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明石市法令遵守の推進等に関する条例

○明石市法令遵守の推進等に関する条例

平成22年3月26日条例第4号
改正
平成24年12月27日条例第33号
明石市法令遵守の推進等に関する条例

目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 職員倫理原則等(第3条―第6条)
第3章 内部公益通報
第1節 公益監察員(第7条―第11条)
第2節 内部公益通報の処理(第12条―第25条)
第3節 通報職員等の保護(第26条―第30条)
第4章 要望、提案等及び不当要求行為への対応
第1節 要望、提案等への対応(第31条―第37条)
第2節 不当要求行為への対応(第38条―第41条)
第5章 行政オンブズマン(第42条―第64条)
第6章 外部公益通報(第65条)
第7章 雑則(第66条―第69条)
附則

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、職員の倫理の保持及び法令等の遵守、市の公益を害する事実の早期是正並びに市民の権利の保護に関する体制を整備することにより、公務及び市政に対する市民の信頼を確保するとともに、公正かつ民主的な市政の運営を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市の機関 地方自治法(昭和22年法律第67号)第2編第7章の規定に基づいて設置される本市の執行機関、公営企業管理者、消防長及び市議会議長をいう。
(2) 職員 次に掲げる者をいう。
ア 市の機関の職にある者(市議会議長を除く。)及びその構成員
イ 任命権者(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第6条第1項に規定する任命権者及びその委任を受けた者をいう。以下同じ。)が任命する同法第3条第1項に規定する一般職及び特別職の職員(アに掲げる者を除く。)
ウ 市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条に規定する職員であって明石市立学校に属するもの
(3) 職員等 次に掲げる者をいう。
ア 職員
イ 派遣労働者
ウ 委託事業者の役職員
(4) 派遣労働者 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者であって本市の事務又は事業(以下「本市事務事業」という。)に従事しているものをいう。
(5) 委託事業者の役職員 委託事業者(委託事務等を行うものをいう。以下同じ。)の役員、従業員、代理人その他の者で委託事務等に従事しているものをいう。
(6) 委託事務等 次に掲げるものをいう。
ア 本市事務事業を本市以外のものに委託し、又は請け負わせる場合(第7条第1項に規定する公益監察契約を除く。)、地方自治法第244条の2第3項の規定により公の施設の管理を同項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)に行わせる場合その他法令等の規定により本市事務事業を本市以外のものに行わせる場合における当該本市事務事業
イ 本市が出資その他財政支出等を行う法人その他の団体で規則で定めるもの(以下「出資団体等」という。)の出資目的等に係る事務又は事業
(7) 内部公益通報 職員等(市の機関の職にある者及びその構成員、副市長並びに教育長を除く。)が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、内部通報対象事実が生じ、又は生じようとしている旨を、第7条第1項に規定する公益監察員又は当該内部通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくはその者に対し当該内部通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(以下「処分等の権限を有する行政機関等」という。)に通報することをいう。
(8) 通報対象事実 公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条第3項に規定する通報対象事実をいう。
(9) 内部通報対象事実 次に掲げるものをいう。
ア 本市事務事業又はこれに従事する場合における職員等についての通報対象事実
イ アに掲げるもののほか、本市事務事業又はこれに従事する場合における職員等についての法令等(法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例並びに市の機関の定める規則(規程を含む。)及び訓令をいう。以下同じ。)に違反する事実
ウ 職員等が他の職員等に対して行った不当要求行為その他職員等の職務に関する違法又は不当な要求の事実
エ アからウまでに掲げるもののほか、本市事務事業又はこれに従事する場合における職員等についての人の生命、身体、財産その他正当な権利利益を害するおそれがある事実
(10) 通報職員等 内部公益通報を行った職員等をいう。
(11) 要望、提案等 職員に対して行われる本市事務事業又は当該職員の職務に関する要望、提案、提言、相談、意見、苦情、依頼その他これらに類する行為をいう。
(12) 不当要求行為 職員に対し、本市事務事業又は当該職員の職務に関して違法又は不当な行為をするよう要求する行為、暴力的な行為その他職務の障害となる行為を用いて要望、提案等を行う行為その他職員の公正な職務の執行を妨げる行為をいう。
(13) 外部公益通報 労働者(労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者をいう。)がその労務提供先において通報対象事実が生じ、又は生じるおそれがある場合に、当該通報対象事実を市の機関に通報すること(内部公益通報に該当するものを除く。)をいう。
第2章 職員倫理原則等
(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)
第3条 職員は、全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、法令等の趣旨及び目的を考慮し、並びにその趣旨及び目的に従い、職務を執行しなければならない。
3 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
4 職員は、法令等により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

(市の機関の責務)
第4条 市の機関は、常に公正な市政運営を図り、市政に対する市民の信頼を確保するよう努めなければならない。
2 市の機関は、職員が常に公正な職務の執行を行うよう、職員の倫理の保持及び法令等の遵守に関する啓発、研修その他必要な措置を講じなければならない。
(管理監督職員の責務)
第5条 管理監督職員(職員を管理し、又は監督する地位にある職員をいう。)は、その地位の重要性を自覚し、管理又は監督の対象となる職員に対し、職員の倫理の保持及び法令等の遵守のために必要な指導及び援助を行うとともに、本市が職員の倫理の保持及び法令等の遵守に関して取り組む施策において中心的な役割を果たさなければならない。
(市民等の責務)
第6条 市民は、地方公共団体を構成する一員として常に本市の行政運営に関心を払い、職員等による公正かつ適正な職務の執行について理解し、協力するよう努めるものとする。
2 何人も、職員等に対して不当要求行為その他不正な手段により職員等の公正な職務の執行を妨げる行為をしてはならない。
第3章 内部公益通報
第1節 公益監察員
(公益監察員の設置)
第7条 内部公益通報を公正かつ中立な立場で適切かつ迅速に処理するとともに、通報職員等の保護を図るため、内部公益通報の受付その他の業務の委託契約(以下「公益監察契約」という。)により、公益監察員2人以内を置く。
2 公益監察契約を締結できる者は、弁護士である者であって地方自治法第252条の28第3項各号に該当しないものでなければならない。
3 市長は、公益監察契約を締結しようとするときは、公益監察契約の相手方となるべき者の選任について、あらかじめ、議会の同意を得なければならない。
4 公益監察契約の期間は、3年とする。
(公益監察員の職務等)
第8条 公益監察員は、次に掲げる職務に従事する。
(1) 内部公益通報の受付、調査、調査結果の報告、是正の勧告及び公表並びに相談に関すること。
(2) 通報職員等からの不利益取扱いの申出の受付、調査、調査結果の報告、是正の勧告及び公表並びに相談に関すること。
2 公益監察員は、それぞれ独立して職務を行う。ただし、相互に協力することを妨げない。
(公益監察員の守秘義務等)
第9条 公益監察員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。公益監察員でなくなった後も、同様とする。
2 公益監察員は、通報職員等を保護するため、通報職員等が特定されるおそれのある情報を公開してはならない。
3 第1項の規定は、前条第2項ただし書に規定する場合、次条第1項の規定により同項に規定する補助者に補助させる場合及び第11条第4項の規定により引継ぎをする場合並びに内部通報対象事実については、適用しない。
(公益監察員の事務の補助)
第10条 公益監察員は、第8条第1項各号に規定する事務(次項において「調査等の事務」という。)を他の者に補助させることができる。この場合において、公益監察員は、あらかじめ、市長に当該補助させる者(以下この章において「補助者」という。)を届け出ておかなければならない。
2 公益監察員は、調査等の事務が適正かつ円滑に行われるよう補助者を監督しなければならない。
3 補助者が負うべき守秘義務その他の義務は、公益監察員がこの条例及びこれに基づく規則の規定により負う義務の例による。
(公益監察契約の解除等)
第11条 市長は、公益監察員が第7条第2項の規定に該当しなくなったときは、当該公益監察員と締結している公益監察契約を解除しなければならない。
2 市長は、公益監察員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、公益監察員にこの条例若しくはこれに基づく規則に規定する義務に違反する行為があると認めるとき、又は公益監察契約に係る義務に違反すると認めるときその他公益監察員と公益監察契約を締結していることが著しく不適当と認めるときは、公益監察契約を解除することができる。この場合において、あらかじめ議会の同意を得なければならない。
3 公益監察契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。
4 公益監察員は、調査中の事案で公益監察契約の期間の満了又は解除による契約の終了時において調査が終了していないものについては、他の公益監察員又は新たに選任された公益監察員に当該調査に関する書類等を適正に引き継がなければならない。
第2節 内部公益通報の処理
(内部公益通報手続等)
第12条 職員等は、内部通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合には、公益監察員に内部公益通報をすることができる。
2 前項の規定による内部公益通報は、実名によらなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、匿名によることができる。
(1) 確実な資料を示して行う場合
(2) 人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当な理由がある場合
(3) 内部公益通報をすれば免職その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当な理由がある場合
3 職員等は、次に掲げるときは、処分等の権限を有する行政機関等に内部公益通報をすることができる。
(1) 内部通報対象事実が第2条第9号アに該当する場合であって、公益通報者保護法第3条第2号又は第3号の規定に該当するとき。
(2) 第1項の規定による内部公益通報によっては、当該内部公益通報に係る内部通報対象事実が是正されなかったとき。
4 第1項又は前項の規定により内部公益通報をしようとする職員等は、内部通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料するに足りる相当な資料に基づき誠実に行うとともに、他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。
(内部公益通報の方法)
第13条 前条第1項の規定による内部公益通報は、規則で定める書類を公益監察員が指定する場所へ送付することにより行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、公益監察員が同項に規定する方法以外の方法を認めたときは、その方法によることができる。
(内部公益通報に関する相談)
第14条 職員等は、通報しようとする内容が内部通報対象事実に該当するかどうかについて、あらかじめ、公益監察員に相談を行うことができる。
2 公益監察員は、前項の規定による相談を受けたときは、これに応ずるものとする。
3 前条の規定は、第1項の規定により職員等が公益監察員に相談を行う場合について準用する。
(公益通報の受理等)
第15条 公益監察員は、職員等からの通報が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該通報を受理するものとする。
(1) 通報が内部公益通報に該当しない場合
(2) 内部通報対象事実が生じ、若しくは生じようとしていることについて通報者が説明できない場合又は通報者に説明を求めても内部通報対象事実に係る行為を行った者若しくは当該行為の内容が把握できない場合
(3) 通報者が匿名の場合(第12条第2項ただし書の規定に該当する場合を除く。)
2 公益監察員は、内部公益通報を受理したときは受理した旨を、受理しないときは受理しない旨及びその理由を、当該通報があった日から20日以内に、当該通報職員等に対して通知しなければならない。ただし、匿名による内部公益通報である場合又は通報職員等が通知を希望しない場合は、当該通知をすることを要しない。
(内部公益通報の調査等)
第16条 公益監察員は、前条第2項の規定により内部公益通報を受理する旨の通知をしたときは、遅滞なく、当該内部通報対象事実について調査を行わなければならない。
2 公益監察員は、前項の規定による調査(以下この章において「内部公益通報に係る調査」という。)を、規則で定める標準処理期間内に終えるよう努めるものとする。
3 公益監察員は、内部公益通報に係る調査を行うに当たっては、あらかじめ、内部公益通報の内容を当該内部公益通報の内部通報対象事実に係る市の機関に報告するものとする。ただし、当該内部通報対象事実が当該市の機関の職にある者又はその構成員に係るものであるとき、当該市の機関に報告した場合において証拠が隠蔽されるおそれがあるときその他報告することが適当でないと認められる相当な理由があるときは、当該報告をしないことができる。
4 職員等及び委託事業者は、内部公益通報に係る調査に協力しなければならない。
5 前項の規定により内部公益通報に係る調査に協力した者は、内部公益通報に係る調査に係る事実及び協力に際して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、第19条第1項第3号、第21条第1項又は第22条の規定により公表された事実については、これらの規定により公表された後は、この限りでない。
6 公益監察員は、内部公益通報に係る調査(第8条第2項ただし書に規定する場合及び第10条第1項の規定により補助者に補助させる場合を除く。)及び第3項の規定による報告に当たっては、通報職員等が特定されるおそれがある事項を他の者に知られないようにしなければならない。
(特定の事件に係る公益監察員の除斥)
第17条 公益監察員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、内部公益通報に係る調査をすることはできない。
2 公益監察員は、前項の規定に該当する場合には、その旨を通報職員等に説明し、及び他の公益監察員に事案を送付しなければならない。
3 前項の規定により事案を送付するべき他の公益監察員がいないときは、公益監察員は、その旨を通報職員等に説明するとともに、他の方法について相談に応ずるものとする。
(公益監察員による調査の方法等)
第18条 公益監察員(補助者を含む。次項及び第3項において同じ。)は、内部公益通報に係る調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿、関係書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
2 公益監察員は、内部公益通報に係る調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し、質問し、事情を聴取し、又は実地調査をすることについて協力を求めることができる。
3 公益監察員は、内部公益通報に係る調査に当たっては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 公益監察員は、内部公益通報に係る調査のため必要があると認めるときは、専門的事項又は技術的事項について、専門的知識及び経験を有する者に対し、調査、分析、鑑定等(次項において「分析等」という。)を依頼することができる。
5 前項の規定により公益監察員から分析等を依頼された者については、補助者とみなして、第10条第2項及び第3項の規定を適用する。
(内部公益通報に係る調査の中止)
第19条 公益監察員は、次の各号のいずれかに該当するときは、内部公益通報に係る調査を中止するものとする。
(1) 内部通報対象事実について、訴訟手続その他の裁判所における手続、刑事事件その他犯則事件に関する法令の規定に基づく手続又は行政上の不服申立ての手続その他の紛争処理制度において既に審理が行われ、又は現に行われているとき。
(2) 内部通報対象事実について処分等の権限を有する行政機関等に対する通報が既に行われ、又は現に行われているとき。
(3) 市の機関が内部通報対象事実の中止その他是正のために必要な措置(以下この節において「是正措置等」という。)を講ずるとともに、当該是正措置等の内容を公表したとき。
2 前項の規定により公益監察員が内部公益通報に係る調査を中止したときは、通報職員等及び第16条第3項本文の規定により報告した市の機関にその旨を理由を付して通知するものとする。
3 第15条第2項ただし書の規定は、前項の規定により通報職員等に通知する場合について準用する。
(調査結果の報告等)
第20条 公益監察員は、内部公益通報に係る調査の結果、内部通報対象事実があると認めるときは、その内容をこれを証する資料とともに当該内部通報対象事実に係る市の機関に報告するとともに、是正措置等を講ずるよう勧告するものとする。ただし、公益監察員は、相当な理由があると認めるときは、その内容を証する資料の添付を省略することができる。
2 公益監察員は、前項の規定による勧告を行ったときは、当該勧告の内容を通報職員等に対して通知するものとする。
3 公益監察員は、内部公益通報に係る調査の結果、内部通報対象事実があると認められないとき(内部通報対象事実が判明しないときを含む。第24条第1項において同じ。)は、その旨を通報職員等に通知し、及び当該内部通報対象事実に係る市の機関に報告しなければならない。
4 第16条第6項の規定は第1項の規定による公益監察員の報告に、第15条第2項ただし書の規定は前2項の規定による通知について準用する。
(市の機関による是正措置等)
第21条 市の機関は、前条第1項の規定による勧告を受けた場合は、その内容を速やかに公表するとともに、是正措置等を講じなければならない。
2 市の機関は、前項の規定により是正措置等を講じたときは、遅滞なく、当該是正措置等の内容を公益監察員に報告するとともに、公表しなければならない。
(市の機関が公表しない場合等における公益監察員による措置)
第22条 市の機関が前条第1項の規定による公表若しくは是正措置等又は同条第2項の規定による公表を行わないときは、公益監察員は、市の機関がこれらを行わない事実を自ら公表し、又は当該内部通報対象事実について処分等の権限を有する行政機関等に通報することができる。
(市長への報告)
第23条 市長以外の市の機関は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる事項を市長に報告しなければならない。
(1) 公益監察員から第16条第3項本文の規定による報告を受けた場合 内部公益通報の内容
(2) 公益監察員から第19条第2項の規定による通知を受けた場合 当該通知の内容
(3) 公益監察員から第20条第1項本文の規定による報告及び勧告を受けた場合 内部通報対象事実の内容及び是正措置等の勧告の内容
(4) 公益監察員から第20条第3項の規定による報告を受けた場合 当該報告の内容
(関係人の名誉の回復)
第24条 内部公益通報に係る調査の結果、内部通報対象事実があると認められない場合において関係者の名誉が害されたと認めるときは、市の機関は、事実関係の公表その他関係者の名誉を回復するため適切な措置を講ずるものとする。
2 第16条第6項の規定は、市の機関が前項の規定による公表を行う場合について準用する。
(個人情報への配慮)
第25条 第21条各項、第22条及び前条第1項の規定による公表に当たっては、公益監察員及び市の機関は、明石市個人情報保護条例(平成13年条例第1号)の趣旨にのっとり、個人情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。
第3節 通報職員等の保護
(不利益取扱いの禁止等)
第26条 市の機関又は任命権者は、通報職員等に対して、その内部公益通報をしたことを理由に、免職、労働者派遣契約の解除その他いかなる不利益な取扱い(以下この節において「不利益取扱い」という。)もしてはならない。
2 任命権者は、通報職員等が内部通報対象事実に関与した職員であるときは、懲戒処分に際して、その情状を酌量することができる。
3 市の機関又は任命権者は、通報職員等が不利益取扱いを受けたとき、又は受けるおそれがあると認めるときは、その改善又は防止のために必要な措置を講ずるものとする。
(不利益取扱いの申出等)
第27条 通報職員等は、内部公益通報をしたことを理由に不利益取扱いを受けたと思料するときは、その旨を公益監察員に申し出ることができる。この場合において、通報職員等が内部公益通報をした後に受けた不利益取扱いは、特別の事由がない限り、当該内部公益通報を行ったことによる不利益取扱いとみなす。
2 通報職員等は、前項の規定による申出をする前に、公益監察員に不利益取扱いに関する相談を行うことができる。
3 第13条の規定は第1項の規定による申出について、第14条の規定は第2項の規定による相談について準用する。
(不利益取扱いに係る調査等)
第28条 前条第1項の規定による申出があった場合は、公益監察員は、当該申出に係る不利益取扱いの内容についての調査(以下この条において「不利益取扱いに係る調査」という。)を行わなければならない。
2 公益監察員は、不利益取扱いに係る調査を行うに当たっては、あらかじめ、不利益取扱いの内容を市長及び不利益取扱いの申出をした職員等(以下この条において「不利益申出職員等」という。)に係る市の機関又は任命権者(以下この節において「任命権者等」という。)に報告するものとする。ただし、これらの者に報告した場合において証拠が隠蔽されるおそれがあるときその他適当でないと認められる相当な理由があるときは、当該報告をしないことができる。
3 公益監察員は、不利益取扱いに係る調査の結果、不利益取扱いの事実があると認めるときは、その内容をこれを証する資料とともに市長及び任命権者等に報告するとともに、任命権者等に対し不利益取扱いを是正する措置(以下この章において「不利益是正措置」という。)を講ずるよう勧告するものとする。
4 公益監察員は、前項の規定による勧告を行ったときは、当該勧告の内容を市長に報告し、及び不利益申出職員等に通知するものとする。
5 公益監察員は、不利益取扱いに係る調査の結果、不利益取扱いの事実が認められなかったときは、その旨を市長及び任命権者等に報告し、及び不利益申出職員等に通知しなければならない。
6 任命権者等は、第3項の規定による勧告を受けた場合において、不利益是正措置を行ったときはその旨を、不利益是正措置を行わないときはその旨及びその理由を、公益監察員に報告するものとする。
7 第16条(第1項を除く。)、第17条、第18条、第24条及び第25条の規定は不利益取扱いに係る調査に、第19条及び第23条第2号の規定は不利益取扱いに係る調査の中止について準用する。
(不利益是正措置を行わない場合の公表)
第29条 公益監察員は、前条第3項の規定による勧告を行った場合において、当該勧告を受けた任命権者等が正当な理由がなくその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
2 第25条の規定は、前項の規定による公表について準用する。
(内部公益通報に係る調査協力者に関する保護)
第30条 第16条第4項の規定により内部公益通報に係る調査に協力した職員等に係る不利益取扱いについては、当該内部公益通報に係る調査に協力した職員等を通報職員等とみなして、この節の規定を適用する。

