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条例

豊島区自治の推進に関する基本条例

自治体データ

自治体名 豊島区 自治体コード 13116
都道府県名 東京都 都道府県コード 13
人口(2015年国勢調査) 291066人

条例データ

条例本文

○豊島区自治の推進に関する基本条例
平成18年3月29日
条例第1号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 区民等(第7条―第9条)
第3章 コミュニティ(第10条―第13条)
第4章 区政への参加、協働
第1節 情報の共有等(第14条―第19条)
第2節 区民参加(第20条―第24条)
第3節 協働(第25条―第27条)
第5章 区議会
第1節 区議会の意義及び役割(第28条―第31条)
第2節 議員の責務(第32条・第33条)
第6章 区長
第1節 区長の意義及び役割(第34条―第37条)
第2節 区の職員(第38条・第39条)
第7章 区政運営
第1節 行政運営(第40条―第44条)
第2節 他機関等との連携(第45条―第47条)
附則

私たちの豊島区は、副都心池袋を中心とするにぎわいのあるまち、歴史や個性ある商店街とそれを取り巻く住宅街、大学などの教育文化施設が混在し、これまで様々な表情を持つ都市として、多様な人々や文化を受け容れながら発展してきました。
私たちを取り巻く社会が変化する中で、自治のあり方も変わりつつあります。文化、環境、福祉、教育、防犯・防災など、様々なまちづくりの課題に自主的に取り組む活動が広がり、地域の中で多様な区民が新たな役割を担い始めています。
今、この豊島区で共に暮らし、働き、学ぶ私たち区民は、自らが自治の主体であることを改めて確認します。
身近な地域の課題について、まずその地域に住む人々が主体的に取り組むことを起点とし、さらに地域社会に関わる多様な人々に協働の環を広げ、一人ひとりの個性と権利を尊重しながら、連携していく過程を大切にします。
また、私たちは、区議会及び区長に区政を信託するとともに、自らも積極的に区政に参加・協働することを通じ、真に区民の意思に基づく自治の実現を図ります。
そして私たちは、地域からの視点とともに、より広い視野で社会をみつめ、まちを訪れる人々とともに、豊島区をさらに豊かなものとして、未来に引き継いでいくことをめざします。
ここに私たち区民は、日本国憲法が掲げる地方自治の本旨を踏まえ、区議会及び区長と自治の基本理念を共有し、豊島区の自治の最高規範としてこの条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、豊島区の自治の基本理念及び基本原則を明らかにするとともに、区民、区議会及び区長についてのそれぞれの役割並びに区政運営に関する基本的な事項を定めることにより、自治の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 住民 豊島区の区域内(以下「区内」という。)に住む人をいう。
(2) 区民 前号に掲げるもの又は区内で働く人若しくは学ぶ人をいう。
(3) 事業者等 区内で事業活動又は公益的な活動を行う団体をいう。
(4) 区長等 区長、教育委員会、選挙管理委員会及び監査委員をいう。
(5) 区 区議会及び区長等をいう。
(基本理念)
第3条 区民及び区は、次に掲げることを自治の基本理念とする。
(1) 身近な地域の課題について、住民自らが主体的に取り組むことを自治の起点とし、多様な区民及び事業者等が協働してまちづくりを行うこと。
(2) 区は、区民、事業者等及び関係機関と連携し、自らの判断と責任の下に、自主的かつ自立した区政運営の確立を図ること。
(基本原則)
第4条 区民及び区は、前条の基本理念を実現するため、次に掲げる原則を自治の基本原則とし、それぞれ次に定めることを内容とするものとする。
(1) 情報共有の原則 区民及び区が、相互に情報を提供し、共有すること。
(2) 参加の原則 区民の参加は、責任ある主体的な意思に基づくものであること。
(3) 協働の原則 地域社会にかかわる多様な主体が、それぞれの役割分担及び対等な協力関係に基づき、共通の目的を実現するために連携し、ともに活動すること。
(4) 多様性尊重の原則 年齢、性別、国籍、心身の状況、社会的・経済的状況等の違いに配慮するとともに、多様な区民の個性を尊重すること。
(最高規範性)
第5条 この条例は、豊島区の自治の最高規範であり、区民及び区は、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。
2 区は、この条例の理念に照らして、法令等を解釈又は運用し、他の条例等を制定又は改廃するとともに、この条例の理念を具体化するための条例等の体系化に積極的に取り組まなければならない。
