとします。
2 職員は、自らの職務遂行能力を向上させるため、自己研さんに努めるものとします。
(総合計画等)
第25条 市は、基本構想、基本計画及び実施計画からなる総合計画を策定し、まちの将来像を描くとともに、地域のさまざまな資源を有効に活用し、その実現を図るものとします。
2 市は、基本構想及び基本計画について、議会の議決を経るものとします。
3 市は、総合計画の策定に当たっては、市民等が参加するために必要な措置を講ずるとともに、中長期的な視野に立ち、人口の推移や財政の見通しと整合性を図るものとします。
4 市は、総合計画に基づく事業について、適切に進行管理を行い、その状況を市民等に公表するものとします。
(財政運営)
第26条 市長は、社会経済情勢や市民ニーズの変化に、適切かつ迅速に対応するとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるよう、財政運営を行うものとします。
2 市長は、中長期的な視野に立ち、持続可能で健全な財政基盤を確立するものとします。
3 市長は、適切な手法を用いて、財政状況を市民等に分かりやすく公表するものとします。
(政策法務)
第27条 市は、地域の実情に合わせた政策の企画及び実施を図るため、次の各号に掲げる法務に関する行政の体制を充実するよう努めるものとします。
(1) 条例や規則の制定等の自治立法を行うこと。
(2) 国の法令等を解釈し、運用すること。
(3) 提訴や応訴等の訴訟に的確に対応すること。
(行政評価)
第28条 市は、企画、実施、評価及び改善という政策循環の確立を図るとともに、市民等に対する説明責任の向上を図るため、政策、施策及び事務事業(この項において「政策等」という。)に関する行政評価を行い、その結果を市民等に公表するとともに、政策等の改善に反映させるよう努めるものとします。
2 市は、客観性及び透明性を確保するため、市民等による行政評価の仕組みを整備するよう努めるものとします。
(監査)
第29条 監査委員は、財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理を監査するほか、事務の執行について監査するものとします。
2 監査委員は、監査方法の充実に努めるとともに、その結果を市民等に分かりやすく公表するよう努めるものとします。
(行政手続)
第30条 市は、市民等の権利利益を保護するため、処分、行政指導及び届出に関する手続について、透明かつ公正な行政手続を確保するとともに、市民等に分かりやすく説明するものとします。
(危機管理)
第31条 市は、市民等の生命、身体及び財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態等に的確に対応するための体制等を整備するとともに、その対応に当たっては、市民等及び関係機関と連携を図るものとします。
(国等との連携)
第32条 市は、より良いまちづくりに向けて、国、県その他地方公共団体と相互に協力及び連携するよう努めるものとします。
第8章 実効性の確保
(条例の見直し)
第33条 市は、この条例が、趣旨に照らして解釈運用され、市民自治によるまちづくりの進展に寄与しているかを、条例の施行後、4年を超えない期間ごとに確認するものとします。
2 市は、前項における確認の結果や社会経済情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて、この条例の見直しを行うものとします。
附 則
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月22日茂原市条例第4号)
この条例は、公布の日から施行する。