○長崎市住民投票条例
令和3年9月30日
条例第37号
(目的)
第1条 この条例は、市政に係る重要事項について、住民の意思を直接確認するための投票(以下「住民投票」という。)の制度を設けることにより、住民の市政への参画機会の拡充を図り、もつて住民自治の推進に資することを目的とする。
(住民投票に付することができる重要事項)
第2条 住民投票に付することができる市政に係る重要事項は、現在又は将来の本市及び住民全体に重大な影響を与え、又は与える可能性のある事項(次に掲げる事項を除く。)であつて、住民に直接その賛成又は反対を確認する必要があるものとする。
(1) 本市の権限に属さない事項
(2) 法令の規定に基づき住民が投票を行うことができる事項
(3) 専ら特定の市民又は地域に関する事項
(4) 本市の組織、人事又は財務に関する事項
(5) 地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関する事項
(投票資格者)
第3条 住民投票の投票権を有する者(以下「投票資格者」という。)は、年齢満18歳以上の本市の区域内に住所を有する者であつて、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 本市に住民票が作成された日(他の市町村(特別区を含む。)から本市の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第22条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日。次号において同じ。)から引き続き3箇月以上本市の住民基本台帳に記録されている者であつて、次のアからウまでのいずれかに該当するもの
ア 日本の国籍を有する者
イ 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者
ウ 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第2の上欄の永住者の在留資格をもつて在留する者
(2) 本市に住民票が作成された日から引き続き5年以上本市の住民基本台帳に記録されている者であつて、出入国管理及び難民認定法別表第1又は別表第2に規定する在留資格をもつて在留するもの(前号ウに該当する者を除く。)
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、住民投票の投票権を有しない。
(1) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項若しくは第252条、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)第28条又は地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成13年法律第147号)第17条第1項から第3項までの規定(以下「選挙法規定」という。)により選挙権を有しない者
(2) 前項第1号イ若しくはウ又は第2号に該当する者を公職選挙法第9条に規定する選挙権を有する者とみなして選挙法規定を適用した場合に選挙権を有しないこととなる者
(住民投票の形式)
第4条 住民投票に付する事項は、二者択一で賛成又は反対を問う形式のものとしなければならない。
(請求代表者証明書の交付等)
第5条 住民投票の実施を請求しようとする者(以下「請求代表者」という。)は、その請求の要旨その他必要な事項を記載した書面(以下「実施請求書」という。)を添え、市長に対し、文書で請求代表者証明書の交付を申請しなければならない。
2 市長は、前項の規定による申請があつた場合において、次に掲げる事項に該当することを確認したときは、請求代表者に、実施請求書を添えて請求代表者証明書を交付し、かつ、その旨を告示しなければならない。
(1) 実施請求書に記載された請求の要旨が第2条に規定する住民投票に付することができる市政に係る重要事項に該当すること。
(2) 前条に規定する形式に該当すること。
(3) 請求代表者が当該申請の日現在における投票資格者であること。
3 市長は、前項の規定により請求代表者証明書を交付する場合は、第1項の規定による申請をした日現在における投票資格者の総数の6分の1の数(以下「必要署名数」という。)を請求代表者に通知し、かつ、その旨を告示しなければならない。
(署名等の収集)
第6条 請求代表者は、住民投票の実施に係る請求者の署名簿(以下「署名簿」という。)に実施請求書又はその写し及び請求代表者証明書又はその写しを付して、投票資格者に対し、署名等を求めなければならない。