3 区は、社会、経済等の環境の変化並びに区民及び区による自治実現の取組状況等に照らして、この条例の内容を検証し、区民の意見を反映した見直しを行うものとする。
(自治推進委員会の設置)
第6条 自治の円滑な推進を図るために、区長の附属機関として自治推進委員会を設置する。
2 自治推進委員会は、この条例の運用及び見直し、この条例の理念を発展させるための諸制度及び組織機構のあり方その他の自治の推進に関する重要事項について、区長の諮問に応じて審議を行い答申するとともに、自ら区長に対して提言することができる。
3 区長は、前項の答申及び提言を尊重し、豊島区の自治を推進する施策に反映させなければならない。
4 前3項に定めるほか、自治推進委員会に関する必要な事項は、別に条例で定める。
第2章 区民等
(区民の権利)
第7条 区民は、自治の主体として、次に掲げる権利を有する。
(1) 地域のまちづくりを主体的に行う権利
(2) 区政に参加する権利
(3) 前2号の権利を行使するために必要な情報を知る権利
(4) 行政サービスを受ける権利
2 区民は、まちづくり及び区政への参加又は不参加によって、いかなる差別も受けない。
(区民の責務)
第8条 区民は、権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、前条第1項各号の権利を行使するに当たっては、次に掲げることに努めなければならない。
(1) 地域のまちづくりにおいて、区民相互の自発的意思を尊重し合い、連携すること。
(2) 区政に参加するうえで、自己の発言及び行動に責任を持つこと。
(3) 区民相互のコミュニケーションを大切にし、まちづくりに必要な情報を共有すること。
(4) 子どもが安全かつ健全に成長できるよう配慮するとともに、豊かな地域社会を将来に引き継いでいくこと。
(5) 行政サービスに係る負担を分任すること。
(事業者等の役割)
第9条 事業者等は、地域社会にかかわる多様な主体の一員として、区民と協働し、まちづくりに参加することができる。
2 事業者等は、地域環境に配慮するとともに、地域社会と協調し、その発展に寄与するよう努めなければならない。
第3章 コミュニティ
(コミュニティの意義)
第10条 コミュニティとは、地域における多様な人と人とのつながりをいう。
2 地域における活動及びそれを担う組織・集団はコミュニティを基盤として形成される。
(コミュニティを基盤とする活動の原則)
第11条 コミュニティを基盤とする活動の原則は、次に掲げることを内容とする。
(1) 区民の自発的な意思に基づく参加及び区民相互の立場を尊重した連携を基本とすること。
(2) 区民一人ひとりの生活を豊かにすることを目的とすること。
(3) 子どもからおとなまで、世代を越えた交流及び学び合いを大切にすること。
(区の役割)
第12条 区は、コミュニティを基盤として活動する区民の主体性を尊重しなければならない。
2 区長等は、コミュニティを基盤とする活動に対して必要な支援を行うとともに、この条例の理念にのっとり、多様な活動が連携していくための施策を推進しなければならない。
(まちづくりに関する提案等)
第13条 区民は、地域の共通課題について共に考え、合意形成を図るための自主的な協議に自発的な意思に基づき参加することができる。
2 区民は、前項の協議を通じ、まちづくりに関する区民の考えを区長に提案することができる。
3 区長は、前項の提案を受けた場合は、その趣旨を尊重し、区政に反映させるよう努めなければならない。
第4章 区政への参加、協働
第1節 情報の共有等
(区政情報を知る権利)
第14条 区民は、区政への参加に必要な情報の公開を区に請求し、区から説明を受けることができる。
(区政情報の公開及び提供)
第15条 区は、前条に定める区民の権利を保障し、区民の区政への積極的な参加を推進するために別に条例の定めるところにより、区政情報を区民に公開しなければならない。
2 区は、多様な媒体を積極的に活用し、区政情報を区民に分かりやすく提供しなければならない。
(説明責任)
第16条 区長等は、政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果等について、区民に分かりやすく説明しなければならない。
(応答責任)
第17条 区長等は、区民から区政に関する要望、意見、苦情等の申立てがあったときは、速やかに事実関係を調査し、これに答えなければならない。
(審議会等の公開)
第18条 区長等が設置する審議会等の会議は、公開する。ただし、法令、条例等の規定により非公開とされる会議又は議事内容に別に条例で定めるところの非公開情報が含まれ、公開することが適当でないと認められる場合は、この限りでない。
