条例

北上市自治基本条例

自治体データ

自治体名 北上市 自治体コード 03206
都道府県名 岩手県 都道府県コード 03
人口(2015年国勢調査) 93591人

条例データ

条例本文

○北上市自治基本条例
平成24年6月28日条例第24号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 各主体の役割と責務
第1節 市民(第5条・第6条)
第2節 議会(第7条・第8条)
第3節 市長等及び職員(第9条―第11条)
第3章 市政運営
第1節 市政運営の基本原則(第12条)
第2節 計画的な市政運営(第13条―第16条)
第3節 信頼及び公正の確保(第17条・第18条)
第4節 危機管理(第19条)
第4章 参画及び協働
第1節 情報の共有(第20条―第22条)
第2節 住民投票(第23条)
第3節 参画(第24条―第26条)
第4節 協働(第27条)
第5節 市民活動(第28条)
第6節 地域づくり(第29条・第30条)
第5章 国、県及び他の地方自治体との関係(第31条)
第6章 条例の見直し(第32条)
附則

わたしたちのまち北上市は、西に奥羽山脈、東に北上高地の山々が連なり、北上川と和賀川が育んだ肥沃な平野にあります。古くから交通の要衝として栄え、現在も北東北の十字路として経済、産業活動が活発で、展勝地、夏油等の景勝地や、国見山廃寺等の遺跡をはじめ、市内には特有の民俗芸能などの文化、生活の中で培ってきた風土、美しい景観があり、そこに暮らす市民がまちの魅力を守り育ててきました。
また、力強いまちづくりと住民サービスの向上のため、平成の大合併に先んじて三市町村合併を行うとともに、地方分権時代の流れに対応し、地域自治推進のための地域計画の導入や市民参加と協働によるまちづくり推進のための条例制定など、市民自治の推進に取り組んできました。
わたしたちには、これからも、社会をとりまく環境の変化や、それによって生じる様々な課題へ適切に対応しながら、先人から受け継いだこのまちを、さらにより良いまちにして未来へ引き継ぐ使命があります。
この使命を果たし、市民自治を確立し、夢や希望を抱いて暮らし続けることのできるまちを構築するため、自治の基本理念や主権者である市民の権利、まちづくりの主体である市民、議会及び行政の果たすべき役割と責務を定め、北上市の市民自治の基本となる規範として、ここに北上市自治基本条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民、議会及び市長その他の執行機関のそれぞれの役割や責務を明らかにすることにより、市民自治のしくみを制度として定め、市民自治によるまちづくりを実現し、北上市の自治の推進及び確立を図ることを目的とする。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、北上市の自治の推進における最高規範であり、北上市における条例等の制定改廃に当たっては、この条例を尊重し、整合を図らなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住む者、市内で働く者及び学ぶ者並びに市内に事業所を置く事業者及び市内でまちづくり活動をする団体をいう。
(2) 議会 北上市の意思決定機関である北上市議会をいう。
(3) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会等の行政事務を管理執行する機関をいう。
(4) まちづくり 公共的な課題の解決と安全安心で心豊かな市民生活の実現を目的とする市民活動、市政運営等の公益的な活動をいう。
(5) 参画 市民が、議会及び市長等の政策の立案から評価に至る各段階において、主体的に参加し、意思形成に関わることをいう。
(6) 協働 まちづくりに取り組む各主体が、共通の目的意識を持って、自主性を持つ対等な立場のもとで、それぞれの持つ能力を持ち寄り、相乗効果を上げながら協力し合うことをいう。
(7) 市民自治 市政の運営に当たり、市民自らが参画し、協働し、まちづくりを主体的に進めることをいう。
(市民自治の基本原則)
第4条 北上市の市民自治は、次に掲げることを原則として推進するものとする。
(1) 市民、議会及び市長等は、互いにまちづくりに関する情報を共有する。
(2) 市長等は、市民の自主的な市政への参画を保障し、協働で公共的課題の解決に当たる。
(3) 市長等は、より効果的かつ効率的に市政を運営するため、市民の参画により評価に取り組む。
(4) 市民、議会及び市長等は、自助、互助、共助、公助の考え方である補完の原則を認識し、行動する。