第4章 要望、提案等及び不当要求行為への対応
第1節 要望、提案等への対応
(要望、提案等に対する基本原則)
第31条 市の機関は、市民の市政への参画と協働を実現するため、市政運営に対する要望、提案等の重要性を十分に理解し、誠実にその内容を受け止め、適正に対応しなければならない。
2 市の機関は、特定のものを特別に扱うことを求める要望、提案等に対しては、他のものの権利及び利益を害さないよう十分に留意し、正当な理由なく、特定のものに対して便宜又は利益を図ることにならないよう慎重かつ適切に対応しなければならない。
3 市の機関は、要望、提案等が不当要求行為に該当すると認める場合は、これを拒否しなければならない。
(要望、提案等の記録等)
第32条 市の機関は、要望、提案等があったときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。ただし、当該要望、提案等が不当要求行為に該当すると認めるときは、次節に定めるところにより処理するものとする。
(1) 口頭により要望、提案等を受けた場合 要望、提案等を行った者(以下この節において「要望者」という。)に当該要望、提案等の内容を確認し、簡潔に記録するとともに、当該要望、提案等の内容が公開又は公表の対象となることを教示する。
(2) 書面又は電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。以下同じ。)により要望、提案等を受けた場合 要望者にその内容を確認し、当該要望、提案等の内容が公開又は公表の対象となることを教示する。
2 不当要求行為とは、おおむね次に掲げる行為をいう。
(1) 市が行う許認可その他の行政処分又は請負その他の契約に関して、正当な理由なく、特定のものに対して不当に有利な又は不利な取扱いをするよう要求する行為及び入札その他の事務の公正を害する行為
(2) 市が行おうとしている不利益処分に関して、正当な理由なく、当該不利益処分の名宛人となるべき者のために、当該不利益処分を行わないよう、又は処分内容を緩和するよう要求する行為
(3) 職員の人事(採用、昇任、降任、転任等をいう。)について、正当な理由なく、有利な又は不利な取扱いをするよう要求する行為
(4) 正当な権利がないにもかかわらず権利があるとし、提供を受けた役務に瑕疵がないにもかかわらず瑕疵があるとし、若しくは交通事故その他の事故による損害がないにもかかわらず損害があるとし、又はこれらの瑕疵若しくは損害の程度を誇張して、損害賠償、解決金その他これらに類する名目で金品、便宜等を要求する行為
(5) 身体の一部若しくは器具を使って故意に相手を傷つけようとする行為、職員が恐怖を感じ反論し得ない状況に追い込む程度の脅迫又は職員が業務ができない程度のけん騒にわたる行為を用いて要望、提案等を行う行為
(6) 職員が正常な状態で面談することが困難である、又は職務の遂行に支障が生じるおそれがあるため断ったにもかかわらず、強行に脅迫的言動を用いて、又は不快感を生じせしめるほど執拗に、面談を強要し、又は営業を行う行為
(7) 粗野な又は乱暴な言動により他人に嫌悪の情を抱かせる行為を用いて要望、提案等を行う行為
(8) 庁舎等の施設の保全若しくは秩序の維持又は本市事務事業の適正な遂行に支障を生じさせる行為を用いて要望、提案等を行う行為
(9) 前各号に定めるもののほか、職員等の公正な職務の遂行を妨げる行為を用いて要望、提案等を行う行為
(記録の例外)
第33条 市の機関は、要望、提案等が次に掲げる場合は、前条第1項第1号の規定にかかわらず、当該要望、提案等を記録しないことができる。
(1) 公式又は公開の場における要望、提案等であって、議事録等に記録される場合
(2) 要望、提案等の内容が単に事実、手続等に関する問い合わせ、苦情、意見等にすぎないことが明白であると認める場合
(3) 職員の職務について一定の作為又は不作為を求めるものでない場合
(4) 営業その他社会通念上日常的な活動である場合
(5) 要望、提案等(第2号に該当するものを除く。)を受けた場において当該要望、提案等に係る用件が終了し、改めて対応する必要がない場合
2 前項の規定は、同項第1号及び第2号に掲げる場合を除き、公職者(衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又はこれらの者の秘書その他これらの者の活動を補佐する者をいう。第49条第1項において同じ。)からの要望、提案等には、適用しない。
(確認機会の付与)
第34条 要望者は、第32条第1項第1号の規定による記録の内容について、市の機関に対して確認を求めることができる。この場合において、市の機関は、速やかに要望者に対して当該記録を提示するとともに、確認の結果、必要があると認めるときは、当該記録の修正その他必要な措置を講ずるものとする。
(要望、提案等の管理及び公表)
第35条 市の機関は、要望、提案等を規則で定めるところにより管理するとともに、要望、提案等の概要及びこれに対する対応の方針等の概要を公表するものとする。ただし、公表することにより要望者その他関係人の競争上の地位その他正当な権利を害するおそれがある場合は、公表しないことができる。
2 前項の規定による公表に当たっては、氏名、住所その他の要望者が特定されるおそれのある情報は、公表しないものとする。
3 第25条の規定は、第1項本文の規定による公表について準用する。
(要望提案等審査会)
第36条 市の機関が受けた要望、提案等が不当要求行為に該当するかどうかを審査させるため、要望提案等審査会(以下この節において「審査会」という。)を置く。
2 審査会の委員は、職員及び学識経験のある者のうちから市長が任命する。
3 前2項に定めるもののほか、審査会について必要な事項は、規則で定める。
(審査結果に対する対応)
第37条 市の機関は、審査会が要望、提案等が不当要求行為であると認めたときは第32条第1項ただし書の規定に定めるところにより、不当要求行為でないと認めたときは第35条に定めるところにより、当該要望、提案等を処理するものとする。
第2節 不当要求行為への対応
(不当要求行為への措置等)
第38条 市の機関は、不当要求行為があった場合は、市民に信頼される公正な職務の遂行及び職員の安全の確保を図るため、複数の職員により、組織的に毅然とした態度で対応しなければならない。
2 市の機関は、不当要求行為があった場合は、不当要求行為の内容を記録するとともに、不当要求行為を行った者(以下この節において「不当要求行為者」という。)に対し、口頭又は書面により注意し、又は警告し、不当要求に応じることができない旨を回答しなければならない。
3 前項の規定による回答を行ったにもかかわらず、不当要求行為者が不当要求行為を中止しない場合は、退去を命じ、又は警察に通報しなければならない。
4 市の機関は、前項に規定する措置を行った場合において、不当要求行為者が不当要求行為を中止しないときは、告訴、告発、仮処分命令の申立てその他当該不当要求行為を排除するために必要な法的措置を講じなければならない。
5 市の機関は、第3項に規定する措置又は前項に規定する法的措置を行った場合は、不当要求行為者の氏名、不当要求行為の内容及び不当要求行為者に行った措置の内容を公表することができる。
6 市の機関は、前項の規定による公表を行おうとするときは、明石市個人情報保護条例第4章に定める個人情報保護審査会の意見を聴かなければならない。
7 市の機関は、不当要求行為者が本市の競争入札の参加資格業者であるときは、前2項の規定にかかわらず別に定めるところにより指名停止その他必要な措置を講ずるものとする。
(不当要求行為対策委員会)
第39条 市における不当要求行為を防止するとともに、不当要求行為に対して市の機関を通じての統一的な対応方針を定め、組織的かつ適切な対策を講ずるため、明石市不当要求行為対策委員会(以下この条において「対策委員会」という。)を置く。
2 対策委員会の委員は、職員及び学識経験のある者のうちから市長が任命する。
3 前2項に定めるもののほか、対策委員会について必要な事項は、規則で定める。
(職員への配慮)
第40条 市の機関は、職員が第38条第2項から第5項まで及び第7項に規定する措置を行ったことにより、不利益な取扱いを受けることがないよう必要な配慮を行わなければならない。
2 市の機関は、職員がその正当な職務行為に起因して、不当要求行為者その他の者から不当な権利侵害を受けることがないよう配慮し、及び職員が不当な権利侵害を受けた場合は、当該職員に対し、援助、保護その他の必要な措置を講ずるものとする。
(出資団体等の責務)
第41条 出資団体等は、第38条から前条までの規定に準じて、不当要求行為に対し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 市長は、出資団体等に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導に努めるものとする。
第5章 行政オンブズマン
(行政オンブズマンの設置)
第42条 市民の市政に関する苦情を公正かつ中立的な立場で簡易迅速に処理し、並びに行政の非違の是正等の勧告及び制度の改善を求めるための意見を表明することにより、市民の権利利益の擁護を図り、もって開かれた市政のより一層の進展と市政に対する市民の信頼の向上に資することを目的として、本市に行政オンブズマンを置く。
(オンブズマンの所管事項)
第43条 行政オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)の所管する事項は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為(以下この章において「市の業務」という。)であって、次に掲げる事項に該当しないものとする。
(1) 訴訟手続その他の裁判所における手続、刑事事件その他犯則事件に関する法令の規定に基づく手続又は行政上の不服申立ての手続その他の紛争処理制度において既に審理が行われ、又は現に行われている事項
(2) 監査委員が請求に基づき既に監査を実施し、又は現に監査を実施している事項
(3) 議会に関する事項
(4) 職員の自己の勤務内容及び身分等に関する事項
(5) オンブズマンの行為に関する事項
(オンブズマンの職務)
第44条 オンブズマンの職務は、次のとおりとする。
(1) 市の業務に関する苦情の申立てを受け付け、簡易迅速に処理すること。
(2) 前号の苦情の申立てを端緒として、自己の発意に基づき市の業務に関する事案を取り上げて調査すること。
(3) 第1号の規定により受け付けた苦情又は前号の規定により取り上げた事案(以下この章において「苦情等」という。)について、市の機関に対し非違の是正又は改善のため必要な措置(以下この章において「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告すること。
(4) 苦情等の原因が制度そのものに起因すると認める場合において、当該制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(5) 第3号の規定による勧告又は前号の規定による意見の表明の内容を公表すること。
(オンブズマンの責務)
第45条 オンブズマンは、市民の権利利益を擁護するため、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 オンブズマンは、その職務の遂行に当たっては、市の機関との連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
(市の機関の協力)
第46条 市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立の立場を尊重しなければならない。
2 市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、積極的に協力し、援助するよう努めなければならない。
(市民等の協力)
第47条 市民その他オンブズマンに関する制度を利用する者は、第42条に規定するオンブズマンの設置の目的を達成するため、オンブズマンに関する制度の適正かつ円滑な運営に協力しなければならない。
(オンブズマンの組織等)
第48条 オンブズマンの定数は、2人とし、そのうち1人を代表オンブズマンとする。
2 オンブズマンは、人格が高潔で社会的信望が有り、かつ、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
3 オンブズマンの任期は、2年とし、再任されることができる。
4 オンブズマンは、それぞれ独立して職務を行う。ただし、相互に協力することを妨げない。
(兼職等の禁止)
第49条 オンブズマンは、公職者又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
2 オンブズマンは、本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。
(オンブズマンの守秘義務)
第50条 第9条第1項の規定は、オンブズマンの守秘義務について準用する。
(解嘱)
第51条 市長は、オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は職務上の義務違反その他オンブズマンとしてふさわしくない行為があると認めるときは、解嘱することができる。
2 オンブズマンは、前項に規定する場合を除いては、在任中、その意に反して解嘱されることがない。
(オンブズマン会議)
第52条 次に掲げる事項を協議するため、オンブズマン会議を設ける。
(1) オンブズマンの職務執行の方針に関すること。
(2) オンブズマンの活動状況の報告に関すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、オンブズマンの協議により必要と認める事項
2 オンブズマン会議は、代表オンブズマンが招集する。
3 前2項に定めるもののほか、オンブズマン会議の運営に関し必要な事項は、代表オンブズマンがオンブズマン会議に諮って定める。
(苦情の申立て)
第53条 何人も、オンブズマンに対し、市の業務について苦情を申し立てることができる。
2 前項の規定による苦情の申立て(以下この章において「苦情申立て」という。)は、次に掲げる事項を記載した苦情申立書により行わなければならない。ただし、オンブズマンが苦情申立書によることができない特別の理由があると認めるときは、この限りでない。
(1) 苦情申立てをしようとするものの氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 苦情申立ての趣旨及び理由並びに原因となった事実のあった年月日
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が別に定める事項
3 苦情申立ては、代理人により行うことができる。
(調査対象外事項)
第54条 オンブズマンは、苦情申立てが次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該苦情申立てに係る苦情について調査しない。
(1) オンブズマンの所管する事項でないとき。
(2) 苦情申立てをした者(以下この章において「苦情申立人」という。)が、苦情申立ての原因となった事実について利害を有しないとき。
(3) 苦情の内容が、苦情申立ての原因となった事実のあった日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(4) 苦情の内容が虚偽であるものその他オンブズマンの設置の目的に照らして不適切なものであると認めるとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、調査することが相当でない特別な事情があると認めるとき。
2 オンブズマンは、前項の規定により調査しないときは、苦情申立人に対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
(調査の通知等)
第55条 オンブズマンは、苦情等について調査を行うに当たっては、あらかじめ、関係する市の機関に対し、その旨を通知しなければならない。
2 オンブズマンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止することができる。
3 オンブズマンは、前項の規定により苦情等の調査を中止したときは、当該苦情等が、申立てに係るものである場合にあっては理由を付してその旨を苦情申立人及び第1項の規定により通知した市の機関に、自己の発意に基づくものである場合にあっては同項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
(オンブズマンによる調査の方法等)
第56条 第16条第2項、第17条及び第18条(第5項を除く。)の規定は、オンブズマンによる苦情等の調査について準用する。
(出資団体等の調査への協力)
第57条 出資団体等及び指定管理者は、オンブズマンが行う苦情等の調査について、協力するよう努めるものとする。
(苦情等の調査結果の通知)
第58条 オンブズマンは、苦情等の調査を終了したとき(第55条第2項の規定に該当する場合を除く。)は、その結果を、次の各号に掲げる苦情等の区分に応じ、当該各号に掲げるものに速やかに通知しなければならない。
(1) 苦情申立てに係る苦情 苦情申立人及び第55条第1項の規定により通知した市の機関
(2) 自己の発意に基づき取り上げた事案 第55条第1項の規定により通知した市の機関
(勧告及び意見表明)
第59条 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、その原因が制度そのものに起因すると認めるときは、関係する市の機関に対し当該制度の改善を求めるための意見の表明をすることができる。
3 オンブズマンは、苦情申立てに係る苦情について第1項の規定により勧告し、又は前項の規定により意見の表明をしたときは、苦情申立人に対し、その旨を速やかに通知しなければならない。
(勧告及び意見表明の尊重)
第60条 前条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による意見の表明を受けた市の機関は、これを尊重しなければならない。
(オンブズマンへの報告等)
第61条 オンブズマンは、第59条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による意見の表明をしたときは、当該勧告又は意見の表明をした市の機関に対し、その是正等の措置又は制度の改善の状況について報告を求めるものとする。
2 前項の報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日の翌日から起算して60日以内に、オンブズマンに対し是正等の措置又は制度の改善の状況について報告するものとする。この場合において、是正等の措置又は制度の改善を講ずることができない特別の理由があるときは、理由を付してオンブズマンに報告しなければならない。
3 オンブズマンは、苦情申立てに係る苦情について前項の規定による報告があったときは、苦情申立人に対し、その旨を速やかに通知しなければならない。
(勧告等の内容の公表)
第62条 オンブズマンは、第59条第1項の規定による勧告若しくは同条第2項の規定による意見の表明をしたとき又は前条第2項の規定による報告があったときは、その内容を公表するものとする。
2 第25条の規定は、前項の規定による公表について準用する。
(事務局)
第63条 オンブズマンに関する事務を処理させるため、規則で定めるところにより事務局を置く。
(オンブズマンの活動状況の報告)
第64条 オンブズマンは、毎年、規則で定めるところによりその活動状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表するものとする。

