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条例

加須市協働によるまちづくり推進条例

自治体データ

自治体名 加須市 自治体コード 11210
都道府県名 埼玉県 都道府県コード 00011
人口(2015年国勢調査) 111,623人

条例データ

条例本文

加須市協働によるまちづくり推進条例

平成23年10月5日条例第21号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの理念(第4条・第5条)
第3章 まちづくりの担い手(第6条―第9条)
第4章 協働による行財政運営(第10条)
第5章 役割と責務(第11条―第16条)
第6章 協働事業の推進(第17条―第20条)
第7章 協働の評価(第21条)
第8章 雑則(第22条)
附則

私たち加須市民等(以下「私たち」といいます。)は、少子化の急速な進行による人口の減少や長寿化をはじめとする社会状況の急激な変化の中、本格的な地方分権社会の進展に対応しながら、加須市の特性を生かした自立したまちづくりを進めていく必要があります。
加須市の将来を、私たち自らの力で担っていくためには、郷土愛や家族愛、隣人愛に結ばれた 絆きずな を基本に、共通の目標に向かって、知恵と力を合わせて協働していかなければなりません。
私たちは、法で定められた地方自治制度において、協働に関する理解を深め、協働によるまちづくりの仕組みをつくり、もって「水と緑と文化の調和した元気都市」を実現するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、加須市のまちづくりの基本理念や基本原則などを明らかにするとともに、協働によるまちづくりの方向性や、具体的な役割や責務などを定めることによって、加須市の特性を生かした活力ある豊かな地域社会を実現することを目的とします。
(定義)
第2条 この条例で使用する用語の意味は、次のとおりとします。
(1) 協働 加須市に関わる全ての団体及び個人が、共通の目標に向けて相互に尊重し合い、連携を図りながら、それぞれの立場に期待される役割をそれぞれが可能な限り果たしていくことをいいます。
(2) まちづくり 全ての市民が安全と安心を実感しながら快適に暮らすことができる、夢と活力に満ちあふれた地域社会をつくるために、行政や市民等によって行われる各種整備事業や保全事業、コミュニティ活動やボランティア活動など全ての取組をいいます。
(3) 市民等 市内に住所を有する者(以下「市民」といいます。)又は居住する者、市内で働く者又は学ぶ者、市内に事務所や事業所を有する法人又は個人の事業者及びこれらの者で構成された団体をいいます。
(4) 市民活動 市民等が自主的かつ主体的に実施する公共的又は公益的な活動(政治活動や宗教活動などを除きます。)をいいます。
(5) 地縁組織 市民等で構成された団体のうち、自治協力団体などの地域的なつながりを基礎として構成された団体をいいます。
(6) 志縁組織 市民等で構成された団体のうち、公共的又は公益的な特定のテーマを掲げて活動を行っているボランティア団体など、同一の目的意識によるつながりを基礎として構成された団体をいいます。
(条例の位置付け)
第3条 私たちは、まちづくりを推進するに当たり、条例の制定や総合的かつ計画的なまちづくりを行うための基本的な計画の策定、各種事業の実施など全ての過程において、この条例に定める事項を最大限に尊重します。
第2章 まちづくりの理念
(まちづくりの基本理念)
第4条 私たちは、身近な地域課題に対して、自ら主体的に取り組むことを基本に、まちづくりの担い手となることによって、地域の伝統や文化を継承しながら、市民主体のまちづくりを進めます。
2 私たちは、市民生活の多様化や生活圏の拡大とともに、まちづくりの選択肢が限りなく増加していく中で、多種多様なニーズに対応していかなければならないことを踏まえ、自らの意思と責任において自主的かつ主体的にまちづくりを進めます。
(協働によるまちづくりの基本原則)
第5条 私たちは、次に掲げる3原則に基づき、協働によるまちづくりを推進します。
(1) 対等の原則 私たちは、相互の立場の違いや組織の特性を理解した上でその立場を認め合い、相互の自主性や自立性を尊重し、対等の関係で役割分担しながら連携し、協力します。
(2) 情報共有の原則 私たちは、各々の主体的なまちづくり活動の円滑な連携を図るため、相互に活動情報を公開し、可能な限り情報の共有化を図ります。
(3) 目標共有の原則 私たちは、加須市の一体性を確保しながらまちづくりを推進するため、総合的かつ計画的なまちづくりの基本構想を定め、これを共通の目標としてまちづくりに取り組みます。
第3章 まちづくりの担い手
(まちづくり市民会議の設置)
第6条 私たちは、まちづくりに関する課題の解決に向けた話合いを行うため、まちづくりに関する市民等の自主的な会議(以下「まちづくり市民会議」といいます。)を設置するものとします。
2 まちづくり市民会議は、まちづくりに関する様々な課題の解決のために、参加を希望する全ての市民等による話合いを実施します。
(地縁組織による活動の充実)
第7条 私たちは、地域に身近な自治協力団体などの地縁組織の構成員として各種地域活動に参加するよう努めるとともに、組織間の連携により、地縁組織の活動の充実に努めます。
(志縁組織による活動の充実)
第8条 私たちは、志縁組織の活動に積極的に参加するよう努めるとともに、組織間の連携により、志縁組織の活動の充実に努めます。
(連携による活動の充実)
第9条 私たちは、必要に応じて、地縁組織及び志縁組織間の連携により、相互に活動内容の充実を図るよう努めます。
第4章 協働による行財政運営
(健全な行財政運営)
第10条 私たちは、まちづくりの基本理念及び協働によるまちづくりの基本原則に基づき、市財政の健全性を確保しながら、総合的かつ計画的な行政運営を推進します。
第5章 役割と責務
(市民の役割と責務)
第11条 市民は、自らがまちづくりの主体であり、担い手であることを認識し、地域社会の様々な課題の解決や、住みよい豊かな地域社会の構築に向けて、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
