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KAS/OU国際シンポジウムが開催されました!

4月20-21日に、国際シンポジウム”Legal Possibilities to Strengthen Renewable Energies”(邦題「再生可能エネルギーの法的強化の可能性」)が、大阪(ホテルニューオータニ)で開催されました(共催=コンラート・アデナウアー財団および大阪大学法学研究科、協力=EUIJおよびグリーンアクセスプロジェクト)。

国内外の第一線で活躍する専門家が集って貴重な報告がなされるとともに、関心の高い聴衆からも質問が数多く出され、議論が大いに盛り上がりました。その状況の詳細については、間もなく掲載予定の啄木鳥日誌にて、お読みいただけます。

なお、当日の資料として配布できなかったものにつき、下記よりご覧いただけます。

Mr. Naoyuki Sakumoto (Japan External Trade Organization: JETRO)
Legal Approaches to Tackle Climate Change in Asia
(「アジア諸国における温暖化対策の法的手法」)

Filed under: 更新情報/お知らせ — woodpecker 公開日 2012/04/23(月) 10:07

第4回研究会開催のお知らせ

第4回グリーンアクセス・プロジェクト研究会について、下記の通りご案内いたします。みなさまのご参加お待ちしております。なお、チラシもご覧ください(アクセスマップを掲載)。

第4回グリーンアクセス研究会

「市民参加・協働条例/環境条例に関するアンケート調査の報告・意見交換」

◆日時:2012年4月26日(木)午後2:30~4:30
◆場所:大阪大学大学院法学研究科 中会議室
(豊中キャンパス法経研究棟4F)※黒くて丸い石のオブジェが目印です。
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-6
・阪急電鉄宝塚線 石橋駅から徒歩約20分
・大阪モノレール 柴原駅から徒歩約15分
◆参加費 不要、事前申込 不要
◆開催趣旨:
近年、持続可能な社会づくりを目指して、あらゆる主体の参加と協働の仕組みづくりが日本各地で進められています。昨年度、グリーンアクセス・プロジェクトチームでは、大震災により、改めて市民活動の重要性が認識される中、日本における参加・協働条例と環境分野における関連規定の整備状況を明らかにし、政策立案の基礎資料とするために、全自治体を対象として、初めての総合的なアンケート調査を実施いたしました。第4回目となる今回は、「市民参加・協働条例/環境条例に関するアンケート調査」の分析結果を報告し、それを踏まえた意見交換を行います

◆主 催 : グリーンアクセス・プロジェクトチーム
[大阪大学大久保研究室、(社)環境パートナーシップ会議EPC、
(公財)公害地域再生センター(あおぞら財団)]
◆協 力 :大阪大学大学院工学研究科 交通・地域計画学領域

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お問い合せ: グリーンアクセスプロジェクト事務局(大阪大学大久保研究室内)
メール greenaccess★law.osaka-u.ac.jp(★=@)

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Filed under: 更新情報/お知らせ — woodpecker 公開日 2012/04/17(火) 12:04

農が息づく望月と川上村を訪ねました。

環境と公害編集委員会」の調査で,宮本憲一先生(元滋賀大学長)と吉川徹さん(多津衛民芸館・元望月町長)のご協力・コーディネートにより,長野県の佐久市旧望月町と川上村を訪れました。

旧望月町では,四半世紀にわたり宮本先生のもと,地域のさまざまな人々が集って宮本塾が開かれ,内発的発展をコンセプトに,地域の資源を活かし,農を中心にした地域づくりが行われてきました。

そのような活動の中で,とことん土にこだわった米づくりの職人・伊藤盛久さんと地元の米で酒造りをしたいと考えていた当時の大澤酒造社長・大澤進さんが出会って生まれたのが「信州のかたりべ」(写真1)。


1. ふくよかな香りの「信州のかたりべ」

大澤酒造(写真2)は,中山道の茂田井間の宿(もたいあいのしゅく)(写真3)で,元禄時代から続く老舗。4月7日の新酒発表会では,ときおり雪のちらつく中,お酒はもちろん,豚汁や餅も振る舞われ(写真4),地元の蜂蜜を使ったハニーどら焼き,みそや野菜のフリーマーケット,矢代一重山太鼓の演奏も行われ(写真5),多くの人で賑わいました。


2. 元禄時代から続く老舗の大澤酒造


3. 昔ながらの面影が残る茂田井間の宿

4. もちつき風景

5. 迫力ある矢代一重山太鼓

午後は,有機野菜の宅配で有名なくさぶえ農園を見学した後(写真6),有機農業者,銅器鍛造職人,議員等,御代田や軽井沢からも多彩な人々が集まり,4つの分科会に分かれて研究交流会。夜は,懇親会の後,美人の湯・春日温泉にゆったりつかりました(2つの源泉をもつ「かすが荘」)。