第6章 外部公益通報
(外部公益通報に係る市の機関の措置等)
第65条 市の機関は、外部公益通報があった場合は、公益通報者保護法第10条第1項の規定により必要な調査を行い、通報対象事実があると認めるときは、同項の規定による措置を講じなければならない。
2 前項に規定する場合において、当該外部公益通報に係る通報対象事実について、市の機関が公益通報者保護法第11条に規定する処分又は勧告等をする権限を有しない行政機関であるときは、同条の規定による教示をしなければならない。
3 市の機関は、第1項の規定による調査及び措置並びに前項の規定による教示をするための手続きその他必要な事項を定めるものとする。
4 第16条第2項の規定は、第1項の規定による調査について準用する。
第7章 雑則
(運用上の注意)
第66条 この条例の運用に当たっては、市の機関は、関係者の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。
(運用状況の報告)
第67条 第5章に規定するものを除き、市の機関は、規則で定めるところにより、毎年、市長に対し、前年度における職員等からの内部公益通報の件数その他この条例の運用状況に関する事項を報告するものとする。
(運用状況の公表)
第68条 市長は、毎年、前条の規定による報告をとりまとめて、規則で定めるところにより、その概要を議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。
(規則への委任)
第69条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 第3章の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後にされた内部公益通報について適用する。
3 第5章の規定は、施行日の1年前の日以後にあった事実に係る苦情について適用し、当該1年前の日前にあった事実に係る苦情については、適用しない。
4 第6章の規定は、施行日以後にされた外部公益通報について適用する。
(最初に契約する公益監察契約の期間)
5 この条例の施行後最初に契約する公益監察契約の期間は、第7条第4項の規定にかかわらず1人は2年、1人は3年とする。
(準備行為)
6 市の機関は、施行日前においても、この条例の施行に必要な準備行為をすることができる。
附 則(平成24年12月27日条例第33号)
この条例は、公布の日から施行する。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2013/05/14(火) 05:26

上越市市民投票条例

○上越市市民投票条例

平成21年3月27日条例第5号

(目的)
第1条 この条例は、上越市自治基本条例(平成20年上越市条例第3号。以下「自治基本条例」という。)第38条の規定に基づき、市民投票の実施に関し必要な事項を定め、市政運営に係る重要事項について、広く市民の意見を確認し、その意見に沿って決定をなすことにより、市民参画を推進し、もって市民主体の市政運営に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「市政運営に係る重要事項」とは、市及び市民に直接の利害関係を有する事項(市の権限に属さない事項にあっては、対外的に市の意思を表示するものに限る。)であって、市民の間又は市民、市議会若しくは市長等の間に重大な意見の相違が認められる状況その他の事情に照らし、市民に直接その賛成又は反対の意思を問う必要があるものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 市議会の解散、市議会議員又は市長の解職その他法令に基づき市民による投票を実施することができる事項
(2) 市長等の組織、人事、予算の調製及び予算の執行の権限に係る事項並びに市長等の内部の事務処理に関する事項
(3) 市税、分担金、使用料、手数料その他の金銭の徴収に関する事項
(4) その他市民投票の実施が不適当と認められる事項
2 この条例において「永住外国人」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
(1) 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第2に掲げる永住者の在留資格をもって在留する者
(2) 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者
(投票資格者)
第3条 自治基本条例第38条第2項に規定する請求権者は、次の各号のいずれにも該当する者(以下「投票資格者」という。)とする。
(1) 年齢満18歳以上の市民
(2) 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づき、本市に住民票が作成された日(他の市区町村から本市の区域内に住所を移した者で同法第22条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き3箇月以上本市の住民基本台帳に記録されている者
(3) 次のいずれかに該当する者
ア 日本の国籍を有する者
イ 永住外国人
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市民投票の投票権を有しない。
(1) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項又は第252条に規定する者
(2) 政治資金規正法(昭和23年法律第194号)第28条に規定する者
(市民投票に関する事務の委任)
第4条 市長は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の2の規定に基づき、市民投票の管理及び執行に関する事務の一部を選挙管理委員会に委任する。
(市民投票の請求手続等)
第5条 自治基本条例第38条第2項の規定により市民投票の実施を請求しようとする代表者(以下「請求代表者」という。)は、あらかじめ市長に対し、市民投票に付そうとする事項及びその趣旨が市政運営に係る重要事項及び第9条に規定する市民投票の形式に該当することの確認を請求し、かつ、請求代表者であることの証明書(以下「代表者証明書」という。)の交付を申請しなければならない。
2 市長は、前項の規定による請求及び申請(以下「請求等」という。)があったときは、当該請求等の内容を確認し、市民投票に付そうとする事項及びその趣旨が市政運営に係る重要事項及び第9条に規定する市民投票の形式に該当すること又は請求代表者が投票資格者であること(以下「市民投票実施要件」という。)が認められないときは、当該請求代表者に対し、相当の期間を定めて当該請求等の補正を求め、又は当該請求等を却下しなければならない。
3 市長は、請求等の内容が市民投票実施要件に該当するとき又は請求代表者が前項の規定による補正の求めに応じたときは、速やかに請求代表者に代表者証明書を交付するとともに、その旨を選挙管理委員会に通知しなければならない。
4 市長は、前項の規定により代表者証明書を交付するときは、請求等があった日の直前に第7条第1項の規定により調製された投票資格者名簿に登録されている投票資格者の総数の50分の1及び4分の1の数(以下「必要署名数」という。)を当該代表者証明書に記載するとともに、代表者証明書を交付した旨及び必要署名数を告示しなければならない。
5 選挙管理委員会の委員又は職員である者は、請求代表者になることができない。
(投票資格者の署名の収集等)
第6条 自治基本条例第38条第2項及び第7項に規定する連署に関する手続は、地方自治法、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)及び地方自治法施行規則(昭和22年内務省令第29号)に定める直接請求の手続の例による。
(投票資格者名簿の調製及び必要署名数の告示)
第7条 選挙管理委員会は、公職選挙法に基づく選挙人名簿に準じて、投票資格者名簿を調製しなければならない。
2 選挙管理委員会は、投票資格者名簿を調製したときは、直ちに必要署名数を告示しなければならない。
(市民投票の投票日等)
第8条 市長は、自治基本条例第38条第1項、第6項及び第7項の規定により市民投票を実施しようとするときは、直ちにその旨を告示するとともに、選挙管理委員会に通知しなければならない。
2 選挙管理委員会は、前項の規定による通知のあった日から起算して30日を経過した日から90日を超えない範囲内において、投票日を定め、市民投票を執行しなければならない。
3 前項に規定する投票日(以下「投票日」という。)は、衆議院議員若しくは参議院議員の選挙、新潟県の議会の議員若しくは長の選挙又は本市の議会の議員若しくは長の選挙の期日(以下「選挙期日」という。)以外の日でなければならない。
4 選挙管理委員会は、投票日を定めた後に、当該投票日が選挙期日と同一の日となったときは、当該投票日を変更しなければならない。
5 選挙管理委員会は、投票日を定めたときは、当該投票日の7日前までに告示しなければならない。前項の規定により当該投票日を変更した場合も、同様とする。
(市民投票の形式)
第9条 市民投票は、賛成又は反対のいずれか一方の意思を問う形式で行われなければならない。
(情報の提供)
第10条 市長は、市民投票を実施するときは、当該市民投票に関し必要な情報を広報その他適当な方法により市民に提供しなければならない。
2 市長は、前項に規定する情報の提供を行う場合は、市民投票に付された事項を公平かつ中立に取り扱わなければならない。
(投票運動)
第11条 市民投票に関する投票運動は、自由に行うことができる。ただし、買収、強迫等により投票資格者の自由な意思を拘束し、若しくは不当に干渉し、又は市民の平穏な生活環境を侵害するものであってはならない。
(市民投票の成立要件等)
第12条 市民投票は、一の市民投票に付された事項について投票した者の総数が当該市民投票の投票資格者の総数の2分の1を満たしたときに成立する。
2 選挙管理委員会は、市民投票が成立しない場合にあっても、市民投票の開票を行わなければならない。
(開票結果の告示及び通知)
第13条 選挙管理委員会は、開票を行ったときは、直ちにその結果を告示するとともに、市長に通知しなければならない。
2 市長は、前項の規定による通知があったときは、当該市民投票に係る請求代表者及び市議会の議長にこれを通知しなければならない。
(請求等の制限期間)
第14条 市民は、市民投票に付された事項と同一の事項又は当該事項と同旨の事項について、当該市民投票に付された事項に係る市民投票の開票結果の告示の日から2年を経過する日までの間は、請求等を行うことができない。
(投票及び開票)
第15条 第7条から前条までに定めるもののほか、市民投票の投票及び開票に関し必要な事項は、公職選挙法、公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)及び公職選挙法施行規則(昭和25年総理府令第13号)の例による。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成21年10月1日から施行する。ただし、次項の規定は、同年4月1日から施行する。
(施行のために必要な準備)
2 この条例の規定による永住外国人に係る投票資格者名簿への登録の申請その他の投票資格者名簿の調製に関する手続は、この条例の施行の日前においても行うことができる。

附 則(平成24年条例第26号)抄
(施行期日)
1 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日から施行する。
(1) 第8条の規定(第5条に1項を加える改正規定に限る。)及び附則第4項の規定 公布の日
(2) その他の規定 平成24年7月9日
(上越市市民投票条例の一部改正に伴う経過措置)
3 附則第1項第2号に定める日(以下「施行日」という。)の前日において本市の外国人登録原票に登録されていた永住外国人であって施行日から引き続き本市の住民基本台帳に記録されているものに対する第8条の規定による改正後の上越市市民投票条例(以下「新条例」という。)第3条の規定の適用については、施行日の前日まで引き続き本市の外国人登録原票に登録されていた期間を本市の住民基本台帳に記録されている期間に通算する。
4 新条例第5条第5項の規定は、附則第1項第1号に定める日以後に代表者証明書の交付申請のある市民投票の実施の請求について適用し、同日前に代表者証明書の交付申請のあった市民投票の実施の請求については、なお従前の例による。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2013/05/14(火) 05:13

上越市パブリックコメント条例

○上越市パブリックコメント条例
平成21年3月27日
条例第3号

(目的)
第1条 この条例は、上越市自治基本条例(平成20年上越市条例第3号。以下「自治基本条例」という。)第22条第3項の規定に基づき、パブリックコメントの実施に関し必要な事項を定め、市の政策の立案等の段階において広く市民の意見を聴く手続をとることにより、市民との情報共有及び市民参画を推進し、もって公正で開かれた市政運営に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「パブリックコメント」とは、市の基本的な計画、重要な条例等の立案等の段階において、市長等がこれらの案の内容、趣旨その他必要な事項を公表し、広く市民から意見を募り、提出された意見を尊重し、意思決定を行うとともに、当該意見に対する考え方を公表する一連の手続をいう。
2 この条例において「市民」とは、自治基本条例第2条第2号に掲げるもの及びパブリックコメントの対象となる計画、条例等に関し利害関係を有するものをいう。
(対象計画等)
第3条 市長等は、次に掲げる計画、条例等(以下「計画等」という。)の策定若しくは制定、変更若しくは改正又は廃止を行うときは、パブリックコメントを実施しなければならない。
(1) 市の憲章、宣言又は基本的な計画若しくは指針
(2) 市の理念又は基本的な制度を定める条例
(3) 市民に義務を課し、又は権利を制限する条例又は規則(金銭の徴収に関するものを除く。)
(4) 広く公共の用に供する施設の整備に関する構想又は計画
(5) その他パブリックコメントを実施することが適当と市長等が認めるもの
2 前項の規定にかかわらず、市長等は、計画等が次の各号のいずれかに該当する場合は、その理由を公表して、パブリックコメントを実施しないことができる。
(1) 緊急を要するもの
(2) 法令等により縦覧その他パブリックコメントと同等の効果を有すると認められる手続を義務付けられているもの
(3) 市民の生活及び事業活動に影響を及ぼさない軽微なもの
(4) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第1項の規定による直接請求の手続を経て制定改廃する条例
(計画等の案の公表等)
第4条 市長等は、計画等の案を公表するときは、市民が意見を提出することができる30日以上の期間を設けなければならない。ただし、やむを得ない理由により30日以上の期間を設けることができない場合は、その理由を公表して、30日を下回る期間とすることができる。
2 市長等は、計画等の案を公表するときは、市民が当該計画等の案の内容を理解することができるよう当該計画等の案の趣旨、概要その他必要と認める資料を添付し、その説明に努めるとともに、幅広く意見が提出されるよう努めなければならない。
(意見の提出方法)
第5条 市民は、公表された計画等の案に対する意見を提出するときは、住所又は所在地、氏名又は名称(代表者の氏名を含む。)その他必要な事項を明らかにし、持参、郵便、ファクシミリ、電子メールその他市長が適当と認める方法により意見を提出しなければならない。
(意思決定を行う場合の意見の尊重)
第6条 市長等は、提出された意見を尊重し、計画等の意思決定を行わなければならない。
(意見に対する考え方の公表)
第7条 市長等は、前条の規定により意思決定を行ったときは、速やかに提出された意見の内容(上越市情報公開条例(平成8年上越市条例第1号)第6条に規定する非公開情報を除く。)及び提出された意見に対する市長等の考え方を公表しなければならない。この場合において、計画等の案を修正したときは、当該修正した内容をあわせて公表しなければならない。
(公表の方法等)
第8条 第3条第2項、第4条第1項及び前条の規定による公表は、市役所本庁、各区総合事務所、北出張所、南出張所その他市長が定める場所へ備え置くとともに、市のホームページに掲載することにより行うものとする。
2 市長等は、前項に規定する公表を行うときは、広く市民にその旨を周知しなければならない。
(運用状況の公表)
第9条 市長は、毎年度2回、この条例の運用状況を取りまとめ、広報その他適当な方法により公表しなければならない。
(委任)
第10条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