(5) 市民は、地域の目指すべき将来像に向かって、それぞれの地域にある固有の魅力、資源を最大限に活用し、他の地域との交流及び連携を深め、市長等とともに効果的かつ効率的なまちづくりを行う。
(6) 市民及び市長等は、まちづくりに取り組むに当たっては、年齢、性別、職業、国籍、居住地、活動地域等の特性を互いに尊重する。
第2章 各主体の役割と責務
第1節 市民
(市民の権利)
第5条 市民は、まちづくりに参画する権利、まちづくりに関する情報を知る権利及び市長等が提供する行政サービスを受ける権利を有する。
(市民の役割と責務)
第6条 市民は、市民自治の主体であることを自覚し、自らの発言と行動に責任を持ち、積極的に市政運営及びまちづくりに参画するよう努めるものとする。
第2節 議会
(議会の役割と責務)
第7条 議会は、北上市の意思決定機関であり、市政の監視を行うほか、積極的に政策立案及び政策提言に努めるものとする。
2 議会は、議決機関としての責任を常に自覚し、市民に対する説明責任を果たすものとする。
3 議会は、広く市民から意見を求めるよう努めなければならない。
4 議会は、市民に議論の過程を明らかにし、市民にわかりやすい議会運営に努めなければならない。
(議員の責務)
第8条 議員は、直接選挙によって選ばれた者として、自ら研さんし、市民福祉の向上のために行動しなければならない。
2 議員は、市政と市民をつなぎ、常に多様な市民の声が議会に届くよう行動しなければならない。
第3節 市長等及び職員
(市長の役割と責務)
第9条 市長は、北上市を代表し、行政事務を管理執行する機関等を統轄する。
2 市長は、市民自治によるまちづくりを推進するため、公正かつ誠実に市政運営に当たるとともに、将来に向けたまちづくりの方向性を明確に示し、毎年度の市政運営の方針を定め、その達成状況を市民に説明しなければならない。
(市長等の役割と責務)
第10条 市長等は、公正かつ誠実に、まちづくりを推進しなければならない。
2 市長等は、条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令等に基づく事務を、自らの判断と責任において、適切に執行しなければならない。
(職員の役割と責務)
第11条 職員は、市民自治によるまちづくりの実現に向け、市民の視点に立ち、市民、議会及び市長等の役割を認識し、公正かつ誠実に職務を執行するよう努めなければならない。
2 職員は、市民がまちづくりの主体であることを認識し、市民と信頼し合える関係を構築するよう努めなければならない。
3 職員は、職務に必要な知識、技能等の習得に努めなければならない。
第3章 市政運営
第1節 市政運営の基本原則
(市政運営の原則)
第12条 市長等は、提供するサービスの具体的な内容や水準等についてあらかじめ市民に明らかにし、公平かつ公正で効率的なサービス提供を図り、市民福祉の向上に努めなければならない。
2 市長等は、市民の持つ知識、技術、資源等を最大限活用できる体制を構築し、効果的かつ効率的な市政運営を実現するものとする。
第2節 計画的な市政運営
(総合計画)
第13条 市長は、北上市の総合的な市政運営の指針となる総合計画を定めるものとする。
2 総合計画は、基本構想、基本計画、地域計画及び実施計画とする。
3 市長は、この条例の理念に基づき、基本構想及びそれに基づく基本計画を市民参画によって策定し、計画的な市政運営に努めなければならない。
4 市長は、地域それぞれが計画的なまちづくりを実践するために、地域が策定した計画を総合計画の中に地域計画として位置付けるものとする。
5 市長は、総合計画を推進するため、実施計画を策定する。
6 市長は、総合計画の進捗状況及び目標達成度を市民にわかりやすく報告しなければならない。
(行政組織)
第14条 市長等は、行政組織を編成するに当たっては、市民にわかりやすく機能的なものとするとともに、社会や経済の情勢に応じ、かつ、行政組織間の連携が保たれるようにしなければならない。
2 市長等は、職員及び組織の能力が最大限に発揮できる職員の任用、配置及び人材育成に努めるとともに、行政組織間の横断的な協力体制を構築し、職員及び行政組織がより効果的に活動できる環境を整備しなければならない。
(政策評価)
第15条 市長等は、より効果的かつ効率的な市政運営を実現するため、施策及び事業の過程、結果等を評価、検証するとともに、市民にわかりやすく公表しなければならない。
2 市長等は、専門性が必要な政策評価においては、知識経験者等の人材を活用し、適切に評価を行い、その過程及び結果について市民に公表しなければならない。
(財政運営)
第16条 市長は、総合計画を実現するための財政計画を定め、財源を効果的かつ効率的に活用することで、自主的、自律的で健全な財政運営に努めなければならない。