6. くさぶえ農園のしろちゃん

4月8日は快晴。お気に入りの浅間山(写真7)や春の野焼き(写真8)を眺めながら,一路,千曲川・信濃川の源流・川上村へ(写真9)。


7. 雄大な浅間山

8. 野焼きに煙る山間の村々

9. 思わず感嘆の声があがる八ヶ岳の風景

川上村は,信州の東端部に位置する人口5千人弱の村ですが,合併することなく,高原野菜(とくにレタス)王国として農家1戸あたり平均年収2500万円の豊かな村。そのキーパーソンは,現在7期目の藤原忠彦・川上村長(写真10)。


10. 自ら案内して下さった藤原村長

藤原村長は,赤字民営バスの代わりに,スクールバスと路線バスを組み合わせた村営バスを走らせ黒字化,全家庭にケーブルテレビを導入し,農家のための気象情報・市況情報を村営番組として提供,都会から来たお嫁さんもクールと思えるような24時間図書館や音楽ホールを設置(写真11,写真12),カリフォルニア大学デービス校と新種のレタスを開発し,なんと村が商標登録,地元のカラ松材で中学校を改修(写真13:,写真14)等々,数々のユニークなアイディアを卓越した実行力で次々に実現。絶滅しかけた日本犬の純血種・川上犬(写真15)の保護にも取り組んでこられました。


11. 24時間ICカードで村民が利用可能

12. こたつコーナーもあるのは,厳寒地ならでは

13. 八ヶ岳を借景にした給食室

14. 中学校舎とは思えない
吹き抜けのホール

15. 川上犬は,現在300頭

 

川上村の次に訪れたのが,佐久総合病院小海分院(写真16)。長野県は,男女ともに年齢調整死亡率が全国最低で(2010年度),老人医療費が飛び抜けて低いことや在宅死亡率が高いことでも知られています。この「長野モデル」に大きく貢献したと言われるのが,農村地域医療の原点・佐久病院です。南佐久南部の5か町村には,この分院と佐久病院が医師を派遣している診療所のほか,開業医は2軒しかないとのこと。現地に来てみるまで,思いも寄らなかった現実です。


16. 千曲川沿いの分院

夕食は,再び望月に戻って職人館で。職人館は,もともと職人の研究をしていた北村正和さんが,役場を辞めて1992年に開いた農家レストランの先駆け。建物はおじいさんの家を改築し(写真17,写真18),家具も器もこだわりのものばかり。地元の有機農家の畑でとれた野菜や自ら山で摘んだ山菜の味を活かして調理される料理の数々が並びます(写真19,写真20)。この北村さんも,宮本塾の中心メンバー。四半世紀かけて築かれてきた人々のつながりを感じさせる北村さんの笑顔が印象的でした。夜は,再度春日温泉の源泉掛け流しのお湯を満喫(もちづき荘)。


17. 概観

18. 宮本塾も開かれる2階のホール

19. 盛りだくさんの前菜

20. インパクトのある日本酒ラベル

 

翌日は,まず,旧臼田町にある佐久総合病院本院へ。長野で最初のドクターヘリ(写真21)を擁する総合病院ですが,なんと言っても印象的だったのは,地域包括ケアです。本人が望むなら,住み慣れた家で人生を全うできるよう,介護をする家族のケアも含めたきめ細やかな在宅医療が提供されているだけでなく,亡くなられた後も,エンゼルメイク,遺族訪問,遺族会開催まで,遺族のグリーフケアが行われているとのこと。病院内では,各種文化活動も盛んで,日本を代表するジャズクラリネット奏者・北村英治さんと病院のGDK吹奏楽団との演奏会も実施されたとか・・。医療とは,「その人らしい暮らしを最期まで支えることだ」,という使命感あふれるお話には,心を動かされました。


21. 平均毎日1度は出動

 

この調査の締めくくりは,柳田清二・佐久市長(写真22)のヒアリングです。徹底した情報公開を掲げた柳田市長が就任してまず行ったのは,その時点で基本計画までできていた「総合文化会館の慎重な検討」。本当に必要な施設なのかを住民自身が判断すべきとの立場から,21回の住民説明会を実施し,翌日には必ずその議事録をHPにアップし,161の質問に答えたとのこと。計画がかなり進んだ段階での見直しだったことから,最終的には住民投票も実施。71%(投票率54%)が反対を表明したとのこと。グリーンアクセスを考える上でも貴重な事例です。再生可能エネルギーにも積極的。今年4月に市自らが平根水力発電所を買い取ったほか,2つの財産区にメガソーラープロジェクトを検討中とか。エネルギーの地産地消も実践しています。