附 則
この条例は、平成21年4月1日から施行し、同日以後に公表される第3条第1項各号に掲げる計画等の案について適用する。

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上越市オンブズパーソン条例

○上越市オンブズパーソン条例
平成15年6月19日条例第29号

(設置)
第1条 上越市自治基本条例(平成20年上越市条例第3号)第23条第2項の規定に基づき、市民主権の理念にのっとり、公正な立場で、市政運営に関する苦情を適切かつ迅速に処理し、及び市政運営を監視し、並びに市政運営の過誤等の是正又は改善のための意見の表明、勧告又は提言を行うことにより、市民の権利利益の擁護を図り、もって開かれた市政運営の一層の進展及び市政運営に対する信頼の確保に資するため、上越市オンブズパーソン(以下「オンブズパーソン」という。)を置く。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市政運営の過誤等 市の機関又は職員の過誤又は怠慢、年数の経過等により制度が社会情勢に比して不適切な状態であることその他市政運営に関する苦情の原因となる事実をいう。
(2) 意見の表明 市政運営の過誤等が軽易な事項に属し、運用の改善により容易に処理できると認める場合に、問題を指摘し、その改善を求めることをいう。
(3) 勧告 市政運営の過誤等が違法又は不当な状態にあると認める場合に、その是正又は改善のための措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう求めることをいう。
(4) 提言 市政運営の過誤等が制度の不適切な状態が原因と認める場合その他制度そのものが原因と認める場合に、制度の改善を求めることをいう。
(オンブズパーソンの職務)
第3条 オンブズパーソンの職務は、次のとおりとする。
(1) 市政運営に関する苦情の申立てを受け付け、必要な調査を行い、迅速に処理すること。
(2) 市政運営を監視し、自己の発意に基づき、事案を取り上げ調査すること。
(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について、市の機関に対し意見の表明、勧告又は提言をすること。
(4) 意見の表明、勧告及び提言の内容、これらに対する市の機関の報告の内容並びにオンブズパーソンの職務の遂行の状況を公表すること。
(対象事項)
第4条 オンブズパーソンの職務の対象となる事項は、市の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為で次に掲げるもの以外のものとする。
(1) 議会に関する事項
(2) 判決等(裁判所における判決、決定、命令又は調停その他法令に基づく紛争を解決するための機関による決定、裁定等をいう。)により確定した権利関係に関する事項
(3) 裁判所等(裁判所その他法令に基づく紛争を解決するための機関をいう。)で係争中の事項
(4) 監査委員が監査の請求に基づき、監査しようとしている事項及び現に監査を行っている事項
(5) 職員の勤務条件又は身分に関する事項
(6) オンブズパーソンの行為に関する事項
(オンブズパーソンの責務)
第5条 オンブズパーソンは、市民の権利利益を擁護する者として、公正かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 オンブズパーソンは、その職務の遂行に当たっては、市政運営の改善を図る他の諸機関と有機的な連携を図り、その役割を効果的に果たすように努めなければならない。
3 オンブズパーソンは、その地位又はその職務の遂行を政党、政治的目的又は営利の目的のために利用してはならない。
4 オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(市の機関の責務)
第6条 市の機関は、オンブズパーソンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重するとともに、積極的に協力しなければならない。
(市民等の責務)
第7条 市民その他この制度を利用する者は、第1条に規定するオンブズパーソンの設置の目的を達成するため、この制度が適正かつ円滑に運営されるよう協力しなければならない。
(オンブズパーソンの組織等)
第8条 オンブズパーソンの定数は、2人以内とする。
2 オンブズパーソンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 オンブズパーソンの任期は、3年とし、1期に限り再任されることができる。
(兼職等の禁止)
第9条 オンブズパーソンは、次に掲げる者と兼ねることができない。
(1) 衆議院議員又は参議院議員
(2) 地方公共団体の議会の議員又は長
(3) 政党その他の政治団体の役員
(4) 地方公共団体の常勤の職員又は再任用短時間勤務職員
2 市と特別な利害関係を有する事業者又は団体の役員は、オンブズパーソンとなることができない。
(解嘱)
第10条 市長は、オンブズパーソンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務の違反その他オンブズパーソンとしてふさわしくない行為があると認める場合は、議会の同意を得てこれを解嘱することができる。
2 オンブズパーソンは、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して解嘱されることがない。
(苦情の申立て)
第11条 何人も、オンブズパーソンに対し、市政運営に関する苦情を申し立てることができる。
2 前項の規定による苦情の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、当該書面によることができない場合は、規則で定める方法により行うことができる。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 申立てをしようとする苦情の趣旨及び理由
(3) 苦情の申立ての原因となった事実のあった年月日
(4) その他規則で定める事項
3 第1項の規定による苦情の申立ては、代理人により行うことができる。
(苦情の調査)
第12条 オンブズパーソンは、前条の規定による苦情の申立てがあったときは、当該苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認めるときを除き、速やかに当該苦情を調査しなければならない。
(1) 第4条各号に掲げる事項のいずれかに該当するとき。
(2) 苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)が苦情の申立ての原因となった事実について利害関係を有しないとき。
(3) 苦情の内容が当該苦情の申立ての原因となった事実のあった日の翌日から起算して1年を経過しているものであるとき。ただし、1年を経過しているものであることについてオンブズパーソンが正当な理由があると認めるときは、この限りでない。
(4) 虚偽その他正当な理由がないとオンブズパーソンが認めるとき。
(5) その他調査することが適当でないとオンブズパーソンが認めるとき。
2 オンブズパーソンは、前項各号のいずれかに該当すると認めて苦情を調査しないときは、その旨を書面により速やかに苦情申立人に通知しなければならない。
(調査の通知)
第13条 オンブズパーソンは、苦情等の調査をするときは、その旨を書面により関係する市の機関に通知するものとする。
(調査の中止)
第14条 オンブズパーソンは、苦情等の調査を開始した後において、その必要がないと認めるときは、当該調査を中止することができる。
2 オンブズパーソンは、前項の規定により苦情等の調査を中止したときは、次の各号に掲げる苦情等の区分に応じ、当該各号に定めるものに対し、その旨を書面により速やかに通知しなければならない。
(1) 申立てに係る苦情 苦情申立人及び前条の規定による通知をした市の機関
(2) 自己の発意に基づき取り上げた事案 前条の規定による通知をした市の機関
(調査の方法)
第15条 オンブズパーソンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に説明を求め、その保有する帳簿、書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査することができる。
2 オンブズパーソンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に質問し、事情を聴取し、又は実地調査することについて協力を求めることができる。
3 オンブズパーソンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、専門機関に調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。
(調査結果等の通知)
第16条 オンブズパーソンは、苦情等の調査の結果及び当該苦情等の処理の内容を次の各号に掲げる苦情等の区分に応じ、当該各号に定めるものに対し、書面により速やかに通知しなければならない。
(1) 申立てに係る苦情 苦情申立人及び第13条の規定による通知をした市の機関
(2) 自己の発意に基づき取り上げた事案 第13条の規定による通知をした市の機関
(意見の表明、勧告及び提言)
第17条 オンブズパーソンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、意見の表明、勧告又は提言をすることができる。
(意見の表明、勧告及び提言の尊重)
第18条 前条の規定により意見の表明、勧告又は提言を受けた市の機関は、当該意見の表明、勧告又は提言を尊重しなければならない。
(改善の状況の報告等)
第19条 市の機関は、第17条の規定により意見の表明、勧告又は提言を受けた場合は、当該意見の表明、勧告又は提言を受けた日の翌日から起算して60日以内に、運用の改善の状況、是正等の措置の状況又は制度の改善の状況についてオンブズパーソンに報告しなければならない。この場合において、運用の改善を行うこと、是正等の措置を講ずること又は制度の改善を行うことができない特別の理由があるときは、当該理由を報告しなければならない。
2 市の機関は、第17条の規定により意見の表明、勧告又は提言を受け、運用の改善を行い、是正等の措置を講じ、又は制度の改善を行おうとする場合で前項前段の規定による報告をする時までに当該運用の改善、是正等の措置又は制度の改善を完了することができないときは、同項前段の規定による報告にその理由を付するとともに、当該運用の改善、是正等の措置又は制度の改善の完了後速やかにその旨をオンブズパーソンに報告しなければならない。
3 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情の調査について前2項の規定による報告があったときは、その旨を書面により速やかに苦情申立人に通知しなければならない。
(意見の表明、勧告、提言等の内容の公表)
第20条 オンブズパーソンは、第17条の規定により意見の表明、勧告若しくは提言をしたとき又は前条第1項若しくは第2項の規定による報告があったときは、速やかにその内容を公表しなければならない。
2 オンブズパーソンは、前項の規定による公表をするときは、上越市個人情報保護条例(平成8年上越市条例第2号)の趣旨にのっとり、個人情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。
(専門調査員)
第21条 オンブズパーソンによる調査を補佐するため、専門調査員を置くことができる。
(事務局)
第22条 オンブズパーソンに関する事務を処理するため、オンブズパーソン事務局を置く。
(職務遂行状況の報告等)
第23条 オンブズパーソンは、毎年、職務の遂行の状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年10月1日から施行する。
(任期の特例)
2 この条例の施行の日以後最初に第8条第2項の規定により委嘱するオンブズパーソンのうち市長が指定する1人の任期は、同条第3項の規定にかかわらず、これを2年とする。
附 則(平成21年条例第12号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成23年条例第8号)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。

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川崎市人権オンブズパーソン条例

平成13年6月29日条例第19号

目次
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 責務(第4条~第7条)
第3章 人権オンブズパーソンの組織等(第8条~第11条)
第4章 相談及び救済
第1節 相談(第12条)
第2節 救済の申立て(第13条・第14条)
第3節 調査の実施等(第15条~第17条)
第4節 市の機関に対する調査等(第18条~第20条)
第5節 市の機関以外のものに対する調査等(第21条・第22条)
第6節 個人情報等の保護(第23条)
第7節 人権に関する課題についての意見公表(第24条)
第5章 補則(第25条~第27条)
附 則

第1章 総則

(目的及び設置)
第1条 市民が人権の侵害に関する相談及び救済の申立てを簡易に、かつ、安心して行うことができるよう必要な体制を整備し、市民の理解と相互の協調の下に迅速かつ柔軟に人権の侵害からの救済を図り、もって人権が尊重される地域社会づくりに資することを目的として、本市に川崎市人権オンブズパーソン(以下「人権オンブズパーソン」という。)を置く。

(管轄)
第2条 人権オンブズパーソンの管轄は、次に掲げる人権の侵害(以下「人権侵害」という。)に関する事項とする。
(1)子ども(川崎市子どもの権利に関する条例(平成12年川崎市条例第72号)第2条第1号に規定する子どもをいう。)の権利の侵害
(2)男女平等にかかわる人権の侵害(男女平等かわさき条例(平成13年川崎市条例第14号)第6条に規定する男女平等にかかわる人権の侵害をいう。)
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項については、人権オンブズパーソンの管轄としない。
(1)判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2)議会に請願又は陳情を行っている事項
(3)川崎市市民オンブズマン(以下「市民オンブズマン」という。)に苦情を申し立てた事項
(4)人権オンブズパーソン又は市民オンブズマンの行為に関する事項

(人権オンブズパーソンの職務)
第3条 人権オンブズパーソンは、次の職務を行う。
(1)人権侵害に関する相談に応じ、必要な助言及び支援を行うこと。
(2)人権侵害に関する救済の申立て又は自己の発意に基づき、調査、調整、勧告、是正要請等を行うこと。
(3)制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(4)勧告、意見表明等の内容を公表すること。
(5)人権に関する課題について意見を公表すること。

第2章 責務

(人権オンブズパーソンの責務)
第4条 人権オンブズパーソンは、市民の人権の擁護者として、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 人権オンブズパーソンは、その職務の遂行に当たっては、市民オンブズマンその他市の機関、関係機関、関係団体等と有機的な連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 人権オンブズパーソンは、相談又は救済の申立てを行った者に不利益が生じないように、当該相談又は救済の申立てに係る事案の特性を踏まえ、その職務を遂行しなければならない。
4 人権オンブズパーソンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。

(市の機関の責務)
第5条 市の機関は、人権オンブズパーソンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重しなければならない。
2 市の機関は、人権オンブズパーソンの職務の遂行に関し、積極的な協力援助に努めなければならない。

(市民の責務)
第6条 市民は、この条例の目的を達成するため、人権オンブズパーソンの職務の遂行に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)
第7条 事業者は、その事業活動において、この条例の目的を達成するため、人権オンブズパーソンの職務の遂行に協力するよう努めなければならない。

第3章 人権オンブズパーソンの組織等

(人権オンブズパーソンの組織等)
第8条 人権オンブズパーソンの定数は2人とし、そのうち1人を代表人権オンブズパーソンとする。
2 人権オンブズパーソンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、人権問題に関し優れた識見を有する者のうちから、第2条第1項に規定する人権オンブズパーソンの管轄を踏まえて、市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 人権オンブズパーソンは、任期を3年とし、1期に限り再任されることができる。
4 人権オンブズパーソンは、別に定めるところにより、相当額の報酬を受ける。

(秘密を守る義務)
第9条 人権オンブズパーソンは、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(解嘱)
第10条 市長は、人権オンブズパーソンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務違反その他人権オンブズパーソンたるにふさわしくない非行があると認める場合は、議会の同意を得て解嘱することができる。

(兼職等の禁止)
第11条 人権オンブズパーソンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
2 人権オンブズパーソンは、本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。
3 人権オンブズパーソンは、前2項に定めるもののほか、公平な職務の遂行に支障が生ずるおそれがある職と兼ねることができない。

第4章  相談及び救済

第1節 相談

(相談)
第12条 何人も、市民等(市の区域内に住所を有する者、在勤する者又は在学する者その他市に関係ある者として規則で定める者をいう。以下同じ。)の人権侵害に関する事項について、人権オンブズパーソンに相談することができる。
2 人権オンブズパーソンは、前項の規定により相談を受けた場合は、必要な助言及び支援を行う。

第2節 救済の申立て

(救済の申立て)
第13条 市民等は、自らが人権侵害を受けたと思うときは、人権オンブズパーソンに対し、救済の申立て(以下「申立て」という。)を行うことができる。
2 申立ては、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申立てを行うことができる。

(1)申立てを行おうとする者の氏名及び住所
(2)申立ての原因となった事実及びその事実のあった年月日
(3)その他規則で定める事項

(本人以外の者の申立て)
第14条 何人も、市民等が人権侵害を受けたと思うときは、当該市民等に代わって人権オンブズパーソンに対し、申立てを行うことができる。
2 申立ては、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申立てを行うことができる。
(1)申立てを行おうとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2)人権侵害を受けたと思われる市民等の氏名及び住所
(3)申立ての原因となった事実及びその事実のあった年月日
(4)その他規則で定める事項

第3節 調査の実施等

(申立てに係る調査等)
第15条 人権オンブズパーソンは、申立てがあった場合は、当該申立てに係る事実について、調査を行う。
2 前項の場合において、申立てが前条第1項の規定によるものであるときは、同条第2項第2号の市民等の同意を得なければならない。
3 第1項の規定にかかわらず、申立てが次の各号のいずれかに該当すると認められる場合は、調査を行わない。
(1)第2条第2項の規定に該当するとき。
(2)申立ての原因となった事実のあった日から3年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときを除く。
(3)虚偽その他正当な理由がないと認められるとき。
(4)申立ての原因となった事実が市の区域外で生じたものであるとき。ただし、人権オンブズパーソンが特に調査の必要があると認めるときを除く。
(5)前項の同意が得られないとき。ただし、人権オンブズパーソンが特に調査の必要があると認めるときを除く。
4人権オンブズパーソンは、前項の規定により調査を行わない場合は、その旨を理由を付して申立てを行った者(以下「申立人」という。)に速やかに通知しなければならない。

(発意の調査)
第16条 人権オンブズパーソンは、市民等が人権侵害を受けていると認めるときは、自己の発意に基づき、調査を行うことができる。
2 前項の規定による調査を行う場合においては、人権侵害を受けていると認められる市民等の同意を得なければならない。ただし、人権オンブズパーソンが特に調査の必要があると認めるときは、この限りでない。

(調査の中止等)
第17条 人権オンブズパーソンは、調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止し、又は打ち切ることができる。
2 人権オンブズパーソンは、調査を中止し、又は打ち切ったときは、その旨を理由を付して、申立人又は第15条第2項若しくは前条第2項の同意を得た者(以下「申立人等」という。)に速やかに通知しなければならない。

第4節 市の機関に対する調査等

(市の機関に対する調査)
第18条 人権オンブズパーソンは、市の機関に対し調査を行う場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 人権オンブズパーソンは、調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿、書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
3 人権オンブズパーソンは、必要があると認めるときは、専門的機関に対し、専門的調査を依頼することができる。
4 人権オンブズパーソンは、調査の結果について、申立人等に速やかに通知するものとする。ただし、次条第6項の規定により通知する場合は、この限りでない。

(市の機関に対する勧告等)
第19条 人権オンブズパーソンは、調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 人権オンブズパーソンは、調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
3 第1項の規定による勧告又は前項の規定による意見表明を受けた市の機関は、当該勧告又は意見表明を尊重しなければならない。
4 人権オンブズパーソンは、第1項の規定により勧告したときは、市の機関に対し、是正等の措置について報告を求めるものとする。
5 前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日から60日以内に、人権オンブズパーソンに対し、是正等の措置について報告するものとする。
6 人権オンブズパーソンは、第1項の規定により勧告したとき、第2項の規定により意見表明をしたとき、又は前項の規定による報告があったときは、その旨を申立人等に速やかに通知しなければならない。
7 人権オンブズパーソンは、第2項の規定による意見表明の内容を公表する。第1項の規定による勧告又は第5項の規定による報告の内容で必要があると認めるものについても同様とする。

(市民オンブズマンとの共同の勧告等)
第20条 人権オンブズパーソンは、前条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による意見表明を行う場合において、必要があると認めるときは市民オンブズマンに対し、共同で行うよう求めることができる。

第5節 市の機関以外のものに対する調査等

(市の機関以外のものに対する調査等)
第21条 人権オンブズパーソンは、調査のため必要があると認めるときは、関係者(市の機関以外のものに限る。以下同じ。)に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査をすることについて協力を求めることができる。
2 第18条第3項の規定は、関係者に対する調査の場合に準用する。
3 人権オンブズパーソンは、調査の結果、必要があると認めるときは、人権侵害の是正のためのあっせんその他の調整(以下「調整」という。)を行うものとする。
4 人権オンブズパーソンは、調査又は調整の結果について、申立人等に速やかに通知するものとする。

(事業者に対する要請等)
第22条 人権オンブズパーソンは、調査又は調整の結果、事業活動において頻繁な又は重大な人権侵害が行われたにもかかわらず事業者が改善の取組を行っていないと認めるときは、当該事業者に対し、是正その他必要な措置を講ずるよう要請することができる。
2 人権オンブズパーソンは、前項の規定による要請を行ったにもかかわらず当該事業者が正当な理由がなく要請に応じない場合は、市長に対し、その旨を公表することを求めることができる。
3 市長は、前項の規定により公表を求められた場合は、その内容を公表することができる。この場合において、市長は、人権オンブズパーソンの意思を尊重しなければならない。
4 市長は、前項の規定により公表しようとする場合には、あらかじめ当該公表に係る事業者に意見を述べる機会を与えるものとする。

第6節 個人情報等の保護

(個人情報等の保護)
第23条 第19条第7項及び前条第3項の規定による公表を行う場合は、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。

第7節 人権に関する課題についての意見公表

(人権に関する課題についての意見公表)
第24条 人権オンブズパーソンは、その職務の遂行を通じて明らかになった人権に関する社会構造上の課題について、地域における解決に向けた取組に資するため、意見を公表することができる。

第5章 補則

(事務局)
第25条 人権オンブズパーソンに関する事務については、川崎市市民オンブズマン条例(平成2年川崎市条例第22号)第21条に規定する事務局において処理する。
2 人権オンブズパーソンの職務に関する事項を調査する専門調査員を置くものとする。

(運営状況の報告等)
第26条 人権オンブズパーソンは、毎年、この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表する。

(委任)
第27条 この条例に定めるもののほか、この条例の実施のため必要な事項は、市長が定める。

附則 (抄)
(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。ただし、第8条第2項中議会の同意を得ることに関する部分は、公布の日から施行する。
(平成14年3月29日規則第44号で平成14年4月1日から施行。ただし、第4章の規定は、平成14年5月1日から施行)

(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の3年前の日から施行日までの間にあった事実に係る申立てについても適用し、当該3年前の日前にあった事実に係る申立てについては、適用しない。

(検討)
3 市は、この条例の施行後適当な時期において、この条例の施行状況、人権に関する国の施策の動向及び社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、人権が尊重される地域社会づくりの観点から、この条例に規定する人権オンブズパーソンの管轄等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

