高浜市自治基本条例
自治体データ
自治体名 | 高浜市 | 自治体コード | 23227 |
都道府県名 | 愛知県 | 都道府県コード | 00023 |
人口(2015年国勢調査) | 46,106人 |
条例データ
制定年 | 2010年 |
条例類型 | 自治基本条例 |
明記された参加手法 | 住民投票 |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 有 |
関連条例の有無 | 有 |
特徴 | 関連条例として、パブリックコメント条例、住民投票条例 |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
https://www.city.takahama.lg.jp/soshiki/seisaku/3123.html |
条例本文
高浜市自治基本条例
平成22年12月24日
条例第24号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの基本原則(第4条)
第3章 まちづくりの担い手
第1節 市民(第5条―第8条)
第2節 議会(第9条・第10条)
第3節 行政(第11条・第12条)
第4章 参画と協働(第13条―第15条)
第5章 地域自治(第16条―第19条)
第6章 市政運営(第20条―第23条)
第7章 条例の検証と見直し(第24条)
附則
私たちのまち高浜市は、自治の本来の姿に立ち返り、「自分たちのまちは自分たちでつくる」という決意のもと地域内分権を推進し、住民力を育んできました。地域に身近な課題は、地域を構成する市民が最もよく知っています。そこで、地域で担う方がより地域の発展につながるものについては、必要な権限と財源を行政から地域へ移し、市民が自ら考え、自主的・自立的に取り組むことができるよう、小学校区単位で住民自治組織であるまちづくり協議会を設立しました。
市民自治の芽を大きく育て、しっかりと根を下ろし、「高浜市らしさ」を将来にわたって継続・発展させていくためには、まちづくりの担い手である私たち一人ひとりが持っている力を出し合い、みんなで高浜市を創りあげていくことが大切です。
そこで、まちづくりにおける市民、議会及び行政の役割を定め、互いに手と手をとり合いながら、「住んでみたい」「住んでよかった」「いつまでも住み続けたい」と思える持続可能な自立した基礎自治体・高浜市の確立を目指し、高浜市のまちづくりの最高規範として自治基本条例をここに制定します。
私たちの愛するまち高浜市を未来へとつなげていくために。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、高浜市におけるまちづくりに関する基本的事項を定め、市民、議会及び行政の果たすべき役割を明らかにすることにより、市民が主体となった自治の進展を図り、持続可能な活力ある地域社会を実現することを目的とします。
(用語)
第2条 この条例で使われている用語の意味は、次のとおりです。
(1) 市民 市内に住む者、働く者又は学ぶ者及び市内で事業又は活動を行う者(法人その他の団体を含みます。)をいいます。
(2) 行政 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会(これらの機関の補助職員を含みます。)をいいます。
(3) まちづくり 住みよい豊かな地域社会をつくるために市民、議会及び行政が取り組む活動をいいます。
(4) 参画 政策、施策、事業等の立案から実施及び評価にいたる各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成に関わることをいいます。
(条例の位置付け)
第3条 この条例は、高浜市のまちづくりに関する基本を定める最高規範であり、市民、議会及び行政は、この条例を誠実に遵守するものとします。
2 議会及び行政は、他の条例、規則、計画等の制定、改廃等に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図らなければなりません。
第2章 まちづくりの基本原則
(まちづくりの基本原則)
第4条 高浜市のまちづくりは、次の基本原則によるものとします。
(1) 参画の原則 議会及び行政は、市民参画の機会を保障し、市民の意思を反映した市政運営を行います。
(2) 協働の原則 市民、議会及び行政は、それぞれの立場や果たすべき役割を自覚し、お互いを尊重・理解し、知恵と力を出し合いながら連携・協力してまちづくりを行います。
(3) 情報共有の原則 市民、議会及び行政は、それぞれが持っているまちづくりに関する情報をお互いに提供し、共有し合います。
第3章 まちづくりの担い手
第1節 市民
(市民の権利)
第5条 市民は、まちづくりに参画する権利があります。
2 市民は、まちづくりに関し、議会及び行政が持っている情報を知る権利があります。
3 市民は、まちづくりに参画しないことを理由に不利益を受けません。
(子どものまちづくりに参加する権利)
第6条 子どもは、社会の一員として、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利があります。
(市民の役割と責務)
第7条 市民は、まちづくりの主体であることを自覚し、まちづくりに参画するよう努めます。
2 市民は、お互いの立場を尊重し、理解し合い、それぞれが持っているまちづくりの情報を交換し合いながら、連携・協力してまちづくりに取り組みます。
3 市民は、まちづくりに参画するに当たっては、公共の視点を持ち、自らの発言と行動に責任を持つものとします。
(事業者の役割と責務)
第8条 事業者は、自らも地域社会の一員であることを自覚し、市民、議会及び行政と協力して、地域の課題解決に向けた取組みに努めます。
第2節 議会
(議会の役割と責務)
第9条 議会は、市民の代表による意思決定機関であるとともに、市政運営を監視及びけん制する機能を果たします。
2 議会は、政策論議及び立法活動の充実に努めます。