22. 熱く語る柳田市長

このような盛りだくさんのヒアリングを終え,今日も快晴の浅間山の風景をあとにしました。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2012/04/17(火) 11:52

公害弁連40周年シンポジウムが開かれました。

全国公害弁護団連絡会議(公害弁連)が結成40周年を迎え,2012年3月31日に記念シンポジウムが開かれました(プログラム)。公害弁連は,4大公害訴訟,大阪空港訴訟,各地の道路公害訴訟,基地騒音訴訟,諫早湾訴訟,アスベスト訴訟等を担当してこられた弁護団のネットワークで(加入弁護団リストはこちら),長年にわたり,公害環境訴訟の先頭を走り,公害被害者の救済や自然環境保全のため,新たな法理論を構築してこられました。これまで,10周年,25周年に記念論文集が出版されましたが,今回も,『公害環境訴訟の新たな展開-権利救済から政策形成へ-』が刊行されます(チラシ)。

環境ロイヤー相互の連携と日本環境会議(JECのようなNGOや研究者,被害者団体,支援団体との密接な協働があったからこそ,環境裁判所や特別の環境訴訟法のない日本において,因果関係,過失等に関し,判例法理が独自の発展を遂げることができたのであり,このことは,日本の大きな特徴の1つであるといえます(各地の現状については,公害弁連ニュースを参照)。

奇しくも,日本は未曾有の東日本大震災に見舞われ,地震,津波,原発事故等の複合的災害により,今まで経験したことのないような,さまざまな課題に直面しています。今回のメインテーマも原発事故であり,国を被告とした原発の民事差止訴訟等,全く新しい型の訴訟の提起について現状報告がなされたほか,3月28日の泉南アスベスト第2陣訴訟勝訴判決(判決・要旨)について,担当弁護士や原告の方々が喜びの声と国の控訴断念に向けた精力的活動を伝えるなど(弁護団・支援団体声明),白熱した議論が交わされました。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2012/04/17(火) 09:40

国際シンポジウム開催のお知らせ

以下、グリーンアクセス研究会も協力者として深くかかわっております、国際シンポジウムに関するお知らせです。
添付のプログラムも是非ご覧ください。

Legal Possibilities to strengthen Renewable Energies
「再生可能エネルギー強化の法的可能性」

東日本大震災以降、太陽光、風力、バイオマスなど自然の力を利用した再生可能エネルギーの強化が、以前にも増して重要な政策課題になっています。日本でも、2012年7月から、いよいよ「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートします。

今回は、日本の専門家はもちろん、この分野を国際的にリードしてきたドイツの第一人者に加え、温暖化対策の鍵を握る中国、インド、台湾の再生可能エネルギー法やタイの温暖化訴訟に関する報告も交えて、最先端の議論が行われます。貴重な機会ですので、是非ふるってご参加下さい。

参加希望の方は、Eメールにて、お名前・ご所属・ご連絡先を明記の上、当プロジェクト事務局までお申し込みください(greenaccess@law.osaka-u.ac.jp)。なお、会場の都合上、受付は先着40名までとさせていただきます。

日時:
4月20日(金)9:00~18:00 ※開場・受付開始 8:30
4月21日(土)9:00~11:30

場所:
ホテルニューオータニ大阪

主催:
大阪大学大学院法学研究科、コンラート・アデナウアー財団(独)

言語:
英語(通訳なし)

プログラムはこちらから(英文)
案内チラシはこちらから

Filed under: 更新情報/お知らせ — woodpecker 公開日 2012/04/02(月) 09:54

ボンの環境会議に参加・報告しました!

2012年1月11日~13日まで,ボンで開かれた環境会議に出席しました。今回の会議は,コンラード・アデナウアー財団が主催したもので,温暖化と人権,グリーンエコノミー,環境法の執行など4つのセッションが開かれました(プログラム)。
ブラジル,イスラエル,セルビア,インド,韓国,ケニア等,報告者の顔ぶれも多彩で,「日本の温暖化政策と自主的取組みの有効性」をテーマに報告したところ,原発事故後の日本のエネルギー政策,再生可能エネルギーの新たな固定価格買取制度,トップランナー方式の有効性,建築物対策等について,たくさんの質問をいただきました。