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川崎市市民オンブズマン条例

平成2年7月11日条例第22号

目次
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 責務(第4条~第6条)
第3章 市民オンブズマンの組織等(第7条~第10条)
第4章 苦情の処理等(第11条~第20条)
第5章 補則(第21条~第23条)
附則

第1章 総則

(目的及び設置)
第1条 市民主権の理念に基づき、市民の市政に関する苦情を簡易迅速に処理し、市政を監視し非違の是正等の措置を講ずるよう勧告するとともに、制度の改善を求めるための意見を表明することにより、市民の権利利益の保護を図り、もって開かれた市政の一層の進展と市政に対する市民の信頼の確保に資することを目的として、本市に川崎市市民オンブズマン(以下「市民オンブズマン」という。)を置く。

(管轄)
第2条 市民オンブズマンの管轄は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為とする。ただし、次の各号に掲げる事項については、市民オンブズマンの管轄としない。
(1)判決,裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2)議会に関する事項
(3)川崎市個人情報保護条例(昭和60年川崎市条例第26号)第24条に規定する個人情報保護委員の職務に関する事項
(4)川崎市人権オンブズパーソン(以下「人権オンブズパーソン」という。)に救済を申し立てた事項
(5)職員の自己の勤務内容に関する事項
(6)市民オンブズマン又は人権オンブズパーソンの行為に関する事項

(市民オンブズマンの職務)
第3条 市民オンブズマンは,次の職務を行う。
(1)市民の市政に関する苦情を調査し、簡易迅速に処理すること。
(2)自己の発意に基づき、事案を取り上げ調査すること。
(3)市政を監視し非違の是正等の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告すること。
(4)制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(5)勧告,意見表明の内容を公表すること。

第2章 責務

(市民オンブズマンの責務)
第4条 市民オンブズマンは、市民の権利利益の擁護者として、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 市民オンブズマンは、その職務の遂行に当たっては、人権オンブズパーソンその他市の機関と有機的な連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 市民オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。

(市の機関の責務)
第5条 市の機関は、市民オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重しなければならない。
2 市の機関は、市民オンブズマンの職務の遂行に関し、積極的な協力援助に努めなければならない。

(市民の責務)
第6条  市民は、この条例の目的を達成するため、この制度の適正かつ円滑な運営に努めなければならない。

第3章 市民オンブスマンの組織等

(市民オンブズマンの組織等)
第7条 市民オンブズマンの定数は2人とし、そのうち1人を代表市民オンブズマンとする。
2 市民オンブズマンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 市民オンブズマンは、任期を3年とし、1期に限り再任されることができる。
4 市民オンブズマンは、別に定めるところにより、相当額の報酬を受ける。

(秘密を守る義務)
第8条 市民オンブズマンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また,同様とする。

(解嘱)
第9条 市長は、市民オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務違反その他市民オンブズマンたるにふさわしくない非行があると認める場合は、議会の同意を得て解嘱することができる。

(兼職等の禁止)
第10条 市民オンブズマンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
2 市民オンブズマンは、本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。

第4章 苦情の処理等

(苦情の申立て)
第11条 何人も,市民オンブズマンに対し、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為について苦情を申し立てることができる。

(苦情の申立手続)
第12条 苦情を申し立てようとする者は、市民オンブズマンに対し、次の各号に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申し立てることができる。
(1)苦情を申し立てようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2)苦情の申立ての趣旨及び理由並びに苦情の申立ての原因となった事実のあった年月日
(3)その他規則で定める事項
2 苦情の申立ては、代理人により行うことができる。

(苦情の調査等)
第13条 市民オンブズマンは、苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、当該苦情を調査しない。
(1)第2条ただし書の規定に該当するとき。
(2)苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)が苦情の申立ての原因となった事実について苦情申立人自身の利害を有しないとき。
(3)苦情の内容が、当該苦情に係る事実のあった日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(4)虚偽その他正当な理由がないと認められるとき。
(5)その他調査することが相当でないと認められるとき。
2 市民オンブズマンは、前項の規定により苦情を調査しない場合は、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(関係する市の機関への通知等)
第14条 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)を調査する場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止し、又は打ち切ることができる。
3 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査を中止し、又は打ち切ったときは、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(調査の方法)
第15条 市民オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿、書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査をすることについて協力を求めることができる。
3 市民オンブズマンは、必要があると認めるときは、専門的技術的事項について、専門的機関に対し、調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。

(苦情申立人への通知)
第16条 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査の結果について、苦情申立人に速やかに通知するものとする。ただし、第19条第3項の規定により通知する場合は、この限りでない。

(勧告及び意見表明)
第17条 市民オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 市民オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
3 市民オンブズマンは、第1項の規定による勧告又は前項の規定による意見表明を行う場合において、必要があると認めるときは、人権オンブズパーソンに対し、共同で行うよう求めることができる。

(勧告又は意見表明の尊重)
第18条 前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は、当該勧告又は意見表明を尊重しなければならない。

(報告等)
第19条 市民オンブズマンは、第17条第1項の規定により勧告したときは、市の機関に対し是正等の措置について報告を求めるものとする。
2 前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日から60日以内に、市民オンブズマンに対し是正等の措置について報告するものとする。
3 市民オンブズマンは、申立てに係る苦情について第17条の規定により勧告し、若しくは意見を表明したとき、又は前項の規定による報告があったときは、その旨を苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(公表)
第20条 市民オンブズマンは、第17条の規定による勧告若しくは意見表明又は前条第2項の規定による報告の内容を公表する。
2 市民オンブズマンは、前項の規定による勧告、意見表明及び報告の内容を公表するに当たっては、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。

第5章 補則

(事務局)
第21条 市民オンブズマンに関する事務を処理するため、事務局を置く。
2 市民オンブズマンの職務に関する事項を調査する専門調査員を置くものとする。

(運営状況の報告等)
第22条 市民オンブズマンは、毎年、この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表する。

(委任)
第23条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

附則

(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。
(平成2年10月16日規則第76号で平成2年11月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の1年前の日から施行日までの間にあった事実に係る苦情についても適用し、当該1年前の日前にあった事実に係る苦情については、適用しない。

附則 (平成13年6月29日条例第19号) 抄
(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。
(平成14年3月29日規則第44号で平成14年4月1日から施行。ただし、第17条に1項を加える改正規定は同年5月1日から施行)
附則 (平成14年10月8日条例第38号)
この条例は、平成14年11月1日から施行する。
附則 (平成16年12月22日条例第53号) 抄
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

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宍粟市自治基本条例

○宍粟市自治基本条例
平成23年3月11日条例第4号
宍粟市自治基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 まちづくりの担い手
第1節 市民の権利と責務(第6条・第7条)
第2節 市議会の権限と責任(第8条・第9条)
第3節 市の執行機関の権限と責任(第10条―第12条)
第3章 まちづくりの仕組み
第1節 情報共有の仕組み(第13条―第15条)
第2節 参画と協働の仕組み(第16条―第21条)
第3節 市民活動(第22条・第23条)
第4章 市政運営(第24条―第33条)
第5章 広域的な連携と交流(第34条・第35条)
第6章 条例の検証と見直し(第36条)
附則
宍粟市は兵庫県で2番目に広い面積を有し、県内最高峰の氷ノ山をはじめ宍粟50名山や、揖保川、千種川の清流といった豊かな自然に恵まれ、その美しい姿は私たちの心の安らぎとなっています。
古くは「播磨国風土記」に歴史はさかのぼり、以後、先人たちによって築き上げられてきた伝統と文化は守り伝えていかなければなりません。
一方、市を取りまく情勢の変化に伴い、これからのまちづくりには市民主体の考え方がより強く求められています。そこで大切なのは、私たち市民一人ひとりがまちづくりの主役であることを自覚し、市民同士が支え合い、助け合ってまちづくりを担うことです。
現在、そして未来にわたり、希望と笑顔に満ちあふれる宍粟市のまちづくりを進めていくにあたり、その最高規範としてここに「宍粟市自治基本条例」を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、まちづくりの主体である市民の権利と責務並びにその市民の信託に基づく市議会及び市の執行機関の権限と責任を明らかにすることにより、市民の参画と協働による市民自治の実現を通じて宍粟市のまちづくりを進めることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の用語はそれぞれに定めるところによる。
(1) 市 基礎自治体としての宍粟市をいう。
(2) 市民 次に掲げるものをいう。
ア 市内に居住する者
イ 市内で働く者
ウ 市内で学ぶ者
エ 市内において事業を営む者又は団体
オ 市内においてまちづくりに関する活動を行う者又は団体
(3) 市議会 市民の代表である議員により構成される市の意思決定機関をいう。
(4) 市の執行機関 市の行政事務を管理執行する機関として、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会をいう。
(5) まちづくり 市民、市議会及び市の執行機関が、宍粟市を住みよいまちにするために活動することをいう。
(6) 参画 市民がまちづくりに関する重要な決定に主体的に関わることをいう。
(7) 協働 市民が相互に協力してまちづくりに取り組むことをいう。
(条例の位置づけ)
第3条 この条例は、市の最高規範であり、市民、市議会及び市の執行機関は、この条例を誠実に遵守しなければならない。
2 市民、市議会及び市の執行機関は、他の条例、規則等の制定又は改廃及び計画の策定又は変更にあたっては、この条例との整合を図らなければならない。
(基本理念)
第4条 市民、市議会及び市の執行機関は、次の基本理念に基づいて、まちづくりを進めるものとする。
(1) 市民主権 市民の主権に基づいてまちづくりを進めること。
(2) 人権の尊重 市民一人ひとりの人権を尊重してまちづくりを進めること。
(3) 助け合いと支え合い 助け合い支え合う人と人、人と地域とのつながりを大切にしてまちづくりを進めること。
(4) 安全と安心 災害等に強くいつまでも快適に住み続けることができるように安全と安心を重視してまちづくりを進めること。
(5) 地域特性の尊重 地域の歴史や文化を尊重してまちづくりを進めること。
(6) 自然環境の保全と活用 豊かな自然を大切にするとともに、資源として活用してまちづくりを進めること。
(基本原則)
第5条 市民、市議会及び市の執行機関は、次の基本原則に基づいて、まちづくりを進めるものとする。
(1) 市民主体の原則 市民一人ひとりが考え行動することをまちづくりの基本とすること。
(2) 情報共有の原則 市民、市議会及び市の執行機関が、まちづくりに関する情報を共有すること。
(3) 市民参画の原則 市民が重要な決定に主体的に関わることにより、まちづくりに市民の意思を反映すること。
(4) 市民協働の原則 市民が相互に協力してまちづくりに取り組み、市議会及び市の執行機関はそれぞれの権限を行使し、市民の意思を実現する責任を負うこと。
第2章 まちづくりの担い手
第1節 市民の権利と責務
(市民の権利)
第6条 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりに関する情報を知り、参画し協働する権利を有する。
2 市民は、参画し協働しないことにより不利益を受けるものではない。
3 市民は、公共サービスを等しく受ける権利を有する。
(市民の責務)
第7条 市民は、まちづくりに関心を持ち、積極的に参画し協働するよう努めるものとする。
2 市民は、相互に尊重し合い、自らの発言と行動に責任を持つものとする。
3 市民は、公共サービスを受けるにあたり、応分の負担に応じるものとする。
第2節 市議会の権限と責任
(市議会の権限)
第8条 市議会は、市民の信託を受けた市の意思決定機関として、市政の重要事項について議決する権限及び市政運営を監視し、けん制する権限を有する。
(市議会の責任)
第9条 市議会は、市民の代表として、市民の意思の把握に努め、政策の提言に努めなければならない。
2 市議会は、議会活動に関する情報を市民にわかりやすく提供し、市民に開かれた議会運営に努めなければならない。
3 市議会の運営に関し必要な事項は、別に定める。
第3節 市の執行機関の権限と責任
(市長の権限)
第10条 市長は、市民の信託を受けた市の代表として、市政運営を統轄する。
2 市長は、市の事務を管理し、これを執行する。
3 市長は、その補助機関である職員を任免し、指揮監督する。
(市長の責任)
第11条 市長は、市民の信託に応え、市の代表としてこの条例を誠実に遵守し、公正な市政運営を行わなければならない。
2 市長は、リーダーシップを発揮した効率的で効果的な組織運営を行わなければならない。
(市の職員の責任)
第12条 市の職員は、全体の奉仕者であることを自覚し、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市の職員は、効率的な職務の遂行に必要な知識と技能の向上のため自己研さんに努めなければならない。
第3章 まちづくりの仕組み
第1節 情報共有の仕組み
(市政情報の管理)
第13条 市議会及び市の執行機関は、まちづくりに関する情報を正確かつ適正に収集し、整理保存しなければならない。
2 市議会及び市の執行機関は、市民の知る権利を保障するため、まちづくりに関する情報を適切な方法で、積極的に、わかりやすく市民に提供及び公開しなければならない。
3 市民は、市議会及び市の執行機関に対して、公文書(市議会及び市の執行機関が保有する文書をいう。)の開示を請求することができる。
4 公文書の開示に関し必要な事項は、別に定める。
(個人情報の保護)
第14条 市議会及び市の執行機関は、市民の権利及び利益が侵害されることのないよう、保有する個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。
2 個人情報の保護に関し必要な事項は、別に定める。
(市民間の情報の共有)
第15条 市民は、個人情報の保護に配慮し、相互の信頼関係に基づいた情報の交換を行い、まちづくりに関する情報の共有に努めるものとする。
第2節 参画と協働の仕組み
(市民参画の推進)
第16条 市議会及び市の執行機関は、市民の参画を推進するため、政策等の立案、実施、評価及び改善の過程において、多様な制度と機会を設けなければならない。
(計画策定への参画)
第17条 市の執行機関は、総合計画をはじめ重要な計画の策定にあたっては、市民の意思を反映するため、市民が参画する機会を保障しなければならない。
(パブリックコメント)
第18条 市の執行機関は、重要な政策及び計画の策定にあたっては、事前にその案を公表し、市民の意見を求めるとともに、提出された意見に対する市の執行機関の考え方を公表しなければならない。
2 パブリックコメントに関し必要な事項は、別に定める。
(附属機関等)
第19条 市の執行機関は、条例等に基づいて設けられる審議会、審査会及び委員会等(以下「附属機関等」という。)の委員を選任するときは、その全部又は一部を公募によらなければならない。ただし、何らかの理由により公募を行わないときは、公募しない理由を明らかにしなければならない。
2 市の執行機関は、附属機関等の委員を選任するにあたり、性別及び地域別の割合、他の附属機関等との重複等を考慮しなければならない。
3 附属機関等の会議は、公開を原則とする。
4 附属機関等の運営に関し必要な事項は、別に定める。
(住民投票)
第20条 市内に住所を有する市民は、まちづくりに関する重要事項について、市長に対して住民投票の実施を請求することができる。
2 市長は、まちづくりに関する重要事項について、広く市民の意思を直接問う必要があると認めるときは、住民投票を実施することができる。
3 市民、市議会及び市の執行機関は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
4 住民投票に関し必要な事項は、別に定める。
(まちづくりを推進する団体)
第21条 市民、市議会及び市の執行機関は、地域の特性を活かした自律的なまちづくりを進めるため、一定の地域ごとにまちづくりを推進する団体を創出する。
2 市民、市議会及び市の執行機関は、まちづくりを推進する団体の活動の促進に努めるものとする。
3 まちづくりを推進する団体に関し必要な事項は、別に定める。
第3節 市民活動
(市民公益活動)
第22条 市民は、まちづくりに貢献するために市民が自主的に行う活動(以下「市民公益活動」という。)の意義を理解し、協力又は支援に努めるものとする。
2 市議会及び市の執行機関は、市民の自主性を尊重した上で、市民公益活動を促進するために必要な支援を行わなければならない。
(地域活動)
第23条 市民、市議会及び市の執行機関は、地域の歴史や文化、人と人とのつながり及び助け合いの精神に支えられた地域活動を尊重しなければならない。
2 市民は、地域の一員として、地域活動に参加するよう努めるものとする。
3 市議会及び市の執行機関は、地域の実情に配慮した上で、地域活動を促進するために必要な支援を行わなければならない。
第4章 市政運営
(総合計画)
第24条 市民、市議会及び市の執行機関は、総合的かつ計画的にまちづくりを進めるため、市の目指すべき将来像を定める基本構想及びこれを実現する政策を定める基本計画(以下「総合計画」という。)を策定する。
2 総合計画は、市における最上位の計画であり、市の執行機関が行う政策は、緊急を要するもののほかは、この計画に基づかなければならない。また、市の執行機関が各分野の基本となる計画を策定するときは、総合計画との関係を明らかにしなければならない。
3 総合計画は、市民参画のもと、その案が作成され、議会の議決を経て策定されなければならない。
4 市の執行機関は、総合計画に基づく事業の進行を管理するとともに、事業の進捗状況を市民及び市議会に公表しなければならない。
5 総合計画の策定、変更及び事業の進行管理に関し必要な事項は、別に定める。
(行政評価)
第25条 市の執行機関は、市民参画のもと、政策の成果について評価を行い、その結果を政策の改善に反映させるとともに、市民及び市議会に公表しなければならない。
(財政運営)
第26条 市の執行機関は、最少の経費で最大の効果を挙げるよう努め、健全で持続可能な財政運営を行わなければならない。
2 市の執行機関は、総合計画及び行政評価の結果に基づいて予算の編成及び執行を行わなければならない。
3 市の執行機関は、予算、決算、その他市の財政状況に関する情報を、市民及び市議会に公表しなければならない。
(監査)
第27条 市民は、監査委員に対し、監査を求め、必要な措置を講ずべきことを請求する権利を有する。
2 監査委員は、市の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理の監査又は市の事務の執行の監査をするにあたり、適法性や妥当性に加えて、効率性の観点から行わなければならない。
3 監査委員は、監査の実施後、市民、市議会及び市の執行機関に対して、その結果を速やかに報告及び公表しなければならない。
(説明責任)
第28条 市議会及び市の執行機関は、公正で開かれた市政の推進のため、政策の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果及び手続きを市民に説明しなければならない。
(政策法務)
第29条 市議会及び市の執行機関は、法令等の自主的かつ適切な解釈及び運用のもと、関係法令等との整合を図りながら、まちづくりに関する条例、規則等の制定及び改廃に努めなければならない。
2 市議会及び市の執行機関は、まちづくりに関する条例の制定及び改廃について、市民が参画する機会を保障しなければならない。
(市民提案)
第30条 市の執行機関は、市政に関する市民の提案に対して迅速かつ誠実に対応し、提案者にその結果を速やかに回答しなければならない。
2 市の執行機関は、市民提案及びそれに対する回答を公表しなければならない。
(行政手続)
第31条 市の執行機関は、市民の権利及び利益の保護を図るため、市の執行機関への申請に対する処分、行政指導及び届出に関する基準及び手続きを明らかにし、透明で公正な行政手続の確保を図らなければならない。
2 行政手続に関し必要な事項は、別に定める。
(コンプライアンスの確保)
第32条 市議会及び市の執行機関は、コンプライアンス(法令を誠実に遵守し、かつ、倫理を保持することをいう。)を確保し、適法かつ公正な市政運営を行わなければならない。
2 市の執行機関は、公益通報(市政の適法かつ公正な運営を確保するために、市政運営上の違法行為について市の職員から行われる通報及び相談をいう。)を受け入れる体制を整備し、通報者が通報により不利益を受けないよう通報者を保護するとともに、適切な措置を講じなければならない。
3 市の執行機関は、市の事業に対するあらゆる不当要求行為等に対し、組織的な取組みを行うことにより、市民と市の職員の安全及び公務の円滑かつ適正な執行を確保しなければならない。
4 コンプライアンスの確保に関し必要な事項は、別に定める。
(危機管理)
第33条 市民、市議会及び市の執行機関は、市民の生命、財産、暮らしの安全を守るため、過去の災害等の教訓を活かし、自助、共助、公助に基づき、災害等に強いまちづくりに取り組むものとする。
2 市民は、日頃から防災及び減災の意識を持つように努めるとともに、災害等の発生時に相互に協力して対処するため自主防災組織の結成と強化に努めるものとする。
3 市議会及び市の執行機関は、市民による自主防災組織の結成と強化を支援しなければならない。
4 市議会及び市の執行機関は、災害等の発生時に迅速かつ適切な対応ができるよう、地域防災計画に基づく危機管理体制の確立を図らなければならない。
5 市の執行機関は、災害等の発生時に、市民、関係機関、国、他の自治体との連携及び協力により、速やかに状況を把握し、対策を講じなければならない。
第5章 広域的な連携と交流
(人と人との交流)
第34条 市民、市議会及び市の執行機関は、様々な活動や交流を通じて、市外の人々や他の国々の人々の経験及び知恵をまちづくりに活かすよう努めるものとする。
(他の自治体及び国との連携)
第35条 市民、市議会及び市の執行機関は、市の課題又は市を含む広域的課題を解決するため、他の自治体及び国と相互に連携又は協力するよう努めるものとする。
第6章 条例の検証と見直し
(条例の検証及び見直し)
第36条 市民、市議会及び市の執行機関は、5年を超えない期間ごとにこの条例を検証し、必要な見直しを行うものとする。検証及び見直しは、市民参画のもとで行い、市議会及び市の執行機関は、その結果を尊重し、適切な措置を講じなければならない。
2 この条例の検証及び見直しに関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。ただし、第20条の規定については、別に条例で定める日から施行する。(平成30年9月条例第32号で、同30年10月1日から施行)
附 則(平成28年3月14日条例第19号)
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(宍粟市まちづくり協議会条例の廃止)
2 宍粟市まちづくり協議会条例(平成22年宍粟市条例第2号)は、廃止する。

