条例

多治見市市政基本条例

自治体データ

自治体名 多治見市 自治体コード 21204
都道府県名 岐阜県 都道府県コード 00021
人口(2015年国勢調査) 106,732人

条例データ

条例本文

○多治見市市政基本条例
平成18年9月28日条例第41号
改正
平成19年12月17日条例第47号
平成19年12月17日条例第57号
平成21年12月15日条例第39号
平成22年3月24日条例第10号
多治見市市政基本条例

目次
前文
第1編 総則(第1条―第5条)
第2編 市政の主体
第1章 市民(第6条・第7条)
第2章 代表機関
第1節 議会(第8条・第9条)
第2節 長と行政機構(第10条―第15条)
第3編 市政の原則と制度
第1章 市政情報の共有(第16条・第17条)
第2章 市民の市政参加(第18条・第19条)
第3章 総合計画(第20条)
第4章 市政の諸原則(第21条―第28条)
第5章 公正と信頼の確保(第29条―第31条)
第6章 市民投票(第32条・第33条)
第7章 政府としての多治見市(第34条―第37条)
第8章 危機管理(第38条―第40条)
第4編 最高規範と改正
第1章 最高規範(第41条)
第2章 改正(第42条)
附則

私たちは、基本的人権が尊重され、平和のうちに安心して心豊かに暮らせるまちを目指します。
私たちは、まちづくりの主体として、一人ひとりが自由な意思でまちづくりにかかわるとともに、まちづくりの一部を信託するため、市民自治の主権に基づき、市民生活とその基盤である地域社会に最も身近な地域政府として多治見市を設置します。
市は、市民の信託に基づき政策を定め、市政を運営しなければなりません。また、その保有する情報を市民と共有し、市民が市政に参加するための制度を整え、まちづくりを担う多様な主体と連携協力しなければなりません。
私たち市民は、地域政府としての多治見市の成立が市民の信託に基づくものであることを明らかにし、市政の基本的な原則と制度やその運用の指針や市民と市の役割を定める多治見市の最高規範として、ここにこの条例を制定します。

第1編 総則
(目的)
第1条 この条例は、市政の基本的な原則と制度やその運用の指針や市民と市の役割を定めることにより、多治見市の市民自治の確立を図ることを目的とします。
(市民主権)
第2条 より良い地域社会の形成の主体は、市民です。
2 市民は、市政の主権者であり、より良い地域社会の形成の一部を市に信託します。
3 市民は、市政の主権者として、市の政策を定める権利があり、その利益は、市民が享受します。
(選挙)
第3条 市民は、選挙により、市民の代表者である議会の議員と市の代表者である市長を定め、その職を信託します。
(市の役割)
第4条 市は、市民の厳粛な信託により市政を運営し、より良い地域社会の形成の一部を担います。
2 市は、政策を定め、制度を整備して運用することにより、市政を運営しなければなりません。
(連携協力)
第5条 市民と市は、それぞれの活動において連携協力し、より良い地域社会を形成します。

第2編 市政の主体
第1章 市民
(市民の責務)
第6条 市民は、主権者としての権利を相互に尊重しなければなりません。
2 市民は、市民の信託に基づき定められた条例と規則など(以下「条例など」といいます。)を遵守しなければなりません。
3 市民は、市政の適切な運営のための費用を負担しなければなりません。
(原則と制度の維持と拡充)
第7条 市民は、市政の原則と制度を継続的な努力により、維持し、かつ、拡充しなければなりません。

