阿武町協働のまちづくり条例
自治体データ
自治体名 | 阿武町 | 自治体コード | 35502 |
都道府県名 | 山口県 | 都道府県コード | 00035 |
人口(2015年国勢調査) | 3,055人 |
条例データ
制定年 | 2014年 |
条例類型 | 総合的な市民参加条例 |
明記された参加手法 | |
参加権規定の有無 | 有 |
協働事業提案の有無 | 無 |
関連条例の有無 | 無 |
特徴 | |
条例ホームページ (2012年10月末日現在) |
http://townabu.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/abucho_work/reiki_honbun/m451RG00000491.html#e000000173 |
条例本文
○阿武町協働のまちづくり条例
平成26年12月19日
条例第20号
本町は、美しい海とみどりの山々に恵まれ、この豊かな自然は、町民の誇りとなっています。特に、長い海岸線は北長門国定公園の指定を受け、日本海の荒々しい浸食海岸美を見せています。また、緑豊かな森林に囲まれた内陸部には阿武台地が開け、本町のみならず、山口県の穀倉地帯を形成しています。
本町では、これらの自然を生かして都市部では味わうことのできない新鮮な海の幸、山の幸を豊富に生み出しています。
このような中で、個人の価値観が変化・多様化し、経済的豊かさから精神的な豊かさを重視し、質の高い、潤いのあるくらしが求められる一方で、町民一人ひとりが主体となり知恵と力を出し合い、行政と共に創り上げていく協働のまちづくりが重要です。
本町は、昭和30年1月1日の1町2村による合併以来、先人たちが築きあげた伝統、文化を継承してきました。そして町の将来像を、夢と笑顔あふれる「豊かで住みよい文化の町」とし、本町の持つ特性や人、自然、文化などの資源を最大限に生かすことを目標としています。
また、近年では、集落組織を自治会組織に再編し、自治組織の充実、強化を進めているところですが、今後はさらに、自助、共助及び公助という社会の役割分担のあり方に基づき、それぞれの果たすべき責任及び役割を理解し、町民自体が自覚し、安全、安心なまちづくりは「自分たちの町は、自分たちで守る」を合い言葉に、町民と町が力を合わせた「協働のまちづくり」を目指します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本町における協働のまちづくりを推進するための基本理念及び基本的事項を定めるとともに、町民及び町の役割を明らかにし、それぞれがともに考え、協力し、行動し、もって個性豊かで活力のある自立した地域社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
(1) まちづくり 住みよい豊かな地域社会をつくるための取り組みをいう。
(2) 町民 本町に居住する者のほか、町内で働く者及び公共的な活動を行う団体を含めたものをいう。
(3) 町 町長その他の町の執行機関をいう。
(4) 事業者 町内において営利を目的とする事業を行う個人又は法人をいう。
(5) 協働 町民と町又は町民同士が相互に相手の特性を理解及び尊重し、共通の目的に向かい、責任及び役割分担を明確にし、共に取り組むことをいう。
(6) 地域コミュニティ 地域住民が自主的に参加し、その総意及び協力により住み良い地域社会をつくることを目的として構成された集団をいう。
(7) 町民活動 営利を目的としない町民の自主的、主体的な社会参加活動で、不特定多数の人々の利益の増進及び地域社会の発展に寄与することを目的とするものをいう。ただし、宗教的若しくは政治的な活動又は選挙運動(特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動をいう。)を除く。
(基本理念)
第3条 町民は、主体的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。
2 町民及び町は、自助、共助及び公助という社会の役割分担のあり方に基づき、それぞれの果たすべき責任及び役割を理解し、協働してまちづくりを推進するものとする。
第2章 町民及び町民活動団体の役割
(町民の役割)
第4条 町民は、地域社会の一員であることを自覚し、自らが暮らす地域社会に関心を持ち、自らができることを考え、自発的にまちづくりに参加するよう努めるものとする。
2 町民は、町民活動が果たす社会的意義について理解を深め、自発的な町民活動への参加及び協力に努めるものとする。
(町民活動団体の役割)
第5条 町民活動団体は、自らの活動が果たす社会的意義を自覚し、自己の責任の下、協働のまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
2 町民活動団体は、広く町民に対して、その参加が理解されるよう努めるとともに、自己実現の場及び社会参加の機会を提供するよう努めるものとする。
第3章 協働
(協働の推進)
第6条 町民及び町は、相互にそれぞれの特性を理解し合い、尊重し合い、及び補完し合いながら、協働によるまちづくりを積極的に推進するよう努めるものとする。
(協働の環境づくり)
第7条 町民及び町は、協働によるまちづくりを推進するため、活動拠点の整備等必要な環境づくりに努めるものとする。
2 町は、協働によるまちづくりを推進するため、総合的かつ計画的な施策を実現するものとする。
(人づくり)