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朝来市自治基本条例

○朝来市自治基本条例

平成21年3月30日条例第2号

目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの主体
第1節 市民(第4条・第5条)
第2節 市議会(第6条・第7条)
第3節 行政機関(第8条・第9条)
第3章 参画と協働(第10条―第13条)
第4章 市民自治(第14条―第17条)
第5章 市政運営(第18条―第28条)
第6章 国、兵庫県及び他の地方公共団体との関係(第29条・第30条)
第7章 この条例の位置付け(第31条・第32条)
附則

私たちのまち朝来市は、市川と円山川の源を発する美しい山々に抱かれた田園など豊かな自然に恵まれるとともに、丹波や播磨の地と交わる但馬の要衝の地にあります。
また、浪漫を伝える多くの古墳や、古寺・古社、城跡とまつりなどの歴史文化遺産とともに、銀山をはじめとする時代の産業遺産を有しています。
私たちは、先人のたゆまぬ努力と営みによって大切に守り育てられてきたこれら地域の財産を未来に継承するとともに、いつまでも住み続けたい、住み続けられるまちをつくっていくことを願っています。
私たちは、朝来市民憲章を踏まえながら、一人一人がまちづくりの担い手として、基本的人権を尊重して、考え行動し、ともに助け合いながら市民自治のまちづくりを実現するため、朝来市の最高規範として、ここに朝来市自治基本条例を制定します。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民自らが考えて行動し、ともに助け合いながらまちをつくるという理念のもと、まちづくりにおける基本的な事項を定め、市民、市議会及び市長等のそれぞれの役割及び責務等を明らかにし、市民自治によるまちづくりを実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民 市内に住所を有する者、市内で働く者及び学ぶ者並びに市内において事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいう。
(2) 市 基礎自治体としての朝来市をいう。
(3) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) まちづくり 快適な生活環境の確保、地域社会における安全及び安心の推進など、住みよいまちを実現するための公共的な活動の総体をいう。
(5) 市政 まちづくりのうち市議会及び市長等が担うものをいう。
(まちづくりの基本原則)
第3条 まちづくりは、次の各号に掲げる事項を原則として推進されなければならない。
(1) 参画と協働の原則 まちづくりの主体である市民の意思を反映させるとともに、市民、市議会及び市長等が相互理解のもとに協働で推進すること。
(2) 情報の共有の原則 市民、市議会及び市長等がそれぞれ保有するまちづくりに関する情報を共有しながら推進すること。
(3) 自律と共助の原則 自らできることは自ら行い、一人一人の多様性を認め合い、助け合いながら持続的に推進すること。
第2章 まちづくりの主体
第1節 市民
(市民の権利及び責務)
第4条 市民は、まちづくりに関する情報を知り、まちづくりに参画する権利を有する。
2 市民は、互いの自由な発言や行動を認め合いながら、市政に関する認識を深めてまちづくりに寄与するよう努めるものとする。
(事業者の社会的責任)
第5条 市内において事業活動その他の活動を行う者若しくは団体は、事業活動を行うに当たり、地域社会を構成する一員としての社会的な役割を自覚し、地域社会との調和を図るよう努めるものとする。
第2節 市議会
(市議会の役割及び責務)
第6条 市議会は、市民を代表する公選の議員をもって構成される市の意思決定機関であり、適正に市政運営が行われているかを監視する機関としての役割を果たすとともに、機能の充実強化に努めるものとする。
(議員の責務)
第7条 議員は、市民の信託に応え、自己の研さんに努めるとともに、誠実に職務を遂行しなければならない。
第3節 行政機関
(市長等の権限及び責務)
第8条 市長は、市民の信託を受けた執行機関として市を統轄し、市を代表する。
2 市長は、この条例に基づき、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
3 市長以外の執行機関は、自らの判断と責任においてその所管する職務を公正かつ誠実に執行するとともに、市長及び他の執行機関と協力して市政運営に当たらなければならない。
(職員の責務)
第9条 職員は、市民全体のために働く者として、公正かつ誠実に職務を遂行し、職務に必要な専門的知識の習得及び能力向上に努めなければならない。
2 職員は、自らも地域社会の一員であることを認識し、積極的に市民と連携して、まちづくりに取り組まなければならない。
第3章 参画と協働
(参画と協働の推進)
第10条 市民、市議会及び市長等は、参画と協働を推進するため、対等の関係で目的及び情報を共有し、それぞれの特性を理解して連携し、及び協力し、相乗効果を発揮できるよう努めなければならない。
2 市議会及び市長等は、市民の参画と協働を推進するため、政策等の立案、実施、評価及び改善過程において、多様な手段による参画の機会を設けるよう努めなければならない。
3 市議会及び市長等は、参画と協働の推進に当たって、市民の自主性を尊重するよう努めなければならない。
(意見公募制度)
第11条 市長等は、市民生活に大きな影響を及ぼす計画の策定若しくは変更、条例の制定若しくは改廃又は施策の実施に当たっては、市民に情報を提供し、意見又は提案を求めるための必要な措置を講じなければならない。
(審議会等の運営)
第12条 市長等は、審議会等の委員の選任に当たっては、広く市民の参画に配慮した委員構成にするとともに、原則として委員の全部又は一部を市民から公募しなければならない。
2 市長等は、審議会等の会議及び会議録を原則として公開しなければならない。
(住民投票)
第13条 市長は、市政に関する重要な事項について、市民の意思を確認するため、当該事項ごとに、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる。
2 市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。
第4章 市民自治
(コミュニティの形成)
第14条 市民、市議会及び市長等は、基礎的なコミュニティの役割を認識し、守り、育てるよう努めるものとする。
(地域自治協議会の設立)
第15条 一定のまとまりのある地域内の市民は、その地域内において、多様な主体で構成された一つの自治組織(以下「地域自治協議会」という。)を設立することができる。
2 前項の地域自治協議会は、次の各号の要件を満たさなければならない。
(1) 地域の総意が反映され、民主的で透明性を持ち、地域内の誰もが希望に応じて運営に参加できること。
(2) 地域の課題を共有し、その解決に向けて地域自治協議会が取り組む地域のまちづくり目標、活動方針等を定めた地域まちづくり計画を策定すること。
(まちづくり活動への支援)
第16条 市民は、安心して暮らせる住みよい地域を実現するため、互いに助け合い、地域の課題を共有し、その解決に向けて自ら行動するよう努めるものとする。
2 市長等は、前項の自発的な活動を促進するために、前条に規定する地域自治協議会及びその他のまちづくり活動を行う団体等に対して必要な支援を行うことができる。
(生涯学習の推進)
第17条 市民は、自らが生涯を通じてさまざまな学習を重ね、豊かな人間性を育むよう努めるものとする。
2 市長等は、市民のまちづくりに関する学習の機会を確保し、まちづくり活動への参加が促進されるよう努めなければならない。
第5章 市政運営
(総合計画)
第18条 市は、総合的かつ計画的な市政運営を図るため、市の政策を定める最上位の計画として、総合計画を策定するものとする。
2 総合計画は、目指すべき将来像を定める基本構想、基本構想を実現するために必要な施策を体系的に示す基本計画及び基本計画で定めた施策を推進するための具体的な事業計画を定める実施計画により構成するものとする。
3 総合計画の策定に当たっては、広く市民の参画を得るものとする。
4 市長は、地域自治協議会が策定した地域まちづくり計画について、総合計画に反映するよう努めるものとする。
5 市長は、総合計画の内容を実現するため、適切な進行管理を行わなければならない。
6 総合計画は、常に社会の変化に対応できるよう検討を加え、必要に応じて見直しを図らなければならない。
(財政運営)
第19条 市長は、公表した財政計画に基づき、計画的かつ健全な財政運営に努めなければならない。
2 市長は、毎年度の予算及び決算その他市の財政状況に関する情報を、別に条例で定めるところにより、市民に分かりやすく公表しなければならない。
(情報公開)
第20条 市議会及び市長等は、市民の知る権利を保障し、市民に説明する責任を果たすため、別に条例で定めるところにより、その保有する公文書を適正に開示しなければならない。
(情報提供)
第21条 市議会及び市長等は、市民との情報の共有を図るため、市政に関する情報を積極的に市民に提供するよう努めなければならない。
(説明責任)
第22条 市議会及び市長等は、政策等の立案、実施、評価及び改善過程において、その経過、内容、効果等について市民に分かりやすく説明する責任を果たさなければならない。
(行政評価)
第23条 市長等は、効果的で効率的な市政運営を図るため、行政評価を行い、その結果を施策の改善及び見直しに反映させるとともに、分かりやすく市民に公表しなければならない。
(行政手続)
第24条 市長等は、市民の権利及び利益を保護するため、別に条例で定めるところにより、処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、公正の確保と透明性の向上を図らなければならない。
(個人情報の保護)
第25条 市議会及び市長等は、市民の権利及び利益が侵害されることのないよう、個人情報の収集、利用、提供及び管理等について必要な措置を講じなければならない。
(法令遵守及び公益通報)
第26条 市議会及び市長等は、常に法令を遵守し、市政を公正に運営しなければならない。
2 市長等は、市政運営上の違法行為又は公益の損失を防止するため、公益通報について必要な措置を講じなければならない。
(行政組織)
第27条 市長は、社会情勢に柔軟に対応できるよう、機能的かつ効率的な組織の編成に努めなければならない。
(危機管理)
第28条 市長等は、災害等の事態に備える総合的かつ機動的な危機管理体制の確立に努めなければならない。
2 市長等は、災害等の発生時には、市民及び関係機関との連携及び協力により、速やかに状況を把握し、必要な対策を講じなければならない。
第6章 国、兵庫県及び他の地方公共団体との関係
(国及び兵庫県との関係)
第29条 市は、市民に最も身近な地方政府として、国、兵庫県との対等の立場を踏まえ、地方自治の発展のため、それぞれ適切な役割分担に努めるものとする。
(他の地方公共団体等との連携)
第30条 市は、共通する課題の解決及び効果的で効率的な市政運営のための事務処理、大規模災害時の相互応援等を行うため、他の地方公共団体等と連携し、及び協力するものとする。
第7章 この条例の位置付け
(最高規範性)
第31条 この条例は、市の最高規範であり、市は、他の条例及び規則等並びに各種計画等を、この条例の内容に則し、整合を図らなければならない。
(条例の見直し)
第32条 市は、この条例が市にふさわしく、社会情勢に適合しているかどうかを適切な時期に検証し、その結果に基づき必要な見直しを行うものとする。

附 則
この条例は、平成21年4月1日から施行する。

附 則(平成23年条例第23号)
この条例は、公布の日から施行する。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2013/05/14(火) 04:39

丹波市自治基本条例

○丹波市自治基本条例

平成23年12月22日

条例第52号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本理念及び基本原則(第3条・第4条)

第3章 市民の権利と責務(第5条―第7条)

第4章 情報の共有(第8条・第9条)

第5章 住民自治

第1節 住民自治(第10条―第13条)

第2節 コミュニティ(第14条)

第6章 参画と協働のまちづくり

第1節 参画と協働(第15条―第19条)

第2節 市民公益活動(第20条)

第3節 生涯学習(第21条)

第7章 住民投票(第22条)

第8章 市議会並びに市長及び市の職員の役割と責務

第1節 市議会(第23条・第24条)

第2節 市長及び市の職員(第25条・第26条)

第9章 市政運営

第1節 市政運営の基本方針(第27条―第31条)

第2節 行政運営(第32条―第41条)

第10章 連携(第42条)

第11章 条例の位置付け及び見直し(第43条・第44条)

附則

丹波市は、2004年(平成16年)11月に旧氷上郡の6町が合併して誕生しました。日本海にも瀬戸内海にもつながる分水界があり、豊かな山々が織りなす美しい景観や風土、独自の歴史を持つ地域です。近年発見された「丹波竜」化石は太古へのロマンをかきたて、新たなまちづくりのシンボルとなっています。

私たち丹波市民は、旧6町の特性を活かしつつ、心を合わせて、新市の基礎を築いていかなければなりません。それは、地方分権や地域主権の理念が具体化された市民主体のまちであり、市民一人ひとりの人権が尊重され多様性を認めて助け合うまちであり、そんな市民の信託に市議会や行政がしっかりと応えるまちです。私たちには、先人が築いてきた地域の環境や文化を守り、次世代に引き継いでいく責任があります。少子高齢化や産業構造の変化といった社会情勢に対応し、持続可能な丹波市を育むには、市民と市議会、行政との間で情報を共有し、対話を重ねて協働でまちづくりに取り組む必要があります。

私たちはここに、市政の基本理念や基本原則を定め、活力あるふるさとづくりを目指して市民、市議会、行政それぞれが役割を発揮できる仕組みをつくるため、最高規範として丹波市自治基本条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、丹波市における自治の基本理念及び基本原則を示し市民の権利と責務並びに市議会及び市長等の役割と責務を明らかにし、市政運営の基本的な事項を定めることによって、市民自治を推進し、豊かな地域社会を創造することを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。

(1) 市民 市内に住所を有する人、働く人又は学ぶ人及び市内で事業活動を行う個人又は団体をいいます。

(2) 市民団体 市民を主な構成員として自発的に形成され、公共的な課題に取り組む民間団体をいいます。

(3) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び消防長並びにその補助機関をいいます。

(4) 市 市議会及び市長等をいいます。

(5) 参画 市の政策の立案、実施、評価及び見直しの一連の流れ全体に、市民及び市民団体が役割と責任を自覚して、自主的かつ主体的に関わることをいいます。

(6) 協働 自治の推進のために市民及び市民団体と市がそれぞれの果たすべき役割と責務を認識し、対等な立場で、協力・連携することをいいます。

(7) まちづくり 住みよい豊かな地域社会をつくるための取組み及び活動をいいます。

第2章 基本理念及び基本原則

(自治の基本理念)