第2章 代表機関
第1節 議会
(議会の設置)
第8条 市民の信託に基づき、市民の代表機関として、議会を設置します。
(議会の役割と責務)
第9条 議会は、立法などの市の重要な政策決定などを行います。
2 議会の議員は、この条例の理念や原則と制度を遵守し、市民の信託に対する自らの責任を誠実に果たさなければなりません。
3 議会と議会の議員は、言論の府としての議会の本質に基づき、議員間の自由な討議を重んじなければなりません。
4 議会の議員は、市民の信託を受けた市民の代表であることを認識し、議会は、市民参加の拡充に努めなければなりません。
5 議会は、政策提言と政策立案の強化を図るため、調査活動と立法活動の拡充に努めなければなりません。
6 議会と議会の議員の責務などの基本的な原則は、別に条例で定めます。
一部改正〔平成22年条例10号〕
第2節 長と行政機構
(市長の設置)
第10条 市民の信託に基づき、市の代表機関として、市長を設置します。
(市長の役割と責務)
第11条 市長は、市を統轄し、市を代表します。
2 市長は、この条例の理念や原則と制度を遵守し、市民の信託に対する自らの責任を誠実に果たさなければなりません。
(行政委員会の役割と責務)
第12条 行政委員会(市長を除く執行機関をいいます。以下同じです。)は、その権限に基づき、事務を執行します。
2 行政委員会は、この条例の理念や原則と制度を遵守し、自らの判断と責任において、その職務を誠実に管理し、執行しなければなりません。
(組織機構)
第13条 市の組織は、総合的、簡素、効率的であると同時に、地域社会の変化に応じ、機動的に編成されなければなりません。
(職員の責務)
第14条 市の職員は、この条例の理念や原則と制度を遵守し、市政に対する市民の信託に応えるため、誠実かつ公正に職務を執行しなければなりません。
(公益通報)
第15条 市の職員は、公正な市政を妨げ、市に対する市民の信頼を損なう行為が行われていることを知ったときは、その事実を放置し、隠してはなりません。
2 正当な公益通報を行った職員は、その公益通報をしたことを理由に不当に不利益を受けないよう保障されなければなりません。
3 公益通報に関して必要な事項は、別に条例で定めます。

第3編 市政の原則と制度
第1章 市政情報の共有
(総合的な情報公開の推進)
第16条 市民は、市政の主権者として、市政について知る権利があります。
2 市は、市の保有する情報が市民の共有財産であることを認識するとともに、市政に関する正確で分かりやすい情報を市民が迅速かつ容易に得られるよう、情報の公表、提供と開示の総合的な推進に努めなければなりません。
(情報公開制度)
第17条 市は、情報公開制度を設けなければなりません。
2 市の保有するすべての情報は、情報公開制度の対象となります。
3 何人も、市に対して、情報の開示を請求できます。
4 市は、その保有するすべての情報を適正に管理しなければなりません。
5 市は、審議会などの会議を、原則として公開しなければなりません。
6 市は、情報提供施策の拡充に努めなければなりません。
7 情報公開制度に関して必要な事項は、別に条例で定めます。

第2章 市民の市政参加
(市民参加の権利)
第18条 市民は、市政の主権者として、市政に参加する権利があります。
2 市民は、市政に参加しないことを理由として、不利益を受けることはありません。
(市民参加の推進)
第19条 市は、多くの市民の参加機会を保障するため、審議会の委員の公募、意見の公募などの多様な参加手法を用意しなければなりません。
2 市は、市民からの意見に対して、誠実に応答しなければなりません。
3 市は、次に掲げるときは、市民の参加を図らなければなりません。
(1) 総合計画などの重要な計画を策定し、見直すとき。
(2) 重要な条例、規則などや要綱(政策、事業の基準を定めた文書をいいます。以下同じです。)を制定し、改正し、廃止するとき。
(3) 事業を選択するとき。
(4) 事業を実施するとき。
(5) 政策評価を実施するとき。
4 市民参加の推進に関して必要な事項は、別に条例で定めます。

第3章 総合計画
(総合計画)
第20条 市は、総合的かつ計画的に市政を運営するため、総合計画を策定しなければなりません。
2 総合計画は、目指すべき将来像を定める基本構想、これを実現するための事業を定める基本計画と事業の進め方を明らかにする実行計画により構成されます。
3 総合計画は、市の政策を定める最上位の計画であり、市が行う政策は、緊急を要するもののほかは、これに基づかなければなりません。
4 総合計画は、市民の参加を経て案が作成され、基本構想と基本計画について議会の議決を経て、策定されます。
5 総合計画は、計画期間を定めて策定され、市長の任期ごとに見直されます。
6 市は、基本計画に基づく事業の進行を管理し、その状況を公表しなければなりません。
7 市は、各政策分野における基本となる計画を策定する場合は、総合計画との関係を明らかにし、策定後は、総合計画との調整のもとで進行を管理しなければなりません。
一部改正〔平成19年条例57号・22年10号〕