(個人情報の保護)
第19条 区は、個人の権利及び利益が侵害されることがないように、別に条例の定めるところにより、区が保有する個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。
2 区は、個人情報の開示等を求める権利を保障する。
第2節 区民参加
(区政への区民参加)
第20条 区民は、区における課題の把握並びに計画等の策定、実施及び評価の各段階において区政に参加することができる。
(区民参加の保障)
第21条 区長等は、区民が区政に参加できるように多様な参加の機会を保障しなければならない。
2 区長等は、区の基本的な計画又は重要な政策等を策定する場合に、事案に応じて必要な区民参加の手続を講じなければならない。
(審議会等の委員の公募)
第22条 区長等は、法令、条例等により審議会等を設置する場合は、委員の一部又は全部を区民から公募しなければならない。ただし、審議会等の議事内容に別に条例で定めるところの非公開情報が含まれる場合その他委員を区民から公募することが適当でないと認められる場合は、この限りでない。
(パブリックコメント)
第23条 区長等は、区の基本的な計画又は重要な政策等を決定する場合に、事前に区長等の案を公表し、区民の意見を聴くとともに、提出された区民の意見に対する区長等の考え方を公表しなければならない。
(住民投票)
第24条 区は、区政に重大な影響を有する事項について、住民投票制度を設けることができる。
2 区は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
3 住民投票の実施に関して必要な事項は、別に条例で定める。
第3節 協働
(協働の推進)
第25条 区長等は、地域社会にかかわる多様な主体が協働の意義及び目的を共有し、共に活動できるよう支援するとともに、協働を推進するための総合的な施策を整備しなければならない。
(協働事業)
第26条 区長等は、公益的な目的を共有する活動団体、教育機関その他の事業者等との協働事業を推進するために、支援その他の必要な施策を講じることに努めるものとする。
2 区長等は、協働事業が円滑に遂行されるように、相互の責任及び役割分担等についてあらかじめ明らかにしなければならない。この場合において、区長等は、協働事業に関する協定を締結することができる。
(地域における協議会)
第27条 区長は、区民との協働によるまちづくりを推進するために、一定の地域区分を定め、それぞれの地域に協議会を設置することができる。
2 区長は、前項に定める協議会を設置する場合は、多様な区民が参加できるように配慮するとともに、その運営については、できるかぎり区民の自主性に委ねるものとする。
第5章 区議会
第1節 区議会の意義及び役割
(区議会の設置)
第28条 区民は、法律の定めるところにより、直接選挙で選出された議員で構成される区議会を置く。
(区民の信託と区議会の権限)
第29条 区議会は、区民の信託に基づく議事機関として、区民の意思を区政に反映させるため、条例の制定又は改廃、予算及び決算の認定等の事件について議決する権限を有する。
(区議会の役割)
第30条 区議会は、自立的な意思決定機能の向上を図るとともに、区民自治の発展を支える役割を果たさなければならない。
2 区議会は、区民の意思の把握に努め、これを区政に反映させるため、政策の提案及び立法を行わなければならない。
3 区議会は、区長等が執行する事務・事業に関する検査、調査、意見聴取等の権限を活用し、適正に事務・事業が執行されているかを監視しなければならない。
(議会運営)
第31条 区議会は、区民の意思を代表する議事機関としての役割を果たすため、十分な審議を尽くすとともに、円滑な議会運営に努めなければならない。
2 区議会は、区民と政策情報の共有を図り、議会活動について区民に分かりやすく説明するとともに、議会への区民参加を推進し、開かれた議会運営に努めなければならない。
第2節 議員の責務
(行動の指針)
第32条 区議会議員は、多様な区民の意見・要望を集約し、総合的な視点に立って区政に反映させることを行動の指針としなければならない。
(議論の活発化及び能力の向上)
第33条 区議会議員は、社会経済情勢、政策情報等に関する認識を深めるため研さんするとともに、議員間の議論を活発にし、審議能力及び政策立案能力の向上に努めなければならない。
第6章 区長
第1節 区長の意義及び役割
(区長の設置)
第34条 区民は、法律の定めるところにより、直接選挙で選出された区長を置く。
(区民の信託と区長の権限)
第35条 区長は、区民の信託を受け、区を統轄し、これを代表する。