第3条 市民及び市は、次に掲げる基本理念によって自治の確立を目指すものとします。

(1) 市民一人ひとりの基本的人権が守られ、助け合いながら、安全・安心に暮らすことができることを目指した市政を行います。

(2) 先人が築いてきた地域の歴史、文化及び自然環境を大切にし、地域の特性を伸ばしながら、次世代に引き継いでいきます。

(3) 市は、適切な行財政運営及び議会活動を行うことで自治体としての自律性を確保し、国及び県と対等な立場で連携していきます。

(自治の基本原則)

第4条 市民及び市は、次に掲げる事項を基本原則として、自治を推進するものとします。

(1) 市民主体の原則 市民は自治の主体であり、主権者として市政に参画するとともに、市がその信託に適切に応えているか注視すること。

(2) 情報の公開及び共有の原則 市政の情報が市民に公開され、地域課題に関する情報を市民と市において共有すること。

(3) 補完性の原則 課題の解決にあたっては、より身近なところでの取組みを基本に、できないところを近隣、地域、市、県、国と順次補完していくこと。特に、市は、地域の決定を尊重し、支援していくこと。

(4) 協働の原則 公共的課題の解決にあたっては、市民及び市民団体並びに市それぞれが協働して取り組むこと。

(5) 多様性尊重の原則 市民の多様性を尊重し、男女共同参画、多文化共生、ユニバーサル社会等の理念を踏まえながら、参画や協働の場及び機会を保障すること。

第3章 市民の権利と責務

(市民の権利)

第5条 市民は、年齢、性別、国籍、障がいのあるなし等にかかわらず一人ひとりが人間として尊重され、また、自治体における主権者として平等に市の施策や地域の自治活動、まちづくりに参加・参画する権利を持っています。

2 市民は、法に定めるところにより市長及び市議会議員を選挙する権利、選挙に立候補する権利、また条例の制定及び改廃、市長の解職、市議会の解散等の直接請求を行う権利を持っており、これを行使することが保障されています。

3 市民は、市政に関する情報を知り、これを得る権利を持っています。

4 市民は、自ら主体性を保ち豊かな生活と地域社会へ寄与するため、生涯にわたり学ぶ権利を持っています。

5 市民は、市民としての権利を行使するにあたって不当に差別的な取扱いを受けることがあってはなりません。

(市民の責務)

第6条 市民は、自治の担い手として市政運営に関心を持ち、また地域自治活動やまちづくりの担い手となることを通して市民自治の確立に努めなければなりません。

2 市民は、市政やまちづくりへの参画その他の権利の行使にあたっては、広い視野を持ち、自らの発言や行動に責任を持たなければなりません。

3 市民は、市政運営に伴う費用を応分に負担しなければなりません。

(事業者の役割と責務)

第7条 事業者は、地域社会を構成する一員としての社会的な責務を自覚し、地域社会との調和を図り、住みよい魅力あるまちづくりの推進に寄与するよう努めるものとします。

2 事業者は、市民や市と連携、協働して地域課題の解決、災害時の相互支援等に取り組むものとします。

第4章 情報の共有

(情報の共有)

第8条 市は、公正で透明性の高い市政運営及び市民の参画を推進するため、別に条例で定めるところにより市政全般に関わる情報をすみやかに市民と共有しなければなりません。このため、市は、市政に関する情報を積極的に市民に公開し、提供するものとします。

2 市は、市民への情報の公開及び提供にあたっては、広報紙、ホームページその他多様な方法を活用し、可能な限り市民各層に届くよう努めるものとします。

3 市民は、法令により制限される場合を除いて、市に対しその持っている情報の提供を求め、取得する権利を持っています。

(個人情報の保護)

第9条 市は、市民の権利及び利益が侵害されることのないよう別に条例で定めるところにより個人情報の収集、利用、提供、管理等について厳正に取り扱わなければなりません。

2 市は、保管する個人情報について、市民が自己に関する情報の開示、訂正等を求める権利に対して必要な措置を講じなければなりません。

3 市長は、災害対応及び福祉に関わる公益目的の諸活動を行う場合には、個人情報を一定の認証手続を経た団体等に提供することができます。

第5章 住民自治

第1節 住民自治

(住民自治のあり方・定義)

第10条 住民自治とは、共同体意識を持てる一定の地域において、市民が地域課題を解決し、よりよいまちをつくろうとする自主的かつ主体的な活動をいいます。

2 住民自治の主体は、自治会をはじめ、ボランティア・市民団体、NPO、地域の良好な生活環境づくりに貢献する事業者及びそれらで構成される住民自治組織であり、まちづくりに積極的に参加する個人も含まれるものとし、以下これらを「多様な主体」といいます。

(住民自治の原則)

第11条 住民自治活動は、多様な主体が参画し、それぞれの特性を理解し、及び協働して豊かな地域社会実現に取り組むよう努めるものとします。

2 市民は、住民自治活動の重要性を認識し、尊重し、及び参加するよう努めるものとします。

3 市長は、自主的な住民自治活動の役割を認識し、公共の担い手として尊重するとともに、その活動に対して技術的支援、財政的支援その他必要な措置を講じなければなりません。

(住民自治組織)

第12条 市民は、地域が目指す将来像を自ら描き、その実現に向け主体的に取り組むために、概ね小学校区を単位とする地域内において、多様な主体で構成される住民自治組織(以下「自治協議会」といいます。)を設置することができます。

2 一つの地域では一つの自治協議会のみを設置することができます。

3 自治協議会は、当該地域のすべての住民及び自治会その他の団体を構成員とします。

4 自治協議会は、透明で民主的な運営を行わなければなりません。また、そのための規約及び組織を構成しなければなりません。

5 自治協議会は、自らが取り組む活動方針、内容等を定めた地域づくり計画の策定に努めるものとします。

6 自治協議会は、自らの活動に責任を持って主体的に住民自治を推進し、豊かな地域社会の実現に取り組むものとします。

7 市民は、地域社会の一員として自主的かつ主体的に自治協議会に参加し、相互の交流を深めながら地域課題の解決に向けて協働するよう努めるものとします。

8 自治協議会に関する必要な事項は、別に条例で定めます。

(行政の支援)

第13条 市長は、自治協議会の役割を認識するとともに丹波市を構成する一員として尊重し、その活動に対して地域特性を勘案した支援等必要な措置を講じるものとします。

第2節 コミュニティ

(コミュニティのあり方)

第14条 自治会は、暮らしやすい地域社会を築くため身近な範囲で市民により自主的につくられた基礎的自治組織(以下「コミュニティ」といいます。)として、市民生活に必要な諸活動に自発的に取り組むものとします。

2 コミュニティは、多くの地域住民を構成員とする地域の総合的な自治組織としての役割と責任を自覚し、自治協議会の主たる担い手として参画するよう努めるものとします。

3 市民は、地域に生活するものとしてコミュニティが行う自治の活動に積極的に参加し、交流しながら相互に助け合うとともに、地域の課題を共有し、解決に向けて取り組むよう努めるものとします。

4 コミュニティは、住民の合意により透明かつ民主的に運営されなければなりません。

5 市は、コミュニティの果たす役割を認識するとともにその自主性・自律性を尊重し、活動支援、コミュニティ相互の連携促進等必要な措置を講じるものとします。

第6章 参画と協働のまちづくり

第1節 参画と協働

(参加、参画の権利)

第15条 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりに参画する権利を持っており、互いの意見を尊重しながら責任ある行動により、まちづくりの推進に努めます。

2 市民は、まちづくりへの参加・不参加を理由として不利益を被ることはありません。

3 まちづくりは、年齢、性別、国籍、障がいのあるなし等の違いを超えてお互いに理解し、尊重し合いながら共に生きていくという考え方に基づいて行わなければなりません。

4 市民は、まちづくりにあたっては、公共の福祉、地域の発展及び環境の保全に配慮しなければなりません。

5 市は、参画と協働を推進するにあたっては、市民の自主性を尊重しなければなりません。

(参加、参画の制度)

第16条 市は、政策の立案、実施、評価及び見直しの各段階において、継続的かつ多様な手段で、市民の参画がなされるように配慮しなければなりません。

2 市は、前項を実現するために、あらゆる市民に等しく参画の機会を保障し、多様な意見を反映することに努めるとともに、高齢者、障がいのある人、女性等の参画に困難をかかえる人々の参画を阻害する要素を取り除く支援策を講じなければなりません。

3 市は、子どもや若者がまちづくりについて意見を表明できる機会を設けるよう努めるものとします。

4 市は、市民の参画の機会を拡げるため、多様な手法をとるよう努めるものとします。

(計画等への参画)

第17条 市長等は、総合計画をはじめとする市政に関する重要な計画及び条例等(以下「計画等」といいます。)の制定にあたり、意見を表明するなど市民が参画する機会を設けなければなりません。ただし、緊急を要する場合はこの限りでありません。

2 市長等は、前項の規定により政策の立案、実施及び評価の各段階において、継続的かつ多様な手段で市民の参画がなされるよう適切な措置を講じるものとします。

3 市長等は、計画等を市民にはかるときは、適切な時期に、わかりやすく情報を提供し、パブリックコメント、アンケート調査、説明会や公聴会の開催等多様な方法を提供するとともに、市民同士で意見交換ができる場の提供等の支援を行わなければなりません。

(審議機関への参画)

第18条 市長等は、条例で定める附属機関及び各種委員会、懇話会等(以下「審議機関」といいます。)の委員を選任するときは、市民の参画と多様性に配慮し、及び設置目的に応じた構成とし、原則としてその全部又は一部を公募による市民としなければなりません。

2 市長等は、審議機関の委員の選任手続について透明性を確保するよう努めなければなりません。

3 市長等は、法令又は条例等に特別の定めがあるものを除き、審議機関の会議、会議録及び会議資料を原則として公開しなければなりません。

4 市長等は、審議機関の会議を開催しようとするときは、会議名、開催日時、会場、議題、傍聴の方法その他必要な事項を事前に公表しなければなりません。

(まちづくりへの支援)

第19条 市長は、まちづくりを行う団体に対して、必要な支援を行うよう努めるものとします。

2 市長は、市民が自治の担い手であることを認識し、身近な地域課題の解決に向けた市民の提案を市政に反映するための仕組みを整えるものとします。

第2節 市民公益活動

(市民公益活動)

第20条 市民は、自発的かつ自主的な意志に基づき、広く市民生活の向上を目的とする非営利で公益的な活動(以下「市民公益活動」といいます。)を立ち上げ、又は参加することにより新しい公共の担い手として活動することができます。

2 市民公益活動は、多様な主体と積極的に協働し社会的課題の解決に向け行動するよう努めるものとします。

3 市は、市民公益活動の役割と主体性を尊重するとともに、研修の実施並びに情報及び活動拠点の提供その他活動を促進するために適切な措置を講じなければなりません。

4 市民公益活動の促進に関する必要な事項は、別に条例で定めます。

第3節 生涯学習

(生涯学習)

第21条 市民は、豊かな人間性を育み、生活の充実や技能の向上などを図るとともに、市政やまちづくりに参画するための知識や考え方を学ぶため、生涯を通じてさまざまな学習を行う権利を持っています。

2 市長等は、市民の学習の機会を確保するとともに自主的な学習活動を支援するよう努めなければなりません。

3 市長等は、市民の学習権を保障するため、市民の参画のもとに生涯学習に関する計画を策定しなければなりません。

第7章 住民投票

(住民投票)

第22条 市長は、市政に関する重要事項について、広く市民の意思を確認する必要があると認めたときは、市議会の議決を経て、住民投票を実施することができます。

2 市長は、有権者がその総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から住民投票に関する条例の制定の請求があり、当該条例が議決されたときはこれを実施しなければなりません。

3 住民投票に付すことができる案件、投票に参加できる者の資格その他の住民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。投票資格者を定めるにあたっては、定住外国人や未成年者に配慮するものとします。

4 市長及び市議会は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。

第8章 市議会並びに市長及び市の職員の役割と責務

第1節 市議会

(市議会の役割と責務)

第23条 市議会は、法令で定めるところにより、市民の信託に基づき選ばれた市議会議員によって構成される市の意思決定機関です。

2 市議会は、市民の意思が市政に適正に反映されているかどうかを監視しなければなりません。

3 市議会は、原則としてすべての会議を公開し、意思決定過程を市民に透明にしなければなりません。

4 市議会は、市民との情報共有を図り、また、議決に関して市民に説明責任を果たすよう、開かれた議会運営に努めなければなりません。

5 市議会は、市政を調査し、条例議案を提出するなど立法機能及び政策立案機能の強化に努めなければなりません。

6 市議会の会議は、討論を基本とし、議決にあたっては意思決定の過程及びその妥当性を市民に明らかにしなければなりません。

7 市議会は、会期外においても、市政への市民の意思の反映を図るため、市の施策の検討、調査等の活動を行うとともに市民との対話の機会を設けなければなりません。

8 市議会の責務、活動等に関しては、別に定める条例によるものとします。

(市議会議員の役割と責務)

第24条 市議会議員は、市民の信託に応え、高い倫理性のもと、公正かつ誠実に職務を遂行するとともに、市民の代表者としての品位と責務を忘れずに、常に市民全体の福祉の向上を念頭におき行動しなければなりません。

2 市議会議員は、市議会の責務を遂行するため、常に自己の見識を高めるための研鑽を怠らず、審議能力及び政策立案能力の向上に努めなければなりません。

第2節 市長及び市の職員

(市長の役割と責務)

第25条 市長は、市の代表者として、市民の信託に応え、市民全体の福祉の向上及び持続可能な地域社会の形成を目指し、公正かつ誠実に市民自治を基本とした市政運営を行わなければなりません。

2 市長は、丹波市の現状や課題を的確に把握し、長期的な将来像を市民に明らかにするとともに、市域全体に心を配る市政を推進するものとします。

3 市長は、市長の補助機関が効率的に機能するよう指揮監督し、市の職員の育成及び能力の向上を図り、市民のための施策の遂行に努めるものとします。

(市の職員の責務)

第26条 市の職員は、市民全体のために、法令を遵守するとともに、創意工夫のもと、公平、公正、誠実かつ効率的に職務を遂行しなければなりません。

2 市の職員は、職務の遂行に必要な資質、知識、技能等の向上を目指し、研修等に積極的に参加するよう努めなければなりません。

3 市の職員は、市民の一員としての自覚を持ち、地域課題の把握及び解決に努めるとともに、自らも地域のまちづくり等に参加するよう努めなければなりません。

4 市の職員は、職務上知り得た情報については、細心の注意を持って扱わなければなりません。

第9章 市政運営

第1節 市政運営の基本方針

(市政運営の原則)

第27条 市は、常に次に掲げることを基本として市政運営を行います。

(1) 本条例、各種法令規則及び総合計画に基づき、市民一人ひとりの人権を尊重し、民主的かつ公平・公正に行います。

(2) コスト意識を持ち、効率的かつ効果的に行います。

(3) 参画と協働の精神に基づき行います。

(4) 市政に関する情報を市民と共有し、透明性の高い市政を推進します。

(5) 長期的視点に基づき市政を運営します。

(総合計画)

第28条 市は、総合的かつ計画的な市政運営を図るために、長期的視点に立つ総合計画を策定しなければなりません。

2 総合計画は、丹波市の将来像である基本構想、これを実現するための方策を定める基本計画及び実施計画により構成されます。

3 総合計画は、市の政策の最上位計画であり、各分野別の計画は総合計画との整合をはからなければなりません。また、市長はこれに基づいた施策を遂行するとともに、適切な進行管理を行わなければなりません。

4 総合計画の基本構想の策定にあたっては、市議会の議決を経なければなりません。

5 総合計画の策定及び進行管理にあたっては、広く市民の参画を得るものとします。

6 市長は、総合計画について、常に社会の変化に対応できるよう検討を加え、必要に応じて見直しを行わなければなりません。

(行政組織)

第29条 市の組織は、社会情勢や行政課題に的確に対応できるよう、柔軟で、効率的かつ機能的に編成されなければなりません。

2 市の組織は、効果的な情報伝達等を行い、効率的に意思決定できるようにするとともに組織間の連携及び協力態勢を構築し、市政の効率的運営及び市民サービスの向上に努めなければなりません。

3 市の組織は、各部署が責任を持って施策を遂行し、最大限の効率を図るため、権限委譲を旨とします。

4 市長は、職員及び組織の能力が最大限に発揮できるよう、職員の適切な任用及び適材適所の人材配置に努めなければなりません。

(財政運営)

第30条 市長は、予算の編成にあたっては、当年度の施策の方針を明確にし、最小の経費で最大の効果が上げられるように努めなければなりません。

2 市長は、予算の編成方針及び編成過程並びに決算について、市民が理解できるよう分かりやすい方法で公開しなければなりません。

3 市長は、予算編成にあたっては、総合計画に基づかなければなりません。

(財政計画)

第31条 市長は、計画的かつ健全な財政運営を図るため、資産及び負債、行政コストその他多様な指標により財政状況を的確に把握するとともに、社会経済情勢の動向を踏まえた中期的な財政見通しを作成しなければなりません。

2 市長は、前項の財政状況及び財政見通しを作成したときは、所見を付して、すみやかに公表しなければなりません。

第2節 行政運営

(政策法務)

第32条 市は、市民の要望、行政課題等に対応するため、自ら責任を持って法律等を解釈し、条例、規則等の整備及び体系化を進めるなど自治権を活用し、積極的な法務行政を推進しなければなりません。

(法令遵守、公益通報)