今回の会議でも,オーフス条約およびグリーンアクセスの強化は大きく取り上げられました。ドイツでは,実はかなり前に環境権の議論が頓挫し,国家の環境保護義務という形で議論が進められてきましたが,ベルリン大学のカリエス教授は,国際的な観点からグリーンアクセスの保障が実体的な人権保障のために重要であることを明快に語りました。

また,インドからは最近設置されたばかりの環境裁判所の裁判官Sharma氏が報告されました。インドは,弁護士やNGOが提起する憲法訴訟としての環境公益訴訟が広く認められ,環境保護に大きな役割を果たしてきましたが,環境裁判所は高裁と同等の地位を有し,その判決に不服があれば最高裁への上告が可能とされています。環境裁判法には原告適格の規定が置かれ,憲法を根拠とする環境訴訟の役割の多くが環境裁判法に基づく訴訟に引き継がれることになりました。すでに100数十件の事件を扱っているとのことですが,依然として環境団体等が提起する環境公益訴訟が重要な地位を占めているということです。

さらに,会議の一日目の午後には,レットゲン環境大臣の講演も行われました。会場は,歴史のある旧連邦議会本会議堂

ユーロ,ひいてはEUの危機とも言われる中,温暖化対策の重要性を正面から訴える力強い演説は印象的で,海外ゲストも含め,多くの聴衆に好感を持って受け止められたようです。

会議の終了後は,ドイツ連邦共和国の初代首相であるアデナウアーの旧宅を案内していただきました。アデナウアー財団の名前も,この初代首相に由来したものです。旧宅はボン近郊にあるRhöndorfにあり,今回は,通常一般の見学に供されていない場所も見せていただきました。アデナウアーは90歳を過ぎても,毎朝5時過ぎには起床し,書斎で新聞に目を通すのが日課であったとか・・・。91歳まで議員を務めていたというのは初めて知りました。高台にある居宅からは,どの階からもライン川を見渡すことができました。

全体として,環境保護を経済発展につなげ,従来の産業構造の転換と脱原発を図るとともに,国際的なリーダーシップをとろうとするドイツの確固たる姿勢が強く表れた会議でした。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2012/01/19(木) 10:48

第三回研究会の資料を掲載しました。

2011年12月1日に実施しました第三回研究会の報告資料および質疑応答要旨を

研究会・シンポジウムのページよりご覧いただけます(同ページへはこちらから)。

Filed under: 更新情報/お知らせ — woodpecker 公開日 2012/01/11(水) 01:23

第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC)に出席しました!

北京から台湾に移動して,第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC)に出席しました(2011年11月19-23日)(APNECホームページ)。アジアばかりでなく,26カ国から約600人が参加ました。扱われたテーマも,ディープ・エコロジーから,グリーン・アクセス,湿地保全,温暖化,アスベストまで,実に多種多様。実行委員長のチャウ(Chiau)先生は,環境副大臣。

NGO側では,1万人以上の会員を擁する荒野保全協会が中心となって,多くのボランティアが会議を支えてくださいました。荒野と聞くと何だろうと思いますが,英語名は「Society of Wilderness」です。わざわざ第10回APNEC(APNEC20周年)記念のケーキもご用意くださいました。

台湾は,アジアの中で,「市民訴訟」の導入という形でグリーン・アクセスを強化した数少ない国の1つです。台湾大学のイェ(Yeh)先生らが座長を務めた環境訴訟分科会では,台湾のサイエンス・パーク建設をめぐる環境公益訴訟等,興味深い報告が続きました。

この事件では,参加手続の瑕疵等によるアセス法違反を理由に,最高裁において原告勝訴が確定したにもかかわらず,アセスをやり直して建設が進められており,新たな訴訟が係属中とのこと。問題の所在は違いますが,泡瀬干潟問題を想起させるような話です。

また,ネパールでは,国民が参加する初めての成文憲法を策定中とのことで,起草委員会委員の一人でもある弁護士のTripathi氏が,現在の骨子案について報告されました。それによると,環境権,情報アクセス権,環境政策への参加権,司法アクセス権はもちろん,気候変動の影響等について知らせてもらう権利,国家の環境保護義務,独立の環境委員会の設置等が盛り込まれており,「グリーン憲法」をめざず意気込みが感じられます。

事務局スタッフは,ホスピタリティにあふれていて,夜も「しろくまさん」の環境劇やゆるキャラ?(下の写真=右)も登場するイベントが続き,多くの若者や子ども達の参加が印象的でした。しかも,みな英語がぺらぺら。陽気で多彩な台湾のNGOのみなさんから,学ぶところは多いようです。