2 区長は、区政の執行機関として、区議会への議案の提出、予算の調製、特別区税の賦課徴収等の事務を管理し、これを執行する権限を有する。
(区長の役割)
第36条 区長は、自立した区政の確立を図るとともに、区民自治の発展を支えるために区民自らが学習するための機会及び場所の提供等の支援に努めなければならない。
2 区長は、区民の意思を反映した行政サービスを効率的かつ効果的に提供し、区民福祉の向上を図らなければならない。
3 区長は、毎年度、行政運営の基本方針を定め、これを区民及び区議会に説明するとともに、その達成状況を報告しなければならない。
(組織及び職員の管理)
第37条 区長は、区民に分かりやすく効率的であるとともに、区民の多様な行政需要及び行政課題の変化に迅速に対応できる行政組織の整備に努め、組織横断的で総合的な視点から行政運営を行わなければならない。
2 区長は、この条例の理念にのっとり、区民と協働したまちづくり及び区民福祉の向上を図るため、職員の育成及び適切な登用に努めなければならない。
第2節 区の職員
(区の職員の責務)
第38条 区の職員は、自らも区民の一員であることを自覚し、区民との協働の視点に立ち、区民の信頼の獲得及び満足度の向上に努めなければならない。
2 区の職員は、自らの職務が区民の信託に由来することを自覚し、誠実かつ公正に、及び創意をもって能率的に職務を執行するとともに、この条例の理念を職務執行の指針として、自治の実現に努めなければならない。
(公益通報等)
第39条 区の職員は、行政運営に違法若しくは不当の事実がある場合又は当該事実の発生のおそれがあると思料する場合には、これを放置せず、かつ、隠すことなく事態の是正に努めるとともに、行政運営を常に適法かつ公正なものにするよう努めなければならない。
2 前項に定める是正行為に係る公益通報の取扱いに関して必要な事項は、別に条例で定める。
第7章 区政運営
第1節 行政運営
(基本構想及び計画行政)
第40条 区長は、この条例の理念にのっとり、地域の将来展望を示す基本構想及びこれを具体化するための基本計画等を策定し、総合的・計画的な行政運営を行わなければならない。
2 区長は、社会経済状況を踏まえ、重点的に展開すべき施策等を明らかにするとともに、計画から予算、執行及び決算を経て評価に至る行政運営の仕組みを構築しなければならない。
3 区長は、政策の立案に当たって地域の課題等を区民と共有するとともに、区民との協働による政策の立案及び実施に努めなければならない。
(行政手続)
第41条 区長等は、行政手続に関して共通する事項を別に条例で定め、行政運営の公正の確保及び透明性の向上を図り、区民の権利・利益の保護に努めなければならない。
(行政評価)
第42条 区長等は、基本計画等に基づく政策等の成果及び達成度を明らかにし、効率的かつ効果的な行政運営を行うため、行政評価を実施し、その結果を公表するものとする。
(財政・財務)
第43条 区長は、財政の健全化及び自立的な財政基盤の確立に努め、区民負担の適正化を図らなければならない。
2 区長は、予算及び決算結果について、区民に分かりやすく説明するとともに、区の財政状況及び財務諸表を公表し、区長の財政方針を明らかにしなければならない。
3 区長は、区が保有する財産を適正に管理し、その効率的な活用を図らなければならない。
(危機管理)
第44条 区長等は、区民の生命、身体若しくは財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態等に的確に対応するための体制を整備し、区民生活の安全性の確保に努めなければならない。
2 区長等は、大規模災害等を想定した危機管理体制を整備し、大規模災害等の発生時には、区民、関係機関、広域的な相互協力機関等と連携し、区民生活の支援に努めなければならない。
3 区民は、大規模災害等の発生時に自らの安全確保を図るとともに、近隣同士で助け合えるように日常的な交流を通じて相互の信頼関係を築くことに努めるものとする。
第2節 他機関等との連携
(国及び都との関係)
第45条 区は、区民に最も身近な自治体として、国及び東京都との役割分担の明確化及び財源配分の適正化を図り、対等な政府間関係の確立を目指すものとする。
(他の自治体等との連携)
第46条 区は、他の自治体、国及び関係機関と連携し、地方自治を確立するための法制度の構築に取り組み、自治の拡充を図るものとする。
2 区は、他の自治体、国及び関係機関と連携し、共通する行政課題の解決に取り組むことに努めるものとする。
(国際的な連携)
第47条 区は、在住外国人、国際交流又は国際貢献を目的とする活動団体、他国の自治体等と連携し、平和、人権、社会、経済、文化、教育、環境等の諸課題について、地域からの視点と全地球的な視野で解決に取り組むものとする。

附 則
この条例は、平成18年4月1日から施行する。