第33条 市は、常に法令を遵守し、市政を公正に運営しなければなりません。

2 市長は、市政運営上の違法行為又は公益の損失を防止するため、公益通報について必要な措置を講じなければなりません。

3 市の職員は、公正な市政を妨げ、市に対する市民の信頼を損なう行為が行われていることを知ったときは、その事実をすみやかに通報しなければなりません。

4 正当な公益通報を行った職員は、そのことを理由に不当な扱いをされることのないよう保障されなければなりません。

5 公益通報に関して必要な事項は、別に規則で定めます。

(説明責任)

第34条 市長は、市民に対し、市政に関する政策及び計画の立案、実施、評価及び見直しについて各段階における意思決定過程の情報及び結果の事実を分かりやすく説明しなければなりません。

(応答責任)

第35条 市長等は、市民からの意見・要望・提案、苦情等があった場合は、すみやかに事実関係を調査し、誠実に対応し、必要な措置を講じなければなりません。

2 市長等は、要望及び苦情の対応を迅速かつ適正に行うために記録を作成し、整理し、保存しなければなりません。

(行政手続)

第36条 市長等は、市民の権利及び利益を保護するため、別に条例で定めるところにより、処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、公正の確保及び透明性の向上を図らなければなりません。

(行政評価)

第37条 市長等は、効果的かつ効率的な市政運営を進めるため、市の政策等について行政評価を実施し、市民にわかりやすく公表しなければなりません。

2 市長等は、前項の評価結果について、政策、予算、事務事業及び組織の改善等に反映させるよう努めなければなりません。

3 市長等は、行政評価を行うにあたっては、市民の参画を求めるものとします。

(外部監査)

第38条 市長等は、適正で効率的な行財政運営を確保するため、必要に応じて外部機関による監査を実施し、その結果を公表しなければなりません。

(広報・広聴)

第39条 市は、市政運営のための情報については市民に対して積極的な広報を行い、また、市民からの意見、提案等を求めなければなりません。

2 市は、広報・広聴を実施するにあたっては、多様な手段をとるとともに、わかりやすく表現するものとします。

(パブリックコメント)

第40条 市長等は、市の基本的な計画、重要な条例等を市議会に提案し、又は決定しようとするときは、当該計画、条例等の案を公表し広く市民の意見を聴かなければなりません。

2 市長等は、前項により提出された市民の意見を尊重し、意思決定に反映するとともに、提出された意見に対する考え方を公表しなければなりません。

3 パブリックコメントに関して必要な事項は、別に条例等で定めます。

(危機管理)

第41条 市は、災害等から市民の生命、財産及び暮らしの安全を確保するため、関係機関及び他の自治体との協力及び連携により、災害等の事態に備える総合的かつ機動的な活動が図れるよう危機管理体制の確立に努めなければなりません。

2 市は、災害等に備え、緊急時の対応と復旧に関する計画を策定するとともに、これを担う体制を整備し、情報の収集、訓練等を行わなければなりません。また、災害時に被害を可能な限り減らすよう、事前の対応を充実させるよう努めなければなりません。

3 市民は、災害等の発生時においては、自らを守る努力をするとともに、その役割の重要性を認識し、相互に協力して災害等に対応しなければなりません。

第10章 連携

(連携)

第42条 市は、国及び県と対等な立場で、補完性の原則に基づいた適切な役割分担を行いながら、連携及び協力して市民自治の確立に努めなければなりません。

2 市は、他の地方公共団体と共通する課題に対しては、関連する当該地方公共団体と積極的に連携及び協力して、その解決や問題の発生予防に努めなければなりません。

3 市は、国際社会に果たす役割を自覚し、人権尊重や多文化共生、平和の維持の理念を掲げつつ、広く国際社会との交流及び連携に努めるものとします。

第11章 条例の位置付け及び見直し

(条例の位置付け)

第43条 この条例は、丹波市の最高規範であり、市は、他の条例、規則、規定及び各種基本計画等の制定、改廃及び運用にあたっては、この条例の趣旨を最大限に尊重し、整合を図るものとします。

(条例の見直し)

第44条 市は、この条例が社会情勢に適合しているかどうかを適切な時期に検証し、その結果に基づいて、必要な見直しを行うものとします。

2 市長は、前項に規定する検証及び見直しを行うにあたっては、市民の意見を反映するために必要な措置を講じなければなりません。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行します。

(丹波市自治基本条例審議会条例の一部改正)

2 丹波市自治基本条例審議会条例(平成21年丹波市条例第41号)の一部を次のように改正する。

第1条中「策定、審議、」を削る。

第2条中第3号を削り、第4号を第3号とし、同条第5号中「前各号」を「前3号」に改め、同号を同条第4号とする。

附 則(平成26年1月24日条例第1号)

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

附 則(平成29年3月13日条例第7号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2013/05/14(火) 04:35

養父市まちづくり基本条例

○養父市まちづくり基本条例

平成21年3月23日条例第2号

目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 まちづくりの理念(第3条)
第3章 まちづくりの基本原則(第4条―第6条)
第4章 市民の権利と責務(第7条・第8条)
第5章 議会及び議員の責務(第9条・第10条)
第6章 市長及び市職員の責務(第11条・第12条)
第7章 市民参加と協働(第13条―第15条)
第8章 地域コミュニティ(第16条―第18条)
第9章 市政運営(第19条―第24条)
第10章 まちづくりの基本施策
第1節 人権を尊重するまちづくり(第25条)
第2節 安全で安心して暮らせるまちづくり(第26条―第28条)
第3節 あらゆる人にやさしいまちづくり(第29条―第31条)
第4節 自然と歴史・文化を大切にするまちづくり(第32条・第33条)
第5節 活力を生みだすまちづくり(第34条・第35条)
第11章 条例の位置付け及び見直し(第36条・第37条)
附則

私たちのふるさと養父市は、氷ノ山をはじめ雄大で美しい山々に抱かれ、これらに源を発した清流八木川、大屋川や名瀑天滝など豊かな自然に恵まれたまちです。かつての明延鉱山の隆盛をはじめ、近代に入っては、西日本随一の養蚕業などの発展により、但馬地方の商都としても繁栄してきました。
また、古くから山陰街道など交通の要衝として、人、もの、情報、文化が行き交い、これらをその時代時代に生きた先人たちが、巧みに地域風土に融合させながら独自の文化をはぐくみ、現在まで大切に受け継がれてきています。
今日、急激な人口減少や少子高齢化が進むなど、私たちの地域社会を取りまく環境は、大きく変化してきています。
時代の転換期を迎えた今、私たちは、先人が培った豊かな心と自助自立の精神を引き継ぎながら、みんなが「いつまでも住み続けたい」と思えるまち養父市をめざします。
まちづくりの主役は市民です。
私たちは、一人ひとりが自立し、行動する市民として、自らの地域を見つめ、お互いに心を響きあわせながら、ともに働く元気な養父市を築くため、この条例を制定します。

 第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、養父市のまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、市民の権利と責務、議会及び市の責務を明らかにし、市民が主体的にまちづくりに参加し、市民相互及び市民と市が協働することによって、活力のある自立したまちの実現を図ることを目的とします。
(用語の意味)
第2条 この条例において「市民」とは、次に掲げるものをいいます。
(1) 市内に居住する人
(2) 市内で働く人、学ぶ人又は活動する人及び団体
(3) 市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

 第2章 まちづくりの理念
(基本理念)
第3条 まちづくりは、市民と市の相互の理解、信頼そして協働のもとに、次に掲げる事項を基本理念として進めます。
(1) 一人ひとりの人権が尊重され、すべての市民が持てる能力を最大限に発揮できるまちづくり
(2) 安全・安心に暮らせる、助けあい、支えあいのやさしいまちづくり
(3) 子どもからお年寄りまですべての市民が、元気に健康で、夢と希望の持てる明るいまちづくり
(4) 豊かな自然と歴史や伝統文化を大切にし、生かすことのできるまちづくり
(5) 自然と共生しながら、元気な地場産業を育て、地域経済が循環し、発展していく活力のあるまちづくり

 第3章 まちづくりの基本原則
(市民主体の原則)
第4条 まちづくりの主体である市民一人ひとりは、しあわせに暮らすために自ら考え行動してまちづくりを進めます。
(相互協働の原則)
第5条 市民と市は、市民相互及び市民と市の相互理解と信頼関係を築くように努め、それぞれの持つ情報の共有を図り、知恵と力を持ち寄り協働してまちづくりを進めます。
(地域尊重の原則)
第6条 市民と市は、暮らしの基盤である地域コミュニティの個性と自主的な活動を尊重してまちづくりを進めます。

 第4章 市民の権利と責務
(市民の権利)
第7条 市民は、だれもが自由かつ平等にまちづくりに参加する権利を有します。
2 市民は、主体的に考え行動するために、まちづくりに関する情報を知る権利を有します。
3 市民によるまちづくりの活動は、自主性と自立性が尊重されます。
4 まちづくりの活動によりもたらされる福祉は、市民が等しくこれを享受する権利を有します。
(市民の責務)
第8条 市民は、まちづくりの主体であることを認識するとともに、積極的にまちづくりに参加するように努めます。
2 市民は、市民相互の信頼と連帯を深めるように努めます。
3 市民は、まちづくりの活動において、自主的な活動をお互いに尊重するとともに、自らの発言と行動に責任を持ちます。
4 事業者は、地域社会の一員として、まちづくりにおける社会参加活動に理解を深め、従業員などの行う地域活動に配慮するなど、まちづくりに寄与するように努めなければなりません。

 第5章 議会及び議員の責務
(議会の責務)
第9条 議会は、市の最高意思決定機関として、市民の多様な意思が市政に反映されるように活動しなければなりません。
2 議会は、市政運営が適正に行われるように調査、監督するとともに、議会活動についてわかりやすく市民に説明しなければなりません。
(議員の責務)
第10条 議員は、調査研究活動などを通じ、審議、政策の提案と立法に関する活動の充実に努めなければなりません。
2 議員は、自らが行う調査、研究などの活動や市政運営に関する自らの考えについて広く市民に伝えるように努めなければなりません。
3 議員は、市民の信頼にこたえ、すべての市民のために誠実に職務を遂行するとともに、議会の責務を果たすため、自己の研さんに努めなければなりません。

 第6章 市長及び市職員の責務
(市長の責務)
第11条 市長は、市の代表者として、市民の信託にこたえ、公正かつ誠実に市政を運営しなければなりません。
(市職員の責務)
第12条 市職員は、全体の奉仕者であることを認識し、市民との信頼関係を築き、公正かつ誠実に全力でまちづくりの推進に努めなければなりません。
2 市職員は、自らも地域の一員として、地域のまちづくり活動に積極的に参加するように努めなければなりません。
3 市職員は、地域の課題に適切に対応するとともに、効率的な職務の遂行のため、まちづくりに必要な能力の開発と自己啓発に努めなければなりません。

 第7章 市民参加と協働
(市民参加への保障)
第13条 市は、すべての市民が平等にまちづくりに参加する機会を保障し、市民参加に必要な措置を講じなければなりません。
(市民参加と協働の推進)
第14条 市は、まちづくりに関する重要な政策の企画立案、計画の策定、実施及び評価のそれぞれの段階において、市民参加を進め、市民の多様な意見が適切に反映するように努めるとともに、まちづくりは市民の力を生かして協働で実施することを基本としなければなりません。
(住民投票)
第15条 市は、市民の暮らしにかかわる重要な事項について、直接市民の意思を確認するため住民投票の制度を設けることができます。

 第8章 地域コミュニティ
(コミュニティの尊重)
第16条 市民と市は、生活に身近で相互に支えあうことができる地域共同体としてのコミュニティの役割を認識し、これを守り育てるように努めなければなりません。
2 市民は、しあわせに暮らせる地域づくりのために、地域コミュニティの活動に積極的に参加するように努めます。
3 市は、地域コミュニティの自主自立的な活動を尊重するとともに、必要な支援をするように努めなければなりません。
(相互連携と協働)
第17条 市民は、お互いの地域コミュニティの活動を尊重するとともに、必要に応じて連携、協力しあいまちづくりを進めるように努めます。
2 市民は、持続可能な活力ある地域づくりを進めるため、多様な地域コミュニティを包括する地域自治組織を設置することができます。
(生涯学習の推進によるまちづくり)
第18条 市民は、生涯学習に努めるとともに、自らの知識や能力をまちづくりに還元するよう努めます。
2 市は、市民の社会参加を促進するため生涯学習の機会を提供し、自主自立的なまちづくりの活動を支援しなければなりません。

 第9章 市政運営
(情報共有、公開と提供)
第19条 市は、まちづくりに関する市民の知る権利を保障し、まちづくりに関して保有する情報を積極的に公開及び提供し、市民との情報共有に努めなければなりません。
2 市は、情報を公開及び提供するにあたっては、市民にわかりやすい方法で行うよう努めなければなりません。
(説明責任)
第20条 市は、政策の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その内容と必要性を市民にわかりやすく説明しなければなりません。
(個人情報の保護)
第21条 市は、市民の権利と利益が侵害されることのないよう個人情報を保護しなければなりません。
(健全な財政運営)
第22条 市は、予算の編成と執行にあたっては、最小の経費で最大の効果をあげるように努めなければなりません。
2 市は、中長期的な展望に立った自主的かつ健全な財政運営を行わなければなりません。
3 市は、市民にわかりやすい財務に関する資料を作成し、公表しなければなりません。
(評価)
第23条 市は、効率的かつ効果的な市政運営を進めるため、常に検証と評価を行い、その結果を的確に施策に反映させるように努めなければなりません。
(連携と交流)
第24条 市は、広域的な課題の解決などのため、近隣自治体や関係機関などと相互協力と連携を進め、地域全体の発展に努めなければなりません。
2 市民と市は、まちづくりに関する情報を発信するとともに、積極的に交流を進め、市外の人々などの知恵や力をまちづくりに生かすように努めなければなりません。

 第10章 まちづくりの基本施策
第1節 人権を尊重するまちづくり
(人権の尊重)
第25条 市民と市は、国籍、年齢、性別、心身の状況、社会的又は経済的状況などの違いにかかわらず、それぞれの個性を尊重し、異なる価値観を認めあえるまちづくりに努めなければなりません。
2 市は、すべての市民がそれぞれの個性と能力を最大限に発揮し、誇りを持って暮らせるまちの実現のため、必要な施策を講じなければなりません。
第2節 安全で安心して暮らせるまちづくり
(安全安心の環境整備)
第26条 市民と市は、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、関係機関との協力及び連携を図り、防災及び防犯のための環境整備に努めなければなりません。
(危機管理)
第27条 市は、災害などに際して市民の身体、生命及び財産を守るため危機管理体制の確立に努めなければなりません。
2 市民は、災害などに備えるとともに、お互いに助けあいます。
(健康に暮らせるまち)
第28条 市は、保健、医療及び福祉の連携を進め、市民の健康を支えるための必要な環境整備に努めなければなりません。
2 市民は、自分の健康は自分で守れるよう、主体的な健康づくりに努めます。
第3節 あらゆる人にやさしいまちづくり
(子どもにやさしいまち)
第29条 市民と市は、未来を担う子どもたちが、健やかに学び、心豊かに成長できるまちづくりを進めなければなりません。
2 市は、安心して出産や子育てができる環境整備に努めなければなりません。
3 市民は、地域で一体となり、子どもたちを育てます。
(高齢者や障害者にやさしいまち)
第30条 市は、高齢者や障害者が自立して社会に参加し、生きがいをもって、安心して暮らせるまちの実現に努めなければなりません。
2 市民は、地域で一体となり、高齢者や障害者を支えあいます。
(あらゆる人にやさしいまち)
第31条 市民と市は、あらゆる人々が、利用しやすい施設の整備など容易かつ安全に移動や活動ができる環境整備に努めなければなりません。
2 市は、市民の暮らしを支える身近な商業や公共交通などの維持確保及び利便性の向上のため市民と協力して必要な施策を講じなければなりません。
第4節 自然と歴史・文化を大切にするまちづくり
(自然と共生するまち)
第32条 市民と市は、大切な共有財産である緑豊かな自然を守り、将来に引き継ぐことを責務とし、環境の保全に努めなければなりません。
2 市は、市民、交流人及び観光客などと連携を深め、美しい山々や清流、そして生き物たちとの共生を進めるための必要な取組を進めなければなりません。
3 市民は、日常の暮らしやさまざまな社会活動において、自然環境にやさしい生活に努めます。
(歴史、文化を守り創造するまち)
第33条 市民と市は、豊かな心をはぐくむ歴史、文化及び伝統を守り育てるように努めなければなりません。
2 市は、市民による歴史、伝統文化の保護及び継承活動並びに新たな文化創造活動に対して必要な支援をしなければなりません。
第5節 活力を生みだすまちづくり
(活力のあるまち)
第34条 市民と市は、恵まれた地域資源とはぐくんできた経験を意欲的に生かした地域の振興に努めなければなりません。
2 市は、市民と協力して、市民の暮らしの基盤である地域産業の振興及び後継者の育成並びに新たな産業の創造のために必要な施策を講じなければなりません。
(次世代を育てるまち)
第35条 市民と市は、まちづくりは人づくりであるとの認識のもと、青少年の郷土愛をはぐくみ、のびのびと育つ教育環境の整備に努めなければなりません。
2 市は、ふるさとを愛する次世代の育成に努めるとともに、若者が生き生きと働き暮らせる環境整備に努めなければなりません。

 第11章 条例の位置付け及び見直し
(条例の位置付け)
第36条 この条例は、養父市のまちづくりの基本となるものであり、他の条例、規則の制定や改廃及び制度の整備を行う場合には、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければなりません。
(条例の見直し)
第37条 市は、5年を越えない期間ごとに、この条例について市民とともに検討を加え、その結果を踏まえ、見直すなど必要な措置を講じなければなりません。

附 則
この条例は、平成21年7月1日から施行する。

Filed under: 条例 — woodpecker 公開日 2013/05/14(火) 04:27
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