2 請求代表者は、投票資格者に委任して、他の投票資格者に署名等を求めることができる。この場合において、委任を受けた者は、実施請求書又はその写し及び請求代表者証明書又はその写し並びに請求代表者の委任状を付した署名簿を用いなければならない。
3 請求代表者(前項の規定による委任を受けた者を含む。)は、本市の区域内で衆議院議員、参議院議員、長崎県の議会の議員若しくは知事又は本市の議会の議員若しくは市長の選挙(以下「選挙」という。)が行われることとなるときは、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第92条第4項に規定する期間、当該選挙が行われる区域内においては、署名等を求めることができない。
4 署名等は、前条第2項の規定による告示の日から1箇月以内でなければ求めることができない。ただし、前項の規定により署名等を求めることができないこととなつた区域においては、その期間は、前項の規定により署名等を求めることができないこととなつた期間を除き、前条第2項の規定による告示の日から31日以内とする。
(署名簿の提出等)
第7条 請求代表者は、署名等をした者の数が第5条第3項の規定により告示された必要署名数以上の数となつた場合は、前条第4項の規定による期間中又は期間満了の日(同項ただし書の規定が適用される場合には、同項に規定する期間が満了する日をいう。)の翌日から5日以内に署名簿(署名簿が2冊以上に分かれている場合は、これらを一括したもの)を市長に提出し、署名簿に署名等をした者が投票資格者であることの証明を求めなければならない。
2 市長は、前項の規定による署名簿の提出を受けた場合において、当該提出が同項の規定による期間を経過してなされたものであるとき、又は署名簿に署名等をした者の数が必要署名数に満たないことが明らかであるときは、これを却下しなければならない。
(審査名簿の調製等)
第8条 市長は、前条第1項の規定による署名簿の提出を受けた場合においては、同条第2項の規定により却下するときを除き、市長が別に定めるところにより、審査名簿(第5条第2項の規定による請求代表者証明書の交付の日現在の投票資格者を登録した名簿をいう。以下同じ。)を調製しなければならない。
2 審査名簿は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができるものを含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
3 市長は、第1項の規定により審査名簿を調製した場合は、その日の翌日から5日間、投票資格者からの申出に応じ、審査名簿の抄本(当該申出を行つた投票資格者が記載された部分に限る。)を閲覧させなければならない。
4 第1項の規定による審査名簿の登録に関し不服がある者は、前項に規定する閲覧の期間内に文書で市長に異議を申し出ることができる。
5 市長は、前項の異議の申出を受けた場合は、その異議の申出を受けた日から3日以内に、その異議の申出が正当であるかないかを決定しなければならない。この場合において、その異議の申出を正当であると決定したときは、その異議の申出に係る者を速やかに審査名簿に登録し、又は審査名簿から抹消し、その旨を当該異議の申出人及び関係人に通知し、併せてこれを告示し、その異議の申出を正当でないと決定したときは、速やかにその旨を当該異議の申出人に通知しなければならない。
6 市長は、第1項の規定により審査名簿の調製をした日後、当該調製の際に登録されるべき投票資格者が審査名簿に登録されていないことを知つた場合には、その者を速やかに審査名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。
(署名等の審査等)
第9条 市長は、第7条第1項の規定による証明を求められた場合は、その日から20日以内に審査を行い、署名等の効力を決定し、その旨を証明しなければならない。
2 市長は、前項の規定による証明が終了した場合は、その日から7日間、署名簿を関係人の縦覧に供さなければならない。
3 署名簿の署名等に関し異議がある場合は、関係人は、前項の規定による縦覧の期間内に文書で市長に異議を申し出ることができる。
4 市長は、前項の規定による異議の申出を受けた場合は、その異議の申出を受けた日から14日以内にその異議の申出が正当であるかないかを決定しなければならない。この場合において、その異議の申出を正当であると決定したときは、速やかに第1項の規定による証明を修正し、その旨を申出人及び関係人に通知し、併せてこれを告示し、その申出を正当でないと決定したときは、速やかにその旨を申出人に通知しなければならない。