3 議会は、市民の意思を市政に適切に反映させるため、市民との情報共有を図り、開かれた議会運営に努めます。
4 議会は、自らの機能と責務に関する基本的な事項について、別に条例で定めます。
(議員の役割と責務)
第10条 議員は、市民の代表者として、政治倫理の確立を図るとともに、市民の信託に応え、公平・公正かつ誠実に職務を遂行します。
2 議員は、市民全体の利益を図ることを行動の指針とするとともに、審議能力及び政策立案能力の向上を図るため、自己の研さんに努めます。
第3節 行政
(市長の役割と責務)
第11条 市長は、市民の信託に応え、市政の基本方針を明らかにし、高浜市の代表者として、公正かつ誠実に市政を運営します。
(職員の役割と責務)
第12条 職員は、市民全体のために働く者として、市民の視点に立って、公正かつ誠実に職務を行うとともに、職務に必要な専門的知識の習得や能力・資質の向上を図ります。
2 職員は、自らも地域社会の一員であることを自覚し、積極的に市民と連携し、市民との信頼関係を築きながら、職務を行います。
第4章 参画と協働
(参画機会の保障)
第13条 行政は、市民の意見が市政へ反映されるとともに、参画する機会が保障されるよう、多様な参画制度を設けます。
(住民投票)
第14条 市政に関する重要事項について、市民の意思を確認するため、投票資格を有する市民の請求又は議会若しくは市長の発議により、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます。
(協働の推進)
第15条 市民、議会及び行政は、お互いの自主性及び自発性を尊重するとともに、目的や情報を共有して、相互理解と信頼関係のもとに、協働してまちづくりに取り組みます。
2 行政は、公共的課題の解決や公共的サービスの提供等について、市民がその担い手となれるよう、協働を進めるための仕組みづくりや必要な支援を行います。
第5章 地域自治
(地域内分権の推進)
第16条 行政は、地域を構成する市民がお互いに支え合いながら安心して暮らすことのできる地域社会を実現するため、地域のことは地域の市民が自ら考え、実行するための施策を講じるとともに、地域の自主性・主体性を尊重し、お互いに補完し合いながら、まちづくりを行います。
(まちづくり協議会)
第17条 市民は、前条に規定する地域内分権を推進する組織として、小学校区ごとに一を限り、その地域の市民で構成するまちづくり協議会を設置することができます。
2 まちづくり協議会は、その地域の市民に開かれた組織とし、身近な地域の課題を話し合い、解決できるよう、地域の市民の意思を反映してまちづくりを行います。
3 まちづくり協議会に関する必要な事項は、別に条例で定めます。
(地域計画)
第18条 まちづくり協議会は、自らが取り組む地域のまちづくりの目標、活動方針、内容等を定めた地域計画を策定します。
2 行政は、市政運営に当たり、地域計画を尊重します。
(活動の育成と支援)
第19条 市民は、自主的な意思によってまちづくり活動に参画し、交流を育みながら、お互いに助け合い、地域課題を共有し、解決に向けて行動するよう努めます。
2 市民、議会及び行政は、市民の自主的なまちづくり活動の役割を尊重し、これを将来に向けて守り、育てるよう努めます。
3 行政は、まちづくり協議会、町内会等の基礎的なコミュニティ団体、その他の市民公益活動団体及び市民が活動しやすいよう必要な支援と協力を行います。
第6章 市政運営
(市政運営の基本原則)
第20条 議会及び行政は、次に掲げる基本原則に基づいて、市政を運営します。
(1) 法令遵守 公正を確保し、透明性を向上するため、法令を遵守します。
(2) 情報公開・情報共有 市政に関して市民の知る権利を保障し、議会及び行政が行う諸活動を市民に説明するため、別に条例で定めるところにより、議会及び行政が持っている情報を積極的に公開・提供し、市民と情報を共有します。
(3) 個人情報保護 市民の権利利益を保護するため、別に条例で定めるところにより、議会及び行政が持っている個人情報を適正に取り扱います。
(4) 説明・応答責任 市政に関して市民に積極的に説明する責任を果たすとともに、市民から説明の要請があった場合には、誠実な応答に努めます。
(5) 財政運営 最少の経費で最大の効果を上げるよう、効果的かつ効率的な財政運営を行います。
(総合計画の策定等)
第21条 議会及び行政は、総合的・計画的に市政を運営するため、総合計画を策定します。
2 総合計画は、目指すべき将来像を定める基本構想、これを実現するための事業を定める基本計画、事業の進め方を明らかにするアクションプランで構成します。
3 行政は、成果を重視した市政運営を目指すため、総合計画の進行管理を行い、その状況をわかりやすく公表します。
4 行政は、総合計画に基づいて予算を編成し、計画的で健全な財政運営に努めます。
(危機管理)
第22条 行政は、自然災害等不測の事態に備えて、市民、事業者、関係機関等との連携・協力により、総合的かつ機動的な危機管理体制の整備及び未然防止対策を行います。
2 市民及び事業者は、災害等の発生時に自らを守る努力をするとともに、自らが果たすべき役割を認識し、相互に協力して災害等に対応するよう努めます。
(他の自治体等との連携と協力)
第23条 行政は、まちづくりの共通課題について、他の自治体、関係機関等と互いに連携・協力しながら、その解決に努めます。
第7章 条例の検証と見直し
(条例の検証と見直し)
第24条 行政は、この条例の施行の日から起算して5年を超えないごとに、社会情勢の変化等に照らし合わせ、この条例の施行の状況等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を行います。
2 行政は、前項に規定する検討や必要な措置を行うに当たっては、多様な方法を用いて、市民の意見や提案を求めなければなりません。
附 則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。