さらに,現地視察も充実していました。私が参加したのは,台湾で初めてトラスト方式で保全・管理を始めた華龍村の環境教育サイト(自然谷,工業団地の建設問題に揺れている竹東軟橋区(Ruan Bridge Community)等を巡るコースです。

現地では,村長さん(下の写真=左)や現地の子どもたちが,手作りの郷土料理で大歓迎してくださいました(下の写真=右)。軟橋区は,台湾で最良の米がとれる地帯とのこと。

みんなで稲刈りや芋掘りも体験し,工業団地問題について意見交換し,最後は歌や踊りで盛り上がりました。

22日に採択された台北宣言の第1項目には,嬉しいことに「グリーン・アクセス」の推進という文言が盛り込まれました!リオ+20に向け,この考え方が,アジア各国に浸透することを願うばかりです。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2011/12/06(火) 02:23

北京の人民大学で開かれた「International Forum on Climate Change and Socio-Ecological Movements Comparison between China and Europe」に参加・報告しました(2011年11月18-19日)。北京市内は,相変わらず霞がかかって渋滞がひどく,大気汚染が気になります。

数年前に建て替えられた人民大学のロースクールは,とても立派な建物でした。ホテルや教員用のレストランが,ロースクールの向かい側に併設されていて,とても便利。同時通訳用のブースを備えた会議室や教員用の喫茶室がロースクール内に完備されているのも,うらやましい限りです。

報告者は,大学関係者からシンクタンク,NGOまで多種多様。フランス,スイス,アイルランド等からも来中されていましたが,今回の会議は,ドイツのローザ・ルクセンブルク財団がスポンサーとのことで(下の写真=左:財団のPohle氏),ドイツ語を話す方々が多かったのは,私にとって嬉しいところ。

グリーンアクセスとの関係では,なんといっても中国の動きが注目されます。環境公益訴訟法案がすでに準備されており,来年には正式の立法手続に入るとのこと。従来,中国では,環境公益訴訟といっても,検察官が訴権を有する形になるだろうと言われてきましたが,現在の法案では,社会団体にも訴権を認める予定とのことです。

人民大学の学生さんは,とてもよく組織されていて,日本語の達者なOさんが,しっかりアテンドして下さいました。報告原稿を中国語に翻訳してくださったSさんをはじめ,学生さんのホスピタリティが印象深い旅となりました。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2011/12/06(火) 02:16

 2011年10月22日~23日まで,関西NGO大学に参加しました(チラシ)。 1泊2日の講座は,はじめての経験。恥ずかしながらその存在を知りませんでしたが,実は,関西NGO協議会の主催により,25年も続いている伝統ある講座です(ホームページ)。初日はあいにくの大雨でしたが,鳥取や徳島からの参加者も。環境,国際協力,医療等,活動分野もさまざま。開催場所は,とてもきれいな小林聖心女子学院の施設です。

 22日のセッション1では,まず「3.11後」何ができるかを話し合いましたが,多くの人が,陸前高田,石巻等で,実際にボランティア活動に参加していることを知り,さすがNGO大学!と驚きました。その後,オーフス条約の話をさせていただきましたが,みなさん,うんうん頷きながら聞いてくださるので,思わずいつにも増して早口でしゃべり続けたような気がします・・・。夜は,もちよった地元の特産や手作りのお菓子などをいただきながら,明け方の3時,4時まで話は尽きませんでした。

 23日午前は,市民参加が保障されているのと,いないのとでは何が違うのか,鞆の浦の例などを取り上げながらお話しさせていただいた後,皆さんからの質問について,副校長さんと対談しました。「なぜ日本はオーフスに加盟しないの?」「参加で問題が解決された具体例を!」など,鋭い質問が続々。午後は,「私にとっての市民参加」についてグループ・ワークと発表が行われました。

 そこで気づいたことは,日ごろ熱心に活動していらっしゃる方々にとっても,「法律の仕組み」というと,まだまだ縁遠いこと。それどころか,せっかくの活動を規制する邪魔者とすら感じられる場合もあること・・・。また,オーフス条約の話をするだけでは,欧米礼賛のように聞こえてしまうので,日本の良さ,日本に適したグリーンアクセスの保障について,もっと具体的に語らなければ伝わらないということです。このことは意識していたつもりでしたが,まだまだ不十分だと改めて気づかされました。それにもかかわらず,目を輝かせて,一生懸命に「こういうことですか?」と聞いてくださった皆さん方に,感謝の気持ちで一杯です。今後も,末永くおつきあいいただきたい方々ばかりでした。

Filed under: 啄木鳥日誌 — woodpecker 公開日 2011/11/26(土) 01:34
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