久喜市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 久喜市 | 自治体コード | 11232 |
都道府県名 | 埼玉県 | 都道府県コード | 00011 |
人口(2015年国勢調査) | 150,582人 |
条例データ
制定年 | 2011年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | パブリックコメント 説明会ワークショップ審議会委員の市民公募政策提案制度その他 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 合併前の旧久喜市ですでに自治基本条例が制定されていた(2005年制定)。2010年に旧久喜市、北葛飾郡鷲宮町、栗橋町、南埼玉郡菖蒲町が合併し、(新)久喜市が新設されたため、2011年に改めて自治基本条例を制定した。 市民参加についての具体的な規定は市民参加条例で、協働の規定は市民活動推進条例にてそれぞれ規定されている、 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://www.city.kuki.lg.jp/shisei/kyodo/jichikihon/jorei.html |
条例本文
久喜市自治基本条例
平成23年12月26日
条例第24号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 基本原則(第3条)
第3章 市民の権利と責務(第4条・第5条)
第4章 議会等の責務(第6条・第7条)
第5章 市長等の責務(第8条-第10条)
第6章 市政運営(第11条-第17条)
第7章 情報の公開及び共有(第18条-第20条)
第8章 コミュニティの推進(第21条・第22条)
第9章 参加と協働の推進(第23条-第25条)
第10章 広域的な連携及び協力(第26条)
第11章 自治基本条例推進委員会の設置(第27条)
第12章 この条例の位置付け(第28条)
附則
久喜市は、関東平野のほぼ中央に位置し、豊かな自然に恵まれるとともに、交通の要所として江戸時代には舟運が栄え、現在も道路や鉄道など交通網の拠点として発展を続けています。また、神社や祭りなど、先人が築いた貴重な伝統・文化を受け継ぎ、大切に育んできたまちです。
近年、市政をとりまく社会環境は、地方分権の推進、少子高齢化、住民意識の多様化などにより大きく変貌してきており、住みよい地域社会を次世代に引き継ぐには、地方自治の再構築や行政運営の見直し等が求められています。
このため、久喜市は、開かれた市政運営を行うとともに、市民と市が互いに信頼関係を構築し、それぞれの役割と責任を果たして公共的な課題の解決に当たる協働のまちづくりを推進していくことが重要です。このような認識のもとに、市民と市は、共に力を合わせて協働し、個性豊かで活力に満ちた安全安心な地域社会をつくり、次世代に受け渡していくことを誓います。
ここに、久喜市は、市政運営の基本原則とその仕組みを明らかにし、市政全般にわたる指針としてこの条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、久喜市における市政運営の基本原則を明らかにするとともに、市民の権利及び責務並びに市政への参画及び協働に関する基本的事項を定めることにより、協働のまちづくりを推進し、個性豊かで活力に満ちた誰もが安全安心で暮らせる地域社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に居住し、通勤し、又は通学する者及び市内で事業を営み、又は公共の利益のために活動するものをいう。
(2) 市の執行機関 市長その他の執行機関をいう。
(3) 参画 政策の立案、実施、評価等の各段階において、市民が市政に関して意見を述べ、又は提案することをいう。
(4) 協働 市民及び市の執行機関が、それぞれの役割及び責任により、協力して公共的な課題の解決に当たることをいう。
(5) 新しい公共の原則 市民及び市の執行機関が、それぞれ適切に役割を分担して公共の領域を担うことをいう。
(6) コミュニティ 地域をよりよくすることを目的として、地域及び多種
多様な活動への参加を通じて形成された人と人とのつながりをいう。
第2章 基本原則
第3条 市民、議会及び市の執行機関は、新しい公共の原則に基づき、次に掲げる豊かな地域社会を実現するよう努めなければならない。
(1) 人権を尊重し、互いに認め合うとともに、男女があらゆる分野に参画でき、責任を担う地域社会
(2) 市政に関する情報を共有するとともに、市民自ら市政に参画し、協働する地域社会
(3) 自主的かつ自立的なコミュニティが形成され、活力に満ち、住みやすさが実感できる市民主役の地域社会
(4) 市民の日常生活が守られ、誰もが笑顔で暮らせる安全安心な地域社会
(5) 恵まれた自然との共生を大切にし、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な地域社会
第3章 市民の権利と責務
(市民の権利)
第4条 市民は、法律、条例、規則等で定めるところにより、市政やまちづくりに参加する権利、市政に関する情報を知る権利、公共サービスの提供を受ける権利を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本原則で定める豊かな地域社会を形成するため、市政に関心を持ち、主体的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。
第4章 議会等の責務
(議会の責務)
第6条 議会は、市の意思決定機関として、市民の意思が市政に反映されるよう努めなければならない。
2 議会は、情報公開を推進し、開かれた議会運営に努めなければならない。
(議員の責務)
第7条 議員は、市民の代表者として、市民の意見を積極的に把握し、誠実にその職務を遂行するよう努めなければならない。
第5章 市長等の責務
(市長の責務)
第8条 市長は、市の代表者として、市民の意向を適正に判断し、誠実に市政を執行する責務を有する。
(市の執行機関の責務)