第8条 町民及び町は、まちづくりの担い手を発掘し、又は育成するよう努めるものとする。
2 町は、まちづくりを支える人材を支援するよう努めるものとする。
(情報の共有)
第9条 町民及び町は、協働によるまちづくりを推進するため、相互にまちづくりに関する情報を提供することにより、その情報の共有に努めるものとする。ただし、情報の提供及び共有にあたっては、町民の権利及び利益を侵害しないよう配慮しなければならない。
(事業者の協力)
第10条 事業者は、地域社会の一員として、地域社会との調和を図るとともに、公共的又は公益的な活動に協力し、協働によるまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
(地域コミュニティの役割)
第11条 地域コミュニティは、地域住民のつながりを強くするとともに、地域の課題の解決に向けて計画的に取り組み、安心かつ安全な地域づくりに努めるものとする。
2 地域コミュニティは、様々なまちづくりの主体と交流及び連携し、協働によるまちづくりの推進に努めるものとする。
(地域コミュニティ活動の推進)
第12条 町民は、地域コミュニティ活動への理解を深め、その活動に自主的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。
2 町民は、自らが地域コミュニティの担い手であることを認識し、このコミュニティを守り育てるよう努めるものとする。
(地域コミュニティ活動への支援)
第13条 町は、地域コミュニティ活動を促進するため、地域コミュニティに対してまちづくりに関する情報の提供、活動拠点の整備等必要な支援をするものとする。この場合において、町は、地域コミュニティの自主性及び自立性を尊重しなければならない。
(町民活動の役割)
第14条 町民活動を組織的かつ継続的に行う団体(以下「町民活動団体」という。)は、町民活動の持つ社会的意識を自覚するとともに、自らの持つ知識、専門性を生かし、まちづくりに貢献できるよう努めるものとする。
2 町民活動団体は、積極的に情報提供を行い、活動の輪を広げるとともに、自らの活動内容が町民に理解されるよう努めるものとする。
3 町民活動団体は、様々なまちづくりの主体と交流及び連携し、協働によるまちづくりの推進に努めるものとする。
(町民活動の推進)
第15条 町民は、町民活動への理解を深め、その活動に自発的かつ自主的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。
(町民活動への支援)
第16条 町は、町民活動を促進するため、町民活動団体に対してまちづくりに関する情報の提供、活動拠点の整備等必要な支援をするものとする。この場合において、町は、町民活動団体の自主性及び自立性を尊重しなければならない。
第4章 町政への参画
(町政への参画)
第17条 町民は、町の基本構想その他の基本的な計画の立案から実施及び評価に至る課程において参画することができる。
2 町は、町民が町政に参画する権利を保障するため、参画機会の確保に努めなければならない。
3 町は、町民の意思が適切に反映されるよう、行政運営を行わなければならない。
(附属機関の委員)
第18条 町は、附属機関等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により設置する審議会その他の附属機関の世にこれに類する合議制の機関をいう。次項において同じ。)の委員に町民を選任するときは、その全部又は一部を公募により選考するよう努めなければならない。
2 町は、附属機関の委員を選任するときは、年齢構成、地域性等を考慮し、幅広い分野から人材を登用することにより、町民の多様な意見が反映されるよう努めなければならない。
第5章 町の責務
(行政運営)
第19条 町は、効率的で質の高い行政サービスの提供を図り、町民の満足度の向上に努めなければならない。
2 町は、社会経済情勢の変化、多様化する課題等に的確に対応するため、町民にわかりやすく機能的かつ効率的な組織運営に努めなければならない。
(町職員の育成、意識改革等)
第20条 町長は、町職員に対して協働によるまちづくりに関する研修等を実施し、町職員がその重要性の認識を深めるよう努めなければならない。
2 町職員は、自らの職務遂行の能力向上のための自己啓発に努めるとともに、町民との協働の視点に立ち、町民との信頼関係の向上に努めなければならない。
3 町職員は、自らも地域社会の一員として、積極的にまちづくりに参加するよう努めなければならない。
(説明責任)
第21条 町は、施策の立案から実施及び評価に至る課程の各段階において、その内容、効果等を町民にわかりやすく説明するよう努めなければならない。
2 町は、町民からの町政に関する質問、意見、要望等に対し、適切にこたえるよう努めなければならない。
(情報の提供)
第22条 町は、町の財政状況のほか、町の基本構想その他の基本的な計画に関する情報を適切な時期及び方法により、町民にわかりやすく提供するよう努めなければならない。
第6章 条例の尊重及び見直し
(条例事項の尊重)
第23条 この条例は、協働によるまちづくりの基本原則であり町民及び町は、この条例で定める事項を尊重するものとする。
(条例の見直し)
第24条 この条例は、必要に応じ、見直しを行うものとする。
第7章 雑則
(委任)
第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成27年1月1日から施行する。