2 市長は、保有する財産の適正な管理及び効果的な活用に努めなければならない。
3 市長は、財政状況、財産の保有状況等、北上市の経営状況に関する資料を作成し、市民にわかりやすく公表しなければならない。
第3節 信頼及び公正の確保
(行政手続)
第17条 市長等は、行政処分等における公正の確保と透明性の向上を図り、市民の権利や利益を保護するため、その手続に関する基本的な事項を定めなければならない。
(審議会等)
第18条 市長等は、審議会等の委員を選任する場合は中立かつ公正を保つため、特定の個人、団体に偏らない選任に努めなければならない。
2 前項の場合において、法令で資格要件が定められているなど、委員の公募が適当でない場合を除き、原則としてその一部を公募しなければならない。
3 市長等は、審議会等の会議は原則として公開するとともに、その審議の経過や結果について、市民にわかりやすく公表しなければならない。
第4節 危機管理
(危機管理)
第19条 市長等は、市民、関係機関及び他の地方自治体との協力及び連携により、不測の事態に備える総合的かつ機動的な危機管理体制を確立しなければならない。
2 市長等は、危機管理体制の確立に向け、市民、議会及び市長等の役割を明確にするとともに、緊急時には迅速に行動できるようにするための体制を市民及び議会と協力して構築しなければならない。
第4章 参画及び協働
第1節 情報の共有
(情報の共有)
第20条 議会及び市長等は、市政に関する情報を積極的にわかりやすく提供し、市民と情報の共有を図らなければならない。
(情報公開)
第21条 議会及び市長等は、市民の知る権利を保障し、公正で開かれた市政を推進するため、市政に関する情報を適正に公開しなければならない。
(個人情報保護)
第22条 議会及び市長等は、個人の権利利益を守るため、個人情報の保護を厳正に行うとともに、自己に係る個人情報の開示、訂正等を請求するものの権利に対して適切な措置を講じなければならない。
第2節 住民投票
(住民投票)
第23条 市長は、市民生活に大きな影響を及ぼす重要事項について、広く住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができる。
第3節 参画
(政策形成への参画)
第24条 議会及び市長等は、市民の政策形成への参画を保障するため、市民の意見が効果的に反映される仕組みをつくらなければならない。
(市民からの提案等)
第25条 市民は、市長等へ提案、要望、意見を行うことができる。
2 市長等は、市民からの提案、要望、意見があった場合は、迅速かつ誠実に対応するとともに、回答を求められた場合は、速やかに回答するよう努めなければならない。
(評価、改善等への参画)
第26条 市長等は、市民生活に大きな影響を及ぼす計画の実施段階及び完了段階において、市民参加による評価を実施し、改善に努めなければならない。
第4節 協働
(協働の推進)
第27条 市民、議会及び市長等は、各主体が対等の立場で互いの役割と責務を理解し、互いに尊重し合い、協働してまちづくりに取り組むものとする。
2 市長等は、政策をより効果的に推進するため、多様な組織が協働できる体制を構築するものとする。
第5節 市民活動
(市民活動)
第28条 市民は、社会における様々な課題の解決や安全安心な市民生活を実現することなどを目的とする市民活動に積極的に参加するよう努めるものとする。
2 市長等は、前項の市民活動を尊重するとともに、積極的に推進するものとする。
第6節 地域づくり
(地域づくり)
第29条 市民は、自分が暮らす地域において、住みよい地域社会の構築に向け、地域の課題解決や魅力づくりなどのまちづくり(以下「地域づくり」という。)に積極的に参加するよう努めるものとする。
2 市長等は、地域づくり活動を積極的に推進するものとする。
(地域づくり組織)
第30条 市民は、地域づくり組織に参加して地域づくりに取り組むよう努めるものとする。
2 市長等は、人材の育成、地域づくりに関する情報、事例、手法の共有などの地域づくり組織の活動を支援するものとする。
第5章 国、県及び他の地方自治体との関係
(国、岩手県及び他の地方自治体との関係)
第31条 北上市は、国及び岩手県と対等の立場に立ち、自治の発展のため、協力して適切な関係の構築に努めるものとする。
2 北上市は、共通する地域課題の解決や効果的で効率的な行政運営のための広域事務処理、大規模災害時の相互応援など、他の地方自治体と積極的に協力し、連携するものとする。
第6章 条例の見直し
(条例の見直し)
第32条 市民、議会及び市長等は、この条例が北上市の自治の推進及び確立を図る目的に寄与しているか検証し、必要に応じて見直しを行うものとする。

附 則
この条例は、平成25年1月1日から施行する。