2 市民は、全員が自治協力団体などの地縁組織に加わり、地域の一員としてその責務を果たしながら、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
3 市民は、志縁組織が実施する公共的又は公益的な市民活動に、可能な限り参加するよう努めるものとします。
(地縁組織の役割と責務)
第12条 地縁組織は、社会情勢の変化に伴う地域内の市民等の様々なニーズ、多様化する価値観の変化などを適切に把握し、地域のまちづくりを担いながら、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
2 地縁組織は、積極的に地域内の市民等や他の市民活動団体と情報交換を行いながら活動の輪を広げ、活動内容が市民等に理解されるよう努めるとともに、地域内の誰もが加入できるような組織づくりに努めるものとします。
(志縁組織の役割と責務)
第13条 志縁組織は、地域における市民活動の社会的意義を評価しつつ、自らの持つ専門的知識や得意活動分野における経験などを生かしながら、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
2 志縁組織は、積極的に市民等や地域の課題解消に取り組むさまざまな市民活動団体と情報交換を行いながら活動の輪を広げ、活動内容が市民等に理解されるよう努めるとともに、同一の目的意識を持つ誰もが加入できるような組織づくりに努めるものとします。
(事業者及び各種法人の役割と責務)
第14条 事業者及びNPO法人などの各種法人は、まちづくりの主体であり、担い手であることを認識し、地域社会との調和を図りながら、公共的又は公益的な活動を実施することにより、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
(議会の役割と責務)
第15条 議会は、自治体における唯一の議決機関として、議会活動に関する情報を市民等に分かりやすく提供し、開かれた議会運営となるよう努めるとともに、市民等の意思を代表し、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
(市の役割と責務)
第16条 市は、基礎自治体としての自立化や行財政運営の健全化を図るよう努めるとともに、計画的に事業を実施し、必要とされる行政サービスを提供しながら、協働によるまちづくりを推進するよう努めるものとします。
2 市は、まちづくりに関する基本的な計画又は重要な政策などを策定する場合は、市民参加の下で、効率的かつ効果的な手続を講じるものとします。
3 市は、まちづくりに関する市民等からの提言、提案、意見などをその施策に反映させるよう努めるものとします。
4 市は、まちづくり市民会議をはじめとする市民活動団体の組織化及び運営に対して、市民等の自主性や自立性を尊重しながら、情報の提供、相談窓口の設置、財政的支援その他の必要な措置を講じるものとします。
5 市は、市が行う事業のうち、地縁組織、志縁組織、事業者及びNPO法人などの各種法人の特性を生かすことのできるものについては、適切な方法により協働して実施できるよう必要な措置を講じるものとします。
6 市は、行政施策に関する情報に関して、市民等が迅速かつ容易に活用できるよう、適正で分かりやすい情報の提供に努めるものとします。
第6章 協働事業の推進
(協働に関する申合せ)
第17条 私たちは、複数のまちづくりの主体が協働して事業を実施する場合は、それぞれの役割分担を明確にするため、必要に応じて協働に関する協定の締結や合意書を取り交わすなど、協働に関する申合せを行います。
(市民活動拠点施設の整備)
第18条 私たちは、市民活動の推進及び活性化を図るため、必要に応じて市民活動の拠点施設を設置するものとします。
2 市民活動の拠点施設においては、各種の市民活動に関する情報及び行政情報その他各種情報の収集及び提供、市民活動に関する相談受付、市民等の市民活動団体への参加支援、市民活動の啓発及び人材育成に関する事業などを実施します。
(協働パートナー登録制度)
第19条 市は、地域の課題解消やまちづくりを実践しようとする地縁組織、志縁組織、事業者及びNPO法人などの各種法人と協働して公共サービスの提供を図るため、協働パートナー登録制度を設けるものとします。
(市政への市民参加の方法)
第20条 市は、市の基本的な計画又は重要な政策などを策定する場合は、次に掲げる事項により、効果的な市民参加の実現に努めるものとします。
(1) 説明会 特定の計画又は政策に関し、関係する市民等に対し、趣旨、内容その他必要な情報を直接説明し、理解促進を図るとともに、これに対する意見を求める方法
(2) アンケート調査 特定の計画又は政策に関し、市民等に対し、書面によって趣旨、内容その他必要な情報を説明し、これに対する意見を求める方法
(3) パブリックコメント 特定の計画又は政策に関し、市民等に対し、趣旨、内容その他必要な情報を事前に公表し、これに対する意見を求める方法
(4) ワークショップ 特定の計画又は政策に関し、市民等によるまちづくりに関する討議の場を整え、それぞれの経験や知識、立場等に基づいた意見や提案を出し合い、これを整理することによって、市民提言を取りまとめる方法
(5) 公聴会 特定の計画又は政策に関し、関係する市民等に対し、意見聴取の理由、期日及び場所を公表し、これに対する意見を求める方法
(6) 審議会 特定の計画又は政策に関する市の諮問機関を設置し、専門的知識を持つ委員により、答申を取りまとめる方法
(7) その他市長が必要と認める方法
第7章 協働の評価
(協働の評価の実施)
第21条 私たちは、この条例の理念に則した協働によるまちづくりが効果的かつ効率的に進められているかについての評価を実施します。
第8章 雑則
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行します。
(見直し)
2 この条例は、市民参加と協働の取組状況、効果及び発展性に応じて、見直しを行うものとします。