5 市長は、第2項の規定による縦覧の期間内に関係人の異議の申出がないとき、又は前項の規定による全ての異議についての決定をしたときは、その旨及び有効署名の総数を告示するとともに、署名簿を請求代表者に返付しなければならない。
(住民投票の実施に係る請求)
第10条 住民投票の実施に係る請求は、前条第5項の規定による署名簿の返付を受けた日から5日以内に、市長に対し、実施請求書に第5条第3項の規定により告示された必要署名数を満たしていることを証明する書面及び署名簿を添えてこれをしなければならない。
2 市長は、前項の規定による請求があつた場合において、署名簿に署名等をした者の数が必要署名数に達しないとき、又は当該請求が同項の規定による期間を経過しているときは、これを却下しなければならない。
(住民投票の実施)
第11条 市長は、前条第1項の規定による請求を受けた場合(前条第2項の規定により却下した場合を除く。)は、住民投票を実施しなければならない。
2 市長は、前項の規定により住民投票を実施する場合は、直ちに請求代表者に通知し、その旨を告示しなければならない。
(投票日等)
第12条 市長は、前条第2項の規定による告示の日から起算して90日以内(当該期間に選挙が行われることによる事務処理上の困難がある等のやむを得ない事情があると市長が認める場合は、120日以内)において、住民投票の期日(以下「投票日」という。)を定めるものとする。
2 市長は、前項の規定により投票日を定めた場合は、投票日その他必要な事項を当該投票日の少なくとも7日前までに告示しなければならない。
3 市長は、前項の規定による告示の日後、投票日に選挙が行われることとなつたことによる事務処理上の困難がある等のやむを得ない事情があると認める場合は、投票日を第1項に規定する期間内で変更することができる。この場合において、市長は、変更後の投票日その他必要な事項を当該変更後の投票日の少なくとも7日前までに告示しなければならない。
(投票資格者名簿の調製等)
第13条 市長は、投票資格者について、市長が別に定めるところにより、投票資格者名簿(前条第2項(同条第3項本文の規定により投票日を変更した場合にあつては、同項後段)の規定による告示の日(以下この条において「投票日の告示日」という。)の前日現在の投票資格者を登録した名簿をいう。以下同じ。)を調製するものとする。
2 投票資格者名簿は、投票区ごとに編製しなければならない。
3 投票資格者名簿は、磁気ディスクをもつて調製することができる。
4 市長は、第1項の規定により投票資格者名簿を調製した場合は、当該調製が行われた日の翌日に、投票資格者からの申出に応じ、投票資格者名簿の抄本(当該申出を行つた投票資格者が記載された部分に限る。)を閲覧させなければならない。
5 第1項の規定による投票資格者名簿の登録に関し不服がある者は、前項の規定による閲覧の期間内に文書で市長に異議を申し出ることができる。
6 市長は、前項の異議の申出を受けた場合は、その異議の申出を受けた日から3日以内に、その異議の申出が正当であるかないかを決定しなければならない。この場合において、その異議の申出を正当であると決定したときは、その異議の申出に係る者を速やかに投票資格者名簿に登録し、又は投票資格者名簿から抹消し、その旨を当該異議の申出人及び関係人に通知し、併せてこれを告示し、その異議の申出を正当でないと決定したときは、速やかにその旨を当該異議の申出人に通知しなければならない。
7 市長は、第1項の規定により投票資格者名簿の調製をした日後、当該調製の際に投票資格者名簿に登録される資格を有し、かつ、引き続きその資格を有する者が投票資格者名簿に登録されていないことを知つた場合には、その者を速やかに投票資格者名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。
(投票区及び投票所)
第14条 投票区及び投票所(第18条第1項に規定する期日前投票の投票所を含む。)は、市長が別に定めるところにより設ける。
(投票管理者)
第15条 市長は、前条に規定する投票所に、投票管理者を置く。
2 投票管理者は、投票資格者の中から市長が選任した者をもつて、これに充てる。
(投票立会人)
第16条 市長は、投票資格者の中から、本人の承諾を得て、2人以上5人以下の投票立会人を選任し、投票日前3日までに、本人に通知しなければならない。
(投票の方法等)
第17条 住民投票は、1人1票に限る。
2 住民投票を行う投票資格者(以下「投票人」という。)は、投票日(次条第1項の規定による期日前投票にあつては、当該期日前投票の当日。第20条において同じ。)、自ら投票所に行き、投票資格者名簿又はその抄本(当該投票資格者名簿が第13条第3項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合には、当該投票資格者名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類)の対照を経なければ、投票をすることができない。