第9条 市の執行機関は、市民の福祉の増進を図るため、公正かつ誠実に市政を執行するとともに、次に掲げる責務を有する。
(1) 計画的で効果的な行政運営を行い、最少の経費で最大の効果を挙げるよう努めること。
(2) 市政に関する市民の意見を積極的に把握し、適切に市政に反映するよう努めること。
(3) 社会情勢及び行政需要に的確に対応し、かつ、簡素で効率的な組織編成に努めること。
(職員の責務)
第10条 職員は、全体の奉仕者として、公共の利益のために必要な知識、技能等の向上を図り、職務を遂行する責務を有する。
2 職員は、自らも市民の一員であることを自覚し、幅広い視点から誠実かつ効果的に職務を遂行する責務を有する。
第6章 市政運営
(総合振興計画の策定及び進行管理)
第11条 市長は、議会の議決を経て市政運営の指針となる基本構想を定めるとともに、その実現を図るため基本計画等を策定し、総合的かつ計画的な市政運営に努めなければならない。
2 市長は、基本構想及び基本計画等(以下「総合振興計画」という。)を効果的かつ着実に実行するため、定期的な進行管理を行うとともに、新たな行政需要に対応した見直しに努めなければならない。
(説明責任)
第12条 市の執行機関は、政策の立案、実施、評価等の各段階において、その内容を市民に分かりやすく説明するよう努めなければならない。
(行政手続)
第13条 市の執行機関は、市民の権利及び利益の保護を図るため、市への申請に対する処分、不利益処分、行政指導及び届出に関する基準及び手続を明らかにし、透明で公正な行政手続の確保に努めなければならない。
(意見、要望、提言、苦情等への対応)
第14条 市の執行機関は、市民からの意見、要望、提言、苦情等に対して、公共の視点から公正かつ誠実に対応するよう努めなければならない。
(財政運営)
第15条 市長は、中長期的な展望に立ち、財源の効率的かつ効果的な活用を図り、健全な財政運営に努めなければならない。
2 市長は、財政状況を市民に分かりやすく公表するよう努めなければならない。
3 市長は、市の財産の保有状況を明らかにし、財産の適正な管理及び効率的な運用に努めなければならない。
(行政評価)
第16条 市の執行機関は、効率的かつ効果的な市政運営を行うため、市民も参加する外部評価を取り入れた行政評価を実施するよう努めなければならない。
2 市の執行機関は、行政評価の結果を政策の決定、予算編成及び総合振興計画の進行管理に反映させるとともに、公表するよう努めなければならない。
(危機管理)
第17条 市の執行機関は、市民、関係機関、国や他の地方公共団体と相互に連
携・協力しながら、市民の安全安心の確保に取り組むよう努めなければならない。
2 市の執行機関は、市民の安全安心を確保するため、緊急事態に適切に対処できる体制の充実と強化を図るよう努めなければならない。
3 市民は、災害等の発生時に自らの安全確保を図るとともに、日頃から地域での信頼・交流関係を築き、相互に協力して災害等に対処するよう努めるものとする。
第7章 情報の公開及び共有
(情報の公開及び共有)
第18条 議会及び市の執行機関は、公文書の公開制度を適正に運用するとともに、市政に関する情報を積極的に提供することにより、市民との情報共有に努めなければならない。
2 市民は、市の執行機関との情報共有を進めるため、市民の持つ地域の情報を提供していくよう努めるものとする。
(個人情報の保護)
第19条 議会及び市の執行機関は、個人情報の保護制度を適正に運用することにより、市民の権利利益の保護に努めなければならない。
(情報の適正管理)
第20条 議会及び市の執行機関は、市政に関する情報を有効に活用するため、情報の適正管理に努めなければならない。
第8章 コミュニティの推進
(コミュニティ)
第21条 市の執行機関は、住みやすいまちの実現を目指し、コミュニティとの協働に取り組むよう努めるものとする。
2 市民は、よりよい地域社会の実現のため、コミュニティづくり及びコミュニティ活動に関心を持ち、自発的に参加するよう努めるものとする。
(コミュニティ活動への支援)
第22条 市の執行機関は、コミュニティ活動を推進するため、別に条例で定めるところにより、必要な支援を行うよう努めなければならない。
第9章 参加と協働の推進
(市民の市政への参画)
第23条 市の執行機関は、別に条例で定めるところにより、市民が市政に参画できるようその機会の拡充に努めるものとする。
2 市の執行機関は、附属機関の委員の選任に当たっては、別に条例で定めるところにより、適正に市民が参画できるよう努めなければならない。
(協働)
第24条 市の執行機関は、幅広く質の高い公共サービスの実現のため、新しい公共の原則に基づき、協働するよう努めるものとする。
(住民投票)
第25条 市長は、市政に関し住民の意向を聴くべき重要な案件が生じたときは、住民投票を実施することができる。
2 市長は、住民投票を行うときは、住民投票の目的をあらかじめ明らかにし、その結果を尊重するものとする。
3 住民投票の実施に関し、投票することができる者の資格その他必要な手続については、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めるものとする。
第10章 広域的な連携及び協力
第26条 市の執行機関は、共通する課題の解決や地域の相互発展のため、国、県及び他の市町村と相互に連携を図りながら、協力するよう努めるものとする。
2 市民及び市の執行機関は、多様な国々の歴史や文化等を理解し、誰もが住みやすいまちづくりを進めるため、国際社会との交流及び連携に努めるものとする。
第11章 自治基本条例推進委員会の設置
第27条 市長は、この条例の適切な運用及び普及を図るため、別に条例で定めるところにより、久喜市自治基本条例推進委員会(以下「推進委員会」という。)を設置する。
2 市長は、この条例の運用状況を検証するとともに、見直す必要が生じたときは推進委員会に諮り、適切な措置を講じるものとする。
第12章 この条例の位置付け
第28条 市民、議会及び市の執行機関は、この条例を尊重及び遵守するものとし、市の執行機関は、個別の条例、規則等の制定改廃又は計画の策定においては、この条例の趣旨を最大限尊重しなければならない。
附 則
この条例は、平成24年4月1日から施行する。