第4章 市政の諸原則
(制度の活用と改善)
第21条 市は、市政の原則と制度を継続的に改善し続けなければなりません。
2 市は、この条例で定める制度をできる限り相互に関係付け、相乗的な効果を上げるよう努めなければなりません。
3 市は、この条例で定める制度が誰にも共有されるため、簡素で分かりやすくするよう努めなければなりません。
(説明責任)
第22条 市は、公正で開かれた市政の推進のため、意思決定の内容と過程を明らかにし、市民に説明する責任を負います。
(政策評価)
第23条 市は、政策の合理的な選択と質の向上のため、政策の立案、決定、実施と評価という過程を確立し、政策評価を実施しなければなりません。
(行政改革)
第24条 市は、市政運営について、在り方を見直し、質を向上させるため、行政改革大綱を策定し、行政改革を進めなければなりません。
2 行政改革大綱は、市民の参加を経て総合計画との調整のもとで策定されます。
3 行政改革大綱は、市長の任期ごとに実施期間を定めて策定されます。
4 市は、行政改革大綱の実施に当たっては、実施計画を策定し、その進行を管理しなければなりません。
(財務原則)
第25条 市は、総合計画に基づいて予算を編成し、計画的で健全な財政運営を図らなければなりません。
2 市は、毎年度、計画期間を定めた財政計画を策定しなければなりません。
3 市は、財政計画、予算編成、予算執行と決算認定の状況を、毎年度、市民に分かりやすく公表しなければなりません。
4 市は、政策目的の実現のため、効果的で合理的な予算執行に努めなければなりません。
5 健全な財政に関し必要な事項は、別に条例で定めます。
一部改正〔平成19年条例47号〕
(出資団体など)
第26条 市は、市が出資し、職員を派遣し、公の施設の管理を委ねている団体などの団体(以下「出資団体など」といいます。)に関し、市との関係と出資団体などの経営状況などに関して資料を作成し、毎年度、公表しなければなりません。
2 市は、出資団体などへの支出などの市と出資団体などとの財務上の関係を明らかにし、その内容を公表しなければなりません。
3 市は、出資団体などの経営と市との関係について評価を行い、その結果を公表しなければなりません。
(法務原則)
第27条 市は、条例などと要綱を整備し、法令との関係を明らかにするとともに、この条例を最高規範とする法体系を構築しなければなりません。
2 市は、条例、規則などや要綱を整備するときは、その内容を明確にし、できる限り分かりやすくしなければなりません。
3 市は、各政策分野における基本となる条例を制定するときは、第1項に規定する法体系の中に位置付けなければなりません。
4 市は、政策目的の実現のため、次に掲げる法務を充実しなければなりません。
(1) 条例などの自治立法を積極的に行うこと。
(2) 要綱を必要に応じて整備し、公開すること。
(3) 法令を市の責任において解釈し、積極的に運用すること。
(4) 提訴、応訴など訴訟に的確に対応すること。
(5) 国に法令の制定、改正、廃止を提言すること。
(6) 法令や条例などと要綱に関する情報と技術の提供により、市民の活動に法務の側面から支援を行うこと。
5 市は、市の条例などと要綱を体系的にまとめ、公開しなければなりません。
(法令遵守)
第28条 市は、市政の適正な運営のため、法令遵守に取り組まなければなりません。

第5章 公正と信頼の確保
(行政手続)
第29条 市は、市民の権利利益の保護を図るため、処分、行政指導と届出に関する手続(以下「行政手続」といいます。)に関し、公正の確保と透明性の向上を図らなければなりません。
2 行政手続に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(是正請求制度)
第30条 市は、市の行為などに対して是正を求める請求を公正かつ中立的な立場で解決し、簡易迅速に市民の権利利益の保護を図るとともに、市政の適正な運営に資するため、是正請求制度を設けなければなりません。
2 市は、次の職務を行う審査機関を設置しなければなりません。
(1) 是正請求がなされた案件に関して調査し、必要に応じ、是正、改善に関する措置について市に対して判断を述べること。
(2) 是正請求の原因となった制度の改善について、必要に応じ、意見を表明すること。
3 審査機関は、市の事務事業に関し、自ら調査し、制度の改善を求める意見を表明することができます。
4 是正請求制度に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
一部改正〔平成21年条例39号〕
(個人情報の保護)
第31条 市は、市民の権利利益の保護を図るため、個人情報の保護に努めなければなりません。
2 市民は、自らに関する個人情報の開示、訂正、削除、利用停止を請求する権利があります。
3 個人情報の保護に関して必要な事項は、別に条例で定めます。