3 投票人は、自ら投票所において、投票用紙に印刷された選択肢から1つを選択し、所定の欄に○の記号を記載して、これを投票箱に入れなければならない。
4 投票用紙には、投票人の氏名を記載してはならない。
(期日前投票等)
第18条 投票人は、前条第2項の規定にかかわらず、市長が別に定めるところにより、期日前投票を行うことができる。
2 投票人は、前条第2項及び第3項の規定にかかわらず、市長が別に定めるところにより、不在者投票を行うことができる。
3 投票人は、前条第3項及び第26条の規定にかかわらず、市長が別に定めるところにより、点字(公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)別表第1に定める点字をいう。)による投票を行うことができる。
4 前条第3項及び第26条の規定にかかわらず、心身の故障その他の事由により、自ら所定の欄に○の記号を記載することができない投票人は、投票管理者に申請し、代理投票をさせることができる。
(投票資格者名簿の登録及び投票)
第19条 投票資格者名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。
2 投票資格者名簿に登録された者であつても投票資格者名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。
(投票資格者でない者の投票)
第20条 投票日、投票資格者でない者は、投票をすることができない。
(投票の秘密保持)
第21条 何人も、投票人の投票した内容を陳述する義務はない。
(開票所)
第22条 開票所は、市長が別に定めるところにより設ける。
(開票管理者)
第23条 市長は、前条に規定する開票所に、開票管理者を置く。
2 開票管理者は、投票資格者の中から市長が選任した者をもつて、これに充てる。
(開票立会人)
第24条 市長は、投票資格者の中から、本人の承諾を得て、3人の開票立会人を選任し、直ちに本人に通知しなければならない。
(投票の効力)
第25条 投票の効力は、開票立会人の意見を聴き、開票管理者が決定しなければならない。この場合において、その決定に当たつては、次条の規定に反しない限り、その投票した投票人の意思が明白であれば、その投票を有効とするようにしなければならない。
(無効投票)
第26条 投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。
(1) 所定の用紙を用いないもの
(2) ○の記号以外の事項を記載したもの
(3) ○の記号を自書しないもの
(4) ○の記号のほか、他事を記載したもの
(5) ○の記号を投票用紙の複数の欄に記載したもの
(6) ○の記号を投票用紙に印刷された選択肢のいずれに記載したのか判別し難いもの
(住民投票の成立要件等)
第27条 住民投票は、一の事項について投票した者の総数が当該住民投票の投票資格者の総数の2分の1に満たない場合は、成立しないものとする。この場合において、開票作業その他の作業は行わない。
(投票の結果等)
第28条 市長は、前条の規定により住民投票が成立しなかつた場合、又は住民投票が成立し、当該住民投票の結果が確定した場合は、速やかにこれを告示し、その内容を請求代表者に通知しなければならない。
(結果の尊重)
第29条 市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
(情報の提供)
第30条 市長は、住民投票の実施に当たつては、投票資格者に対し、当該住民投票に係る必要な情報を適当な方法により提供しなければならない。
2 市長は、前項の規定による情報の提供に当たつては、中立性の保持に努めなければならない。
(投票運動)
第31条 住民投票に関する投票運動は、買収、脅迫その他の住民の自由な意思が拘束され、若しくは不当に干渉され、又は住民の平穏な生活環境が侵害されるものであつてはならない。
(請求の制限期間)
第32条 この条例の規定による住民投票が実施された場合は、第28条の規定による告示の日から2年が経過するまでの間、同一の事項又は当該事項と同旨の事項について、第10条第1項の規定による住民投票の実施に係る請求をすることができない。
(委任)
第33条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、令和4年4月1日から施行する。