第6章 市民投票
(市民投票)
第32条 市は、市政の重要事項について、市民の意思を直接に確認し、市政に反映させるため、市民による投票(以下「市民投票」といいます。)を実施することができます。
2 市民投票に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
(尊重義務)
第33条 議会の議員と市長は、自らに対する市民の直接の信託に対する責任に基づき、市民投票の結果を尊重しなければなりません。
第7章 政府としての多治見市
(政府としての多治見市)
第34条 市は、市民に最も身近な政府として、市民の信託に基づくより良い地域社会の形成に、国と県に優先して取り組まなければなりません。
2 市は、市政を自らの判断と責任において決定し、運営しなければなりません。
3 市は、国と他の自治体に対し、対等な立場で、政策、制度などの改善に向けて、主張し、連携協力しなければなりません。
(自治行財政権の確立)
第35条 市は、市の事務事業と財政について市民の理解を深めるよう努めるとともに、市の財政の健全化のため、財務の充実を図るよう努めなければなりません。
2 市は、事務事業の範囲と性質や効率性と経済性を考慮して、国や他の自治体との役割分担の明確化を図るよう努めなければなりません。
3 市は、国や他の自治体との役割分担に応じ、財源の確保を図るよう努めなければなりません。
(多文化共生社会の実現)
第36条 市は、多様な主体との連携協力により、多様な文化と価値観を互いに理解し、尊重する地域社会の形成を図るよう努めなければなりません。
2 市は、地域社会における課題が国際的な課題とかかわっていることを認識し、国際的な連携協力を促進するよう努めなければなりません。
(平和への寄与)
第37条 何人も、平和のうちに暮らす権利があります。
2 市民と市は、正義と秩序を基調とする平和を希求し、平和に寄与するよう努めなければなりません。
3 市は、市民の生命と身体や財産や生活の平穏を守るよう努め、国際的な人道上の条約に基づき行動しなければなりません。

第8章 危機管理
(災害などへの対処)
第38条 市は、災害などの不測の事態(以下「災害など」といいます。)から市民の生命と身体や財産や生活の平穏を守るよう努めなければなりません。
2 市は、災害などに備え、緊急時の対応と復旧に関する計画を策定するとともに、これを担う体制を整備し、情報の収集、訓練などを行わなければなりません。
(国と他の自治体への働きかけ)
第39条 市は、災害などへの対応に当たり必要な場合は、国、他の自治体に対し、支援を迅速に求めなければなりません。
2 市は、被災した自治体に対し、必要な支援を迅速に行うよう努めるものとします。
3 市は、災害などに備え、国や他の自治体との連携を図るよう努めなければなりません。
(市民の役割)
第40条 市民は、災害などの発生時において、自らを守る努力をするとともに、その役割の大きさを認識し、相互に協力して災害などに対応しなければなりません。

第4編 最高規範と改正
第1章 最高規範
(最高規範性)
第41条 この条例は、市の最高規範であり、市は、この条例に従い、市政を運営し、他の条例などを制定し、改正し、廃止し、解釈し、運用しなければなりません。
2 この条例に反することは、その効力を有しません。
3 市は、法令を解釈し、運用する場合も、この条例に照らして判断しなければなりません。
第2章 改正
(この条例の改正)
第42条 市は、この条例について地域社会の変化により改正の必要が生じた場合は、速やかに改正しなければなりません。

附 則
この条例は、平成19年1月1日から施行します。
附 則(平成19年12月17日条例第47号)
この条例は、平成20年1月1日から施行します。
附 則(平成19年12月17日条例第57号)
この条例は、平成20年1月1日から施行します。
附 則(平成21年12月15日条例第39号)
この条例は、平成22年4月1日から施行します。
附 則(平成22年3月24日条例第10号)
この条例は、平成22年4月1日から施行します。